使徒の働き(97)―船の座礁―

  • 2020.03.29
  • 使徒の働き 27章27~44節
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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船の座礁の記事から教訓を学ぶ。

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「船の座礁」

使徒27:27~44

1.はじめに

(1)文脈の確認

①パウロは、カイザリヤからローマに向かう(27:1~28:15)。

②パウロは、ローマに上るというゴールを常に意識していた。

③使19:21

Act 19:21 これらのことが一段落すると、パウロは御霊の示しにより、マケドニヤとアカヤを通ったあとでエルサレムに行くことにした。そして、「私はそこに行ってから、ローマも見なければならない」と言った。

④前回は、大嵐との遭遇を取り上げた。

*船が漂流し、乗員たちは絶望した。

*パウロは、彼らを励まし、神のことばを伝えた。

*使27:22

Act 27:22 しかし、今、お勧めします。元気を出しなさい。あなたがたのうち、いのちを失う者はひとりもありません。失われるのは船だけです。

⑤今回は、船の座礁を取り上げる。

*神の国と悪魔の国(月刊紙に連載中)

*この箇所でも、小さなスケールでの葛藤が起こっている。

 

(2)アウトライン

①逃亡しようとする水夫たち(27~32節)

②一同を励ますパウロ(33~38節)

③座礁する船(39~44節)

 

結論:

(1)神の約束と悪魔の妨害

(2)神の約束が成就する方法

 

船の座礁の記事から教訓を学ぶ。

Ⅰ.逃亡しようとする水夫たち(27~32節)

1.27~28節

Act 27:27 十四日目の夜になって、私たちがアドリヤ海を漂っていると、真夜中ごろ、水夫たちは、どこかの陸地に近づいたように感じた。

Act 27:28 水の深さを測ってみると、四十メートルほどであることがわかった。少し進んでまた測ると、三十メートルほどであった。

(1)14日目の夜になって

①船は嵐の中を14日間漂流した。「良い港」を出てからの日数である。

*船は、約750キロ流された。

②水夫たちは、陸地に近づいていると感じた。

*水夫は、陸地の臭いをかぎ分けることができると言われている。

*あるいは、岸に打ち付ける波の音を聞いた可能性もある。

 

(2)アドリヤ海を漂っていると

①当時、アドリヤ海とは、地中海の中央部のことである。

*イタリア、クレテ島、北アフリカに囲まれた海域

②パウロの船は、地中海の南側から北西に流された。

 

(3)水深を2度測った。

①糸(ロープ)に錘を付け、どこまで沈むかで水深を測る。

②1オルギヤ(竿)=6フィート(180㎝)

③20オルギヤ=180㎝×20=36メートル

④15オルギヤ=180㎝×15=27メートル

⑤水深が浅くなって行くので、陸地に近づいているのが分かる。

 

2.29~30節

Act 27:29 どこかで暗礁に乗り上げはしないかと心配して、ともから四つの錨を投げおろし、夜の明けるのを待った。

Act 27:30 ところが、水夫たちは船から逃げ出そうとして、へさきから錨を降ろすように見せかけて、小舟を海に降ろしていたので、

(1)船が暗礁に乗り上げるのを恐れ、4つの錨を投げ下ろした。

①船が流されないように固定するためである。

②ともから錨を降ろした理由は、へさきを陸地に向けるためである。

 

(2)夜の明けるのを待った。

①「夜が明けるのを待ちわびた」(新改訳2017)

②ギリシア語で「ユーコマイ」は、「祈った」という訳も可能である。

 

(3)ところが、水夫たちは船から逃げ出そうとした。

①水夫たちは、小舟に乗って自分たちだけが助かろうとした。

②彼らは、へさきから錨を降ろすように見せかけて、小舟を海に降ろしていた。

③パウロは、鋭い観察眼で、水夫たちの陰謀を見抜いた。

 

3.31~32節

Act 27:31 パウロは百人隊長や兵士たちに、「あの人たちが船にとどまっていなければ、あなたがたも助かりません」と言った。

Act 27:32 そこで兵士たちは、小舟の綱を断ち切って、そのまま流れ去るのに任せた。

(1)パウロは、百人隊長や兵士たちに警告を発した。

①水夫たちは、船を操る専門家である。

②乗員たちの命を守るためには、彼らの力が必要である。

③彼らがいなくなると、船は非常に危険な状態に陥る。

④今回は、百人隊長はパウロの助言を聞き入れた。

 

(2)兵士たちは、小舟が水夫たちに利用されることがないように、綱を断ち切った。

①これは百人隊長の命令による行為である。

②小舟は、そのまま流されて行った。

③後に上陸する際に役立ったはずの小舟が、このとき、なくなってしまった。

④乗員たちは、岸まで泳いで行くことになる。

Ⅱ.一同を励ますパウロ(33~38節)

1.33~34節

Act 27:33 ついに夜の明けかけたころ、パウロは、一同に食事をとることを勧めて、こう言った。「あなたがたは待ちに待って、きょうまで何も食べずに過ごして、十四日になります。

Act 27:34 ですから、私はあなたがたに、食事をとることを勧めます。これであなたがたは助かることになるのです。あなたがたの頭から髪一筋も失われることはありません。」

(1)常識を働かせるパウロ

①パウロは、食事をとることを勧めた。

②乗員たちは、嵐の中を漂流したため、14日間も食事をとっていなかった。

③上陸するためには、体力が必要である。

 

