申命記(30)偶像礼拝に対する警告12:29~13:18

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偶像礼拝に関する警告について学ぶ。

申命記 30回

「偶像礼拝に対する警告」

申12:29~13:18 (朗読箇所 12:29~13:5)

1.はじめに

    (1)第2の説教:契約に基づく義務

      ①総論:臣下の義務(4:44~5:33)

      ②全的従順の呼びかけ(6~11章)

      ③律法の解説と日常生活への適用(12:1~26:15)

      ④【主】に対する誓約(26:16~19)

    (3)この箇所は、律法の各論的解説とその適用である。

      ①この箇所は12項目に分割することができる。

      ②今回は、項目3を取り上げる。

      ③内容は、第2戒に関する警告である。

  2.メッセージのアウトライン

    (3)偶像礼拝に対する警告(12:29~13:18)

      ①偶像の神々(12:29~32)

      ②偽預言者のことば(13:1~5)

      ③愛する者のことば(13:6~11)

      ④よこしまな者のことば(13:12~18)

  3.結論

    (1)イスラエルの民のその後

    (2)主イエスに対する献身

偶像礼拝に関する警告について学ぶ。

Ⅰ.偶像の神々(12:29~32)

  1.29~30節

Deu 12:29 あなたが入って行って所有しようとしている国々をあなたの神、【主】があなたの前から絶ち滅ぼし、あなたがそれらを所有して、その地に住むようになったら、

Deu 12:30 よく気をつけて、彼らがあなたの前から根絶やしにされた後に、彼らに倣って罠に陥らないようにしなさい。「これらの異邦の民はどのように神々に仕えたのだろう。私もそうしてみよう」と言って、彼らの神々を求めることのないようにしなさい。

    (1)礼拝に関する規定に続いて、偶像礼拝の禁止令が繰り返される。

      ①イスラエルの民は、カナン人の偶像礼拝から完全に離れる必要があった。

      ②モーセは、イスラエルの民が偶像礼拝に弱いということを見抜いていた。

    (2)偶像礼拝が重大な罪である理由(その1)

      ①約束の地に定住できたのは、【主】が敵を滅ぼされたからである。

      ②イスラエルの民は、【主】の恵みによってその土地を所有するようになった。

      ③イスラエルの民の生活は、【主】の恵みによって支えられている。

      ④宗主権契約においては、王に忠誠を誓わないことは死に値する罪である。

      ⑤【主】の恵みを体験しながら、ちょっとした好奇心で道を誤るのは罪である。

      ⑥偶像礼拝に興味を持つのは、民の心が堕落していたことの証拠である。

      ⑦リビングバイブルの訳文

Deu 12:29 神様が国々を滅ぼされ、あなたがたがそこに住みつくようになっても、

Deu 12:30そこの神々を拝むようなまねは、まちがってもしてはいけません。『どんなふうに拝めばいいのですか』などと言って、のこのこ拝みに行ってはいけません。

  2.31~32節

Deu 12:31 あなたの神、【主】に対して彼らのように礼拝してはならない。彼らは【主】が憎むあらゆる忌み嫌うべきことをその神々に行い、自分たちの息子、娘を自分たちの神々のために火で焼くことさえしたのである。

Deu 12:32 あなたがたは、私があなたがたに命じるすべてのことを守り行わなければならない。これにつけ加えたり減らしたりしてはならない。

    (1)偶像礼拝が重大な罪である理由(その2)

      ①偶像礼拝には、【主】が憎むあらゆる忌み嫌うべき行為が伴っている。

      ②代表的な例は、性的堕落である。

      ③さらに、自分たちの息子、娘を偶像のために焼くことさえした。

        *これは、アモリ人の偶像モレクに捧げるいけにえであった。

      ④この罪に対する罰は、死刑である(レビ20:2~5)。

      ⑤【主】の命令に何かをつけ加えたり、減らしたりしてはならない。

    (2)偶像礼拝への誘惑は3つの方法でやって来る。

      ①偽預言者、愛する者、よこしまな者

Ⅱ.偽預言者のことば(13:1~5)

