私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
創世記(55)—兄たちを試す第一のテスト—
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ヨセフが兄たちを見ている目を通して、キリストが私たちをご覧になっている目を学ぶ。
創世記55 創世記42章1節~38節
「兄たちを試す第一のテスト」
イントロ:
1.文脈を確認する。
(1)41章で、ヨセフはエジプトの宰相となった。
(2)ついに、兄たちと再会する時がきた。
(3)その解説は非常に長い(42章~45章まで)。
①霊的教訓に満ちている。
②ヤコブの一家がエジプトに下る背景を解説している。
2.ヨセフの視点からこの個所を読んでみたい。
(1)神の御心を知っていたヨセフ
①7年の飢饉の2年目
②やがてカナンの地からもエジプトに買い出しに来る。
③家族は自分を伏し拝むようになる。
④自分は、ヤコブの一家がエジプトに寄留するための架け橋となる。
(2)兄たちとの和解を願うヨセフ
①神の許可のもとに起こった悲劇である。
②和解の前に、兄たちが罪を悔いているかどうかテストする必要がある。
③このテストは、2段階で行われる。今回は第一のテストである。
④ヨセフがカナンの地にいる父を訪ねなかった理由は、恐らくここにある。
3.メッセージのアウトライン
(1)エジプトへの買い出し(42:1~5)
(2)第一のテスト(42:6~20)
(3)罪責感に苦しむ兄たち(42:21~28)
(4)悲しむ父ヤコブ(42:29~38)
4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)ヨセフが兄たちを見ている目は、キリストが私たちを見ている目である。
(2)第一義的には、それはキリストがユダヤ人を見ている目である。
(3)ここでは、第二義的適用を行う。
このメッセージは、ヨセフが兄たちを見ている目を通して、キリストが私たちをご覧になっている目を学ぼうとするものである。
Ⅰ.エジプトへの買い出し(42:1~5)
1.激しい飢饉
(1)ヨセフはこの状況を知らない。
(2)類推するだけ。
2.族長たちは全員、約束の地に住みながら飢饉を経験した。
(1)神への信仰を試すため
(2)よりよい故郷を求めさせるため(ヘブ11:14~16)
3.ヤコブの決断
(1)10人の息子たちを送る。
①試練の時、絶望しているだけではだめ。
②自分から何か行動を起こすことが必要である。
(2)ベニヤミンは残す。
①「わざわいが彼にふりかかるといけない」
②息子たちへの疑いの心?
Ⅱ.第一のテスト(42:6~20)
1.ヨセフと兄たちの再会
(1)兄たちは、当時の習慣に従って、顔を地につけて彼を伏し拝んだ。
(2)22年経って、最初の夢が部分的に成就した。
①11人全員ではない。
②兄たちはそれがヨセフであることを認識していない。
(3)ヨセフは通訳者を通して語り、自分がヨセフであることを伏せておいた。
2.兄たちをテストするヨセフ
(1)兄たちを威嚇する荒々しい言葉
(2)スパイ呼ばわり(あなたがたは間者だ)
(3)2度もスパイ呼ばわりをする。故郷(カナンの地)の状況を確かめるため。
①なぜベニヤミンがいないのか。
②父の様子はどうか。
3.兄たちの答え
(1)極めて率直で正直
(2)12人兄弟で、カナンの地にいるひとりの人の子
(3)末の弟は、今、父といっしょにいる。
(4)もうひとりはいなくなった(死んだという意味)。
4.その答えの証明を迫るヨセフ
(1)3度目のスパイ呼ばわり。
(2)末の弟を連れて来い。
(3)1人が帰り、9人は残る。
(4)末の弟が来るまでは、エジプトを出ることはできない。
(5)3日後のプランの変更
①理由は、「神を恐れる」。権威の行使に対するチェック。
②9人が帰り、1人は残る。
Ⅲ.罪責感に苦しむ兄たち(42:21~28)
1.通訳を通して
(1)彼らはヘブル語で話ししているが、ヨセフにはそれが分からないと思っている。
(2)それゆえ、自由に自分の考えを述べることができた。
(3)ヨセフはそれを聞いていた。
2.兄たちの後悔
(1)創42:21に、彼らの悔い改めの言葉がある。
(2)彼らもまた、「神を恐れる」ことを考慮に入れた。
(3)22年前の罪でも、新鮮に思い出される。
(4)傷つけた相手の痛みを感じることができるようになっている。
3.ルベンの慰め
(1)創42:22に、長子ルベンの言葉がある。
(2)ルベンには、自分にできることをしたという確信があった。
(3)罪を犯さなかった者は、罪責感から解放されている。
①9人への叱責の言葉
②今の苦難は、「彼の血の報い」である。
4.ヨセフの反応
(1)ヨセフは、自分が奴隷に売られた時の状況を理解した。
(2)ルベンがこの悪行に関わっていなかったことを初めて知った。
(3)まだ自分がヨセフであることを明かす段階ではない。
①兄たちはまだ完全には謙遜になっていない。
②第2のテストが待っている。
(4)しかし、家族としての情愛は押しとどめ難い。
(5)ヨセフは彼らから離れて、泣いた。
5.計画の続行
(1)シメオンの投獄
①ルベンに責任がないので、シメオンが長子の立場に立っている。
②他の9人に対して、事態の深刻さを教えるため。
(2)9人を帰国させる。
①袋に穀物を満たす。求めていた物を与えた。
②代金の銀をめいめいの袋に返す(すぐには見つからないように)。
③道中の食料を与える。
*キリストは無代価で私たちに祝福をくださる。
④以上のことは、彼らに恵みを与えるために為されたことである。
(3)帰宅途上で、9人の中のひとりが、自分の銀を発見した。
①罪人は、祝福の出来事を悪く解釈する。
②彼らは、神の御手をそこに見て、さらなる怖れにとらわれた。
Ⅳ.悲しむ父ヤコブ(42:29~38)
1.信じられない息子たちの報告
(1)自分たちは間者扱いされた。
(2)しかし、事実を述べた。
①12人兄弟
②ひとりは死んだ。
③末の弟は今、カナンの地に父といっしょにいる。
(3)正直者であることを証明するために
①1人を残し
②末の息子を連れて来い。
③そうしたら、自由になり、エジプトに出入りすることができる。
2.さらに信じられないことが起こる。
(1)彼らの袋から、めいめいの銀の包みが出てきた。
(2)その結果、彼らも父も驚いた。
3.ヤコブの応答
(1)息子たちを疑っている。
①エジプトでなにをしてきたのか。
(2)ベニヤミンまで失うのではないか。
(3)ルベンの提案
①もしベニヤミンを連れて帰らなかったら、自分の2人の子を殺してもよい。
②ヤコブが孫を殺すことはあり得ないが、これはルベンの決意を示している。
(4)ヤコブはその提案を拒否する。
結論:キリストが私たちに教えようとされている教訓
1.地上は理想郷ではない。
(1)約束の地は、信仰を試す地である。
(2)試練は、より良い故郷を求めさせるためのもの。
2.赦しは神の側の問題ではなく、それを受け取る私たちの側の問題である。
(1)神の涙 エレ31:20
(2)キリストの涙 ルカ19:41
(3)罪に留まり続ける生涯は、悲惨な生涯である。
3.事実の解釈を間違えると、間違った結論を出すことになる。
(1)ヤコブは、ヨセフを失ったと思い込んでいる。
(2)また、ルベンも失ったと思い込んでいる。
(3)さらに、ベニヤミンまで失うと思い込んでいる。
(4)しかし、これら一切のことが益になるのである。
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