(2)神の約束を伝えるパウロ

「これであなたがたは助かることになるのです」

「あなたがたの頭から髪一筋も失われることはありません」

*これは、旧約聖書によく出て来る格言である。

*その意味は、ユダヤ人でなくても理解できた。

*「あなたがたの頭の毛さえも、みな数えられています」(ルカ12:7)

 

2.35~36節

Act 27:35 こう言って、彼はパンを取り、一同の前で神に感謝をささげてから、それを裂いて食べ始めた。

Act 27:36 そこで一同も元気づけられ、みなが食事をとった。

(1)これは聖餐式ではない。

①ユダヤ的祈りから始める食事である。

②食前の祈り(b’rakhah)

「Barukh attah, Adonai Eloheynu, Melekh-ha’olam, haMotzi lechem min ha’aretz」

(Praised be you, Adonai our God, King of the universe, who brings forth

bread from the earth).

「あなたを称えます、私たちの神【主】、宇宙の王、地からパンを取り出す方」

③この救出は、パウロの神によるものであることが、印象付けられた。

 

(2)パウロは、パンの一片を裂き、それを食べた。

①一同はパウロの例に倣い、食事をとった。

②この食事は、彼らに力を与えた。

 

3.37~38節

Act 27:37 船にいた私たちは全部で二百七十六人であった。

Act 27:38 十分食べてから、彼らは麦を海に投げ捨てて、船を軽くした。

(1)乗員は、276人いた。

①その中に囚人が何人いたのかは、分からない。

 

(2)十分に食べてから、彼らは船荷(麦)を海に投げ捨てた。

①船を軽くするためである。

②吃水(船が沈む深さ)を浅くするための方法である。

③これは、船を可能な限り陸に近づけるための対策である。

 

Ⅲ.座礁する船(39~44節)

1.39~40節

Act 27:39 夜が明けると、どこの陸地かわからないが、砂浜のある入江が目に留まったので、できれば、そこに船を乗り入れようということになった。

Act 27:40 錨を切って海に捨て、同時にかじ綱を解き、風に前の帆を上げて、砂浜に向かって進んで行った。

(1)砂浜のある入江

①伝統的に聖パウロ湾と呼ばれている。

②港ほどではないが、船を着けるのに適した場所である。

③そこの砂浜に船を乗り上げることにした。

 

(2)船は前進し始めた。

①船の両側に付いている櫂を出し、それで漕ぎ始めた。

②前の帆は、船に推進力を与えた。

 

2.41~42節

Act 27:41 ところが、潮流の流れ合う浅瀬に乗り上げて、船を座礁させてしまった。へさきはめり込んで動かなくなり、ともは激しい波に打たれて破れ始めた。

Act 27:42 兵士たちは、囚人たちがだれも泳いで逃げないように、殺してしまおうと相談した。

(1)2つの潮流が混じり合う所では、砂や泥が堆積していた。

①そこに浅瀬があることは見えなかった。

②砂浜に乗り上げる前に、船はその浅瀬に乗り上げ、座礁した。

③へさきが砂の中にめり込んだ。

④船は動かなくなり、後部が激しい波に打たれ壊れ始めた。

 

(2)兵士たちは、囚人たちを殺そうとした。

①彼らが逃げたなら、自分たちが死刑宣言を受けることになる。

②囚人たちを殺すのは、自己保身のためである。

③囚人たちが殺されたら、パウロが語った神の約束は成就しなかったことになる。

 

3.43~44節

Act 27:43 しかし百人隊長は、パウロをあくまでも助けようと思って、その計画を押さえ、泳げる者がまず海に飛び込んで陸に上がるように、

Act 27:44 それから残りの者は、板切れや、その他の、船にある物につかまって行くように命じた。こうして、彼らはみな、無事に陸に上がった。

(1)百人隊長は、パウロを助けようとした。

①彼は、パウロが信頼できる人物であることを認めた。

 

(2)百人隊長は、3つのことを命じた。

①兵士たちの計画を認めなかった。

②泳げる者は、先に泳いで陸に上がるように命じた。

③泳げない者は、浮ぶ物につかまって陸まで行くように命じた。

 

(3)パウロの預言が成就した。

①船は壊れた。

②しかし、全員が無事に上陸した。

 

結論

1.神の約束と悪魔の妨害

(1)小舟で逃げようとする水夫たち

①水夫たちの計画をパウロが見抜いた。

②百人隊長は、パウロの勧告に従った。

③兵士たちは、小舟を切り離した。

 

(2)潮流の流れ合う浅瀬

①砂浜に乗り入れようとしたが、浅瀬がそれを妨害した。

②パウロは、食事を勧めていた。

③百人隊長の冷静な判断があった。

*泳げる者を先に行かせた。

*泳げない者には、浮遊物につかまるように命じた。

 

(3)囚人を殺そうとする兵士たち

①百人隊長の冷静な判断があった。

*兵士たちを静めた。

*パウロを救おうとした。

 

2.神の約束が成就する方法

(1)人間の努力と超自然の要素が調和している。

①水夫の存在が必要である。

②食事が必要である。

③泳ぎの能力や浮遊物が必要である。

 

(2)パウロに起こったことを普遍化してはならない。

①神は、不信者を用いて働かれることもある。

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