私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
2019年の世界を読み解く
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2019年という時点に立って、クリスマスの意味を再評価する。
2019 年の世界を読み解く
マタ1 :18 ~25
イントロダクション
1.今、2019年という時点に立って、クリスマスの意味を再評価してみよう。
2.アウトライン
(1)2019年の情景
(2)2019年のクリスマス
2019 年という時点に立って、クリスマスの意味を再評価する。
Ⅰ.2019 年の情景
1 .ベルリンの壁崩壊から30 年
(1)1989年11月9日ベルリンの壁が崩壊した。
①私は、このニュースをエルサレムのホテルのテレビで観た。
*世界は激変すると感じた。
②12月3日マルタ会談で、米ソ両首脳が冷戦の終結を宣言した。
③民主主義、資本主義の勝利と言われた。
④「新世界秩序」(ゴルバチョフ書記長とブッシュ大統領)
(2)この30年で、世界は予想外の方向に動いた。
①移民・難民の排除、英国のEU離脱、自国第一主義などの新しい壁
②冷戦に勝利した西側に驕りがあった。
*ロシアを無視したNATO(北大西洋条約機構)の東欧諸国への拡大
*東ドイツの市民を「二級市民」扱いした。
③現在ロシアは、東欧の民主主義諸国を攪乱し、自らの影響下に置こうとし
ている。
④中国もロシアと連携し、民主主義的秩序を壊そうとしている。
*中国のGDP(国内総生産)は、ロシアの約8倍に上る。
(3)一般のメディアが余り報じない情報
①1990年代、旧ソビエト連邦から100万人以上のユダヤ人が帰還した。
②これは、不信仰な状態での帰還である(エゼ20:33~38)。
2 .米国と中国の対立
(1)冷戦終結の必然的結果として、「グローバリゼーション」が広がった。
①ITを中心としたテクノロジーの発展が、この動きを推進した。
*1990年代のインターネットの発展
*2000年代のAIの発展
②米国と中国に富が集中した。
③格差の拡大
*1割の人が世界の富の8割以上を占めるようになった。
④各地で、移民・難民が急増し、移民排斥運動が世界に広がっている。
⑤国際協調主義が後退し、独裁的な手法を取る指導者が増えた。
⑥日本は、依然としてぬるま湯に浸かったような状態にある。
(2)米国は羅針盤を失った船のようである。
①米国の外交政策は、世界でリーダーシップを取る時代と、孤立主義の時代
が、交互にやって来る。
②「銃かバターか」という議論
③経済格差の進展により、「バター」を求める声が大きくなっている。
④その声に応えるための「米国第一主義」である。
*これは、孤立主義の復活である。
*トランプ米大統領だけでなく、米国民全体の問題である。
(3)中国は、中華思想の復活を目指している。
①中国は、東南アジア、南太平洋、中央アジア、中・東欧、アフリカなどに
支援外交を展開している。
②中国の国家資本主義は、民主主義の優越性に疑問符を投げかけている。
③中国のビジネスモデルに魅力を感じる指導者は、多くいる。
④米国は自国よりGDPが大きくなる可能性のある相手と初めて対峙する。
⑤民主主義の維持、発展のために、課題は多い。
*貪欲資本主義の修正
*貪欲の罪という人類全体の問題が根底にある。
(4)世界秩序は、米中の友好関係だけで維持されるような単純なものではない。
①気候変動問題
②北朝鮮問題
③イスラム過激派問題
*『イスラム教の論理』飯山陽新潮新書
*イスラム教の本音、インターネットとIS(イスラム国)の関係
3 .アフリカの台頭
(1)技術革新の時代に生きる後発の利
①規正が少ないので、後発国として技術革新を最大限に生かせる。
②中国だけでなく、日本もアフリカとの関わりを深めている。
③第7回アフリカ開発会議(TICAD)が8月に横浜市で開かれた。
*援助から投資中心へ転換した。
(2)「後の者が先になる」(マタ20:16)
4 .地球温暖化
(1)過去10年間の平均気温は、過去最高となるのは確実である。
①異常気象による熱波、洪水、干ばつ、ウイルスによる感染症の広がり
②2020年にスタートするパリ協定は、産業革命前からの気温上昇を2度未満、
できれば1.5度に押さえることを目標としている。
③CO2の排出量は、中国がトップ、次に米国
*米国は、パリ協定からの離脱手続きを始めている。
④石炭火力発電所を建設し続ける日本への風当たりは厳しい。
⑤COP25は、不十分な内容で終わった。
(2)希望を感じる情報
①スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)
②国連の「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)
③日経新聞社は、「SDGs経営調査」を投資判断に加える動きを開始した。
④ESG投資の拡大(Environment、Social、Governance)
⑤GDPから新国富指標へ
⑥大気の可視化(地球規模の大気の質をピンポイントで測る)
(3)聖書の視点
①被造世界の管理(創1章)
②被造世界のうめき(ロマ8:19~22)
5 .新天皇の即位
(1)憲法議論のない天皇の代替わりであった。
①象徴天皇性とは何か。
②国民主権や政教分離の原則との関係はどうか。
③各即位儀式を従来通りの方法で繰り返すことの正当性はどうか。
④大嘗祭を国費で行うことは許されるのか。
(2)雑感
①天皇家に対する親しみと、天皇制が必要かどうかは、無関係である。
*天皇制が政治利用される可能性は常に存在する。
②明治天皇、大正天皇、昭和天皇、平成の天皇
*作られたイメージと実像の間に乖離がある。
(3)天皇制は、クリスチャンにとって悩ましい問題である。
①クリスチャンは、この世の権威に従うように命じられている。
②しかし、この世の権威が神の権威に従わない場合は、どうしたらよいのか。
