私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
キリストの使徒たちが伝えたこと(5)—使徒信条とは—「子なる神(1)」
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このメッセージは、子なる神についての1回目の考察である。
キリストの使徒たちが伝えたこと(5)
―使徒信条とは―
「子なる神(1)」
使徒信条
我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。
我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。
主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、三日目に死人のうちよりよみがえり、天に昇り、全能の父(ちち)なる神の右に座したまえり。
かしこより来たりて生ける者と死にたる者とを審きたまわん。
我は聖霊を信ず。
聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪の赦し、身体のよみがえり、永遠の生命を信ず。
アーメン。
1.はじめに
(1)使徒信条について
①三位一体論を土台とした信仰告白である。
②キリスト論が一番強調されている。
③使徒信条は、使徒たちの作品ではないが、使徒たちの教えが要約されてい
るので、使徒信条と呼んでもよい。
④洗礼式のために、また、異端との戦いのために必要となった。
(2)子なる神について(1)
①キリスト教信仰の中心テーマである。
②キリストに関する学びを、「キリスト論」とか「メシア論」とか言う。
③クリスチャンは、キリストは他のどのような宗教の創始者とも異なると主
張する。
④どの点でキリストはユニークなのか。
*キリストの本質
*キリストの御業
⑤キリスト論が間違っていると、救済論が間違ってくる。
*異端の教えは、例外なしにキリスト論が間違っている。
*異端の教えでは、キリストは被造物である。
2.アウトライン:キリストの本質
(1)イエス・キリスト
(2)その独り子
(3)我らの主
このメッセージは、子なる神についての1回目の考察である。
Ⅰ.イエス・キリスト
1.イエスは、人間として歩まれたことを証言する名前である。
(1)当時の人たちには苗字はなかった。
①キリストとは苗字ではない。
(2)イエスの呼び名
①ナザレのイエス
②ヨセフの子イエス
③マリアの子イエス
(3)イエスとは、ヘブル語のヨシュアである。
「彼がこのことを思い巡らしていたとき、主の使いが夢に現れて言った。『ダ
ビデの子ヨセフ。恐れないであなたの妻マリヤを迎えなさい。その胎に宿っ
ているものは聖霊によるのです。マリヤは男の子を産みます。その名をイエ
スとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方で
す』」(マタ1:20~21)
①イエスという名は、神が命名されたものである。
②「【主】は救い」という意味である。
③旧約聖書のヨシュアと同じ名である(ギリシア語ではイェシュアと言う)。
④ヨシュアはイエスの型である。
2.キリスト
(1)ヘブル語で「メシア」、ギリシア語で「キリスト」である。
「ヨハネから聞いて、イエスについて行ったふたりのうちのひとりは、シモン・
ペテロの兄弟アンデレであった。彼はまず自分の兄弟シモンを見つけて、『私たち
はメシヤ(訳して言えば、キリスト)に会った』と言った」(ヨハ1:40~41)
「イエスは彼らに言われた。『あなたがたは、わたしをだれだと言います』。シモ
ン・ペテロが答えて言った。『あなたは、生ける神の御子キリストです』」(マタ
16:15~16)
①メシア(キリスト)とは、称号(タイトル)である。
②アンデレとペテロは、イエスが長く待ち望んだメシアであると告白した。
(2)「メシア(キリスト)」の意味
①油注がれた者
「こうして後、ダビデは、サウルの上着のすそを切り取ったことについて心
を痛めた。彼は部下に言った。『私が、主に逆らって、【主】に油そそがれた
方、私の主君に対して、そのようなことをして、手を下すなど、【主】の前に
絶対にできないことだ。彼は【主】に油そそがれた方だから』」(1サム24:5
~6)
②「【主】に油そそがれた方」とは、「ヤハウェのメシア」である。
③神によって権威を与えられ、特定の任務に召された者
④時とともに、「メシア」という言葉が、ダビデの子孫として誕生する解放者
を意味するようになった。
(3)イエス時代のパレスチナ
①ローマの圧制
②メシア待望の機運が高まった。
③その場合の「メシア」とは、イスラエルの民をローマの圧制から解放する
政治的指導者のことである。
④イエスは、「ダビデの子」というタイトルを好まなかった。
⑤イエスは一度も、ローマの圧制に対する武力的抵抗を勧めていない。
⑥イエスの矛先は、イスラエルの中の腐敗分子に向けられていた。
(4)当時のユダヤ人たちには、メシアが十字架に付けられることは信じられない
ことであった。
「するとイエスは、彼らに尋ねられた。『では、あなたがたは、わたしをだれだ
と言いますか。』ペテロが答えてイエスに言った。『あなたは、キリストです。』
するとイエスは、自分のことをだれにも言わないようにと、彼らを戒められた。
それから、人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちに
捨てられ、殺され、三日の後によみがえらなければならないと、弟子たちに教
え始められた。しかも、はっきりとこの事がらを話された。するとペテロは、
イエスをわきにお連れして、いさめ始めた」(マコ8:29~32)
