私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
キリストの使徒たちが伝えたこと(1)—使徒信条とは—「イントロダクション」
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このメッセージは、使徒信条を通して自らの信仰の確認をしようとするものである。
このメッセージは、使徒信条を通して自らの信仰の確認をしようとするものである。
キリストの使徒たちが伝えたこと(1)
―使徒信条とは―
「イントロダクション」
使徒信条
我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。
我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。
主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、三日目に死人のうちよりよみがえり、天に昇り、全能の父(ちち)なる神の右に座したまえり。
かしこより来たりて生ける者と死にたる者とを審きたまわん。
我は聖霊を信ず。
聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪の赦し、身体のよみがえり、永遠の生命を信ず。
アーメン。
1.はじめに
(1)クリスチャンにはよく知られた信条である。
①ある教会では、毎週の礼拝で使徒信条の斉唱がある。
(2)しかし、実際のところは、あまり知られていない信条でもある。
①信条とは何か。
②使徒信条はどのようにして生まれたのか。
③その目的は何か。
④その内容はどういうものか。
(3)使徒信条の内容
①三位一体論を土台とした信仰告白である。
②キリスト論が一番強調されている。
(4)使徒信条について連続メッセージを語る理由は何か。
①異端やカルトに騙されないために。
②新しい教えの風に揺り動かされることのないように。
2.アウトライン
(1)使徒信条の歴史
(2)使徒信条が必要とされた理由
(3)「信ず」という言葉について
3.結論:伝統の重要性
このメッセージは、使徒信条を通して自らの信仰の確認をしようとするものである。
Ⅰ.使徒信条の歴史
1.はじめに:信条とは何か。
(1)キリスト教の教義の要点を、簡潔に述べた声明(定式)のことである。
(2)最も有名なものは、使徒信条とニケア信条(紀元4世紀)である。
2.使徒信条は、最古の信条である。
(1)短い形のものは、古ローマ信条と呼ばれる(紀元140年頃まで遡る)。
(2)現在の形のものは、紀元8世紀まで遡ることができる。
①西方教会(カトリック教会、聖公会、プロテスタント)はこれを採用している。
②東方教会(正教会、東方諸教会)は、内容は否定していないが、信条としては
受け入れていない。
3.使徒信条は、使徒たちの作品ではない。
(1)しかし、使徒たちの教えが要約されているので、使徒信条と呼んでもよい。
Ⅱ.使徒信条が必要とされた理由
1.洗礼式のために
(1)洗礼のための「信仰告白」として定型のものが必要とされた。
①初代教会時代、洗礼が重視された。
②その後(3~4世紀)、受洗希望者は受難週に信仰の基本について学び、イース
ターに洗礼を受けた。
(2)受洗の際の3つの質問(3世紀)(Apostolic Tradition by Hippolytus of Rome)
①あなたは、全能の父なる神を信じるか。
②あなたは、私たちの救い主、イエス・キリストを信じるか。
③あなたは、聖霊と、聖なる教会と、罪の赦しを信じるか。
(3)この3つの質問が、やがて拡大して信仰告白の形に発展した。
①使徒信条は、「洗礼信条」から発展したものである。
②使徒信条は、ラテン語で「Symbolum Apostolicum」という。
③「Symbolum」は、キリスト者を不信者から区別する象徴である。
2.異端との戦いのために
(1)2世紀に入ると、グノーシス主義との戦いが激しくなった。
①1世紀に誕生した宗教・思想で、地中海世界に広がった。
②その特徴は、物質と霊の二元論である。
③グノーシスとは、ギリシア語で知識を意味する。
④隠された知識を得ることで、自己の本質と真の神についての認識に到達すると
教える。
⑤グノーシスとの論争は、救済論に関係したものである。
(2)リヨンのエイレナイオスの功績(約130~200年)
①独創的な教えに対して、「使徒たちの伝統」という概念を武器に戦った。
②彼は、「その解釈は、使徒たちの教えと調和しているか」と問うた。
③この論理によって、使徒たちの信仰が一貫性をもって次世代に継承された。
3.使徒信条と聖書の関係
(1)使徒信条は、聖書と同格ではない。
①聖書を解釈するための、しもべとしての役割を演じる。
Ⅲ.「信ず」という言葉について
1.日常用語としての「信ず(信じる)」の意味
(1)100%証明はできないが、それが事実(正しいこと)だと受け取っている。
(2)「(あると)思い込む」(類語辞典)
2.合理主義の主張
(1)「証明できないものは信じない」
(2)マイケル・ポラニー(Michael Polanyi、1891~1976年)の貢献
①ハンガリー出身の科学哲学者
②自然科学の研究法の背後には、証明不可能な前提(信仰)が存在している。
(3)現在では、「有神論も無神論も証明不可能である」との認識が一般的である。
