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申命記(12)ホレブでの体験の目的
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ホレブでの体験について学ぶ
申命記12回
「ホレブでの体験の目的」
申命記4:9~14
1.はじめに
(1)申命記のアウトライン(宗主権契約の形式)
①第1の説教:歴史の回顧(1:5~4:43)
②第2の説教:契約に基づく義務(4:44~26:19)
③第3の説教:祝福と呪いの宣言(27:1~29:1)
④第4の説教:契約条項のまとめ(29:2~30:20)
(2)イスラエルの民は、これからカナンの地に入ろうとしている。
①彼らは、正しい世界観と人生観を持つ必要があった。
(3)3章で、カナンの地征服の準備が始まった。
①征服した土地の分割
②2部族半への命令
③ヨシュアへの権限委譲
(4)4章のアウトライン
①律法の目的(4:1~8)
②ホレブでの体験の目的(4:9~14)
③偶像礼拝の禁止(4:15~24)
④離散の預言(4:25~31)
⑤【主】だけが神(4:32~40)
⑥逃れの町(4:41~43)
2.メッセージのアウトライン
(1)偶像礼拝への2つの道(4:9~10)
(2)シャカイナグローリー(4:11~12)
(3)シナイ契約(4:13~14)
3.結論
(1)親の責務
(2)【主】への恐れ
ホレブでの体験について学ぶ
Ⅰ.偶像礼拝への2つの道(4:9~10)
1.9節
ただ、あなたはよく気をつけ、十分に用心し、あなたが自分の目で見たことを忘れず、一生の間それらがあなたの心から離れることのないようにしなさい。そしてそれらを、あなたの子どもや孫たちに知らせなさい。
(1)「ただ、あなたはよく気をつけ、十分に用心し」
①イスラエルの民は、偶像礼拝に陥る可能性を常に持っていた。
②偶像礼拝の罪は、亡国の罪である。
③なぜなら、イスラエルの民は【主】によって造られた民である。
④【主】から離れるなら、存在の根拠と目的を失うことになる。
*次回取り上げる申4:15~24は、偶像礼拝に対する警告である。
⑤私たちも、偶像礼拝に陥らないように、常に自分の心を見張る必要がある。
*箴16:17
直ぐな人の大路は悪から遠ざかっている。
自分のたましいを守る者は自分の道を見張る。
自分のたましいを守る者は自分の道を見張る。
(2)偶像礼拝に陥る道は、2つある。
①ひとつは、【主】の御業を忘れることである。
*堕落した魂は、【主】の御業をすぐに忘れてしまう。
*ここでの【主】の御業とは、ホレブでの体験である。
*「あなたが自分の目で見たこと」は、出19章に記されている。
*私たちも、神の御業を常に意識していないと、忘却の民となる。
*1日に一度聖書を読み祈ることは、最低限為すべきことである。
②もうひとつは、子どもたちに【主】の御業を教えないことである。
*【主】の御業を知らない世代が出現すると、彼らは偶像礼拝に陥る。
*私たちも、信仰の継承の重要性を認識すべきである。
(3)律法を忘れないための最善の方法は、ホレブでの体験を思い出すことである。
①ホレブでの体験とは、律法を与えられたときの状況のことである。
②その体験は、律法が神から与えられたものであることを証明している。
③律法は人間の作品ではなく、超自然的な性質を持ったものである。
2.10節
あなたがホレブで、あなたの神、【主】の前に立った日に【主】は私に言われた。「民をわたしのもとに集めよ。わたしは彼らにわたしのことばを聞かせる。それによって、彼らが地上に生きている日の間わたしを恐れることを学び、また彼らがその子どもたちに教えることができるように。」
(1)ホレブとは、シナイ山のことである。
①民は、エジプトを出てから約3ヶ月後にシナイ山の麓に着いた。
②それから一年弱、民はそこに留まった。
③そこで、贖われた民として生きるための指針となる律法を受けた。
④贖いという事実があって、次に律法が与えられている。
(2)ホレブで、モーセは神のことば(命令)を聞いた。
①民を【主】の前に集めよ。
②目的は、民に【主】のことばを聞かせるためである。
③「わたしのことば」とは、律法のことである。
④律法の目的は、イスラエルの民に【主】への「恐れ」を学ばせるためである。
*「恐れ」とは、畏怖の念である。
*シャカイナグローリーが現れるのは、そのためである。
⑤学んだ内容を、子どもたちに教えることができるように。
Ⅱ.シャカイナグローリー(4:11~12)
1.11節
そこであなたがたは近づいて来て、山のふもとに立った。山は燃え上がって火が中天に達し、闇と雲と暗黒があった。
(1)シャカイナグローリーとは、目に見えない神の臨在の現われである。
①神は、遍在するお方である。
②「臨在」とは、神が特定の場に宿ることを言う。
③ここでは、神の臨在はシャカイナグローリーとして見える形で現れた。
*火、黒雲、暗黒
④つまり、シナイ山を覆うように、火の柱が立ったのである。
(2)シャカイナグローリーは、【主】が全能の神であることを啓示している。