①ペテロは、イエスがメシアであると告白した。
②イエスは、沈黙するように命じた。
*政治的メシア像を避けるために
③次にイエスは、ご自身の受難について明確に教え始めた。
④ペテロは即座にそれを否定した。
(4)イエスは、ご自身がメシアであると断言された。
「しかし、イエスは黙ったままで、何もお答えにならなかった。大祭司は、さら
にイエスに尋ねて言った。『あなたは、ほむべき方の子、キリストですか。』そこ
でイエスは言われた。『わたしは、それです。人の子が、力ある方の右の座に着き、
天の雲に乗って来るのを、あなたがたは見るはずで』」(マコ14:61~62)
①誤解される恐れがなくなったので、この断言が出てきた。
②イエスは、イザ53章の「苦難のしもべ」の預言を成就するお方である。
Ⅱ.その独り子
1.神の子
(1)旧約聖書
①天使や超自然的存在を指す(詩8:6、ヨブ38:7、ダニ3:25)。
②来たるべきメシアを指す(2サム7:12~14、詩2:7、詩86:26~27)。
(2)新約聖書
①ある意味では、すべての人は「神の子」である。
②イエスは、特別な意味で「神の子」(the Son of God)である。
③クリスチャンは、養子になったという意味で「神の子たち」である。
*イエスが十字架上で勝ち取ってくださったものを相続する者となった。
④1ヨハでは、「the Son」(御子)と「children」(子どもたち)の区別あり。
2.神のひとり子
(1)父と子のユニークな関係を示す言葉
「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。
父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに
満ちておられた」(ヨハ1:14)
「神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御
子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである」
(ヨハ3:16)
(2)イエスは父なる神に「父よ」、あるいは「アバ」(アラム語)と呼びかけてお
られる(マコ14:36)。
①父と子は、目的と意志において、完全に一致していた。
(3)コロ1:15
「御子は、見えない神のかたちであり、造られたすべてのものより先に生まれた
方です」(コロ1:15)
①イエスは被造物が存在する前からおられた。イエスは創造主である。
②イエスは権威をお持ちである。
Ⅲ.我らの主
1.主とはギリシア語で「キュリオス」である。
①尊敬の意味を込めて呼びかける際に使用する言葉である。
②イエスを救い主として告白する際に使用する言葉である。
2.旧約聖書の「ヤハウェ」と新約聖書の「キュリオス」の関係
「神はモーセに仰せられた。『わたしは、「わたしはある」という者である。』また仰せ
られた。『あなたはイスラエル人にこう告げなければならない。「わたしはあるという
方が、私をあなたがたのところに遣わされた」と。』神はさらにモーセに仰せられた。
『イスラエル人に言え。あなたがたの父祖の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコ
ブの神、【主】が、私をあなたがたのところに遣わされた、と言え。これが永遠にわた
しの名、これが代々にわたってわたしの呼び名である』」(出3:14~15)
(1)神はご自身の御名をヘブル語の4文字で啓示された。
①「YHWH」という表記。「わたしはある」という意味である。
②「テトラグラマトン」(4文字)
③イスラエルと契約を結ぶ神の御名である。
④新改訳は、「キュリオス」を「【主】」と表記している。
(2)七十人訳聖書(旧約聖書のギリシア語訳)は、「ヤハウェ」を「キュリオス」
と訳した。
①ユダヤ人たちは、ローマ皇帝を「キュリオス」と呼ぶことに抵抗した。
*ヨセフスによる情報
②新約聖書の記者たちは、その伝統に立っている。
*イエスは旧約聖書のヤハウェであるとの告白。
(3)信仰告白
「なぜなら、もしあなたの口でイエスを主と告白し、あなたの心で神はイエスを
死者の中からよみがえらせてくださったと信じるなら、あなたは救われるからで
す」(ロマ10:9)
「ですから、私は、あなたがたに次のことを教えておきます。神の御霊によって
語る者はだれも、『イエスはのろわれよ』と言わず、また、聖霊によるのでなけれ
ば、だれも、『イエスは主です』と言うことはできません」(1コリ12:3)
結論:
1.イエス・キリストを信ず。
(1)イエス・キリストは、人間性を持っている。
(2)イエス・キリストは、旧約聖書が預言した救い主である。
2.その独り子を信ず。
(1)イエス・キリストは、神性を持っている。
(2)イエス・キリストは、父なる神と特別な関係を持った子なる神である。
(3)私たちは、信仰によって神の子たちとされた。
*養子関係が成立した。
*その養子関係に基づいて、イエス・キリストが十字架上で勝ち取ってくだ
さったことが、すべて私たちのものとなった。
3.我らの主を信ず。
(1)イエス・キリストは、旧約聖書のヤハウェである。
(2)イエス・キリストは、イスラエルの民と契約を結ばれた神である。
(3)イエス・キリストが主であることは、復活によって証明された。
「──この福音は、神がその預言者たちを通して、聖書において前から約束され
たもので、御子に関することです。御子は、肉によればダビデの子孫として生ま
れ、聖い御霊によれば、死者の中からの復活により、大能によって公に神の御子
として示された方、私たちの主イエス・キリストです」(ロマ1:2~4)
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