私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
キリストの使徒たちが伝えたこと(8)—使徒信条とは—「子なる神(4)」
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このメッセージは、子なる神についての4回目の考察である。
キリストの使徒たちが伝えたこと(8)
―使徒信条とは―
「子なる神(4)」
使徒信条
我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。
我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。
主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、三日目に死人のうちよりよみがえり、天に昇り、全能の父(ちち)なる神の右に座したまえり。
かしこより来たりて生ける者と死にたる者とを審きたまわん。
我は聖霊を信ず。
聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪の赦し、身体のよみがえり、永遠の生命を信ず。
アーメン。
1.はじめに
(1)使徒信条について
①三位一体論を土台とした信仰告白である。
②キリスト論が一番強調されている。
③使徒信条は、使徒たちの作品ではないが、使徒たちの教えが要約されてい
るので、使徒信条と呼んでもよい。
④洗礼式のために、また、異端との戦いのために必要となった。
(2)子なる神について(4)
①キリスト教信仰の中心テーマである。
②キリスト論が間違っていると、救済論が間違ってくる。
*異端の教えは、例外なしにキリスト論が間違っている。
*異端の教えでは、キリストは被造物である。
(3)これまでの復習
①3つの呼び名(イエス・キリスト、その独り子、我らの主)
②キリストの受肉
2.アウトライン
(1)処女降誕
(2)イエスの歴史性
(3)福音の3要素
(4)イエスの死後の状態
(5)昇天
(6)再臨
*今回は、「(4)イエスの死後の状態」を取り上げる。
*死んでから復活までの3日間をどのように過ごされたのか。
*金曜日の午後3時から土曜日の午後6時まで27時間ある。
このメッセージは、子なる神についての4回目の考察である。
Ⅰ.陰府とは何か。
「陰府にくだり、」
1.イエスの死後の状態に関しては、混乱が多い。
(1)情報が少ない。
(2)「陰府」に関する誤解がある。
①通常は、「陰府にくだり」と聞くと、地獄(hell)に行ったと理解する。
2.「陰府」は地獄ではない。
(1)詩16:10
「まことに、あなたは、私のたましいを/よみに捨ておかず、/あなたの聖徒に墓の穴をお見せにはなりません」(新改訳)
①「よみ」は、ヘブル語で「シオール」である。
②ヘブル語の「シオール」は、ギリシア語で「ハデス」である。
(2)使徒2:27
「あなたは私のたましいをハデスに捨てて置かず、/あなたの聖者が朽ち果てるのを/お許しにならないからである」(新改訳)
①翻訳に一貫性がない。
②シオールを「よみ」と訳すなら、ハデスも「よみ」とすべきである。
③あるいは、シオール、ハデスと音訳すべきである。
3.シオール/ハデスは、地獄(hell)ではない。
(1)ルカ16:19~26
「ある金持ちがいた。いつも紫の衣や細布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた。ところが、その門前にラザロという全身おできの貧しい人が寝ていて、金持ちの食卓から落ちる物で腹を満たしたいと思っていた。犬もやって来ては、彼のおできをなめていた。さて、この貧しい人は死んで、御使いたちによってアブラハムのふところに連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。その金持ちは、ハデスで苦しみながら目を上げると、アブラハムが、はるかかなたに見えた。しかも、そのふところにラザロが見えた。彼は叫んで言った。『父アブラハムさま。私をあわれんでください。ラザロが指先を水に浸して私の舌を冷やすように、ラザロをよこしてください。私はこの炎の中で、苦しくてたまりません。』アブラハムは言った。『子よ。思い出してみなさい。おまえは生きている間、良い物を受け、ラザロは生きている間、悪い物を受けていました。しかし、今ここで彼は慰められ、おまえは苦しみもだえているのです。そればかりでなく、私たちとおまえたちの間には、大きな淵があります。ここからそちらへ渡ろうとしても、渡れないし、そこからこちらへ越えて来ることもできないのです。』」
①シオール/ハデスは、死者の魂が行く一時的な場所である。
②死者には意識がある。
③シオール/ハデスは、2つに区分されており、その間に大きな淵がある。
④金持ちは苦しみの場所にいる。これは狭義のシオール/ハデスである。
