申命記(8)バシャンの王オグに対する勝利

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バシャンの王オグに対する勝利について学ぶ。

申命記8回
「バシャンの王オグに対する勝利」
申命記3:1~11

 

1.はじめに
(1)イスラエルの民は、正しい世界観と人生観を持つ必要があった。
①自分たちは、どこから来たのか。
②自分たちにカナンの地を与えると約束してくれたのは、誰か。
③カナンの地で生きる目的は何か。

 

(2)申命記のアウトライン(宗主権契約の形式)
①第1の説教:歴史の回顧(1:5~4:43)
②第2の説教:契約に基づく義務(4:44~26:19)
③第3の説教:祝福と呪いの宣言(27:1~29:1)
④第4の説教:契約条項のまとめ(29:2~30:20)

 

(3)3章のアウトライン
①バシャンの王オグに対する勝利(3:1~11)
②征服した土地の分割(3:12~22)
③約束の地に入れないモーセ(3:23~29)

 

(4)ヘシュボンの王シホンとバシャンの王オグは、ともにアモリ人の王である。
①ヘシュボンの王シホンに対する勝利(2:26~37)
②バシャンの王オグに対する勝利(3:1~11)
③内容は、よく似ている。
④民族の記憶として常に心に留めるべき大いなる出来事である。
⑤詩136:18~21
主は力ある王たちを殺された。
主の恵みはとこしえまで。
アモリ人の王シホンを。
主の恵みはとこしえまで。
バシャンの王オグを。
主の恵みはとこしえまで。
こうして彼らの地をゆずりとして与えられた。
主の恵みはとこしえまで。

 

2.メッセージのアウトライン
(1)バシャンの王オグとの戦い(3:1~7)
(2)2人の王との戦いの要約(3:8~11)

 

3.結論
(1)勝利の理由
(2)勝利の結果

 

バシャンの王オグに対する勝利について学ぶ
Ⅰ.バシャンの王オグとの戦い(3:1~7)
1.1節
私たちはバシャンへの道を上って行った。するとバシャンの王オグとそのすべての兵は、エデレイで私たちを迎え撃つために出て来た。
(1)バシャンは、現在のゴラン高原である。
①バシャンは、ガリラヤ湖の北東に広がる高原地帯である。
②イスラエルがヨルダン川を渡って約束の地に入るルートからは外れている。
③しかし、この場所をそのまま放置しておくことは危険である。
④西に折れて川を渡ろうとすると、右翼を攻撃される可能性がある。
⑤そこでイスラエルの民は、バシャンの地を制圧するために北に向かった。
⑥「私たちはバシャンへの道を上って行った」というのは、正確な描写である。

 

(2)バシャンの王はオグである。
①オグもまたアモリ人の王である(ヘシュボンの王シホンと同じ)。
②オグは巨人で、彼の王国は無敵だと思われていた(11節参照)。
*今のところ、聖書以外にオグに関する情報はない。
③オグの軍勢は、エデレイでイスラエルを迎え撃つために出て来た。
*オグもまた傲慢であった。
*彼は、ヘシュボンの王シホンの敗北から教訓を学んでいなかった。
④エデレイは、ガリラヤ湖の南端から東に約50キロ入った所である。

 

2.2節
そのとき、【主】は私に言われた。「彼を恐れてはならない。わたしは、彼とそのすべての兵とその地を、あなたの手に渡している。あなたは彼に対して、ヘシュボンに住んでいたアモリ人の王シホンにしたように行わなければならない。」
(1)「彼を恐れてはならない」という2つの理由
①【主】は、オグとそのすべての兵とその地を、イスラエルの民に渡している。
②イスラエルの民は、ヘシュボンの王シホンに勝利したように、勝利する。

 

(2)シホンに対して勝利したばかりで、その記憶は生々しく残っている。
①申2:31
【主】は私に言われた。「見よ、わたしはシホンとその地とをあなたの手に渡し始めている。占領し始めよ。その地を所有せよ。」

 

3.3節
こうして私たちの神、【主】は、バシャンの王オグとそのすべての兵を私たちの手に渡されたので、私たちはこれを討ち、一人の生存者も残さなかった。
(1)この勝利は、【主】の力による勝利である。
①ヘシュボンの王シホンの場合と同じである。

 

(2)オグとの戦いも、聖絶の戦いである。
①それほど、アモリ人の罪が重かったということである。
②ヘシュボンに住んでいた民とバシャンに住んでいた民の罪は、重かった。

 

4.4~5節
そのとき、私たちは彼のすべての町を攻め取った。私たちが取らなかった町は一つもなかった。取った町は六十、アルゴブの全地域であり、バシャンのオグの王国であった。
これらはみな、高い城壁と門とかんぬきのある要害の町であった。このほか、城壁のない村も非常に多かった。
(1)イスラエルの民は、すべての町を攻め取った。
①攻め取った町は、60あった。
②それ以外に、城壁のない村も非常に多かった。
③アルゴブの全地域=バシャン=オグの王国
④60も町があるということは、ここは人口の多い地域だということである。
⑤オグは、60以上の自立した共同体を支配していた。

 

