私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
30日でわかる聖書 マタイの福音書(15)
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ユダヤ人の地と、異邦人の地で起こったことから、信仰の本質を学ぶ。
「マタイ15章」
イントロ:
1. 文脈を確認する。
(1) 公生涯の後半に入っている。
(2) 12:24 ユダヤ人指導者たちによるイエスの拒否:赦されない罪
(3) ユダヤ人の地と異邦人の地での出来事
2. より大きな文脈を確認する。神の人類救済計画の確認。
(1) 神はアブラハムを選び、契約を結んだ。
(2) アブラハム、イサク、ヤコブ、イスラエルの12部族。
(3) 出エジプト体験の後に、モーセの律法が与えられた。
(4) イスラエルの民の自己認識と、異邦人への偏見。
3. 現代の国際政治の背後には、ユダヤ教とキリスト教の複雑な関係が横たわっている。
(1) ユダヤ教をどう理解するか。
(2) キリスト教の正しい位置づけ。
(3) ユダヤ教とキリスト教の差異を乗り越えた時点にある信仰の本質。
ユダヤ人の地と、異邦人の地で起こったことから、信仰の本質を学ぶことができる。
Ⅰ.ユダヤ人の地での出来事
1. 律法論争について
(1) すでに断食論争、安息日論争があった。
(2) ここでは、「食前の清めの洗い」が論争のテーマとなっている。
(3) この論争は、「律法」と「律法主義」の論争である。
①律法とは良いもの、モーセの律法。
②律法主義とは、形式にこだわるあまり、結果的に神の律法に反すること。
(4) パリサイ人たちがこだわったのは、「先祖たちの言い伝え」を守ること。
①口伝律法(ミシュナ)のこと。
②モーセの律法(613)に、垣根を施したもの。
③動機は、イスラエルの民を守るため、またメシアの到来を促進するため。
④口伝律法は、モーセの律法と同等かそれ以上の権威があるとされた。
⑤イエスはモーセの律法を破ったことはないが、口伝律法は無視された。
(例話)現代の口伝律法。部屋に入る前に悪霊を追い出す。
2. 「食前の清めの洗い」
(1) 衛生上の理由ではなく、儀式的な汚れを取るための口伝律法。
①指先から肘までを洗う。
②市場から帰った場合は、体全部を清めてからでないと食事をしない。
③食器の清めに関しても、さまざまなしきたりがあった。
(2) パリサイ人たちは、イエスと弟子たちを非難した。
(3) イエスの回答。「先祖たちの言い伝えを守るために、神の戒めを犯している」
(4) その一例として、コルバン規定を上げる。
①十戒の第5戒。両親を敬え。
②パリサイ人の中には、非パリサイ人の両親の援助を嫌う傾向があった。
③息子としての義務を回避する手法が、コルバン規定。
④コルバン宣言をすれば、神殿への捧げ物か私用のものとなる。
⑤イザヤ29:13の引用。
3. たとえ話とその解説
(1) 当時のイエスの教授法のパターン
①たとえ話で群衆に教える。
②民衆には理解できない。
③弟子たちも理解できない。
④ペテロが代表して質問をする。
⑤イエスがたとえ話を解き明かす。
(2) イエスの3つのたとえ話。
①口から入るものではなく、口から出るものが人を汚す。
②父が植えなかった木は、みな根こそぎにされる。
③盲人が盲人の手引きをするなら、ともに滅びる。
(3) イエスの解き明かし。
①汚れは心から出てくる。イエスをメシアと信じ、聖霊によって清められる。
②パリサイ派の教えは、神が植えた木ではない。
(例話)現代のユダヤ教は、タルムードを基礎としている。
ミシュナ + ゲマラ = タルムード。
啓示された神のことばに照らして、すべて判断することが重要。
③盲人による手引きの結果。紀元70年のエルサレム崩壊。
(例話)セカンドチャンス論。
動機は理解できる。しかし、現代の口伝律法になりつつある。
どう判断するかの責任は、各人にある。
Ⅱ.異邦人の地での出来事(1)
1. 場所
(1) ツロとシドンの地方(今のレバノン)
(2) 弟子訓練のため。2回目のリトリート
2. 登場人物
(1) カナン人の女。総称。
(2) より具体的には、ギリシア人で、スロ・フェニキヤの生まれ。
(3) 娘が悪霊につかれていた。
3. イエスとの対話
(1) 女の願い
①「ダビデの子」とはメシア的タイトル。
②この女は、イエスをメシアと認めて奇蹟を求めている。
③異邦人として、立派な信仰。
(2) イエスの対応
①沈黙
②弟子たちの願い。「あの女を帰してください」
③「イスラエルの家の滅びた羊以外のところには遣わされていない」
* 一見、冷たい言葉のように感じる。
* 問題は、この女が奇蹟を求めた根拠にある。
* 彼女は、イスラエルの民のために用意された祝福を願っている。
* イエスは、父なる神の計画に忠実。
(3) 再度、女の願い
①言葉が変化している。「主よ。私をお助けください」
②個人的な苦境に対する憐れみだけを求めている。
(4) イエスのテスト
①女の信仰を試した。
②「子どものパンを取り上げて、子犬に投げてやるのはよくない」
* 子どものパンとは、イスラエルの民が受ける祝福。
* 子犬とは、異邦人(言葉のニュアンスは悪いものではない)。
③女の回答。「子犬でも、落ちたパン屑は」
* イスラエルの民が受ける祝福を奪おうとしているのではない。
* 異邦人に用意されている祝福を求めているだけである。
(5) イエスからの祝福
①異邦人としての信仰
②願い通りになるように。
Ⅲ.異邦人の地での出来事(2)
1. 場所
(1) デカポリス。ガリラヤ湖の東岸。
(2) 第3回目のリトリート。弟子訓練。
(3) マタイ8章。レギオンにつかれていた2人の男。
①解放された彼らは、イエスの弟子にはなれず家に帰された。
②そこで彼らは、伝道の成果を上げた。
2. 癒しの奇蹟
3. 4千人の給食
(1) 5千人の奇蹟とは異なる。
①パンと魚の数が違う(7つのパン、少しの魚)。
②人数も違う。
③残ったパン屑も違う(12のかご、7つのかご)
(2) 主要な目的は、弟子訓練。
①パンをどこから手に入れるか。
②弟子たちの沈黙
* 前回の奇蹟から学ばなかったのか。
* 異邦人にパンを配ることに抵抗があったのか。
(3) イエスからパンを受け、それを配ることを学んだ。
(4) 12はイスラエルの民を、7は異邦人を象徴する数字。
①異邦人が祝福を受ける時が近づいている。
②それは、十字架の時である。
結論
1. ユダヤ人であっても、異邦人であっても、救いの道は同じ。
(1) メシアを信じる信仰。
(2) 聖霊による心の清め。
(3) いかなる教えも、人間の教えであるならそれは滅びる。ユダヤ教も同じ。
2. イエスの十字架によって、異邦人の救いの時が到来した。
(1) モーセの律法の要求が満たされた。
(2) 異邦人も、アブラハム契約の祝福にあずかるようになった。
3. ユダヤ人の救いの時が近づいている。
(1) 異邦人の時が終わりに近づいている。
(2) ユダヤ人の救いとメシアの再臨。
(3) ユダヤ・キリスト教の価値観に対抗するものとしてのイスラム教の復興。
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