私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
創世記(24)—戦士アブラム—
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新約聖書で展開される霊的真理を学ぶ。
創世記24 創世記14章1節~24節
「戦士アブラム」
イントロ:
1.前回までの復習
(1)第6の区分「テラの歴史」、アブラハムの物語が続いている。
(2)前回は、アブラムがロトから分離したことを学んだ。
(3)今回は、平和の人アブラムが、戦士アブラムとして活躍することを学ぶ。
(4)人名が多いので、混乱しないように。主役と脇役とを区別しておく。
2.メッセージのアウトライン
(1)ロトが主役。
4人の王と5人の王は脇役。
(2)アブラムが主役。
マムレ、エシュコル、アネルは脇役。
(3)メルキゼデクが主役。
ソドムの王は脇役。
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)新約聖書で展開される霊的真理の萌芽が見られる。
(2)それぞれの生き方から教訓を学ぶ。
このメッセージは、新約聖書で展開される霊的真理を学ぼうとするものである。
Ⅰ.ロト
1.ロトとその財産は、奪い去られた。
(1)創13:12では、ロトはソドムの近くまで天幕を張っていた。
(2)創14:12では、ソドムに住むようになった。
2.聖書に記されている最初の戦争
(1)4人の王:侵略者たち(すべて非ヘブル名)
①シヌアルの王アムラフェル(バビロニアの王)
②エラサルの王アルヨク(南バビロニアの王)
③エラムの王ケドルラオメル(ペルシャの王)
④ゴイムの王ティデアル(ヘテ人の王)
(2)5人の王:迎え撃つ者たち(13年目の反乱)
①ソドムの王ベラ
②ゴモラの王ビルシャ
③アデマの王シヌアブ
④ツェボイムの王シェムエベル
⑤ツォアルの王
(3)戦場
①ゴラン高原からヨルダン川の東で行われた(キングズ・ハイウェイを通過)。
②シディムの谷、塩の海(死海)
③南から北に引き返し、カデシュ・バルネア、エン・ゲディに至った。
④後にアモン人とモアブ人(ロトの子孫)、エドム人(イサクの子孫)の居住となる地区。
(4)戦争の結果
①多くの瀝青の穴が散在していた(町を建設するための建材)。
②ソドムの王とゴモラの王は、穴に落ちた。
③残りの3人の王たちは、山の方に逃げた。
④侵略者たちは、ソドムとゴモラの全財産と食料全部を奪って行った。
⑤ロトとその財産も奪い去った。
Ⅱ.アブラム
1. 平和の人から戦士への転換
(1)甥のロトの最善を願っている。
(2)アブラムが戦士となっているのは、創14章のみ。
2. 戦いの開始
(1)逃亡者からの情報
(2)ヘブル人アブラム
①聖書で初めて、ヘブル人という言葉が登場(ハ・イブリ)。
②旧約聖書に35回。常に、民族的アイデンティティーを指す。
(3)エモリ人マムレは、エシュコルとアネルの親類。
(4)アブラムは、彼らと盟約を結んでいた。
①契約関係にあったという意味。
②彼らが、アブラムの神を信じていた可能性が大である。
③戦いが起こると、同盟軍として参加する。
3.戦略
(1)アブラムは、訓練を受けたしもべども318人を招集し、ダンまで追跡した(最北の地)。
(2)夜の奇襲
(3)軍を分けて戦う
(4)ダマスコの北にあるホバまで追跡した。
3. 戦いの結果
(1)アブラムは、すべての財産を取り戻し、捕虜たちを解放した。
(2)ロトとその財産も含まれていた。
(3)解放された町々の住民たちは、霊的な応答を忘れていた。
①罪を悔い改め、アブラムの神に立ち返ることをしなかった。
②14章では、生きたまま助かった。
③19章では、全員が裁かれ、死んでいる。
4. アブラハム契約との関係
(1)アブラムは周りの人たちに、祝福を届けている。
(2)アブラムを祝福する者は、祝福される(メルキゼデク)。
(3)アブラムを呪う者は、呪われる(4人の王たち)。
Ⅲ.メルキゼデク
1. 2人の王の登場
(1)シャベの谷(ケデロンの谷)
(2)ソドムの王
(3)シャレムの王メルキゼデク(義なる王)
2. ソドムの王
(1)ソドムの王の提案
「人々は私に返し、財産はあなたが取ってください」
(2)当時の法律では、取り返した人々は、アブラムのもの。
(3)アブラムは、ソドムの王の許可を必要としない。
(4)アブラムは、申し出を拒否した。
(5)例外を設けたが、それは自分のためではなく、周りの人のため。
①若者とは、318人のこと。
②アネルとエシュコルとマムレには、分け前を取らせた。
③アブラムは祝福となっている。
(6)ソドムの王もまた、19章で滅びてしまう。
3. メルキゼデク
(1)シャレムの王。エブス人の町。
(2)いと高き神の祭司
①祭司とは、「コーヘン」。旧約聖書に750回。その最初のもの。
②ユダヤ人の名前。Katzも変形。
③アロンの男系子孫とされ、実際Y染色体の研究から大部分の人が共通の男系祖先に遡る可能性が高いと言われている。
④「いと高き神」がこの箇所で4回出てくる。それ以外には、詩篇78:35のみ。
⑤アブラムの家以外に、真の神を信じる人々がいたことを示している。
⑥メルキゼデクは、真の神の祭司であった。カナン人の偶像礼拝ではない。
(3)パンとぶどう酒を持って来た。
(4)祭司的役割を果たしている。
①祭司とは、神と人の間に立つ「人間」である。
②彼は、神に代わってアブラムを祝福している。
*アブラムを神のしもべとして認めている。
③彼は、アブラムに代わって神を称えている。
*勝利は、神から来たことを認めている。
(5)アブラムはメルキゼデクに、10分の1を与えた。
①十一献金の教えではない。
②自発的
③一度限り
④収入からではなく、戦利品から
(6)メルキゼデクは、神の顕現ではない(受肉前のキリストではない)
①顕現の場合は、現れ、消える。地上での職務はない。
②しかし、メルキゼデクは、王であり祭司である。
*12章~22章では、神のことばがないのはこの章だけ。メルキゼデクが代理。
*詩篇110:4にその名が出てくる。
*ラビ的伝承では、メルキゼデクはノアの息子のセムである。
(7)新約聖書とメルキゼデク
①ヘブル5:6~10、6:20~7:28
②メルキゼデクは、メシアの型。
*王であり祭司である。レビ的祭司ではあり得ないこと。
*メルキゼデク的祭司では可能。
*ヘブル7:3 「父もなく、母もなく、系図もなく、その生涯の初めもなく、いのちの終わりもなく、神の子に似た者とされ、いつまでも祭司としてとどまっているのです」
*系図がないということ。
結論
1.ロトからの教訓
(1)物に執着している人の悲劇
(2)現在の金融危機、不況は、私たちに何をもたらすのか。
2.アブラムからの教訓
(1)人との盟約の強さ
(2)神との盟約の絶対性
(3)友情契約、あるいは、血の契約の内容
(4)アブラハム契約の有効性
3.メルキゼデクからの教訓
(1)真の祭司の型
(2)アロンの家系から出るレビ的祭司とは異なる祭司
(3)イエス・キリストこと私たちの大祭司
①受肉の必要性
②受難のしもべ
③ヘブル4:15、16
「私たちの大祭司は、私たちの弱さに同情できない方ではありません。罪は犯されませんでしたが、すべての点で、私たちと同じように、試みに会われたのです。
ですから、私たちは、あわれみを受け、また恵みをいただいて、おりにかなった助けを受けるために、大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか。
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