私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
60分でわかる旧約聖書(19)詩篇
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詩篇の中に啓示されているキリストを発見する。
60 分でわかる旧約聖書( 19 )「詩篇」
1.はじめに
(1)孤島にひとりで住む場合、一冊の本を選ぶとしたらどれにするか。
①クリスチャンなら聖書と答えるだろう。
②では、聖書の中のどの書を選ぶかと聞かれたら、なんと答えるか。
③詩篇を選ぶ可能性は非常に高い。
④詩篇を味わうのは非常に難しい。論理的な流れがなく、感情的な表現が多い。
(2)詩篇について知っておくべきこと
①タイトル:ヘブル語で「tehillim」(賛美)である。
*種々の内容の詩が含まれているが、基本は「賛美」である。
②詩篇は、読むものではなく、歌うものである。
*楽器(笛、琴、竪琴、シンバルなど)に合わせて歌うための歌詞である。
*神殿で歌った旧約時代の讃美歌である。
③詩篇は、詩である。
*韻を踏むのではなく、対句法を多用している。
*誇張法がたびたび登場する。
*論理的な関連性よりは、感情的な表現が重視されている。
④叙情詩は、事実の真実性を減じるものではない。
(3)著者
①ダビデ:73篇
②アサフ:12篇
③コラの子たち:10篇
④ソロモン:2篇
⑤モーセ、エズラフ人エタン、エズラフ人ヘマン、:1篇
⑥それ以外は無名:50篇
*2篇と95篇はダビデの作(使4:25、ヘブ4:7)
2.メッセージのアウトライン
(1)詩篇自身が示す区分
(2)内容に基づく区分
(3)モーセの五書との対比に基づく区分
3.結論:
(1)詩篇の解釈と適用
(2)神の裁きを求める詩篇
(3)詩篇の中に啓示されたキリスト
詩篇の中に啓示されているキリストを発見する。
Ⅰ.詩篇自身が示す区分
はじめに:頌栄が区切りのしるしになっている。
1.1~41篇
Psa 41:13 ほむべきかな。イスラエルの神、【主】。/とこしえから、とこしえまで。/アーメン。アーメン。
2.42~72篇
Psa 72:19 とこしえに、ほむべきかな。その栄光の御名。/その栄光は地に満ちわたれ。/アーメン。アーメン。
3.73~89篇
Psa 89:53 主をたたえよ、とこしえに。アーメン、アーメン。
4.90~106篇
Psa 106:48 イスラエルの神、主をたたえよ/世々とこしえに。民は皆、アーメンと答えよ。ハレルヤ。
5.107~150篇
Psa 150:1 ハレルヤ。聖所で神を賛美せよ。大空の砦で神を賛美せよ。
Psa 150:2 力強い御業のゆえに神を賛美せよ。大きな御力のゆえに神を賛美せよ。
Psa 150:3 角笛を吹いて神を賛美せよ。琴と竪琴を奏でて神を賛美せよ。
Psa 150:4 太鼓に合わせて踊りながら神を賛美せよ。弦をかき鳴らし笛を吹いて神を賛美せよ。
Psa 150:5 シンバルを鳴らし神を賛美せよ。シンバルを響かせて神を賛美せよ。
Psa 150:6 息あるものはこぞって主を賛美せよ。ハレルヤ。
(1)150篇(最後の詩)は、詩篇全体への頌栄になっている。
Ⅱ.内容に基づく区分
1.歴史的詩篇
(1)イスラエルの歴史上の出来事と関係した歌。
(2)あるいは、作者の人生で起きた出来事と関係した歌。
2.メシア的詩篇
(1)キリストの受難とそれに続く栄光を歌った歌
(2)メシア的詩篇は16篇あるが、広く言えば、詩篇全体がメシア的である。
3.預言的詩篇(千年王国の預言も含む)
(1)将来のイスラエルの苦難を歌った歌
(2)苦難に続く平和と繁栄の時代を歌った歌
4.悔い改めの詩篇
(1)作者の深い悔い改めを歌った歌
(2)心砕かれた者が罪の赦しを求めて叫んでいる歌
5.神の裁きを求める詩篇
(1)神の民の敵に対する復讐を神に願う歌
Ⅲ.モーセの五書との対比に基づく区分
1.創世記に対応:1~41篇(人間に焦点を合わせている)
(1)人間が、祝福、堕落、回復という流れの中で描かれる。
(2)神の計画の中で、キリストが神の民イスラエルのための祝福の源となる。
2.出エジプト記に対応:42~72篇(イスラエルに焦点を合わせている)
(1)イスラエルの滅亡‐42~49篇
(2)イスラエルの贖い主‐50~60篇
(3)イスラエルの贖い‐61~72篇
3.レビ記に対応:73~89篇(神殿に焦点を合わせている)
(1)幕屋、神殿、【主】の家、会衆などが、ほぼすべての詩篇に出てくる。
4.民数記に対応:90~106篇(地上のことに焦点を合わせている)
(1)苦難と守り
5.申命記:107~150篇(みことばに焦点を合わせている)
(1)完成とみことばの賛美
結論:
1 .詩篇の解釈と適用
( 1 )詩篇の作者の経験
①イスラエルの民全体の経験と相関関係にある。
②イエス・キリストの経験とも相関関係にある。
( 2 )詩篇は新約時代の信者に向けて書かれたものではないが、多くの教訓を含む。
①慰め、叱責、励まし、教えなどを含む。
②旧約時代の神殿は新約時代のキリストのからだの予表である。
*普遍的教会は、すべての信者からなり、聖霊の内住がある。
③詩篇が取り上げている戦いは、私たちが戦う霊的戦いの予表である。
④地上でイスラエルが受ける物質的祝福は、私たちが天上で受ける霊的祝福
の予表である。
2 .神の裁きを求める詩篇
( 1 )詩 35
Psa 35:24 あなたの義にしたがって、私を弁護してください。/わが神、【主】よ。/彼らを私のことで喜ばせないでください。
Psa 35:25 彼らに心のうちで言わせないでください。/「あはは。われわれの望みどおりだ」と。/また、言わせないでください。/「われわれは彼を、のみこんだ」と。