①イスラエルの民は、全能の神の前に立っている。
②そのお方は、【主】である。
③【主】がイスラエルの民と契約を結ばれる。
2.12節
【主】は火の中からあなたがたに語られた。あなたがたは語りかける声を聞いたが、御姿は見なかった。御声だけであった。
(1)火の中から語りかける声も、シャカイナグローリーの現われである。
①民は、語りかける声は聞いたが、御姿は見なかった。
②申4:15
あなたがたは自分自身に十分に気をつけなさい。【主】がホレブで火の中からあなたがたに語られた日に、あなたがたは何の姿も見なかったからである。
③神の本質は、霊である。
④神は、被造世界の一部ではない。
⑤神は、永遠の過去から永遠の未来まで、存在しておられる。
(2)聖書の中の最大の奇跡は、受肉である。
①神のことば(第二位格の神)は、人となられた。
②受肉は、神の「へりくだり」の啓示である。
③聖書は、人間イエスの容姿に関して、なんの描写もしていない。
④ヨハ1:18
いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである。
⑤ヨハ4:24
神は霊ですから、神を礼拝する人は、御霊と真理によって礼拝しなければなりません。」
⑥イエスの肖像画は、真の信者には不要である。
*イエス・キリストの内住を実感できないと、肖像画に頼るようになる。
Ⅲ.シナイ契約(4:13~14)
1.13節
主はご自分の契約をあなたがたに告げて、それを行うように命じられた。十のことばである。主はそれを二枚の石の板に書き記された。
(1)【主】はイスラエルの民と契約を結ばれた。
①この契約を、シナイ契約と呼ぶ。
*モーセ契約とも言う。
②契約条項を、ご自分の指で二枚の石の板に書き記された。
*これが、十戒である。
③二枚とは、契約条項の正と副である。
*宗主権契約では、王が正を持ち、臣民が副を持った。
(2)【主】は、シャカイナグローリーの中で語られた。
①それは、イスラエルの民に【主】への恐れを体験させるためである。
②律法に従う動機は、【主】への「恐れ」である。
2.14節
【主】はそのとき、あなたがたに掟と定めを教えるように私に命じられた。あなたがたが、渡って行って所有しようとしている地で、それらを行うためであった。
(1)十戒以外にも契約条項があった。
①「掟と定め」
②ジョン・ウェスレイの解説
*「掟」とは、礼拝や神への奉仕に関する律法である。
*「定め」とは、隣人への義務に関する律法である。
*掟+定め=律法の全体
(2)モーセは、掟と定めを教えるように神から命じられた。
①教える目的は、約束の地でそれを行うためである。
②律法に忠実に生きるなら、祝された生活が約束されている。
結論
1.親の責務
(1)イスラエルの民は、教えるミニストリーを与えられている。
(2)祭司やレビ人の役割は、民に律法を教えることである。
(3)しかし、最も重要なのは、家庭での宗教教育である。
(4)申命記は、家庭での宗教教育の重視性を強調している。
①申6:7
これをあなたの子どもたちによく教え込みなさい。あなたが家で座っているときも道を歩くときも、寝るときも起きるときも、これを彼らに語りなさい。
②申6:20、11:19、31:13、32:46
(5)若者への教育を軽視する国は、衰退する。
①学校が宗教教育を施さないなら、その国は衰退する。
②教会がバイブルスタディを軽視するなら、信者は成長しない。
③しかし、最大の問題は、家庭で宗教教育を施さないことである。
2.【主】への恐れ
(1)シャカイナグローリーの目的は、民に恐れを与えることである。
(2)旧約聖書では、「恐れ」とは「恐怖の念」と「畏怖の念」を含んでいる。
(3)しかし、「恐れ」にはそれ以上の意味がある。
①神が道徳的に純粋なお方であるという認識
②神が全能のお方であるという認識
③【主】に従わないことへの純粋な恐れ
④真の礼拝、奉仕、信頼、献身などを通した応答
(4)参考になる聖句
①箴1:7
【主】を恐れることは知識の初め。
愚か者は知恵と訓戒を蔑む。
愚か者は知恵と訓戒を蔑む。
②伝12:13
結局のところ、
もうすべてが聞かされていることだ。
神を恐れよ。神の命令を守れ。
これが人間にとってすべてである。
もうすべてが聞かされていることだ。
神を恐れよ。神の命令を守れ。
これが人間にとってすべてである。
③ルカ1:49~50
力ある方が、
私に大きなことをしてくださったからです。
その御名は聖なるもの、
私に大きなことをしてくださったからです。
その御名は聖なるもの、
主のあわれみは、代々にわたって
主を恐れる者に及びます。
主を恐れる者に及びます。
④黙19:5
また、御座から声が出て、こう言った。
「神のすべてのしもべたちよ、
神を恐れる者たちよ、
小さい者も大きい者も
私たちの神を賛美せよ。」
「神のすべてのしもべたちよ、
神を恐れる者たちよ、
小さい者も大きい者も
私たちの神を賛美せよ。」
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