私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ローマ人への手紙(13)—すべての人は罪人—
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すべての人が罪人であることを示す。
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「すべての人は罪人」
1.はじめに
(1)序言(1~17節)
(2)救いの第1番目の要素「義認」について論じ始める。
①神が罪人に神の義を転嫁すること。
②1:18~5:21まで
(3)パウロの論理展開
①異教徒の罪(1:18~32)
②文化的異教徒の罪(2:1~16)
③ユダヤ人の罪(2:17~3:8)
④結論:すべての人は罪人(3:9~20)
2.ヘブル的読み方
(1)パウロはラビ的手法で書いている。
(2)「大から小へ(from the greater to the lesser)」の論法
①ユダヤ人が大で異邦人が小
(例話)プロのゴルファーが打てない距離をアマチュアが打てるはずがない。
②マコ2:1~13
③きょうの箇所の議論は、ユダヤ人中心に展開している。
(3)「真珠の数珠つなぎ(pearl-stringing)」の論法
①ある結論の証拠として、似たような聖句をつなげていく論法
3.メッセージのアウトライン
(1)全人類は有罪(9節)
(2)有罪の証拠(10~18節)
(3)適用(19~20節)
4.メッセージのゴール
(1)有罪宣言(1:18~3:20)のまとめ
(2)救いの必要性
このメッセージは、すべての人が罪人であることを示すためのものである。
Ⅰ.全人類は有罪(9節)
1.ユダヤ人は異邦人よりも優れているわけではない。
「では、どうなのでしょう。私たちは他の者にまさっているのでしょうか。決してそうで
はありません。私たちは前に、ユダヤ人もギリシヤ人も、すべての人が罪の下にあると責
めたのです」(9節)
(1)パウロは3:1~8で、ユダヤ人には特権が与えられていると論じた。
(2)「私たちは他の者にまさっているのでしょうか」
①「私たち」とはユダヤ人のこと。
②「他の者」とは異邦人のこと。
③特権が与えられているユダヤ人は、異邦人よりも優れているのか。
④あるいは、ユダヤ人は異邦人よりも優れているから特権が与えられたのか。
(3)「決してそうではありません」
①ユダヤ人の選びは、神の一方的な選びによる。
②ユダヤ人が神に背を向けても、神のユダヤ人に対する忠実さは変わらない。
③神は、異邦人の中からでも選びの民を選ぶことができた。
(4)「私たちは前に、ユダヤ人もギリシヤ人も、すべての人が罪の下にあると責めた
のです」
①異邦人の罪(1:18~2:16)
②ユダヤ人の罪(2:17~3:8)
③特権はあっても、ユダヤ人もまた異邦人同様、神の裁きを受ける立場にある。
Ⅱ.有罪の証拠(10~18節)
1.旧約聖書から7ヶ所の引用が列挙される。
(1)ラビ的手法である。「真珠の数珠つなぎ」論法
(2)引用は、詩篇と預言書からのもの。
①第一義的には、ユダヤ人に向かって語られている。
②ユダヤ人の有罪を証明すれば、全人類が有罪であることの証明となる。
2.7ヶ所の引用の分類
(1)すべての人が罪の束縛の中にある(10~12節)
「義人はいない。ひとりもいない。悟りのある人はいない。神を求める人はいな
い。すべての人が迷い出て、みな、ともに無益な者となった。善を行う人はいない。
ひとりもいない」
①詩14:1~3と詩53:1~3の引用
「愚か者は心の中で、『神はいない』と言っている。彼らは腐っており、忌まわ
しい 事を行っている。善を行う者はいない」(詩14:1)
②内的確信が間違っている。
③結果として、行為が堕落する。
(2)すべての人が言葉の罪を犯している(13~14節)
「彼らののどは、開いた墓であり、彼らはその舌で欺く」
「彼らのくちびるの下には、まむしの毒があり、」
