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申命記(29)礼拝に関する規定 12:1~28
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礼拝に関する規定について学ぶ。
申命記 29回
「礼拝に関する規定」
申12:1~28 (朗読箇所 12:1~7)
1.はじめに
(1)第2の説教:契約に基づく義務
①総論:臣下の義務(4:44~5:33)
②全的従順の呼びかけ(6~11章)
③律法の解説と日常生活への適用(12:1~26:15)
④【主】に対する誓約(26:16~19)
(3)ここから、各論的解説とその適用に入る。
①この区切りを12項目に分けて解説する。
②今回は、項目の1と2を取り上げる。
③この区切りでは、繰り返しがよく出て来る。
*繰り返しは、重要な教授法である。
*モーセは、口頭で律法を伝えている。
2.メッセージのアウトライン
(1)イントロダクション(12:1)
(2)礼拝に関する規定(12:2~28)
①偶像の破壊(2~4節)
②礼拝の場所(5~7節)
③礼拝の方法(8~14節)
④ささげ物(15~28節)
3.結論:廃棄されたものと残されたもの
(1)礼拝の場所
(2)礼拝の喜び
(3)礼拝の本質
礼拝に関する規定について学ぶ。
Ⅰ.イントロダクション(12:1)
1.1節
Deu 12:1
これは、あなたの父祖の神、【主】があなたに与えて所有させてくださった地で、あなたがたがその土地に生きるすべての日々に、守り行わなければならない掟と定めである。
(1)モーセは、【主】の掟と定めを要約して語っている。
①出エジプトとレビ記には、律法の詳細が記録されている。
②申命記では、モーセは、民を堕落から守るために律法の要点を語っている。
③これらの律法を行えば、堕落の危険を回避することができる。
(2)これらの律法は、約束の地での生活を前提とした戒めである。
①イスラエルの民は、モアブの野にいた。
②約束の地に入る前に、モーセはその地が与えられると確信していた。
③「【主】があなたに与えて所有させてくださった地で、」(完了形)
④約束の地が与えられたという前提で、民はモーセに耳を傾ける必要がある。
Ⅱ.礼拝に関する規定(12:2~28)
1.偶像の破壊(2~4節)
(1)2~4節
Deu 12:2
あなたがたが追い払おうとする異邦の民がその神々に仕えた場所は、高い山の上でも、丘の上でも、また青々と茂るどの木の下でも、それをことごとく破壊しなければならない。
Deu 12:3
彼らの祭壇を打ち壊し、石の柱を打ち砕き、アシェラ像を火で焼き、神々の彫像を切り倒して、それらの名をその場所から消し去りなさい。
Deu 12:4 あなたがたの神、【主】に対しては、そのように礼拝してはならない。
(2)古代中近東の宗教では、高い山や丘は、重要な意味を持っていた。
①神々はそこで生まれ、そこに住んでいると考えられた。
②青々と茂る木も、豊穣神礼拝にとっては、重要な意味を持っていた。
③征服者は、そこにある偶像礼拝の場を、自分の偶像を礼拝する場と変えた。
④その結果、カナンの地には偶像礼拝の場が無数に存在していた。
(3)完全に破壊すべきもの
①山の上、丘の上、青々と茂る木の下などに建てられた祭壇
②石の柱(男性の豊穣神のシンボルであろう)
③アシェラ像(女性の豊穣神のシンボルである木の像)
④神々の彫像
(4)カナン人たちが偶像を礼拝するように、【主】を礼拝してはならない。
①偶像礼拝に関わるものを完全に破壊するのは、【主】への献身の表明である。
②偶像神の存在は信じていないので、偶像への恐れはないという表明である。
(5)この命令は、イスラエルの民だけに適用すべきものである。
①クリスチャンにこの命令を適用してはならない。
