私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(49)—幕屋の設置—
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幕屋の設置から私たちに適用される霊的真理を学ぶ。
出エジ49 出エジプト記40章1節~38節
「幕屋の設置」
1.文脈の確認
(1)前回の内容
①民は、必要な量以上に幕屋のための捧げものを捧げた。
②【主】の知恵に満たされた工人たちが、幕屋とその器具を制作した。
③神の命令によって、幕屋が設置される。
2.メッセージのアウトライン
(1)神の命令(40:1~15)
(2)モーセの従順(40:16~33)
(3)シャカイナグローリー(40:34~37)
3.メッセージのゴール
(1)油そそぎについて
(2)モーセとイエスの対比
(3)シャカイナグローリーのその後
このメッセージは、幕屋の設置から私たちに適用される霊的真理を学ぶためのものである。
Ⅰ.神の命令(40:1~15)
1.「【主】はモーセに告げて仰せられた。『第一の月の一日に、あなたは会見の天幕である
幕屋を建てなければならない。これは、【主】が行えと命じられたことばである』」(1~2
節)
(1)エジプトを出てから1年が経過した。
①シナイ山の麓に到着してから9カ月になる。
②その後金の子牛事件があった。
③モーセは2回、シナイ山で40日を過ごしている。
(2)イスラエルの民は約半年で幕屋の部品や器具類を完成させたことになる。
①明確な幻
②民の献身
③聖霊の助け
(3)幕屋の設置に要した日数は数日であろう。
2.設置の順番
①幕屋を建てる。
②あかしの箱(契約の箱)を置く。
③垂れ幕で至聖所と聖所を仕切る。
④供えのパンの机を置く。
⑤燭台を置いてともし火をともす。
⑥香の壇を置く。
⑦垂れ幕を幕屋の入り口に掛ける。
⑧幕屋の入り口の前に祭壇を据える。
⑨幕屋と祭壇の間に洗盤を据えて水を入れる。
⑩周りを幕で囲って内庭を作り、庭の門に垂れ幕を掛ける。
3.聖別の順番
①幕屋とその中のすべての器具にそそぎの油を注ぐ。
②祭壇とそのすべての用具に油を注ぐ。
③洗盤とその台に油を注ぐ。
④アロンとその子らを水で洗い、油を注ぐ。
Ⅱ.モーセの従順(40:16~33)
1.7回繰り返される同じ表現
(1)「【主】がモーセに命じられたとおりである」
40:19、21、23、25、27、29、32
(2)7は完全数。神の計画通りに幕屋が建設されたことを示している。
2.完璧な従順
(1)「こうしてモーセはその仕事を終えた」
Ⅲ.シャカイナグローリー(40:34~38)
1.出エジプト記のクライマックス(34~35節)
「そのとき、雲は会見の天幕をおおい、【主】の栄光が幕屋に満ちた。モーセは会見の天幕
に入ることができなかった。雲がその上にとどまり、【主】の栄光が幕屋に満ちていたから
である」
(1)神の約束通りのことが起こった。
①神は、幕屋を認定された。
②神は、幕屋をご自身の宿りの場とされた。
(2)雲が幕屋をおおった。
①エジプトを出た直後からイスラエルの民を導いた雲の柱が、形を変えた。
②シナイ山をおおっていた雲が、地上に下り、幕屋をおおった。
(3)【主】の栄光が幕屋に満ちた。
①これは、幕屋の中(聖所も至聖所も)に満ちた超自然の光、輝きである。
②人間がその栄光を直視することはできない。
(4)モーセも幕屋に入ることができなかった。
①彼は、至聖所にいて、契約の箱の位置を確認したばかりではないか。
②彼は、聖所にいて、机、燭台、香の壇の位置を確認したばかりではないか。
③信仰をもって聖書を読み始めると、単なる本ではなく神のことばとなる。
(5)出エジプトの目的は、神を知ることにある。
①神を体験的に知らなければ、約束の地は祝福の地とはならない。
2.民を導く雲(36~38節)
「 イスラエル人は、旅路にある間、いつも雲が幕屋から上ったときに旅立った。雲が上ら
ないと、上る日まで、旅立たなかった。イスラエル全家の者は旅路にある間、昼は【主】
の雲が幕屋の上に、夜は雲の中に火があるのを、いつも見ていたからである」
(1)雲がイスラエルの民を導いた。
①昼の雲は、方向性を示し、日陰を提供した。
②夜の火は、同じく方向性を示し、野獣から宿営を守った。
(2)民の責務は、雲を見上げるだけである。
結論:私たちに適用される霊的真理
1.油そそぎについて
(1)出40:15
「あなたは、彼らの父に油をそそいだように、彼らにも油をそそぐ。彼らは祭司としてわ
たしに仕える。彼らが油をそそがれることは、彼らの代々にわたる永遠の祭司職のためで
ある」
①アロンとその子らが油そそぎを受けた。
②ユダヤ教の解釈では、一般の祭司の聖別はこれで終わったとする。
③しかし、大祭司だけは代が変るとそのつど油そそぎを受ける。
④大祭司は、「油そそがれた祭司」と呼ばれる。レビ4:3、5、16
(2)「永遠の祭司職」の意味
①アロン的祭司職が続く限りは、この油そそぎは続く。
②メシア(油そそがれた者)が来られたなら、アロン的祭司職は終わる。
(3)アロン的祭司職は、モーセの律法が機能するための土台である。
①アロン的祭司職が終了したなら、モーセの律法も終了する。
②それが、キリストの十字架によってモーセの律法が終了したという意味である。
③アロン的祭司職に代わる「メルキゼデクに等しい祭司」が出現したのである。
④キリストがその大祭司であり、キリストの律法が機能するための土台となられた。
2.モーセとイエスの対比
(1)モーセは幕屋を建設した。
「こうして、モーセはその仕事を終えた」(33節)
①【主】が命じられたデザイン通りに幕屋を建設した。
(2)イエスは教会を建設された。
「ではわたしもあなたに言います。あなたはペテロです。わたしはこの岩の上にわたしの
教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません」(マタ16:18)
①イエスは神の子であり、救い主であるという信仰告白の上に教会を建てる。
②その教会は、使徒たちが死んでも継続する。
③もし異なった土台の上に建てるなら、それは教会とは言えない。
(3)イエスは地上での仕事をすべて終えた。
「イエスは、酸いぶどう酒を受けられると、『完了した』と言われた。そして、頭をたれ
て、霊をお渡しになった」(ヨハ19:30)
①福音は、イエスの忠実な奉仕者によって伝えられたものである。
②福音の3要素
*イエスは私たちの罪のために死なれたこと
*墓に葬られたこと
*三日目に甦られたこと
3.シャカイナグローリーのその後
(1)ソロモンの神殿に【主】の栄光が宿った。
「祭司たちが聖所から出て来たとき、雲が【主】の宮に満ちた。祭司たちは、その雲にさ
えぎられ、そこに立って仕えることができなかった。【主】の栄光が【主】の宮に満ちた
からである」(1列8:10~11)
(2)エゼキエル書11章で【主】の栄光が神殿から去った。
(3)バビロン捕囚の時(前586年)に、神殿が破壊され、契約の箱が持ち去られた。
(4)第二神殿には【主】の栄光は宿らなかった。
(5)ハガ2:9
「この宮のこれから後の栄光は、先のものよりまさろう。万軍の【主】は仰せられる。わ
たしはまた、この所に平和を与える。──万軍の【主】の御告げ──」
①この預言は、イエスがメシアとして神殿の中を歩まれた時に成就した。
②イエスの内にこそ、シャカイナグローリーが宿っている。
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