Q233 山上の垂訓はどう理解すべきでしょうか。

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山上の垂訓を読んでいると、実行不可能すぎて辛くなる・・・という方のご質問です。

 

時代背景・文化・文脈を知らずに聖書を読むと苦しくなってしまう、代表的な例かもしれません。

233 山上の垂訓はどう理解すべきでしょうか

Q :山上の垂訓の中にある命令は、私にはとても実行できないような内容です。読んでいて辛くなります。山上の垂訓は、どう理解すべきでしょうか。

 

A:山上の垂訓というのは、マタイの福音書5~7章に出て来るイエス・キリストの説教です。これは、人類史上最も有名な説教だと言えるでしょう。「心の貧しい者は幸いです」を始めとする8つの「幸い」が語られていることで、よく知られています。山上の垂訓について、いつものように3つ申し上げます。

 

1 番目に、山上の垂訓の歴史的背景を理解することが重要です。

この時代、一般的なユダヤ人たちは、「神の国に入るために必要な義とは何か」を真剣に追求していました。パリサイ人たちの「律法の義」の概念は幅広いものでした。彼らは、「ユダヤ人として生まれた者は、すべて神の国に入れる」と教えていました。さらに、律法に熱心な者は、神の国で高い地位に就くようになるとも教えていました。しかし、ナザレのイエスは、悔い改めの必要性と信仰による義を説かれました。民衆の疑問は、どちらの義が正しいのかというものでした。パリサイ人たちが教える義は、広い門であり、イエスが教える義は、狭い門です。

 

2 番目に、山上の垂訓は、救いに至る道を教えているのではありません。

つまり、「これを守れば、天国に入れる」ということではないのです。質問者さまが辛くなる理由は、これでは自分は救われないと感じるからではないでしょうか。もし山上の垂訓が救いの条件であるなら、救われる人はひとりもいません。

 

3 番目に、山上の垂訓の本質は、メシアによるモーセの律法の解き明かしです。

山上の垂訓は、メシアによる「神の国に入るための義」の解説です。イエスをメシアとして受け入れた者は、その義を手に入れたのです。イエスは8つの「幸いです」という宣言によって、「神の義」を手に入れた人たちの特徴を上げています。

聖書が教える救いは、信仰により、恵みによって与えられます。これを何度も復習する必要があります。分かったつもりでも、いつのまにか律法的になってしまうのが私たちです。神は私たちの外面ではなく、内面を見ておられます。山上の垂訓は、信仰によって義とされた人に対して語られたもので、どうすれば神に喜ばれる生活ができるかを教えています。

 

参考になる聖句

「その群衆を見て、イエスは山に登られた。そして腰を下ろされると、みもとに弟子たちが来た」 (マタ5:1)

 

山上の垂訓は、メシアによる「神の義」の解説です。

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