私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(43)—聖霊の賜物、安息日—
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幕屋の中に隠された新約時代の真理を発見する。
出エジ43 出エジプト記31章1節~18節
「聖霊の賜物、安息日」
1.文脈の確認
(1)幕屋は、神の民に礼拝の方法を教えた。
(2)モーセの律法と幕屋は、イスラエルの民にのみ与えられたものである。
(3)幕屋は、神の計画が成就する前の一時的な仕組みである。
①幕屋は型である。対型は何かを考えることこそ重要。
②幕屋は、キリストの型である。
(4)これまでの話しの流れ
①出20章 十戒
②出21章~23章 付加条項
③出24章 民の同意
④出24章 モーセは山に上る(これで2度目である)
⑤出25章~31章 幕屋に関する命令(これが幕屋に関する8回目のメッセージ)
⑥出31章 モーセはあかしの板2枚を受ける。
⑦出32章 40日の間に山の麓の状況が変化する。
2.アウトライン
(1)聖霊の賜物(31:1~11)
(2)安息日(31:12~17)
(3)石の板(31:18)
3.メッセージのゴール(なぜ私たちが、幕屋について学ぶ必要があるのか)
(1)新約時代の信者と聖霊の賜物
(2)新約時代の信者と安息日
(3)新約時代の信者と石の板
このメッセージは、幕屋の中に隠された新約時代の真理を発見するためのものである。
Ⅰ.聖霊の賜物(1~11節)
1.ベツァルエル(1~5節)
「見よ。わたしは、ユダ部族のフルの子であるウリの子ベツァルエルを名ざして召し、彼
に知恵と英知と知識とあらゆる仕事において、神の霊を満たした」(2~3節)
(1)ユダ部族のフル、その子ウリ、その子ベツァルエル
①フルとはモーセの手を両側から支えた2人のうちのひとり(出17章)
②フルの孫がベツァルエルである。
(2)「神の霊を満たした」
①知恵(wisdom)
②英知(understanding)
③知識(knowledge)
(3)聖霊による力の付与を「わたしは、彼に神の霊を満たした」と表現した。
①ベツァルエルには工芸の能力があったはずである。
②その上に、聖霊の力が与えられた。
③人間の能力以上の仕事をするために。
(4)仕事の内容(4~5節)
「それは、彼が、金や銀や青銅の細工を巧みに設計し、はめ込みの宝石を彫り、木を
彫刻し、あらゆる仕事をするためである」
①聖霊は、美と芸術の霊である。
2.ベツァルエルの援助者(6~11節)
(1)オホリアブ(6a節)
「見よ。わたしは、ダン部族のアヒサマクの子オホリアブを、彼のもとに任命した」
①オホリアブは、ダン部族のアヒサマクの子である。
②小さい部族の中の、無名の人物が選ばれている。
(2)すべて心に知恵のある者(6b節)
「わたしはすべて心に知恵のある者に知恵を授けた。彼らはわたしがあなたに命じた
ものを、ことごとく作る」
①多数の芸術家、工芸家、職人が用意された。
②モーセの心配は吹き飛んだはずである。
(3)制作する物(7~11a節)
①幕屋とその中に入れる器具
②祭司の装束
③注ぎの油とかおりの高い香
(4)私たちへの教訓
①神が、財、方法、人材のすべてを用意された。
②神が私たちに何かをお命じになる時、必要なものはすべて与えられる。
③2種類の人生
*恐れて退く人生
*自分の能力以上の成就を見る人生
④【主】の命令どおりに(11b節)
「彼らは、すべて、わたしがあなたに命じたとおりに作らなければならない」
*幕屋と教会は機能が異なる。
*教会(建物)は、信者がともに集い、神を礼拝する場所。
*教会は、ユダヤ教の会堂(シナゴーグ)に似ている。
*幕屋は、神が住まう(臨在する)場所。
(例話)リッチ・フリーマン師のメッセージ
「ユダヤ人も異邦人も、キリストなしでは失われている」
Ⅱ.安息日(12~17節)
1.シナイ契約のしるし(13節)
「あなたはイスラエル人に告げて言え。あなたがたは、必ずわたしの安息を守らなければ
ならない。これは、代々にわたり、わたしとあなたがたとの間のしるし、わたしがあなた
がたを聖別する【主】であることを、あなたがたが知るためのものなのである」
(1)契約としるし
①ノア契約のしるしは、虹である。
②アブラハム契約のしるしは、割礼である。
③シナイ契約のしるしは、安息日である。
2.安息日の規定の目的
(1)イスラエルの民を聖別するため
①聖別とは、俗世界からの区別である。
②イスラエルの民は、安息日が来るたびに、自らの選びと使命を思い出す。
③安息日の規定は、離散の地に住むユダヤ人を守った。
(2)神の性質を教えるため
「それは【主】が六日間に天と地とを造り、七日目に休み、いこわれたからである」
(17節)
(3)イスラエルの民の信仰を育てるため
①安息日に休息することは、神がすべてを満たしてくださると信じること。
3.安息日の規定の厳格さ
(1)幕屋建設の文脈の中でこの規定が与えられている。
①幕屋建設の間も、安息日には休まねばならない。
