使徒の働き(23)―ステパノの弁明(1)―

  • 2018.08.08
  • 使徒7章:1〜16
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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ステパノの弁明について学ぶ。

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「ステパノの弁明(1)」

使徒7116

 

1.はじめに

1)ステパノは、使徒の働きの物語の岐路に立つ人物である。

①ステパノの裁判が始まる。

②偽証人たちは、ステパノがユダヤ教の4つの土台を冒涜していると攻撃した。

*神、モーセ、トーラー、神殿

 

2)イエスの裁判とステパノの裁判の類似点と相違点

①類似点

*出席しているメンバーは、ほぼ同じ。特に、大祭司カヤパ。

*訴因もほぼ同じである。

②相違点

*イエスの場合は、答えないで沈黙された。

*イザ537の成就

Isa53:7 彼は痛めつけられた。/彼は苦しんだが、口を開かない。/ほふり場に引かれて行く羊のように、/毛を刈る者の前で黙っている雌羊のように、/彼は口を開かない。

*ステパノは、雄弁に語った。

*弁明の内容は、糾弾されている点についての直接的反論ではない。

*むしろ彼は、攻撃をしかけている。

*その結果、彼は殉教の死を遂げることになる。

 

3)ステパノの弁明

①この弁明は、使徒の働きの中で最も長いメッセージである。

②この弁明は、歴史的事実の羅列ではなく、旧約聖書の組織神学である。

*ペテロやパウロは、旧約聖書を用いて福音を語った。

*ステパノの弁明には、福音そのものは出てこない。

*ステパノは、旧約聖書の内容を論じた。

③彼は、福音の普遍性は旧約聖書に根ざしていることを論証しようとした。

 

4)ステパノの弁明の6つのポイント(7153

①アブラハム:ユダヤ教の土台(718

②ヨセフ:拒否された者が高く上げられ救い主になった(7916)。

③モーセ:拒否された者が解放者になった(71740)。

④イスラエルの慢性的罪:偶像礼拝(74143

⑤神殿:神の臨在の普遍性(74450

⑥イスラエルの民の糾弾:常に聖霊に逆らっている(75153)。

 

2.アウトライン

1)アブラハム:ユダヤ教の土台(718

2)ヨセフ:拒否された者が高く上げられ救い主になった(7916)。

 

結論:

1)アブラハムの物語の適用

2)ヨセフの物語の適用

 

ステパノの弁明について学ぶ。

Ⅰ.アブラハム:ユダヤ教の土台(718

1.1

Act7:1 大祭司は、「そのとおりか」と尋ねた。

1)大祭司は、ユダヤの律法に基づいて、被告に弁明の機会を与えた。

「そのとおりか」

②偽証人たちは、ステパノが神、モーセ、トーラー、神殿を冒涜していると証言

した。

③この時のステパノの顔は、天使の顔のようであった。

 

2.23

Act7:2 そこでステパノは言った。「兄弟たち、父たちよ。聞いてください。私たちの父アブラハムが、ハランに住む以前まだメソポタミヤにいたとき、栄光の神が彼に現れて、 

Act7:3 『あなたの土地とあなたの親族を離れ、わたしがあなたに示す地に行け』と言われました。 

1「兄弟たち、父たちよ。聞いてください」

「兄弟たち」とは、親愛の情を込めた温かい呼びかけである。

「父たち」とは、サンヘドリンの議員たちに対する尊敬の呼びかけである。

③親愛と尊敬の情は、次第に糾弾の思いに変わって行く。

 

2)ステパノの弁明のゴール

①トーラーや神殿は、重要ではあるが、ユダヤ教の神髄ではない。

*それらのものは、ユダヤ教の土台が据えられて以降に付加された。

②ユダヤ教の神髄とは、神の民に対する神の愛であり、守りの計画である。

③神に愛されている民は、一貫して父の計画を認識することに失敗してきた。

 

