私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
キリストの使徒たちが伝えたこと(7)—使徒信条とは—「子なる神(3)」
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このメッセージは、子なる神についての3回目の考察である。
キリストの使徒たちが伝えたこと(7)
―使徒信条とは―
「子なる神(3)」
使徒信条
我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。
我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。
主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、三日目に死人のうちよりよみがえり、天に昇り、全能の父(ちち)なる神の右に座したまえり。
かしこより来たりて生ける者と死にたる者とを審きたまわん。
我は聖霊を信ず。
聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪の赦し、身体のよみがえり、永遠の生命を信ず。
アーメン。
1.はじめに
(1)使徒信条について
①三位一体論を土台とした信仰告白である。
②キリスト論が一番強調されている。
③使徒信条は、使徒たちの作品ではないが、使徒たちの教えが要約されてい
るので、使徒信条と呼んでもよい。
④洗礼式のために、また、異端との戦いのために必要となった。
(2)子なる神について(3)
①キリスト教信仰の中心テーマである。
②キリスト論が間違っていると、救済論が間違ってくる。
*異端の教えは、例外なしにキリスト論が間違っている。
*異端の教えでは、キリストは被造物である。
④前回は、キリストの受肉を取り上げた。
⑤今後は、受肉以外の要素を6つ取り上げる。
⑥今回は、①~③を取り上げる。
2.アウトライン
(1)処女降誕
(2)イエスの歴史性
(3)福音の3要素
(4)イエスの死後の状態
(5)昇天
(6)再臨
このメッセージは、子なる神についての3回目の考察である。
Ⅰ.処女降誕
「主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、」
1.処女降誕の可能性
(1)両親から誕生しなかった例
①アダム 「土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり」(新共同訳)
②エバ 「人から抜き取ったあばら骨で女を造り上げられた」(新共同訳)
(2)イエスの場合
「御使いは答えて言った。『聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたを
おおいます。それゆえ、生まれる者は、聖なる者、神の子と呼ばれます』」
(ルカ1:35)
2.処女降誕の必要性
(1)救い主は、原罪を宿していない人間でなければならない。
①ルカ1:35がその回答になっている。
(2)アダムとの比較
「すなわち、アダムにあってすべての人が死んでいるように、キリストによって
すべての人が生かされるからです」(1コリ15:22)
①最初のアダムと最後のアダム
②ともに罪のない状態で造られた。
③ともに自由意志を与えられた。
④最初のアダムは死をもたらし、最後のアダムは命をもたらした。
Ⅱ.イエスの歴史性
「ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、」
1.イエスの裁判には、6つのステップがある。
(1)最初の3つは、ユダヤ人による宗教裁判
(2)最後の3つは、ローマ人による政治裁判
2.ユダヤ人による宗教裁判(冒とく罪)
(1)元大祭司のアンナスによる予備審問
(2)大祭司カヤパによる裁判
(3)サンヘドリンによる裁判
*自らの律法に違反した形で裁判を行った。
3.ローマ人による政治裁判(反逆罪)
(1)ポンテオ・ピラトによる裁判
①彼は、紀元26~36年まで、ユダヤに派遣されたローマ総督であった。
②皇帝テベリオに仕えた。
(2)ヘロデ・アンティパスによる裁判
①祭りの間、エルサレムに来ていた。
②ヘロデはイエスを嘲笑したが、政治的に巻き込まれるのを恐れて、判決は
下さなかった。
(3)再び、ポンテオ・ピラトによる裁判
①彼は、イエスが無罪であることを知っていた。
②ユダヤ人の怒りを鎮めるために、イエスを鞭打って釈放しようとした。
③バラバがイエスかのいずれかを釈放すると提案した。
④ピラトは、自らの政治生命を守るために、イエスを有罪にした。
⑤その結果、イエスは十字架に付くことになった。
*呪われた死
Ⅲ.福音の3要素
「十字架につけられ、死にて葬られ、三日目に死人のうちよりよみがえり、」
1.最も大切なメッセージ
「私があなたがたに最もたいせつなこととして伝えたのは、私も受けたことであって、
次のことです。キリストは、聖書の示すとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、
また、葬られたこと、また、聖書の示すとおりに、三日目によみがえられたこと、」
(1コリ15:3~4)
2.救いとは何か。
「また、もしあなたがたがよく考えもしないで信じたのでないなら、私の宣べ伝えた
この福音のことばをしっかりと保っていれば、この福音によって救われるのです」
(1コリ15:2)
(1)救いとは、日常用語でもあるが、重要な神学用語でもある。
(2)聖書が教える救いとは何か。
①義認(神の怒りからの解放) 過去形の救い
②聖化(罪の束縛からの解放) 現在進行形の救い
③栄化(人間性の完成) 未来形の救い
3.救いはなぜ可能になったのか。
(1)養子関係による説明
「あなたがたは、人を再び恐怖に陥れるような、奴隷の霊を受けたのではなく、
子としてくださる御霊を受けたのです。私たちは御霊によって、『アバ、父』と呼
びます」(ロマ8:15)
①イエス・キリストと共同相続人になった。
②イエス・キリストとともに、苦難と祝福を共有する。
(2)法律関係による説明
「ですから、信仰によって義と認められた私たちは、私たちの主イエス・キリス
トによって、神との平和を持っています。またキリストによって、いま私たちの
立っているこの恵みに信仰によって導き入れられた私たちは、神の栄光を望んで
大いに喜んでいます」(ロマ5:1~2)
①法律的に無罪宣言を受けた。
②神との関係が正された。
③罪の性質が残っているが、無罪と見なされた。
(3)奴隷市場のイメージによる説明
「あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。ですから自分のからだをも
って、神の栄光を現しなさい」(1コリ6:20)
①身代金を払って奴隷を買い取る。
②イエス・キリストの命が、代価である。
③買い取られた者は、新しい主人の奴隷となる。
*この場合、自由意志にもとづく奴隷であることが前提になっている。
④神が誰に代価を払ったかは、聖書は論じていない。
まとめ:
(1)処女降誕は、そのまま信じられる。
(2)イエスの歴史性は、そのまま信じられる。
(3)福音の内容は、そのまま信じられる。
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