(2)違反した場合は、「だれでも必ず殺される」(14節)
①常に実行することを想定した規定ではない。
②神とつながり、神からいのちを受ける道はひとつしかない。
③律法の時代の始まりに、神に反抗するなら死しかないことを教えている。
④使5:1~11 アナニヤとサッピラの罪
Ⅲ.石の板(18節)
1.あかしの板2枚
「こうして主は、シナイ山でモーセと語り終えられたとき、あかしの板二枚、すなわち、
神の指で書かれた石の板をモーセに授けられた」
(1)あかしの板とは、シナイ契約の条項が書かれているという意味。
①神の指で書かれた。神ご自身が書かれたという意味である。
(2)通常は、契約の当事者が同じ契約書を一通ずつ保管する。
①石の板は、両面に書かれていた。
②この2枚は全く同じものと考えられる。
2.これからモーセは山を下るのであるが、麓では異変が起きていた。
結論:このメッセージは、幕屋の中に隠された新約時代の真理を発見するためのものである。
1.新約時代の信者と聖霊の賜物
(1)旧約時代の例
①創41:38 ヨセフ
「そこでパロは家臣たちに言った。『神の霊の宿っているこのような人を、ほかに見
つけることができようか』」
②民11:17 モーセ
「わたしは降りて行って、その所であなたと語り、あなたの上にある霊のいくらかを
取って彼らの上に置こう。それで彼らも民の重荷をあなたとともに負い、あなたはた
だひとりで負うことがないようになろう」
③士6:34 ギデオン
「【主】の霊がギデオンをおおったので、彼が角笛を吹き鳴らすと、アビエゼル人が
集まって来て、彼に従った」
④士14:19 サムソン
「そのとき、【主】の霊が激しくサムソンの上に下った。彼はアシュケロンに下って
行って、そこの住民三十人を打ち殺し、彼らからはぎ取って、なぞを明かした者たち
にその晴れ着をやり、彼は怒りを燃やして、父の家へ帰った」
⑤1サム10:6 サウル
「【主】の霊があなたの上に激しく下ると、あなたも彼らといっしょに預言して、あ
なたは新しい人に変えられます」
⑥1サム16:13 ダビデ
「サムエルは油の角を取り、兄弟たちの真ん中で彼に油をそそいだ。【主】の霊がそ
の日以来、ダビデの上に激しく下った。サムエルは立ち上がってラマへ帰った」
(2)まとめ
①聖霊の働きは、その範囲が限定されていた。
②聖霊の内住や聖霊のバプテスマはなかった。
③ペンテコステ以降、それが変化する。
(3)新約時代の例
①執事の選抜(使6章)
「この提案は全員の承認するところとなり、彼らは、信仰と聖霊とに満ちた人ステパ
ノ、およびピリポ、プロコロ、ニカノル、テモン、パルメナ、アンテオケの改宗者ニ
コラオを選び、この人たちを使徒たちの前に立たせた。そこで使徒たちは祈って、手
を彼らの上に置いた」
②聖霊の内住
*すべての信者に与えられている祝福である。
*神からの一方的な贈り物である。
*聖句
ヨハ7:37~39、14:16~17
ロマ5:5
Ⅰコリ2:12
Ⅱコリ5:5
ガラ4:6
Ⅰヨハ3:24、4:13
③聖霊のバプテスマ
*信じた時に受けるもので、後になって繰り返されるものではない。
*聖霊のバプテスマによって、キリストの死、埋葬、復活につながった。
ロマ6:1~10
コロ2:12
*聖霊のバプテスマによって、キリストのからだである教会に連なった。
Ⅰコリ12:13
ガラ3:27
2.新約時代の信者と安息日
(1)新約時代の信者は、モーセの律法からは解放されている。
①異邦人は、そもそもモーセの律法の下にいたことはない。
②ユダヤ人は、モーセの律法の下にいたが、今は解放されている。
③安息日の規定は、キリストの律法にはない。
(2)安息日は、キリストを信じた人が経験する霊的状態の型である。
①ヘブ4章
(3)新約時代の信徒は、どの日に礼拝をしてもよい。
①ヘブ10:25は、定期的に集まることを勧めている。
「ある人々のように、いっしょに集まることをやめたりしないで、かえって励まし合
い、かの日が近づいているのを見て、ますますそうしようではありませんか」
3.新約時代の信者と石の板
(1)2コリ3:6~9
「神は私たちに、新しい契約に仕える者となる資格を下さいました。文字に仕える者では
なく、御霊に仕える者です。文字は殺し、御霊は生かすからです。もし石に刻まれた文字
による、死の務めにも栄光があって、モーセの顔の、やがて消え去る栄光のゆえにさえ、
イスラエルの人々がモーセの顔を見つめることができなかったほどだとすれば、まして、
御霊の務めには、どれほどの栄光があることでしょう。罪に定める務めに栄光があるのな
ら、義とする務めには、なおさら、栄光があふれるのです」
①古い契約と新しい契約
②文字に仕える者と御霊に仕える者
③文字は殺し、御霊は生かす。
④死の務めにも栄光があるが、義とする務めにはなおさら栄光があふれる。
(例話)今月の大阪の月例会で、日曜日に礼拝できないという女性から相談を受けた。
①安息日と日曜日とは同じではない。
②今の時代の信者は、モーセの律法の下にはいない。
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