②しかし、クリスチャンが学ぶべき教訓はある。
2.礼拝の場所(5~7節)
(1)5~7節
Deu 12:5
ただ、あなたがたの神、【主】がご自分の住まいとして御名を置くために、あなたがたの全部族のうちから選ばれる場所を尋ねて、そこへ行かなければならない。
Deu 12:6
あなたがたは全焼のささげ物、いけにえ、十分の一、あなたがたが供える奉納物、誓願のささげ物、進んで献げるもの、あなたがたの牛や羊の初子をそこに携えて行きなさい。
Deu 12:7
そこであなたがたは家族の者とともに、あなたがたの神、【主】の前で食事をし、あなたの神、【主】が祝福してくださった、あなたがたのすべての手のわざを喜び楽しみなさい。
(2)カナンの地に入ったなら、【主】はひとつの場所を選ばれる。
①【主】がご自身の住まいとして御名を置くために選ばれる場所
②遍在の【主】が、特にイスラエルの民のために臨在を表わされる。
③イスラエルの民は、その場所に行って【主】を礼拝する。
④幕屋(神殿)のある場所であり、神とイスラエルの民が出会う場所である。
⑤もちろん、【主】に祈ることは、どこで行ってもよかった。
(3)神の命令によって、その場所は変わる。
①最終的に固定されたのは、ダビデが契約の箱をエルサレムに移動させた時。
②その場所に、ソロモンが神殿を建設した。
(4)礼拝の際に、種々のささげ物を捧げる。
①イスラエルの民の礼拝には、喜びが伴っている。
②家族の者とともに、【主】の前で食事をし、喜び楽しむ。
③【主】の豊かな祝福を信じているので、安心して楽しむことができる。
(5)申命記は、宗主権契約の契約書である。
①王は臣民から完全な忠誠を要求する。
②臣民は、王を迂回して、外国の王たちと交流してはならない。
③さらに、臣民は、王以外の外国の王たちに貢ぎ物を贈ってはならない。
(6)しかし、イスラエルの民は失敗する(1列14:22~23)。
1Ki 14:22
ユダの人々は【主】の目に悪であることを行い、彼らが犯した罪によって、その先祖たちが行ったすべてのこと以上に主のねたみを引き起こした。
1Ki 14:23 彼らも、すべての高い丘の上や青々と茂るあらゆる木の下に、高き所や、石の柱や、アシェラ像を立てた。
3.礼拝の方法(8~14節)
(1)8~9節
Deu 12:8 あなたがたは、私たちが今日ここでしているようにしてはならない。それぞれが自分の目にかなうことをしている。
Deu 12:9 あなたがたがまだ、あなたの神、【主】があなたに与えようとしておられる安住の地、ゆずりの地に入っていないからである。
①イスラエルの民は、自分の目によいと思う方法で牛、羊、やぎを屠っていた。
②レビ17:3~4は、先ず幕屋に持って来て、祭司に見せるように命じていた。
③そうしない者は、血を流した責任を問われることになる。
*この規定は、イスラエルの民を偶像礼拝から守るためである。
*また、血を食べることがないようにするためである。
④約束の地に入ったなら、そのような自分勝手な行為は許されない。
(2)10~11節
Deu 12:10
あなたがたがヨルダン川を渡り、あなたがたの神、【主】があなたがたに受け継がせようとしておられる地に住み、主が周囲のすべての敵からあなたがたを守って安息を与え、あなたがたが安らかに住むようになったら、
Deu 12:11
あなたがたの神、【主】が御名を住まわせるために選ばれる場所へ、私が命じるすべての物を携えて行かなければならない。あなたがたの全焼のささげ物といけにえ、十分の一と、あなたがたが供える奉納物、それに【主】に誓う最良の誓願のささげ物である。
①約束の地に定住したなら、【主】の命令通りにささげ物を捧げる。
②【主】が指定された場所に行く(幕屋、神殿がある場所)。
③モーセが命じるすべての物を携えて行く。
*全焼のささげ物、十分の一、奉納物、最良の誓願のささげ物