(2)60の町は、高い城壁と門とかんぬきで防御された要塞の町であった。
①門は複数形である。外門と内門があったということである。
②これらの町を征服できたのは、【主】の助けがあったからである。
③この勝利は、イスラエルの民を大いに励ました。
④戦いの本番は、これから始まる。
⑤彼らは、これからヨルダン川を渡って、カナンの地に入ろうとしている。
⑥そこには、高い城壁に守られた町がある。

5.6~7節
私たちはヘシュボンの王シホンにしたように、これらを聖絶した。そのすべての町、男、女および子どもを聖絶した。
ただし、すべての家畜と、町々での略奪物は私たちのものとした。
(1)ヘシュボンの王シホンに対する勝利(申2:34~35)
そのとき、私たちは彼のすべての町を攻め取り、すべての町、男、女および子どもを聖絶し、一人の生存者も残さなかった。
私たちは、攻め取った町々での略奪物のほかは、家畜を分捕っただけであった。
①すべての町、男、女および子どもを聖絶した。
②家畜と町々での略奪物は、自分たちのものとした。

 

Ⅱ.2人の王との戦いの要約(3:8~11)
1.8~10節
このようにして、そのとき私たちは、二人のアモリ人の王の手からヨルダンの川向こうを、アルノン川からヘルモン山まで取った。
──シドン人はヘルモンをシルヨンと呼び、アモリ人はこれをセニルと呼んでいる──
すなわち、高原のすべての町、ギルアデの全土、バシャンの全土、サルカおよびエデレイに及ぶ、バシャンのオグの王国の町々である。
(1)イスラエルの民は、ヨルダン川の東側の土地を征服した。
①2人のアモリ人の王とは、シホンとオグである。
②イスラエルの民は、アルノン川からヘルモン山まで、広大な地域を征服した。
③挿入句
*シドン人はヘルモンをシルヨンと呼んだ。
*アモリ人はヘルモンをセニルと呼んだ。
④広大な土地を征服したことは、イスラエルの民を大いに励ました。

 

2.11節
──バシャンの王オグはレファイムの唯一の生き残りであった。見よ。彼の寝台は鉄の寝台で、それはアンモン人のラバにあるではないか。その長さは規準のキュビトで九キュビト、その幅は四キュビトである──
(1)オグは、レファイムと呼ばれた巨人の最後の生き残りであった。
①彼が巨人であったことが、寝台のサイズで表現されている。
②長さ9キュビト(約4m)、幅4キュビト(約1.8m)
③寝台ではなく、棺だと考える学者もいる。
④鉄は、当時の貴金属である。すべて鉄で出来ていたと考える必要はない。
⑤これを黒色玄武岩と考える学者もいる。

 

(2)恐らく、玄武岩に鉄で装飾を施した寝台であろう。
①寝台は、単に寝るためのものではない。
②祝宴時に、王の権威を誇示するために横たわるものでもある。

 

結論
1.勝利の理由
(1)この勝利は、【主】の力による勝利である。
(2)申3:3
こうして私たちの神、【主】は、バシャンの王オグとそのすべての兵を私たちの手に渡されたので、私たちはこれを討ち、一人の生存者も残さなかった。
①【主】とは、契約を結ぶ神、約束を守る神である。
②【主】は、イスラエルの神である。
③イスラエルの民は、【主】と契約関係にある。
(3)私たちへの適用(ロマ8:31~32)
では、これらのことについて、どのように言えるでしょうか。神が私たちの味方であるなら、だれが私たちに敵対できるでしょう。
私たちすべてのために、ご自分の御子さえも惜しむことなく死に渡された神が、どうして、御子とともにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことがあるでしょうか。

 

2.勝利の結果
(1)イスラエルは、カナンの地に入る前に、ギルアデとバシャンを征服した。
(2)ギルアデとバシャンは、【主】がイスラエルの民に与えたものである。
(3)ギルアデ
①雅6:5
あなたの目を私からそらしておくれ。
それが私を引きつける。
あなたの髪は、ギルアデから下って来る
やぎの群れのようだ。
②エレ8:22
乳香はギルアデにないのか。
医者はそこにいないのか。
なぜ、娘である私の民の傷は癒えなかったのか。
(4)バシャン
①詩22:12
多くの雄牛が私を取り囲み
バシャンの猛者どもが私を囲みました。
②アモ4:1
このことばを聞け。
サマリアの山にいるバシャンの雌牛どもよ。
おまえたちは弱い者を虐げ、
貧しい者を迫害し、
自分の主人に
「何か持って来て、飲ませよ」と言っている。
(5)私たちへの適用
①パウロ(2テモ4:8)
あとは、義の栄冠が私のために用意されているだけです。その日には、正しいさばき主である主が、それを私に授けてくださいます。私だけでなく、主の現れを慕い求めている人には、だれにでも授けてくださるのです。
②ヤコブ(ヤコ1:12)
試練に耐える人は幸いです。耐え抜いた人は、神を愛する者たちに約束された、いのちの冠を受けるからです。
③ペテロ(1ペテ5:4)
そうすれば、大牧者が現れるときに、あなたがたは、しぼむことのない栄光の冠をいただくことになります。

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