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十字架のことば(8)—第7のことば:信頼の祈り—
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「父よ。わが霊を御手にゆだねます」このことばの現代的意味について考えます。
十字架のことば(8)
―第7のことば:信頼の祈り―
ルカ23:44~49
「そのときすでに十二時ごろになっていたが、全地が暗くなって、三時まで続いた。太陽は光を失っていた。また、神殿の幕は真っ二つに裂けた。イエスは大声で叫んで、言われた。『父よ。わが霊を御手にゆだねます。』こう言って、息を引き取られた。
この出来事を見た百人隊長は、神をほめたたえ、『ほんとうに、この人は正しい方であった』と言った。また、この光景を見に集まっていた群衆もみな、こういういろいろの出来事を見たので、胸をたたいて悲しみながら帰った。しかし、イエスの知人たちと、ガリラヤからイエスについて来ていた女たちとはみな、遠く離れて立ち、これらのことを見ていた」
1.はじめに
*「十字架のことば」には7つある。
①前半:午前9時から正午までの間の3時間
*3つのことば
②後半:正午から午後3時までの間の3時間
*4つのことば
(1)赦しの祈り
「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」
(ルカ23:34)
(2)救いを約束することば
「まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいま
す」 (ルカ23:43)
(3)愛のことば
「女の方。そこに、あなたの息子がいます」 (ヨハ19:26)
「そこに、あなたの母がいます」 (ヨハ19:27)
(4)絶望の叫び
「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」
「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか」 (マタ27:46)
(5)苦痛の叫び
「わたしは渇く」 (ヨハ19:28)
①第4のことばは、魂の苦痛を表現することばである。
②第5のことばは、肉体の苦痛を表現することばである。
(6)勝利の叫び
「完了した」 (ヨハ19:30)
(7)信頼の祈り
「父よ。わが霊を御手にゆだねます」 (ルカ23:46)
*きょうの箇所は、十字架の死のクライマックスである。
*4つの注目すべきことが起こっている。
2.アウトライン
(1)暗黒
(2)神殿の幕
(3)イエスの祈り
(4)百人隊長
3.結論:このことばの現代的意味について考える。
このメッセージは、第7のことばの意味について考えるものである。
Ⅰ.暗黒(44~45節a)
「そのときすでに十二時ごろになっていたが、全地が暗くなって、三時まで続いた。太陽
は光を失っていた」 (44~45節a)
1.12時から3時まで、暗黒が襲った。
(1)十字架の苦しみの後半である。
(2)午後3時は、夕刻のささげ物を捧げる時間である。
2.暗黒は、エジプトに下った裁きのひとつである。
「モーセが天に向けて手を差し伸ばしたとき、エジプト全土は三日間真っ暗やみとなった」
(出10:22)
3.暗黒は、終末時代に下る裁きのひとつである。大患難時代のことである。
(1)イザ13:10
「天の星、天のオリオン座は光を放たず、太陽は日の出から暗く、月も光を放たない」
(2)エゼ30:3
「その日は近い。【主】の日は近い。その日は曇った日、諸国の民の終わりの時だ」
(3)アモ5:18
「ああ。【主】の日を待ち望む者。【主】の日はあなたがたにとっていったい何になる。
それはやみであって、光ではない」
(4)ゼカ14:6
「その日には、光も、寒さも、霜もなくなる」
4.この暗黒は、御子イエスが父なる神と切り離されていることを示している。
(1)永遠の昔から切り離されたことのない父と子の関係が、切断されている。
(2)私たち罪人が受けるべき裁きを、御子が身代わりになって受けておられる。
(3)その結果、罪びとである私たちと父なる神の関係が変化した。
Ⅱ.神殿の幕(45節b)
「また、神殿の幕は真っ二つに裂けた」 (45節b)
1.神殿の幕とは、聖所と至聖所を仕切る幕である。
(1)年に一度だけ、しかも大祭司だけが、幕の内側(至聖所)に入ることができた。
①至聖所には、シャカイナグローリーが輝いていた。
②神は地域を限定して、至聖所にだけ継続的に臨在された。
③大祭司は、シャカイナグローリーに照らされて奉仕をした。
(2)イスラエルの民は、いけにえの犠牲を捧げ、大祭司を通してシャカイナグローリ
ーに近づくことができた。
2.神殿の幕は、イエスの体を象徴している。
