申命記(13)偶像礼拝の禁止

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偶像礼拝の禁止について学ぶ

申命記13回

「偶像礼拝の禁止」
申4:15~24

 

1.はじめに
(1)申命記のアウトライン(宗主権契約の形式)
①第1の説教:歴史の回顧(1:5~4:43)
②第2の説教:契約に基づく義務(4:44~26:19)
③第3の説教:祝福と呪いの宣言(27:1~29:1)
④第4の説教:契約条項のまとめ(29:2~30:20)

 

(2)イスラエルの民は、これからカナンの地に入ろうとしている。
①彼らは、正しい世界観と人生観を持つ必要があった。
②3章で、カナンの地征服の準備が始まった。

 

(3)4章のアウトライン
①律法の目的(4:1~8)
②ホレブでの体験の目的(4:9~14)
③偶像礼拝の禁止(4:15~24)
④離散の預言(4:25~31)
⑤【主】だけが神(4:32~40)
⑥逃れの町(4:41~43)

 

2.メッセージのアウトライン
(1)偶像礼拝禁止の理由(4:15)
(2)偶像礼拝の実例(4:16~19)
(3)イスラエルの民の特権(4:20)
(4)警告の言葉(4:21~24)

 

3.結論:イスラエルの民の特権

 

偶像礼拝の禁止について学ぶ
Ⅰ.偶像礼拝禁止の理由(4:15)
1.15節
あなたがたは自分自身に十分に気をつけなさい。【主】がホレブで火の中からあなたがたに語られた日に、あなたがたは何の姿も見なかったからである。
(1)ここでモーセは、ホレブでの体験を思い出させている。
①彼らは、神の姿を見なかった。
②見たのは、シャカイナグローリーだけであった。
*火の柱とそこから出て来る声
③シャカイナグローリーは、イスラエルの民に畏怖の念を植え付けた。
④イスラエルの民は、神は霊であることを学んだ。

 

(2)ホレブでの体験の適用
①神は被造世界の一部ではない。
②それゆえ、被造世界のものを用いて神の像を造ってはならない。
③偶像を造るのは、人間が設けた制限の中に神を閉じ込めることである。
④それは、神の本質(遍在や全能)を制限し辱める行為である。

 

(3)「あなたがたは自分自身に十分に気をつけなさい」
①イスラエルの民は、偶像を作らないように自分を見張る必要があった。
②古代中近東では、偶像礼拝が盛んに行われていた。
③カナンの地に入ると、彼らは偶像礼拝の影響をもろに受けることになる。

 

Ⅱ.偶像礼拝の実例(4:16~19)
1.16節
堕落して自分たちのために、どのような形の彫像も造らないようにしなさい。男の形も女の形も。
(1)「堕落して自分たちのために、どのような形の彫像も造らないように」
①人は、真の神から離れると堕落して行く。
②堕落すると、自分のために偶像を造るようになる。

 

(2)「どのような形の彫像も」
①木であれ、金属であれ、石であれ、彫像を造ることは禁じられた。
②これは、芸術活動を禁止しているわけではない。
(ILL)人形を否定する教え

 

(3)「男の形も女の形も」
①人間の形をした偶像を造ってはならない。
②申4:3
あなたがたは、【主】がバアル・ペオルのことでなさったことを自分の目で見た。バアル・ペオルに従った者すべてを、あなたの神、【主】はあなたのうちから根絶やしにされたのである。
*バアル・ペオルは、豊穣の女神である。
*この事件で、イスラエルの民はバアル神に初めて出会った。
③カナンの地でのアシュタロテ
④ギリシア・ローマ世界のヴィーナス
⑤ギリシア神話には、さまざまな男神(おがみ)と女神が登場する。

 

2.17~18節
地上のどのような動物の形も、空を飛ぶ、翼のあるどのような鳥の形も。
地面を這うどのようなものの形も、地の下の水の中にいるどのような魚の形も。
(1)これは、エジプトでの偶像礼拝を意識した禁止令である。
①哺乳類では、雄牛、雌牛、羊、ヤギ、獅子、犬、猿、猫の偶像があった。
②鳥類では、トキ、鶴、鷹の偶像があった。
③爬虫類や両生類では、ワニ、蛇、カエル、ハエ、カブトムシの偶像があった。
⑤魚類では、ナイル川に生息する魚の偶像があった。
*ナイル川まで神格化された。

 

3.19節
また、天に目を上げて、太陽、月、星など天の万象を見るとき、惑わされてそれらを拝み、それらに仕えることのないようにしなさい。それらのものは、あなたの神、【主】が天下のあらゆる民に分け与えられたものである。
(1)これもエジプトでの偶像礼拝を意識した禁止令である。
①天体を偶像化してはならない。
②エジプトでは、太陽神は「ラー」である。

 

(2)これから入って行こうとしているカナンの地でも、天体礼拝が行われていた。
①エリコは、月神に捧げられた町であった。

 

(3)天体は、【主】が地上のすべての民に分け与えたものである。
①それゆえ、ひとつの民が、独占すべきものではない。
②また、礼拝の対象とすべきものではない。

 

