私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
60分でわかる新約聖書(16)テモテへの手紙第二
- このメッセージに感謝を贈る
-
この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?
このメッセージでは...
テモテへの手紙第二について学ぶ。
60分でわかる新約聖書(16)「テモテへの手紙第二」
1.はじめに
(1)テモテへの手紙第二の位置づけ
①2通のテモテへの手紙とテトスへの手紙を総称して、「牧会書簡」と言う。
②パウロは、牧会上の問題を取り上げ、指導者に指示や助言を与えている。
③牧会書簡は個人に宛てられたものだが、公に朗読すべきものでもある。
(2)テモテへの手紙第二の執筆経緯
①2テモテは、獄中で書かれた。
②パウロはローマで2度目の獄中生活を送っていた。
*1度目の獄中生活とは、環境が大いに異なる。
*年を重ね、疲れ切ったパウロが、暗い獄舎に閉じ込められていた。
*伝承では、ここは、マメルティヌスの牢獄と言われている。
③この直後に、パウロは斬首刑に処された。
④2テモは、13あるパウロ書簡の最後のものである。
⑤紀元67年頃に書かれた。
*テトスへの手紙の後に書かれた。
(3)執筆目的
①奮闘しているテモテを励ますために書いた手紙である。
②テモテに宛てて書いた別離の手紙でもある。
(4)メッセージのアウトライン
①牧会に関する勧告(1:1~2:13)
②偽教師に関する勧告(2:14~26)
③終わりの時代に関する勧告(3:1~17)
④個人的務めに関する勧告(4:1~22)
テモテへの手紙第二について学ぶ。
Ⅰ.牧会に関する勧告(1:1~2:13)
1.1:6~7
2Ti 1:6 そういうわけで、私はあなたに思い起こしてほしいのです。私の按手によってあなたのうちに与えられた神の賜物を、再び燃え立たせてください。
2Ti 1:7 神は私たちに、臆病の霊ではなく、力と愛と慎みの霊を与えてくださいました。
(1)牧師として取るべき態度
①新しいことを求めるよりも、与えられている神の賜物を燃え立たせる。
②その賜物は、按手の際に確認されたものである。
③神が私たちを何かの奉仕に召された場合、必要な賜物も与えてくださる。
(2)神は私たちに、力と愛と慎みの霊を与えてくださる。
①力の霊
*聖霊の助けによって、内なる人を強くしていただくことができる。
*私たちは、聖霊の力によって戦うことを学ばねばならない。
②愛の霊
*神への愛と隣人への愛がなければ、福音の使者とはなれない。
*その愛は、自力で作り出すものではなく、聖霊によって与えられる。
③慎みの霊
*聖霊は、力と愛が神からの賜物であることを教えてくれる。
*聖霊に導かれるなら、傲慢にならず、知恵ある判断ができるようになる。
3.1:11~12
2Ti 1:11 この福音のために、私は宣教者、使徒、また教師として任命されました。
2Ti 1:12 そのために、私はこのような苦しみにあっています。しかし、それを恥とは思っていません。なぜなら、私は自分が信じてきた方をよく知っており、また、その方は私がお任せしたものを、かの日まで守ることがおできになると確信しているからです。
(1)苦難が来るのは、不思議なことではない。
①イエス・キリストに倣う者とされた。
(2)苦難に打ち勝つための確信が3つある。
①福音のために、宣教者、使徒、また教師として任命されたのだという確信。
②福音のために苦しみに会っているが、それは恥ではないという確信。
*主イエスは真実なお方なので、苦しみはは必ず善に変えられる。
③自分がお任せしたものを、かの日のために守ってくださるという確信。
*「私がお任せしたもの」とは、自分の魂と信者の魂である。
*「かの日」とは、裁きの日のことである。
4.2:1~2
2Ti 2:1 ですから、私の子よ、キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい。
2Ti 2:2 多くの証人たちの前で私から聞いたことを、ほかの人にも教える力のある信頼できる人たちに委ねなさい。
(1)テモテの働きの目標は、「信者の弟子化」にある。
①パウロが第一世代であり、テモテが第二世代である。
②テモテが教える信頼できる人たちは、第三世代である。
③第三世代が教えるほかの人たちは、第四世代である。
(2)福音が正確に伝わったのは、弟子たちの「鎖」がつながっていたからである。
①伝道とは、第四世代の信者が育つことを目標に行なうものである。
Ⅱ.偽教師に関する勧告(2:14~26)
1.2:15
2Ti 2:15 あなたは務めにふさわしいと認められる人として、すなわち、真理のみことばをまっすぐに説き明かす、恥じることのない働き人として、自分を神に献げるように最善を尽くしなさい。
(1)偽教師たちが偽の教えを言い広め、クリスチャンたちを惑わしていた。
①大多数の人たちが真理から逸れていく中で、いかに生きるべきか。
②多数派の意見に流されることは、赦されない。
(2)俗悪なむだ話を避ける。
①張本人は、ヒメナイとピレトである。
②「私は、彼ら(ヒメナイとアレクサンドロ)をサタンに引き渡しました」
(1テモ1:20)。
③復活がすでに起こったかのような教えが言い広められていた。
④つまり、復活とは内的、霊的なものであるとの主張がなされていた。
⑤もしそれが本当なら、再臨の時には、からだのよみがえりはない。
⑥その教えの悪影響を受けた人たちは、真理から外れ、信仰を失ってしまった。
⑦単純な聖書の真理を、言葉の議論によって複雑にしてしまっていた。
(3)パウロはテモテに、慰めの言葉を書き送った。
①救いに選ばれた人が信仰をなくすことはあり得ない。
②神の堅固な土台には、「主はご自分に属する者を知っておられる」とある。
③それゆえ、主の御名を呼ぶ者は誰でも不義を離れるべきである。
2.2:20~21