(3)12~14節
Deu 12:12
あなたがたは息子、娘、男奴隷、女奴隷とともに、あなたがたの神、【主】の前で喜び楽しみなさい。また、あなたがたの町囲みの中にいるレビ人とも、そうしなさい。レビ人には、あなたがたと同じようには相続地が割り当てられないからである。
Deu 12:13 全焼のささげ物を、自分勝手な場所で献げないように気をつけなさい。
Deu 12:14
ただ【主】があなたの部族の一つのうちに選ばれる場所で、あなたは全焼のささげ物を献げ、そこで、私があなたに命じるすべてのことを行いなさい。
①礼拝は、喜び楽しむ時である。
②息子、娘、男奴隷、女奴隷などがすべてこの喜びに参加する。
*ささげ物の一部を食して、宴会を催す。
③その時に同じ町にいるレビ人も、この 宴会に参加する。
*レビ人には相続地が割り当てられていなかった。
4.【主】へのささげ物(15~28節)
(1)15~16節
Deu 12:15
しかし、あなたの神、【主】があなたに下さった祝福にしたがって、あなたのどの町囲みの中でも、いつでも自分の欲するとき動物を屠り、その肉を食べることができる。汚れた人もきよい人も、かもしかや鹿と同じようにそれを食べることができる。
Deu 12:16 ただし血は食べてはならない。それを地面に水のように注ぎ出さなければならない。
①荒野では、幕屋で家畜を屠った。
②約束の地では、自分の町で家畜を屠り、その肉を食べることができる。
③狩猟の獲物であるかもしかや鹿と同じように、扱えばよい。
④ただし、血を食べてはならない。
⑤ささげ物ではない肉は、儀式的な汚れとは無関係に食べることができる。
(2)17~19節
Deu 12:17
あなたは穀物や新しいぶどう酒、オリーブ油の十分の一のささげ物、牛や羊の初子、またあなたが誓うすべての誓願のささげ物、進んで献げるもの、あなたの供える奉献物のすべてを、あなたの町囲みの中で食べることはできない。
Deu 12:18
ただ、あなたの神、【主】が選ばれる場所で、あなたの息子、娘、男奴隷、女奴隷、およびあなたの町囲みの中にいるレビ人とともに、あなたの神、【主】の前でそれらを食べなければならない。あなたの神、【主】の前で、あなたのすべての手のわざを喜び楽しみなさい。
Deu 12:19 あなたは一生、あなたの土地でレビ人をないがしろにしないように気をつけなさい。
①しかし、ささげ物となった食物は、自分の勝手に食べてはならない。
②【主】が選ばれる場所で、家族とともに食べる。
③レビ人をその宴会に招かなければならない。
⑤土地の割り当てがないレビ人は、それ以外の部族の支援によって生活する。
(3)20~22節
Deu 12:20
あなたの神、【主】が、あなたに告げたとおりにあなたの領土を広くしてくださって、あなたが肉を食べたくなるときには、「肉が食べたい」と言ってよい。あなたは食べたいだけ肉を食べてもよい。
Deu 12:21
もしあなたの神、【主】が御名を置くために選ばれる場所が遠く離れているなら、私があなたに命じたように、あなたは【主】が与えられた牛と羊を屠り、あなたの町囲みの中で食べたいだけ食べてもよい。
Deu 12:22 かもしかや鹿を食べるように、それを食べてもよい。汚れた人ときよい人が一緒にそれを食べてもよい。
①カナンの地に入ると、民の住居は【主】が選ばれる場所から遠く離れる。
②ささげ物でないので、幕屋にそれを持って来る必要はない。
③生活している町の中で、食べたいだけ食べてもよい。
④ささげ物ではないので、儀式的汚れを問題にしなくてもよい。
(4)23~25節
Deu 12:23 ただ、血は決して食べてはならない。血はいのちだからである。いのちを肉と一緒に食べてはならない。
Deu 12:24 血を食べてはならない。それを地面に水のように注ぎ出さなければならない。
Deu 12:25
