60分でわかる旧約聖書(4)「民数記」

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民数記を通して、クリスチャンライフの本質について学ぶ。

60 分でわかる旧約聖書( 4 )「民数記」

1.はじめに

(1)創世記、出エジプト記、レビ記に続いて民数記を取り上げる。

①旧約聖書の最初の五書は、本来は「ひとつの書」として書かれたものである。

②著者はモーセである。

*カナンの地に入国する前のイスラエル人のために書いた。

*彼らは、イスラエルの歴史や出エジプトの歴史を知らない世代である。

*何のためにカナンの地で生きるのかを知らなければならない。

 

(2)文脈の確認

①創世記は、人類の罪と、その罪に対する裁きについて教えている。

②出エジプト記は、エジプトの束縛からの贖いの書である。

③レビ記は、聖い神との交わりを維持する方法を教えている。

④民数記は、約束の地への旅を描いた歴史書であるが、それ以上の意味を持つ。

 

(3)民数記という名称

①ヘブル語聖書「ヴァ・ミッドバル」(in the wilderness)

②七十人訳「アリスモイ」(数字、人口)

③2つの大規模な人口調査が記録されている。

*1~4章(古い世代の人口調査)

*26~27章(新しい世代の人口調査)

④世代交代の書でもある。

 

(4)民数記の特徴

①エジプトを出て約束の地に向かう旅は、クリスチャンライフの象徴である。

②新約聖書は、民数記の中の霊的教訓をクリスチャンライフに適用している。

③アウトラインとしては、「旅の行程を追いかける方法」と「世代交代に目を

留める方法」があるが、今回は後者を採用する。

 

2.アウトライン

(1)古い世代の崩壊(1~20章)

①人口調査(1~4章)

②律法の追加(5~10章)

③民の不満(11~12章)

④民の不信仰(13~20章)

 

(2)新しい世代の出現(21~36章)

①荒野の旅(21~25章)

②人口調査(26~27章)

③捧げ物の規定(28~30章)

④土地の配分(31~36章)

 

3.結論

(1)民数記の要約

(2)私たちへの教訓

 

民数記を通して、クリスチャンライフの本質について学ぶ。

Ⅰ.古い世代の崩壊( 1 20 章)

1.人口調査(1~4章)

(1)エジプトを出て2年目の第2月の1日

①出40:2、17から、幕屋が建てられてからひと月後であることが分かる。

②人口調査をせよという【主】からの命令があった。

*20歳以上の軍務につくことのできる者たち

 

(2)人口調査の結果

①登録された者の総合計は、603,550人。

②全部族が、エジプトでの寄留生活の間に、爆発的な人口増加を経験した。

③レビ人の人口調査は、幕屋で奉仕をするための人員の調査である。

 

2.律法の追加(5~10章)

(1)モーセの律法は613ある。

①出エジプト記、レビ記、民数記、申命記の4つの書に収められている。

 

(2)重要な記録

①ナジル人の誓願(6:1~21)

②大祭司の祝福の祈り(6:22~27)

③シャカイナグローリーの現れ(9:15~23)

④シナイの荒野からの旅立ち(10:11~28)

 

3.民の不満(11~12章)

(1)【主】に対する反抗

①タブエラでのつぶやき(11:1~3)

*水と食物の不足、悪環境などと思われる。

*タブエラとは、「(神の怒りの炎を)燃え上がらせた」という意味。

②キブロテ・ハタアワでのつぶやき(11:4~9)

*混じってきていた者から起こった。

*マナを軽視し、奴隷時代を美化した。

*ただで魚、きゅうり、すいか、にら、たまねぎ、にんにくを食べていた。

*神の裁き:うずらの供給と、疫病による死。

 

(2)ミリアムとアロンの反抗

①モーセの権威に挑戦した。

②モーセは、地上のだれにもまさって非常に謙遜であった。

③主犯のミリアムの皮膚は、雪のように白くなった。

④モーセは、ミリアムとアロンのために執りなしの祈りを捧げた。

 

4.民の不信仰(13~20章)

(1)カデシュ・バルネアにて

①斥候が12人派遣された。

②12部族から1人ずつ派遣(レビ族を除外し、ヨセフ族からは2人)。

③注目すべき2人

*ユダ族の斥候エフネの子カレブ

*エフライム族の斥候ヌンの子ヨシュア

 

(2)偵察隊の報告

①40日後、偵察隊が帰還し、調査結果を報告した。

②その地は、「乳と蜜の流れる」非常に良い地である。

③しかし、その地の民は強い。

④不信仰は、容易に集団全体に悪影響を及ぼす。

 

(3)カレブとヨシュアの信仰

①「ぜひとも、上って行って、そこを占領しよう。必ずそれができるから」

②「カデシュ・バルネア」とは、「聖なる地」という意味である。

 

(4)反逆の民

①絶望した民は、新しい指導者を立てて、エジプトに帰ることを提案した。

②神による裁きの宣言

③モーセの執りなしの祈り

*モーセは、神と民の間に立つ仲介者としての役割を果たす。

*彼は、他の民族が神の御名をあざ笑うだろうと神に訴えた。

*彼は、【主】の恵みに訴えかけた。

④モーセの仲介者としての姿は、主イエスの姿を思い出させる。

 

(5)不信仰の結果

①人口調査で20歳以上に登録された者たち全員が、荒野で死ぬようになる。

②エフネの子カレブとヌンの子ヨシュアだけが約束の地に入ることができる。

③さらに、20歳以下の子供たちも、そこに入るようになる。

④40年間の放浪は、斥候が約束の地を行き巡った40日から来ている。

 

(6)荒野の38年間の記録は少ない。

①コラ、ダタン、アビラムの反逆

②ミリアムの死

③モーセの罪(20:2~13)