3)最初の事例として、アブラハムが取り上げられる。

私たちの父アブラハム」は、ユダヤ教の式文に出て来る慣用句である。

②ユダヤ民族の父であるアブラハムに焦点が合わさる。

③と同時に、ユダヤ民族の究極的な父である神の行動にも焦点が合わさる。

④神は、アブラハムを召した(創1131123)。

*当時のアブラハムは、異邦人であった。

*彼は、メソポタミアに住んでいた。

 

3.45

Act7:4 そこで、アブラハムはカルデヤ人の地を出て、ハランに住みました。そして、父の死後、神は彼をそこから今あなたがたの住んでいるこの地にお移しになりましたが、 

Act7:5 ここでは、足の踏み場となるだけのものさえも、相続財産として彼にお与えになりませんでした。それでも、子どももなかった彼に対して、この地を彼とその子孫に財産として与えることを約束されたのです。 

1)アブラハムの移動

①カルデヤ人の地からハランへ

②父の死後、ハランから約束の地へ

 

2)神はアブラハムに、土地を与えると約束された。

①当時、アブラハムは一片の土地も所有していなかった。

*墓地でさえも購入する必要があった。

②また彼には、子どもがいなかった。

*神は、彼の子孫が約束の地を所有するようになると約束された。

 

4.67

Act7:6 また神は次のようなことを話されました。『彼の子孫は外国に移り住み、四百年間、奴隷にされ、虐待される。』 

Act7:7 そして、こう言われました。『彼らを奴隷にする国民は、わたしがさばく。その後、彼らはのがれ出て、この所で、わたしを礼拝する。』 

1)彼の子孫は、土地を所有する前に、外国で奴隷となり、虐待される。

①奴隷状態が400年間続く。

 

2)しかし神は、アブラハムの子孫を奴隷にした国を裁かれる。

①彼の子孫は、その国を逃れ、約束の地で神を礼拝するようになる。

 

5.8

Act7:8 また神は、アブラハムに割礼の契約をお与えになりました。こうして、彼にイサクが生まれました。彼は八日目にイサクに割礼を施しました。それから、イサクにヤコブが生まれ、ヤコブに十二人の族長が生まれました。 

1)神は、アブラハム契約の約束を必ず成就することを割礼によって確認された。

①トーラーや神殿ではなく、割礼(アブラハム契約)がユダヤ教の土台である。

 

2)アブラハムから、イサク、ヤコブ、12人の族長が生まれた。

①ステパノは、イサクとヤコブを飛ばして、曽孫のヨセフに飛ぶ。

 

 

Ⅱ.ヨセフ:拒否された者が高く上げられ救い主になった(7916

1.910

Act7:9 族長たちはヨセフをねたんで、彼をエジプトに売りとばしました。しかし、神は彼とともにおられ、 

Act7:10 あらゆる患難から彼を救い出し、エジプト王パロの前で、恵みと知恵をお与えになったので、パロは彼をエジプトと王の家全体を治める大臣に任じました。 

1)族長たちのヨセフに対する妬みは強烈であった。

①彼らは、ヨセフをエジプトに売り飛ばした。

*約1500年間、ユダヤ人の思考の中で、エジプトは異邦人による抑圧の原型

であり続けた。

②しかし、神は彼とともにおられた。

 

2)神はヨセフを守り、すべての出来事をご自身の計画の成就のために導かれた。

①その結果、ヨセフは「エジプトと王の家全体を治める大臣」に抜擢された。

②ヨセフは、兄弟たちからは拒否されたが、異邦人たちには受け入れられた。

③彼は、神の御手により高く上げられた。

 

2.1112

Act7:11 ところが、エジプトとカナンとの全地にききんが起こり、大きな災難が襲って来たので、私たちの父祖たちには、食物がなくなりました。 

Act7:12 しかし、ヤコブはエジプトに穀物があると聞いて、初めに私たちの父祖たちを遣わしました。 

1)族長たちは、食物を求めてエジプトに2度下ることになった。

①エジプト下りの背景は、エジプトとカナンの地を襲った大飢饉である。

②そのため、エジプトに行かざるを得なくなった。

③最初のエジプト下りの時は、族長たちはヨセフを認識することができなかった。

 