  1.1~3a節

Deu 13:1 あなたがたのうちに預言者または夢見る者が現れ、あなたに何かのしるしや不思議を示し、

Deu 13:2 あなたに告げたそのしるしと不思議が実現して、「さあ、あなたが知らなかったほかの神々に従い、これに仕えよう」と言っても、

Deu 13:3a その預言者、夢見る者のことばに聞き従ってはならない。

    (1)真理は、奇跡によって証明されるわけではない。

①奇跡は、どの宗教でも起こり得る現象である。

②預言者や夢見る者が奇跡を行っても、信用してはならない。

③真理かどうかを判断する基準は、奇跡や体験ではなく、神のことばである。

    (2)サタンは、人々を惑わすために、偽の宗教や偽預言者を利用する。

      ①2コリ11:13~14

2Co 11:13 こういう者たちは偽使徒、人を欺く働き人であり、キリストの使徒に変装しているのです。

2Co 11:14 しかし、驚くには及びません。サタンでさえ光の御使いに変装します。

      ②ユダヤ人がイエスを信じないのは、イエスを偽預言者と考えるからである。

  2.3b~4節

Deu 13:3b  あなたがたの神、【主】は、あなたがたが心を尽くし、いのちを尽くして、本当にあなたがたの神、【主】を愛しているかどうかを知ろうとして、あなたがたを試みておられるからである。

Deu 13:4 あなたがたの神、【主】に従って歩み、主を恐れなければならない。主の命令を守り、御声に聞き従い、主に仕え、主にすがらなければならない。

    (1)神が偽預言者の活動を許している理由は、【主】への愛を試すためである。

      ①誘惑に勝つ度に、私たちの信仰は強くなる。

      ②ヤコ1:2~4

Jas 1:2 私の兄弟たち。様々な試練にあうときはいつでも、この上もない喜びと思いなさい。

Jas 1:3 あなたがたが知っているとおり、信仰が試されると忍耐が生まれます。

Jas 1:4 その忍耐を完全に働かせなさい。そうすれば、あなたがたは何一つ欠けたところのない、成熟した、完全な者となります。

  3.5節

Deu 13:5 その預言者あるいは夢見る者は殺されなければならない。なぜならその人は、あなたがたをエジプトの地から導き出して奴隷の家から贖い出された、あなたがたの神、【主】に対して、あなたがたが反逆するようにそそのかし、あなたがたの神、【主】が歩めと命じた道から、あなたを迷わせようとするからである。あなたがたの中からその悪い者を除き去りなさい。

    (1)偽預言者や夢見る者は殺されなければならない。

      ①イスラエルの民の間から、悪を除き去るためである。

      ②偶像礼拝に誘導する者たちを放置すると、国が滅びる。

Ⅲ.愛する者のことば(13:6~11)

  1.6~7節

Deu 13:6 あなたと母を同じくする兄弟、あるいはあなたの息子、娘、あるいはあなたの愛妻、あるいはあなたの無二の親友がひそかにあなたをそそのかして、「さあ、ほかの神々に仕えよう」と言うかもしれない。これはあなたも先祖たちも知らなかった神々で、