「彼らの口は、のろいと苦さで満ちている。」
①詩5:9と詩140:3の引用
②言葉を発する器官が4つ上げられている。
*のど(開いた墓)
*舌(欺きの道具)
*くちびる(まむしの毒がある)
*口(のろいと苦さで満ちている)
(3)すべての人が隣人に対して罪を犯している(15~17節)
「彼らの足は血を流すのに速く、彼らの道には破壊と悲惨がある。また、彼らは平和
の道を知らない」
①イザ59:7~8の引用
②大きな文脈は、イスラエルの霊的回復である。
③直前の文脈では、イスラエルの国家的罪を論じた箇所である。
③その罪が、神とイスラエルの民を隔てる中垣となっている。
(4)まとめ(18節)
「彼らの目の前には、神に対する恐れがない」
①詩36:1の引用
「罪は悪者の心の中に語りかける。彼の目の前には、神に対する恐れがない」
②罪が擬人法で語られている。
③10節に戻っている。「義人はいない。ひとりもいない」
*「ウーク エスティン」(ギ)
Ⅲ.適用(19~20節)
1.律法の擬人化
「さて、私たちは、律法の言うことはみな、律法の下にある人々に対して言われているこ
とを知っています。それは、すべての口がふさがれて、全世界が神のさばきに服するため
です」
(1)ここでの律法とは、旧約聖書全体のこと
①モーセの律法(トーラー、モーセの五書)を指すこともある。
(2)律法が擬人化されてユダヤ人に語っている。
①ユダヤ人がテストケースである。
②ユダヤ人が失敗したなら、全人類が失敗する。
③神に選ばれ、神の啓示を受けた民がだめなら、その他の民もまただめである。
④これは、「大から小へ」の論法である。
2.律法が与えられている目的
「なぜなら、律法を行うことによっては、だれひとり神の前に義と認められないからです。
律法によっては、かえって罪の意識が生じるのです」
(1)律法の目的については、先に行ってから詳細に論じられる。
(2)ここでは、そのひとつが紹介されている。
①律法は人を義とするものではない。
②律法によって、人に罪の意識が生じる。
③つまり、律法は人を罪に定めるものである。
結論:
1.
有罪宣言(1:18~3:20)のまとめ
(1)野蛮人の異教徒の罪(1:18~32)
①彼らには、被造物という証拠やその他の一般啓示が与えられている。
②彼らは、その基準によって裁かれる。
(2)文化的異教徒の罪(2:1~16)
①彼らには、良心という証拠やその他の一般啓示が与えられている。
②彼らは、その基準によって裁かれる。
(3)ユダヤ人の罪(2:17~3:8)
①彼らには、聖書という特別啓示が与えられている。
②彼らは、その基準によって裁かれる。
(4)すべての人は罪人(3:9~20)
①ユダヤ人の失敗を証明した。
②それによって、全人類の失敗を証明した。
2.救いの必要性
(1)罪の擬人化
「私たちは前に、ユダヤ人もギリシヤ人も、すべての人が罪の下にあると責めたので
す」(9節)
①罪人は、罪の支配下にある。
(2)当時のユダヤ教のテーマ
①人には2人の主人がいる。神か罪か。
②そのどちらに仕えるかによって、その人の生き方が決まって来る。
③この考え方は、福音書の中にも出てくる。
(3)罪人は罪という主人に仕え、その支配下にある。
①その報酬は死である。
「罪から来る報酬は死です」(ロマ 6:23a)
(4)罪人は、罪の赦しと、罪の力からの解放を必要としている。
①神がくださる救いは、恵みによる。
「しかし、神の下さる賜物は、私たちの主キリスト・イエスにある永遠のいのち
です」(ロマ6:23b)
②罪の赦しは義認である。
③罪の力からの解放は聖化である。
(例話)NZ地震で、子どもが見つからないで帰国してきた親たち。
(例話)熊本市で3日夜から行方不明となっていた女児(3歳)が4日夕方、遺
体で発見された。警察は大学生2年の男を死体遺棄の疑いで緊急逮捕した。
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