Psa 35:26 私のわざわいを楽しんでいる者らは、/みな恥を見、はずかしめを受けますように。/私に向かって高ぶる者は、/恥と侮辱をこうむりますように。
①この種の詩篇は、戦争の時代に詠まれたものである。
②個人的な復讐を求めているのではなく、神の民の共同体の祈りである。
③神の民は、地上に神の義と平和が成就しますようにと祈っている。
④新約時代の信者に与えられている命令は、敵を愛することである。
⑤ディスペンセーションは、律法の時代から恵みの時代へと移行した。
3 .詩篇の中に啓示されたキリスト
はじめに:詩篇はキリストについて証言している。
Luk 24:44 イエスは言われた。「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある事柄は、必ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておいたことである。」
( 1 ) 22 篇‐十字架にかけられたキリスト
Psa 22:1 わが神、わが神。/どうして、私をお見捨てになったのですか。/遠く離れて私をお救いにならないのですか。/私のうめきのことばにも。
( 2 ) 23 篇‐よき羊飼いキリスト
Psa 23:1 【主】は私の羊飼い。/私は、乏しいことがありません。
( 3 ) 40 篇‐いけにえとなったキリスト
Psa 40:6 あなたは、いけにえや穀物のささげ物を/お喜びにはなりませんでした。/あなたは私の耳を開いてくださいました。/あなたは、/全焼のいけにえも、罪のためのいけにえも、/お求めになりませんでした。
Psa 40:7 そのとき私は申しました。/「今、私はここに来ております。/巻き物の書に私のことが書いてあります。
Psa 40:8 わが神。私はみこころを行うことを喜びとします。/あなたのおしえは私の心のうちにあります。」
Heb 10:5 ですから、キリストは、この世界に来て、こう言われるのです。/「あなたは、いけにえやささげ物を望まないで、/わたしのために、からだを造ってくださいました。
Heb 10:6 あなたは全焼のいけにえと/罪のためのいけにえとで/満足されませんでした。
Heb 10:7 そこでわたしは言いました。/『さあ、わたしは来ました。/聖書のある巻に、/わたしについてしるされているとおり、/神よ、あなたのみこころを行うために。』」
( 4 )詩 110 篇‐大祭司キリスト
Psa 110:1 【主】は、私の主に仰せられる。/「わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまでは、/わたしの右の座に着いていよ。」
Psa 110:4 【主】は誓い、そしてみこころを変えない。/「あなたは、メルキゼデクの例にならい、/とこしえに祭司である。」
Heb 7:17 この方については、こうあかしされています。/「あなたは、とこしえに、/メルキゼデクの位に等しい祭司である。」
Heb 7:18 一方で、前の戒めは、弱く無益なために、廃止されましたが、
Heb 7:19 ──律法は何事も全うしなかったのです──他方で、さらにすぐれた希望が導き入れられました。私たちはこれによって神に近づくのです。
Heb 7:20 また、そのためには、はっきりと誓いがなされています。
Heb 7:21 ──彼らの場合は、誓いなしに祭司となるのですが、主の場合には、主に対して次のように言われた方の誓いがあります。/「主は誓ってこう言われ、/みこころを変えられることはない。/『あなたはとこしえに祭司である。』」──
Heb 7:22 そのようにして、イエスは、さらにすぐれた契約の保証となられたのです。
( 5 )詩 118 篇‐岩なるキリスト
Psa 118:22 家を建てる者たちの捨てた石。/それが礎の石になった。
Psa 118:23 これは【主】のなさったことだ。/私たちの目には不思議なことである。
Mat 21:42 イエスは彼らに言われた。「あなたがたは、次の聖書のことばを読んだことがないのですか。/『家を建てる者たちの見捨てた石。/それが礎の石になった。/これは主のなさったことだ。/私たちの目には、/不思議なことである。』
( 6 )詩 2 篇‐やがて来られる王
Psa 2:1 なぜ国々は騒ぎ立ち、/国民はむなしくつぶやくのか。
Psa 2:2 地の王たちは立ち構え、/治める者たちは相ともに集まり、/【主】と、主に油をそそがれた者とに逆らう。
Psa 2:3 「さあ、彼らのかせを打ち砕き、/彼らの綱を、解き捨てよう。」
Psa 2:4 天の御座に着いている方は笑い、/主はその者どもをあざけられる。
Psa 2:5 ここに主は、怒りをもって彼らに告げ、/燃える怒りで彼らを恐れおののかせる。
Psa 2:6 「しかし、わたしは、わたしの王を立てた。/わたしの聖なる山、シオンに。」
Act 4:25 あなたは、聖霊によって、あなたのしもべであり私たちの父であるダビデの口を通して、こう言われました。/『なぜ異邦人たちは騒ぎ立ち、/もろもろの民はむなしいことを計るのか。
Act 4:26 地の王たちは立ち上がり、/指導者たちは、主とキリストに反抗して、/一つに組んだ。』
Act 13:33 神は、イエスをよみがえらせ、それによって、私たち子孫にその約束を果たされました。詩篇の第二篇に、『あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ』と書いてあるとおりです。
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