①神が存在することは、証明できない。
②神が存在しないことも、証明できない。
3.クリスチャンによる神の存在証明
(1)存在論的証明
神は存在する。なぜなら、人類はどの文化圏にあっても、普遍的に神の存在を信じて
いる。人類は、自分が責任を負うべき『存在』を求めている。これは、「アプリオリ(先
験的)議論」とも呼ばれる。
(2)宇宙論的証明
神は存在する。なぜなら、宇宙には因果関係の法則が働いている。神という「原因」
が存在しないなら、「宇宙」という結果は存在し得ない。宇宙の複雑さを考える時、こ
れが偶然の産物とは思えない。
(3)目的論的証明
神は存在する。なぜなら、すべての形あるものの背後には設計者の存在がある。宇宙
は複雑でありながら、秩序正しく運行している。この事実は、宇宙を設計した神が存
在することと、その神が無限の知恵と力を持っていることを証明している。
(4)人間論的証明
神は存在する。なぜなら、人間の存在は、神の創造の御業を抜きにしては説明できな
いからである。人間には、知(考える力)、情(感じる力)、意(道徳的選択をする力)
が備わっている。この事実は、人間を創造した神が同様の性質を保持し、しかも人間
よりも偉大な存在であることを証明している。
4.以上のことは、厳密な意味で神の存在証明にはなっていない。
(1)神の存在を暗示している証拠ではある。
(2)別の理由ですでにクリスチャンになった者が、自分の信仰を論理的に理解しよう
試みた結果である。
(3)「神学とは、信仰を論理化する試みである」
(4)「信仰とは、非理性的なものではなく、超理性的なものである」
5.キリスト教における信仰とは何か。
(1)信仰とは、単なる知的承認ではない。
「あなたは、神はおひとりだと信じています。りっぱなことです。ですが、悪霊ども
もそう信じて、身震いしています」(ヤコ2:19)
(2)信仰とは、個人的な信頼のことである。
「信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させるものです」(ヘブ
11:1)
「信仰によって、ノアは、まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたとき、
恐れかしこんで、その家族の救いのために箱舟を造り、その箱舟によって、世の罪を
定め、信仰による義を相続する者となりました」(ヘブ11:7)
「信仰によって、アブラハムは、相続財産として受け取るべき地に出て行けとの召し
を受けたとき、これに従い、どこに行くのかを知らないで、出て行きました」(ヘブ
11:8)
(3)信仰とは、信じる対象としての神が存在することである。
「信仰がなくては、神に喜ばれることはできません。神に近づく者は、神がおられる
ことと、神を求める者には報いてくださる方であることとを、信じなければならない
のです」(ヘブ11:6)
(4)信仰とは、神が与えてくださった良き約束に信頼することである。
(5)信仰の有効性は、その人の熱心さによってではなく、信じる対象によって決まる。
①いくら熱心でも、信仰の対象が間違っていれば、その信仰は有効とは言えない。
②いくら弱い信仰であっても、信仰の対象が正しければ、その信仰は有効である。
結論:伝統の重要性
1.悪い伝統
(1)イエスは、口伝律法を否定された。
2.良い伝統
(1)初代教会の姿
「そして、彼らは使徒たちの教えを堅く守り、交わりをし、パンを裂き、祈りをして
いた」(使2:42)
(2)パウロの時代に、すでに「使徒たちから出た伝統」が存在していた。
「兄弟たち。私は今、あなたがたに福音を知らせましょう。これは、私があなたがた
に宣べ伝えたもので、あなたがたが受け入れ、また、それによって立っている福音で
す。また、もしあなたがたがよく考えもしないで信じたのでないなら、私の宣べ伝え
たこの福音のことばをしっかりと保っていれば、この福音によって救われるのです。
私があなたがたに最もたいせつなこととして伝えたのは、私も受けたことであって、
次のことです。キリストは、聖書の示すとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、
また、葬られたこと、また、聖書の示すとおりに、三日目によみがえられたこと、」
(1コリ15:1~4)
(3)牧会書簡にある命令
「そして、あなたにゆだねられた良いものを、私たちのうちに宿る聖霊によって、守
りなさい」(2テモ1:14)
「多くの証人の前で私から聞いたことを、他の人にも教える力のある忠実な人たちに
ゆだねなさい」(2テモ2:2)
(4)独創的な教えが次々に出て来る時代にあって、「使徒たちの教え」を確認するこ
とは、非常に重要である。
(例話)KKさん(詳細不明)
「私は日本統一教会に所属していました。統一教会は聖書を入門書として学びながら、
聖書の魅力を最大限活用しつつ、間違った聖書解釈を織り交ぜて、文鮮明が再臨主で
あるという思想に繋げて行くノウハウを確立しています。その間違った信仰に対抗出
来るのは、正しい聖書解釈による矯正だと思い続けていました。私は、ハーベストタ
イムの中川牧師さんが行っている聖書を1章づつ解説し、時代背景とともに理解して
行くこの方法こそ、最大の対抗と正しい聖書理解に通じるものと確信します。これか
らのお働きをますます期待いたします」
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