血を食べてはならない。あなたも、あなたの後の子孫も幸せになるためである。あなたは【主】の目にかなうことを行わなければならない。
①ただし、血を食べることは禁じられた。
②血はいのちである。いのちの尊厳を教えるための命令である。
③また、イスラエルの民を、カナン人の偶像礼拝から守るための命令である。
(5)26~27節
Deu 12:26 ただし、あなたが献げるべき聖なるものと、誓願のささげ物は、【主】が選ばれる場所へ携えて行かなければならない。
Deu 12:27
あなたの全焼のささげ物はその肉と血を、あなたの神、【主】の祭壇の上に献げなさい。あなたのいけにえの血は、あなたの神、【主】の祭壇の上に注ぎ出さなければならない。その肉は食べてもよい。
①ささげ物は、【主】が選ばれる場所に携えて行く。
②全焼のささげ物は、その血と肉をすべて祭壇の上で焼く。
③その他のいけにえは、血を祭壇の上に注ぎ出し、肉は食べてもよい。
(6)28節
Deu 12:28
気をつけて、私が命じるこれらのすべてのことばに聞き従いなさい。それはあなたが、あなたの神、【主】の目にかなう良いことを行って、あなたも後の子孫も永久に幸せになるためである。
①約束の地で長く幸せに生きる秘訣は、【主】の命令に従うことである。
結論:廃棄されたものと残されたもの
*12項目の最初(イントロダクションの次)に礼拝に関する規定が出て来る。
1.礼拝の場所
(1)単一の聖所の規定は、廃棄された。
(2)2コリ6:16
2Co 6:16
神の宮と偶像に何の一致があるでしょう。私たちは生ける神の宮なのです。神がこう言われるとおりです。/「わたしは彼らの間に住み、また歩む。/わたしは彼らの神となり、/彼らはわたしの民となる。
①信者の心には、聖霊が内住しておられる。
②それゆえ、単一の聖所の規定は廃棄された。
(3)今私たちは、同じ場所ではなく、イエス・キリストの周りに集まる。
2.礼拝の喜び
(1)申命記には、礼拝が喜びであるという表現が、何度も出て来る。
(2)申16:14~15(仮庵の祭り)
Deu 16:14
この祭りのときには、あなたも、あなたの息子、娘、男女の奴隷、あなたの町囲みの中にいるレビ人、寄留者、孤児、やもめもともに喜び楽しみなさい。
Deu 16:15
あなたの神、【主】のために、【主】が選ばれる場所で七日間、祭りをしなければならない。あなたの神、【主】があなたのすべての収穫、あなたの手のすべてのわざを祝福されるからである。あなたは大いに喜びなさい。
(3)この真理は、今も生きている(使2:46~47)。
Act 2:46 そして、毎日心を一つにして宮に集まり、家々でパンを裂き、喜びと真心をもって食事をともにし、
Act 2:47 神を賛美し、民全体から好意を持たれていた。主は毎日、救われる人々を加えて一つにしてくださった。
①使徒の働きのサブテーマのひとつは、喜びである。
3.礼拝の本質
(1)単一の聖所の命令には、3つの目的があった。
①神の単一性を教える(神は唯一であって、複数存在するのではない)。
②礼拝の純粋性を保証する。
③イスラエルの民の政治的、霊的連帯を促進する。
(2)礼拝の純粋性と信徒の一致は、今も残されている。
①ヨハ4:24
Joh 4:24 神は霊ですから、神を礼拝する人は、御霊と真理によって礼拝しなければなりません。」
*この山(ゲリジム山)かエルサレムか。場所は問題ではない。
②ピリ2:1~2
Php 2:1 ですから、キリストにあって励ましがあり、愛の慰めがあり、御霊の交わりがあり、愛情とあわれみがあるなら、
Php 2:2 あなたがたは同じ思いとなり、同じ愛の心を持ち、心を合わせ、思いを一つにして、私の喜びを満たしてください。
*キリストの謙遜が、一致のベースである。
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