Deu 13:7 地の果てから果てまで、あなたの近くにいる、あるいはあなたから遠く離れている、あなたがたの周りのあらゆる民の神々である。

    (1)誘惑は、兄弟、妻、息子、娘、親友からもやって来る。

      ①この場合の誘惑は、ひそかにやって来る。

      ②さらに、個人的にやって来る。

    (2)「あなたも先祖たちも知らなかった神々」

      ①これらの偶像に関して、知識がないという意味ではない。

      ②体験的に、これらの偶像を知らなかったという意味である。

      ③つまり、これらの偶像は、イスラエルの民を助けたことがないのである。

      ④【主】は、イスラエルの民をエジプトから解放された。

      ⑤それゆえ、宗主権契約が成り立つのである。

  2.8~11節

Deu 13:8 あなたはそういう者に同意しようとしたり、耳を貸したりしてはならない。そのような者にあわれみをかけたり、容赦したり、かばったりしてはならない。

Deu 13:9 必ずその人を殺さなければならない。彼を処刑するには、まず、あなたが彼に手を下し、その後で、民全員が手を下すようにしなさい。

Deu 13:10 彼を石で打ちなさい。彼は死ななければならない。彼は、エジプトの地、奴隷の家からあなたを導き出されたあなたの神、【主】から、あなたを迷わせようとしたからである。

Deu 13:11 イスラエルはみな聞いて恐れ、二度とこのような悪をあなたがたのうちで行わないであろう。

    (1)愛する者をかばいたくなるのが人情であるが、【主】に従うべきである。

      ①同意するな。耳を貸すな。あわれみをかけるな。容赦するな。かばうな。

      ②石打の刑を実行せよ。

        *最初に、あなたが石を投げる。

        *これは、自分の証言が真実であることの証明となる。

        *その後で、民全員が手を下す。

      ③【主】との関係を家族関係よりも優先させるということである。

    (2)この行為は、イスラエルの民に恐れをもたらす。

      ①偶像礼拝の誘惑に陥ることがいかに重罪であるかを理解するようになる。

Ⅳ.よこしまな者のことば(13:12~18)

  1.12~14節a

Deu 13:12 もしあなたの神、【主】があなたに与えて住まわせる町の一つで、

Deu 13:13 よこしまな者たちがあなたのうちから出て、「さあ、あなたがたが知らなかったほかの神々に仕えよう」と言って町の住民を迷わせたと聞いたなら、

Deu 13:14a あなたは調べ、探り、よく問いたださなければならない。

    (1)よこしまな者は、ならず者、邪悪な者、煽動する者、秩序を破壊する革命家。

      ①彼らには説得力があるので、町全体を迷わせることができる。

      ②【主】が与えてくださった町を破壊するので、最も危険な人たちである。

  2.14b~16節

Deu 13:14b もしそのような忌み嫌うべきことが、あなたがたのうちで行われたことが事実で確かなら、

Deu 13:15 あなたはその町の住民を必ず剣の刃で討たなければならない。その町とそこにいるすべての者、その家畜も剣の刃で聖絶しなさい。

Deu 13:16 そのすべての略奪物を広場の中央に集め、その町と略奪物のすべてを、あなたの神、【主】への焼き尽くすささげ物として火で燃やさなければならない。その町は永久に廃墟となり、再建されることはない。

    (1)この場合の罰は劇的なものなので、先ず事実関係を慎重に調べる必要がある。

      ①住民が偶像礼拝に走ったことが事実なら、カナン人の町のように扱う。

      ②その町を聖絶する。

        *町の住民と家畜を剣の刃で討ち、略奪物のすべてを広場で燃やす。

        *その町は、永久に廃墟となり、再建されることはない。

      ③ベニヤミン族の町ギブアの例がある(士20章)。

  3.17~18節

Deu 13:17 その聖絶の物は、一部でも、あなたの手の中にとどまることがあってはならない。それは【主】が燃える怒りを収めて、あなたにあわれみを施し、あなたの父祖たちに誓ったとおりに、あなたをあわれんで、あなたを増やすためである。

Deu 13:18 というのは、あなたは必ずあなたの神、【主】の御声に聞き従って、私が今日あなたに命じるすべての主の命令を守り、あなたの神、【主】の目にかなうことを行わなければならないからである。