*岩に命じる代わりに、その岩を杖で2度打った(メリバの水事件)。

*これは、不信仰の行為である。

*水は出たが、モーセは、民を約束の地に導くという特権を奪われた。

*民を約束の地に導く指導者は、【主】であることが明らかになった。

④エドムの迂回(イスラエルの通行を許可しなかった)

⑤アロンの死

 

Ⅱ.新しい世代の出現( 21 36 章)

1.荒野の旅(21~25章)

(1)青銅の蛇

①マナを侮辱した民が、毒蛇にかまれる。

②青銅の蛇を旗ざおの先に上げた。

③それを見上げた者は、癒された。

④青銅の蛇は、キリストの予表である。

「モーセが荒野で蛇を上げたように、人の子もまた上げられなければなりませ

ん。それは、信じる者がみな、人の子にあって永遠のいのちを持つためです」

(ヨハ3:14~15)

 

(2)エモリ人の王シホンとバシャンの王オグに対する勝利

①新世代のイスラエル人にとっては、出エジプトに匹敵するほどのもの。

②戦いに勝利したイスラエルの民の前には、「カナンの地」が広がっていた。

 

(3)モアブの王バラクと占い師バラム

①イスラエルは、約束の地の対岸、モアブの草原に到着し、そこに宿営した。

②バラクは、イスラエルの民を恐れた。

③バラムは、呪いではなく祝福を語った。

*神はイスラエルを呪うどころか、祝福しておられる。

*イスラエルは地上のどの民とも異なっている。

*彼らは、諸国民の中から選び出された民である。

*その数は増加し、「ちりの群れ」のように数えられないほどになる。

 

(4)民は、モアブ人の誘惑に屈し、バアル礼拝に引き込まれてしまう。

①ピネハス(アロンの孫)の義憤

②2万4千人が神罰で死ぬ。

 

2.人口調査(26~27章)

(1)38年前の人口調査との比較

①前回は603,550人、今回は601,730人。1,820人の減少。

②兵士数が最も多いのは、今回もユダ部族。カナン定住後、重要な意味を持つ。

 

(2)エジプトでは爆発的な人口増加があったが、荒野の40年間では人口が減少。

①元をただせば、カデシュ・バルネアでの不信仰(13章)が原因である。

 

(3)モーセの死の予告と、ヨシュアの任命

①モーセは、ネボ山から約束の地を見ることが許された。

②しかし、モーセがその地に入ることは許可されなかった。

③主が次世代の指導者として任命されたのは、ヌンの子ヨシュアである。

④モーセは、主が命じたとおりに、任命式を執り行った。

 

3.捧げ物の規定(28~30章)

(1)約束の地を前にした新しい世代に、捧げ物について再度指示が出される。

①捧げる回数の多い順に出てくる。

②毎日の捧げ物、安息日ごとの捧げ物、新月の捧げ物、毎年の祭りの捧げ物

③捧げ物の量は、後に行くほど多くなり、仮庵の祭りで、最高潮に達する。

 

4.土地の配分(31~36章)

(1)ヨルダン川の東側が制圧された。

①ルベン部族とガド部族は非常に多くの家畜を持っていた。

②彼らは、東側を相続地にしたいと願い出た。

③カナンの地の戦いに参戦することを条件に、それが許可された。

④マナセ族は半分がヨルダン川の東に、残りの半分が西に所有地を得た。

 

(2)旅程の回顧

結論

1 .民数記の要約

1 )民数記は、シナイ山からモアブの草原に至るまでの旅程を描いている。

2 )この旅は、【主】に対する信頼と従順が要求される旅である。

3 )もし【主】に従うなら、数週間で終わる旅である。

4 )しかし、民は不信仰のゆえに、 40 年間、荒野をさまようことになった。

5 )その結果、古い世代の者は死に絶えた。

6 )モアブの草原に来たイスラエルの民は、数名の古い世代のリーダーとともに

約束の地の征服に向かおうとしている。ここには、新しい希望がある。

7 )彼らは、勝利を確信してヨルダン川を渡って行く。

8 )【主】が「この地はあなたがたに与える」( 10 29 )と約束しておられる。

 

2 .私たちへの教訓

1 )新約聖書は、民数記から霊的教訓を導き出している。

1 コリ 10 1 15

②ヘブ 3 4

 

2 )ヘブ 4 11

「ですから、私たちは、この安息にはいるよう力を尽くして努め、あの不従順の例

にならって落後する者が、ひとりもいないようにしようではありませんか」

①この聖句は、民数記に言及したものである。

②イスラエルの民は、不従順によって神の恵みから落後してしまった。

③これは、新約時代に生きる私たちへの警告である。

 

3 )多くのクリスチャンは、霊的に荒野をさまよっている。

①小羊の血によってエジプトから解放された。

*信仰によって罪の赦しを得た。

②しかし、キリストにある信者に約束されている霊的祝福に入っていない。

「私たちの主イエス・キリストの父なる神がほめたたえられますように。神は

キリストにあって、天にあるすべての霊的祝福をもって私たちを祝福してく

ださいました」(エペ 1 3

*救われてはいるが、その先に進んでいない状態にある。

*人口は、 1,820 人減少した。

*この祝福は、信仰によって受け取るものである。

③霊的放浪の原因は、カデシュ・バルネアでの不信仰にある。

④信仰によって進む者は、ヨルダン川を渡らねばならない。

*これは、自我を十字架につけることである。

「私はキリストとともに十字架につけられました。もはや私が生きているの

ではなく、キリストが私のうちに生きておられるのです。いま私が肉にあっ

て生きているのは、私を愛し私のためにご自身をお捨てになった神の御子を

信じる信仰によっているのです」(ガラ 2 20

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