③天皇制が政治利用されないように監視する必要がある。
6 .ラグビー・ワールドカップ
(1)今年の流行語大賞「ONE TEAM」
①外国人選手が、チームの中核にいる。
②ワンチームの内容
*多国籍のメンバー
*個性を生かしたプレー
*パスをつなぐという利他的行為
*「ノーサイド」の精神
③現代企業が必要としている概念である。
④令和の天皇と皇后が、皇室外交の新しい形を作る可能性がある。
(2)教会は、究極的な「ONE TEAM」である。
①多様性と一致(1コリ12章)
②クリスチャン新聞(11/24)
*「九州宣教フォーラム2019」での竿代照夫氏の講演
*「教職・信徒の宣教協力」
*「プロ・アマ」意識の克服を
*役割の違いはあっても、上下関係はない。
7 .ローマ教皇来日
(1)ローマ教皇フランシスコは、政治的指導者たちに、危機意識を喚起させた。
①核廃絶
②「贅沢で便利な生活」から「控え目でつつましい生き方」への転換
③団結と協力の重要性
④日本の政治家たちの反応は、影が薄かった。
(2)プロテスタントのクリスチャンのとまどい
①人類が共通して抱える罪の問題への言及がなかった。
②キリストの福音の伝達がなかった。
③カトリック教会が抱える問題(セクハラ被害者10万人、処分者1万人)
④エキュメニカル運動への疑問
8 .AI 時代
(1)AI時代を生き抜くために何が必要か。
①「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」(新井紀子著 東洋経済)2018/2/2
②「AIに負けない子どもを育てる」(新井紀子著 東洋経済)2019/9/6
③単純な日本語が理解できない小中学生が予想外に多い。
④OECD学力調査では日本は読解力で前回の8位から15位に。
⑤AIにできないスキルを身に付ける必要がある。
(2)「聖書研究から日本の霊的覚醒(目覚め)が」
①教会がカルト化していく危険性を阻止する。
9 .5G 時代
(1)5Gとは第5世代移動通信システムのことである。
①日本では2020年からサービス開始
②4G(第4世代移動通信システム)の100倍の「高速・大容量」
③断絶的技術革新ではなく、4Gの延長線上にある。
*IoTが飛躍的に広がる。
④米国と中国の覇権争いが激化している(一人勝ちの危険性)。
(2)技術そのものは善でも悪でもない。
①それをどう利用するかは、私たちの責任である。
②伝えるべき真理や本質は変わらない。
③デジタル技術+バイオ技術=世界支配(反キリスト登場のシナリオ)
10 .終末時代
(1)第10回再臨待望聖会
①10年前よりも状況は緊迫している。
(2)終末時代の兆候
①外からの迫害、内からの教理的逸脱
②今年は、NAR問題に関して苦慮した。
③来年は、ネット空間に日本語で読めるサイトを構築するつもりである。
Ⅱ.2019 年のクリスマス(マタ1 :18 ~25 )
1.18~19節
Mat 1:18 イエス・キリストの誕生は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人がまだ一緒にならないうちに、聖霊によって身ごもっていることが分かった。
Mat 1:19 夫のヨセフは正しい人で、マリアをさらし者にしたくなかったので、ひそかに離縁しようと思った。
(1)ヨセフの生活の情景
①覇権国ローマの支配
②ガリラヤという辺境の地
③大工という慎ましい生活
④マリアとの婚約
*2人だけで時間を過ごしたことはない。
*親から、信仰深い、知的な乙女だと聞かされている。
(2)絶望的な知らせ
①婚約者の妊娠
②内面の葛藤
*申22:23~27に従って、マリアを法廷でさらし者にする。
*証人2人の前で離婚状を与え、内密に去らせる。
2.20~21節
Mat 1:20 彼がこのことを思い巡らしていたところ、見よ、主の使いが夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフよ、恐れずにマリアをあなたの妻として迎えなさい。その胎に宿っている子は聖霊によるのです。
Mat 1:21 マリアは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方がご自分の民をその罪からお救いになるのです。」
(1)天使が、夢に現れた。
①マリアは、聖霊によって身ごもった。
②イエスとは、「主は救う」という意味である。
3.22~23節
Mat 1:22 このすべての出来事は、主が預言者を通して語られたことが成就するためであった。
Mat 1:23 「見よ、処女が身ごもっている。/そして男の子を産む。/その名はインマヌエルと呼ばれる。」/それは、訳すと「神が私たちとともにおられる」という意味である。
(1)イザ7:14の預言の成就
①その名はインマヌエルと呼ばれる。
②それは、訳すと「神が私たちとともにおられる」という意味である。
(2)イエスは「インマヌエル」という名で呼ばれたわけではない。
①その人格と生涯を通して、「神が私たちとともにおられる」ことを示した。
②旧約時代に神殿に宿ったシャカイナグローリーは、イエスの内に宿った。
4.24~25節
Mat 1:24 ヨセフは眠りから覚めると主の使いが命じたとおりにし、自分の妻を迎え入れたが、
Mat 1:25 子を産むまでは彼女を知ることはなかった。そして、その子の名をイエスとつけた。
(1)青年ヨセフは、ワンチームのために、ボールを次の世代にパスしたのである。
①2019年のクリスマスのキーワードは、「インマヌエル」である。
②私たちの使命は、次世代にボールをパスすることである。
まとめ
(1 )神は、私たちとともにおられる。
(2 )神は、私たちのことを見ておられる。
(3 )神は、「ワンチーム」のために私たちを用いてくださる。
(4 )神は、あらゆる問題よりも大きな方である。
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