(1)イエスの体が裂かれた時、神殿の幕も裂かれた。
①マタイは「神殿の幕が上から下まで真っ二つに裂けた」(27:51)と記している。
②父なる神が人類に手を差し伸べられたことを示している。
(2)神殿の幕が裂かれたのは、モーセの律法が破棄されたことを示している。
①時代は、「律法の時代」から「恵みの時代」に移行していく。
3.「恵みの時代」の祝福
(1)エペ2:18
「私たちは、このキリストによって、両者ともに一つの御霊において、父のみもとに
近づくことができるのです」
①もはや、祭司もいけにえも不要となった。
②ユダヤ人も異邦人も、ともにキリストという幕を通って父なる神に近づく。
(2)エペ3:12
「私たちはこのキリストにあり、キリストを信じる信仰によって大胆に確信をもって
神に近づくことができるのです」
(3)ヘブ10:20~22
「イエスはご自分の肉体という垂れ幕を通して、私たちのためにこの新しい生ける道
を設けてくださったのです。また、私たちには、神の家をつかさどる、この偉大な祭
司があります。そのようなわけで、私たちは、心に血の注ぎを受けて邪悪な良心をき
よめられ、からだをきよい水で洗われたのですから、全き信仰をもって、真心から神
に近づこうではありませんか」
①律法の時代には、大祭司にしかできなかったことが、すべての信者にできるよ
うになった。
②私たち自身が、祭司としての使命と特権を受けたのである。
*礼拝、賛美、感謝
*執りなしの祈り
*父との関係そのものを楽しむ。
③これは、エデンの園の状態の回復である。
④この結末は、新天新地において成就する。
Ⅲ.イエスの祈り(46節)
「イエスは大声で叫んで、言われた。『父よ。わが霊を御手にゆだねます。』こう言って、
息を引き取られた」 (46節)
1.これは詩31:5の引用である。
「私の霊を御手にゆだねます。真実の神、【主】よ。あなたは私を贖い出してくださいま
した」 (詩31:5)
(1)これは信頼の詩篇である。
①メシア預言の詩篇である。
2.イエスの死は、自発的なものであった。
(1)ヨハ10:14~15
「わたしは良い牧者です。わたしはわたしのものを知っています。また、わたしのも
のは、わたしを知っています。それは、父がわたしを知っておられ、わたしが父を知
っているのと同様です。また、わたしは羊のためにわたしのいのちを捨てます」
(2)ヨハ10:17~18
「わたしが自分のいのちを再び得るために自分のいのちを捨てるからこそ、父はわた
しを愛してくださいます。だれも、わたしからいのちを取った者はいません。わたし
が自分からいのちを捨てるのです。わたしには、それを捨てる権威があり、それをも
う一度得る権威があります。わたしはこの命令をわたしの父から受けたのです」
(3)1ヨハ4:10
「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめ
の供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです」
Ⅳ.百人隊長(47節)
「この出来事を見た百人隊長は、神をほめたたえ、『ほんとうに、この人は正しい方であ
った』と言った」 (47節)
1.これは異邦人による信仰告白である。
(1)ルカは、異邦人の信仰について記している。
①そのクライマックスが、百人隊長のこの言葉である。
(2)マコ15:39では、「神の子」となっている。
①ルカは、読者のことを考慮している。
②ローマ人にとっては、「無罪」ということに大きな意味がある。
2.最初の異邦人信者もまた、百人隊長であった。
(1)カイザリヤに住むコルネリオという百人隊長
結論:
1.悲しみの場面
「また、この光景を見に集まっていた群衆もみな、こういういろいろの出来事を見たので、
胸をたたいて悲しみながら帰った。しかし、イエスの知人たちと、ガリラヤからイエスに
ついて来ていた女たちとはみな、遠く離れて立ち、これらのことを見ていた」(48~49節)
(1)群衆は、悲しみに襲われた。
①「胸をたたいて」とは、唯一可能な喪に服する動作である。
②罪人のためには、それ以外のことは許されていない。
(2)イエスの知人たちと、ガリラヤの女たちは遠く離れて立っていた。
①十字架に近い所に立つことは許されなかった。
②十字架は通常低かったので、視界が遮られることになるから。
2.十字架の物語は、ここで終わらない。
(1)3日後に、喜びの知らせが伝えられることになる。
①イエスは、死者の中から復活された。
(2)私たちの応答
①イエスがしたように、信頼の祈りを捧げること。
②いかなる苦難の中でも、信頼の祈りを捧げ続けること。
③祭司としての特権と使命を実行し続けること。
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