2Ti 2:20 大きな家には、金や銀の器だけでなく、木や土の器もあります。ある物は尊いことに、ある物は卑しいことに用いられます。
2Ti 2:21 ですから、だれでもこれらのことから離れて自分自身をきよめるなら、その人
は尊いことに用いられる器となります。すなわち、聖なるものとされ、主人にとって役に立つもの、あらゆる良い働きに備えられたものとなるのです。
(1)不義を離れるべきだということを、器のたとえを用いて解説している。
①大きな家(教会)には、さまざまな器(教会の構成員)がある。
②尊いことに用いられる金や銀の器
③卑しいことに用いられる木や土の器
*卑しい器とは、偽教師のことである。
④尊い器になりたいと思うなら、偽教師との交わりを離れ、聖別された者とし
ての歩みを始めなければならない。
(2)「若いときの情欲を避け、きよい心で主を呼び求める人たちとともに、義と
信仰と愛と平和を追い求めなさい」
①「若いときの情欲」とは、肉的な欲望だけではない。
②自我の強さ、論争好きな性質、性急な判断、野心などもこの中に含まれる。
Ⅲ.終わりの時代に関する勧告(3:1~17)
1.3:1
2Ti 3:1 終わりの日には困難な時代が来ることを、承知していなさい。
(1)終わりの時代(終末時代)になると、大規模な背教が起こる。
①それは、この世を混乱させるだけでなく、教会を破壊するほどの動きとなる。
②その原因となるのが、偽教師の存在である。
③背教者の特徴が、20項目にわたって列挙されている(3:2~5)。
(2)背教者との交わりを断つ。
①特に名指しで指摘されているのが、「愚かな女たち」である。
*偽の教えに影響されやすい幼稚な女性たち
②偽教師たちは、出エジプト記でモーセに敵対した呪術師のようである。
*ヤンネとヤンブレという名が上げられている。
③偽教師たちの欺瞞性は、いずれすべての人にはっきり分かるようになる。
④背教に対する最大の武器は、交わりを絶つことである。
2.3:12
2Ti 3:12 キリスト・イエスにあって敬虔に生きようと願う者はみな、迫害を受けます。
(1)パウロの宣教活動には、最初から苦難と迫害が伴っていた。
①しかし、「主はそのすべてから私を救い出してくださいました」と語る。
(2)信仰者が迫害に会うことは、新約聖書の真理である。
①この言葉は、クリスチャンの目を覚まさせるものである。
②今でも世界の多くの国々では、クリスチャンに対する迫害が起こっている。
3.3:16
2Ti 3:16 聖書はすべて神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練のために有益です。
(1)パウロの教えの確かさは、その源である「聖書」に基づいている。
①聖書は、人に知恵を与え、信仰による救いを受けさせることができる。
②聖書はすべて、「神の霊感(神のいぶき)」によって書かれたものである。
③それゆえ、「教えと戒めと矯正と義の訓練のために有益」である。
(2)聖書に対してどのような態度を取るかによって、その人の信仰が決まる。
①聖書を離れては、私たちは何一つ有益なことをすることができない。
Ⅳ.個人的務めに関する勧告(4:1~22)
1.4:2
2Ti 4:2 みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。忍耐の限りを尽くし、絶えず教えながら、責め、戒め、また勧めなさい。
(1)テモテに対するパウロの言葉には、遺言のような重みと厳粛さがある。
①神から啓示された福音を伝えることが、伝道者の第一義的使命である。
②どのような状況に置かれていようとも、その使命は変わらない。
③時が良くても悪くても、みことばを宣べ伝える。
(2)みことばを宣べ伝える理由が2つある。
①「キリストのさばきの座」において働きが吟味される時が来る。
*その日は、忠実な者には喜びの日、不忠実な者には悲しみの日となる。
②信仰者が真理から離れる時代が来る。
*健全な教えよりも自分に都合のいいことを聞きたがるようになる。
*真理を語る教師よりも、思い通りになる教師を寄せ集めるようになる。
2.4:6~8
2Ti 4:6 私はすでに注ぎのささげ物となっています。私が世を去る時が来ました。
2Ti 4:7 私は勇敢に戦い抜き、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました。
2Ti 4:8 あとは、義の栄冠が私のために用意されているだけです。その日には、正しいさばき主である主が、それを私に授けてくださいます。私だけでなく、主の現れを慕い求めている人には、だれにでも授けてくださるのです。
(1)死を目前に控え、自らの生涯を振り返った証しを、テモテに書き送っている。
①パウロは、自分の命は注ぎの供え物となると語っている。
*殉教者として「血を流す」であろうという預言である。
②「私は勇敢に戦い抜き、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました」
(2)パウロの望みは、正しい審判者の前に立って、義の栄冠をいただくこと。
①義の栄冠は、「主の現われを慕っている者には、だれにでも」与えられる。
(3)私たちは、どのような言葉を語りながら死んでいくのだろうか。
①パウロのように、感謝と希望の言葉を語れる人は幸いである。
②もしその自信がないなら、何が不足しているか黙想してみよう。
週間アクセスランキング
コリント人への手紙第二(13)批判する者たちへの反論10:1~18
Q421 天国でも性別は存在しますか。
イスラエル旅2023#088中川牧師とめぐる旅:【エルサレム旧市街】4つの地区とエルサレムの再統一
コリント人への手紙第二(14)パウロと偽使徒の違い(1)11:1~15
コリント人への手紙第二(12)エルサレム教会への献金(3)-喜んで与える祝福―9:1~15
Q420 頭に燃える炭火を積むとはどういう意味ですか。