Ⅲ.イスラエルの民の特権(4:20)
1.20節
【主】はあなたがたを取って、鉄の炉から、すなわちエジプトから導き出し、今日のようにゆずりの民とされたのである。
(1)偶像礼拝を避けるべき理由
①【主】はイスラエルの民をエジプトから導き出された。
②つまり、イスラエルの民は偶像礼拝の地から解放されたということである。
③申命記では、「エジプトから導き出された」という表現が約20回出て来る。
④イスラエルの民は、「鉄の炉から」導き出されたのである。
*これは、奴隷状態を描写する比喩的表現である。
*奴隷状態は、鉄の炉の中で精錬されるような厳しさであった。
*この言葉は、当時エジプトに鉄器があったことを示唆している。

 

(2)訳文の比較
「今日のようにゆずりの民とされた」(新改訳2017)
「今日のように御自分の嗣業の民とされた」(新共同訳)
「自分の所有の民とされた。きょう、見るとおりである」(口語訳)
「特別な国民として宝物のように大切に守ってくださる」(リビングバイブル)

 

(3)イスラエルは、地上で特別な民とされた。
①詩33:12
幸いなことよ
【主】を自らの神とする国は。
神がご自分のゆずりとして選ばれた民は。

 

Ⅳ. 警告の言葉(4:21~24)
1.21~22節
しかし【主】は、あなたがたのゆえに私に向かって怒り、私がヨルダン川を渡ることも、またあなたの神、【主】があなたにゆずりの地として与える、良い地に入ることもないと誓われた。
まことに私はこの地で死のうとしている。私はヨルダン川を渡らない。しかし、あなたがたは渡って、あの良い地を所有しようとしている。
(1)再びモーセは、自分がカナンの地に入れないことを民に伝える。
①神は、モーセの不信仰を怒られた。
②それゆえ、良い地に入ることができなくなった。

 

(2)自分は、良い地において民を導くことができない。
①それゆえ、偶像礼拝に陥らないように十分注意する必要がある。
②もし堕落するなら、【主】ご自身が裁きをもって民を矯正される。
③これは、遺言のような言葉である。

 

2.23節
気をつけて、あなたがたの神、【主】があなたがたと結ばれた契約を忘れることのないように、またあなたの神、【主】の命令に背いて、いかなる形の彫像も造ることがないようにしなさい。
(1)注意すべき2つのこと
①【主】との契約を忘れることのないように。
*シャカイナグローリーに囲まれながら【主】と結んだシナイ契約である。
②いかなる形の彫像も造ることがないように。
*これは、【主】の命令に背くことである。

 

3.24節
あなたの神、【主】は焼き尽くす火、ねたみの神である。
(1)「【主】は焼き尽くす火」
①【主】は、堕落した民を炉で精錬される。
②その目的は、民の中から「金かす」を取り除くことにある。
③ガラ6:7
思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、刈り取りもすることになります。

 

(2)「ねたみの神である」
①通常「ねたみ」という言葉は、否定的な意味で使われる。
②ここでは、良い意味で使われている。
③ご自分の栄光を、誰とも分かち合わないという意味である。
④イザ42:8
わたしは【主】、これがわたしの名。
わたしは、わたしの栄光をほかの者に、
わたしの栄誉を、刻んだ像どもに与えはしない。

 

結論:イスラエルの民の特権
1.イスラエルの民に関する描写
(1)出4:22
そのとき、あなたはファラオに言わなければならない。
【主】はこう言われる。『イスラエルはわたしの子、わたしの長子である。
(2)申7:6
あなたは、あなたの神、【主】の聖なる民だからである。あなたの神、【主】は地の面のあらゆる民の中からあなたを選んで、ご自分の宝の民とされた。
(3)申32:9
主の分はその民であって、ヤコブはその定められた嗣業である。(口語訳)
(4)詩100:3
知れ。【主】こそ神。
主が私たちを造られた。
私たちは主のもの主の民その牧場の羊。
(5)詩89:18
私たちの盾は【主】のもの
私たちの王はイスラエルの聖なる方のもの。
(6)イザ1:2
天よ、聞け。地も耳を傾けよ。
【主】が語られるからだ。
「子どもたちはわたしが育てて、大きくした。
しかし、彼らはわたしに背いた。
(7)エレ2:3
イスラエルは【主】の聖なるもの、
その収穫の初穂であった。
これを食らう者はだれでも罰を受け、
わざわいを被った。
──【主】のことば──

 

2.異邦人信者に関する描写
(1)エペ3:6
それは、福音により、キリスト・イエスにあって、異邦人も共同の相続人になり、ともに同じからだに連なって、ともに約束にあずかる者になるということです。

 

(2)奥義の内容
①異邦人信者は、キリストにあって共同の相続人となった。
②異邦人信者は、オリーブの幹に接ぎ木された野生種の枝である。
③信仰のあるイスラエルと信仰のある異邦人が、ひとつにされる。

 

(3)異邦人信者にとっても、偶像礼拝は忌むべきものである。

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