3.1314

Act7:13 二回目のとき、ヨセフは兄弟たちに、自分のことを打ち明け、ヨセフの家族のことがパロに明らかになりました。 

Act7:14 そこで、ヨセフは人をやって、父ヤコブと七十五人の全親族を呼び寄せました。 

12回目の訪問で、族長たちは、ヨセフがエジプトの宰相になったことを認識した。

 

2)イスラエルの民は、エジプトに移住した。

①創4627と出15では、70人となっている。

②七十人訳聖書では、75人となっている。

③ステパノは、七十人訳聖書を採用している。

75人は、70人にヨセフの孫5人を足した数字だと思われる(171427)。

 

4.1516

Act7:15 ヤコブはエジプトに下り、そこで彼も私たちの父祖たちも死にました。 

Act7:16 そしてシケムに運ばれ、かねてアブラハムがいくらかの金でシケムのハモルの子から買っておいた墓に葬られました。 

1)ステパノは、族長たちがシェケムに埋葬されたと述べている。

①シェケムは、約束の地における重要な町である。

②紀元1世紀には、シェケムはサマリヤの中心都市であった。

③ここでのシェケムへの言及は、次の展開(サマリヤ人伝道)への布石である。

 

2「かねてアブラハムがいくらかの金でシケムのハモルの子から買っておいた墓」

①矛盾点①

*ヨセフはシェケムに葬られた(ヨシ2432)。

*ヤコブはヘブロンに葬られた(創5013)。

②矛盾点②

*アブラハムは、ヘテ人からヘブロンにある畑地と墓地を買った。

*ハモルの子からシェケムの墓を買ったのは、ヤコブである。

③解決策

*ステパノは、2つの物語を一つにまとめて語っている。

④ルカは、表面的な矛盾を修正していない。

*ステパノの弁明を忠実に再現している証拠である。

 

 

結論:

1.アブラハムの物語の適用

1)ユダヤ教の土台は、トーラーや神殿ではない。

2)ユダヤ教の土台は、神の愛と神の計画(守り)である。

3)神の愛と神の計画の啓示が、アブラハム契約である。

4)アブラハム契約のしるしが、割礼である。

5)割礼が、ユダヤ人の自己認識の土台であり、神との関係の土台である。

6)創17910

Gen17:9ついで、神はアブラハムに仰せられた。「あなたは、あなたの後のあなたの子孫とともに、代々にわたり、わたしの契約を守らなければならない。

Gen17:10次のことが、わたしとあなたがたと、またあなたの後のあなたの子孫との間で、あなたがたが守るべきわたしの契約である。あなたがたの中のすべての男子は割礼を受けなさい。

7)神の愛と計画に応答する信仰がなければ、割礼は無意味である。

8)キリスト教には、洗礼や聖餐式という聖礼典がある。

9)しかし、神の愛と計画に応答する信仰がなければ、聖礼典は無意味である。

 

2.ヨセフの物語の適用

1)ヨセフは、旧約聖書の中で最も顕著なメシアの型である。

①聖書は、直接的にそう述べていないが、状況証拠からそう言える。

2)族長たちは、最初のエジプト下りではヨセフを認識することができなかった。

①彼らがヨセフを認識したのは、2度目のエジプト下りのときであった。

3)ステパノの意図は、ヨセフとイエスの対比である。

①ヨセフの兄弟たちは、妬みによってヨセフを奴隷に売った。

②しかしヨセフは、彼らの救い主となった。

③ステパノの聴衆は、ヨセフ物語を聞きながら、心が探られたはずである。

④神の民は、初臨においては、イエスがメシアであることを認識できなかった。

⑤彼らがイエスをメシアとして受け入れるのは、大患難時代の終わりの時である。

⑥神の民がイエスをメシアとして受け入れ祈るときに、メシアの再臨が起こる。

4)人から拒否されたお方が、高く上げられた救い主となられた。

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