⑤ラザロは「アブラハムのふところ」にいる。これはパラダイスである。
Ⅱ.地獄とは何か。
1.地獄とは、将来現れる場所である。
(1)黙20:11~15
「また私は、大きな白い御座と、そこに着座しておられる方を見た。地も天もその御前から逃げ去って、あとかたもなくなった。また私は、死んだ人々が、大きい者も、小さい者も御座の前に立っているのを見た。そして、数々の書物が開かれた。また、別の一つの書物も開かれたが、それは、いのちの書であった。死んだ人々は、これらの書物に書きしるされているところに従って、自分の行いに応じてさばかれた。海はその中にいる死者を出し、死もハデスも、その中にいる死者を出した。そして人々はおのおの自分の行いに応じてさばかれた。それから、死とハデスとは、火の池に投げ込まれた。これが第二の死である。いのちの書に名のしるされていない者はみな、この火の池に投げ込まれた」
①地獄は、「火の池」と表現されている。
②地獄は、未来に到来する場所である。
③大きな白い御座の裁きが来る。
④信者の名は、いのちの書に記されている。
⑤不信者の名は、いのちの書に記されていない。
⑥不信者は、行いが記された数々の書物によって裁かれる。
⑦そして、火の池に投げ込まれる。
⑧第二の死とは、神に反抗した不信者が永遠に火の池で過ごすことを言う。
Ⅲ.シオール/ハデスの現状はどうなっているか。
1.イエスの復活と昇天によって、状態が変化した。
①アブラハムのふところ(パラダイス)は、天に上げられた。
②狭義のシオール/ハデスは、そのまま残されている。
2.ルカ23:43
「イエスは、彼に言われた。『まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます』」
①昇天前なので、この「パラダイス」はシオール/ハデスの一部であろう。
3.エペ4:8~10
「そこで、こう言われています。『高い所に上られたとき、彼は多くの捕虜を引き連れ、人々に賜物を分け与えられた。』──この『上られた』ということばは、彼がまず地の低い所に下られた、ということでなくて何でしょう。この下られた方自身が、すべてのものを満たすために、もろもろの天よりも高く上られた方なのです──」
①キリストの昇天によって、シオール/ハデスの上部は天に引き上げられた。
②そこに一時的に待機していた聖徒たちは、第3の天に引き上げられた。
Ⅳ.では、イエスは死んでどこに行かれたのか。
1.地獄ではない。
①「よみ」(シオール/ハデス)は、地獄ではない。
②地獄とは、未来形の概念である。
2.1ペテ3:18~20
「キリストも一度罪のために死なれました。正しい方が悪い人々の身代わりとなったのです。それは、肉においては死に渡され、霊においては生かされて、私たちを神のみもとに導くためでした。その霊において、キリストは捕らわれの霊たちのところに行って、みことばを語られたのです。昔、ノアの時代に、箱舟が造られていた間、神が忍耐して待っておられたときに、従わなかった霊たちのことです。わずか八人の人々が、この箱舟の中で、水を通って救われたのです」
(1)キリストは正しい方でしたが、悪い人々の身代わりとなって一度死なれた。
(2)キリストは肉においては死に渡され、霊においては生かされた。
①十字架上でキリストの霊は死んだ。父なる神との関係が断たれた。
②しかし、肉体的な死が訪れる前に、キリストの霊は復活した。
(3)復活した霊の状態で、キリストは死者が行く場所に行かれた。
①そこはシオール/ハデスである。
②シオール/ハデスの中の「アブラハムのふところ」(パラダイス)に行かれた。
③「捕らわれの霊たち」に「宣言」された。
・ケイルッソというギリシヤ語は、「宣教する」とか「福音を伝える」と
かいう意味ではない。
・「公に宣言する」という意味である。
④キリストは悪魔に対して勝利を宣言された。
(4)「捕らわれの霊たち(プニューマ)」
①「死んだ人間」とも「堕落した天使(悪霊のこと)」とも解釈できる。
②後者の使用法のほうが一般的である(ヘブ1:14)。
③創6 章に出てくる人間と結婚した堕天使たちのことであろう。
④彼らは、ノアの時代に神に反抗した堕天使たちである。
まとめ:
1.復習
(1)イエスの霊は、十字架上で死んだが、肉体の死の前に復活した。
(2)その霊の状態で、イエスはシオール/ハデスに行かれた。
(3)イエスが行かれたのは、アブラハムのふところ(パラダイス)である。
(4)そこでイエスは、サタンと悪霊どもに、勝利を宣言された。
(5)昇天の時に、アブラハムのふところは天に上げられた。
2.セカンドチャンスはあるか。
(1)ヘブ9:27
「そして、人間には、一度死ぬことと死後にさばきを受けることが定まっているように、」
(2)黙20章の「いのちの書」
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