    (1)聖絶の物を、一部でも、自分のために取ってはならない。

      ①これは、約束の地を清めるための手段である。

      ②聖絶によって、【主】の怒りは静められる。

      ③【主】は再び、イスラエルの民を祝福される。

      ④先祖たちに誓ったとおりである。

      ⑤それゆえ、【主】の命令を守り、【主】の目にかなうことを行う必要がある。

    (2)イスラエルの民は、この章に記された命令に背いた。

      ①その結果、北王国の滅び、南王国の滅びがやって来た。

      ②この章の命令は、クリスチャンには適用されない。

        *新約時代の教会は、「神政政治」の王国ではない。

        *しかし、罪を犯した者への処罰は行うべきである。

結論

  1.イスラエルの民のその後

(1)モレクは、アモリ人の偶像である。

      ①モレク礼拝は、最も堕落した形の偶像礼拝である。

    (2)イスラエルの民が破滅に至るステップ

①カナン人の偶像礼拝に対して少しばかりの好奇心を抱く。

②カナン人が礼拝しているように、偶像を礼拝してみる。

③それが習慣化し、そこから抜けられなくなる。

④最後は、【主】の怒りを買い、裁かれる。

    (3)聖句

      ①レビ18:21

Lev 18:21 また、自分の子どもを一人でも、火の中を通らせてモレクに渡してはならない。あなたの神の名を汚してはならない。わたしは【主】である。

      ②1列11:7(ソロモン王)

1Ki 11:7 当時ソロモンは、モアブの忌むべきケモシュのために、エルサレムの東にある山の上に高き所を築いた。アンモン人の、忌むべきモレクのためにも、そうした。

      ③2列23:10(ヨシヤ王)

2Ki 23:10 彼はベン・ヒノムの谷にあるトフェトを汚し、だれも、自分の息子や娘に火の中を通らせてモレクに献げることのないようにした。

      ④エレ32:35(【主】の怒り)

Jer 32:35 ベン・ヒノムの谷にバアルの高き所を築き、自分の息子、娘たちに火の中を通らせてモレクに渡した。しかしわたしは、この忌み嫌うべきことを行わせてユダを罪に陥らせようなどと、命じたことも、心に思い浮かべたこともない。」

      ⑤2列17:17(バビロン捕囚の主要原因のひとつ)

2Ki 17:17 また、自分たちの息子や娘たちに火の中を通らせ、占いをし、まじないをし、【主】の目に悪であることを行うことに身を任せ、主の怒りを引き起こした。

    (3)私たちへの警告(少しばかりの好奇心への警告 エペ5:10~12)

Eph 5:10 何が主に喜ばれることなのかを吟味しなさい。

Eph 5:11 実を結ばない暗闇のわざに加わらず、むしろ、それを明るみに出しなさい。

Eph 5:12 彼らがひそかに行っていることは、口にするのも恥ずかしいことなのです。

  2.主イエスに対するの献身

    (1)宗主権契約をモデルにして、イエスへの献身を考えてみよう。

      ①主イエスは、私たちを罪と死の束縛から解放してくださった。

      ②主イエスには、私たちに忠誠を要求する権利がある。

    (2)マタ10:34~39

Mat 10:34 わたしが来たのは地上に平和をもたらすためだ、と思ってはいけません。わたしは、平和ではなく剣をもたらすために来ました。

Mat 10:35 わたしは、人をその父に、娘をその母に、嫁をその姑に逆らわせるために来たのです。

Mat 10:36 そのようにして家の者たちがその人の敵となるのです。

Mat 10:37 わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしい者ではありません。わたしよりも息子や娘を愛する者は、わたしにふさわしい者ではありません。

Mat 10:38 自分の十字架を負ってわたしに従って来ない者は、わたしにふさわしい者ではありません。

Mat 10:39 自分のいのちを得る者はそれを失い、わたしのために自分のいのちを失う者は、それを得るのです。

      ①愛する者の中にはキリストの福音に敵対する者もいる。

      ②キリストの福音は、家族を2分する。

      ③クリスチャンの優先順位は、先ずキリスト、次に家族である。

      ④十字架を負うとは、家族からの憎しみや死の可能性さえも受容すること。

      ⑤結果的に、その人はキリストにあるいのちを見出す。

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