ヨハネの黙示録(31)—経済的・政治的バビロンの崩壊(1)—

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大バビロンの滅亡について学ぶ。

「経済的・政治的バビロンの崩壊(1)」

黙18:1~8

1.はじめに

(1)キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている。

  ①15章~16章では、大患難時代後半の3年半に起こる出来事が取り上げられた。

  ②7つ鉢の裁きに続く出来事が、キリストの再臨である(19章)。

  ③16章と19章の間に17章と18章がある。

*17章は、大患難時代の前半に起こることの再記述である。

*18章は、大患難時代の後半に起こることの再記述である。

    (2)黙17章と18章に出てくる「バビロン」の意味

      ①文字通り、ユーフラテス川沿いにあるバビロンの町

      ②神に敵対する宗教的・経済的システム

      ③17章の大バビロンは、背教の世界統一教会。

      ④18章の大バビロンは、経済的・政治的バビロン。

      ⑤大患難時代の中間で、経済的・政治的大バビロンが宗教的大バビロンを滅ぼす。

        *黙17:16

      ⑥バビロンは、反キリストの経済的・政治的都となる。

      ⑦反キリストはイスラエルを攻撃するために軍勢をハルマゲドンに集結させる。

*第6の鉢の裁き(ハルマゲドンの戦いの第1段階)

      ⑧しかし神は、バビロンの都を滅ぼされる。

*ハルマゲドンの戦いの第2段階

  2.アウトライン

    (1)大バビロン崩壊の宣言(1~3節)

    (2)大バビロンからの脱出(4~5節)

    (3)大バビロンの罪の糾弾(6~8節)

  3.結論

    (1)大バビロンとラオデキヤ教会の対比

    (2)大バビロンと愚かな金持ちの対比

    (3)大バビロン脱出とこの世からの分離の対比

大バビロンの滅亡について学ぶ。

Ⅰ.大バビロン崩壊の宣言(1~3節)

   1.1節

Rev 18:1 この後、私は、もうひとりの御使いが、大きな権威を帯びて、天から下って来るのを見た。地はその栄光のために明るくなった。

     (1)「この後」

      ①18章の啓示は、17章の啓示の後に来るものである。

    (2)「もうひとりの天使」

①17章の天使とは別の天使である。

②大きな権威を帯びて、天から下って来た。

      ③地はその栄光のために明るくなった。

      ④神の代理人として、大きな任務(大バビロン崩壊の宣言)が与えられている。

    (3)天使と栄光の関係

      ①天使が持つ栄光ではなく、神の臨在の場から下って来たことによる栄光である。

      ②モーセが似たような体験をしている(出34:29)。

Exo 34:29 それから、モーセはシナイ山から降りて来た。モーセが山を降りて来たとき、その手に二枚のあかしの石の板を持っていた。彼は、主と話したので自分の顔のはだが光を放ったのを知らなかった。

   2.2節

Rev 18:2 彼は力強い声で叫んで言った。「倒れた。大バビロンが倒れた。そして、悪霊の住まい、あらゆる汚れた霊どもの巣くつ、あらゆる汚れた、憎むべき鳥どもの巣くつとなった。

     (1)「倒れた」が2度繰り返されている。

      ①神の裁きは確実に下る。

      ②バビロンの崩壊は、徹底したものである。

      ③将来のことが、すでに成就している事実として語られている。

    (2)裁きを受けたバビロンの状態が預言される。

      ①バビロンは、悪霊どもの住み家となる。

      ②千年王国の期間、サタンは「底知れぬ所」(アビス)に投げ込まれる。

      ③黙20:2~3

Rev 20:2 彼は、悪魔でありサタンである竜、あの古い蛇を捕らえ、これを千年の間縛って、

Rev 20:3 底知れぬ所に投げ込んで、そこを閉じ、その上に封印して、千年の終わるまでは、それが諸国の民を惑わすことのないようにした。サタンは、そのあとでしばらくの間、解き放されなければならない。

      ④千年王国の期間、悪霊どもは2箇所に閉じ込められる。

*バビロンとエドム(イザ34:8~16)

   3.3節

Rev 18:3 それは、すべての国々の民が、彼女の不品行に対する激しい御怒りのぶどう酒を飲み、地上の王たちは、彼女と不品行を行い、地上の商人たちは、彼女の極度の好色によって富を得たからである。」

    (1)「彼女の不品行に対する激しい御怒りのぶどう酒を飲み」

      ①默17:2と似ている。そこでの「不品行」とは、霊的姦淫であった。

      ②ここでは、神に敵対する物質主義のことである。

        *経済的・政治的バビロンが行う罪である。

    (2)地上のすべての民が、神に敵対する物質主義に征服される。

      ①すべての国々の民

      ②地上の王たち

      ③地上の商人たちは、巨万の富を得るようになる。

      ④ついに、神の裁きの時は満ちた。

Ⅱ.大バビロンからの脱出(4~5節)

   1.4節

Rev 18:4 それから、私は、天からのもう一つの声がこう言うのを聞いた。「わが民よ。この女から離れなさい。その罪にあずからないため、また、その災害を受けないためです。

    (1)もう一つの声

      ①神の民(ユダヤ人)は、バビロンを脱出すべきである。

        *バビロンの罪の影響を受けないため

*バビロンに下ろうとしている裁きから免れるため

②イザ48:20

Isa 48:20 バビロンから出よ。カルデヤからのがれよ。/喜びの歌声をあげて、これを告げ知らせよ。/地の果てにまで響き渡らせよ。/「【主】が、そのしもべヤコブを贖われた」と言え。

       ③エレ50:8

Jer 50:8 バビロンの中から逃げ、カルデヤ人の国から出よ。/群れの先頭に立つやぎのようになれ。

      ④創19:12~13(ソドムを去れという警告がロトに与えられた)

   2.5節

Rev 18:5 なぜなら、彼女の罪は積み重なって天にまで届き、神は彼女の不正を覚えておられるからです。

     (1)バビロンを去らなければならない理由

      ①バビロンの罪が充ち満ちたからである。

      ②神は、バビロンの不正を覚えておられる。

      ③これ以上、バビロンの不正を見逃すわけにはいかない。

Ⅲ.大バビロンの罪の糾弾(6~8節)

   1.6節

Rev 18:6 あなたがたは、彼女が支払ったものをそのまま彼女に返し、彼女の行いに応じて二倍にして戻しなさい。彼女が混ぜ合わせた杯の中には、彼女のために二倍の量を混ぜ合わせなさい。

     (1)同害刑法(復讐法)(lex talionis)

      ①マタ7:2

Mat 7:2 あなたがたがさばくとおりに、あなたがたもさばかれ、あなたがたが量るとおりに、あなたがたも量られるからです。

      ②ガラ6:7

Gal 6:7 思い違いをしてはいけません。神は侮られるような方ではありません。人は種を蒔けば、その刈り取りもすることになります。

    (2)バビロンの罪は大きいので、報いは行ったことの2倍である(旧約の復讐法)。

      ①出22:4

Exo 22:4 もし盗んだ物が、牛でも、ろばでも、羊でも、生きたままで彼の手の中にあるのが確かに見つかったなら、それを二倍にして償わなければならない。

      ②イザ40:2(口語訳)

Isa 40:2 ねんごろにエルサレムに語り、これに呼ばわれ、その服役の期は終り、そのとがはすでにゆるされ、そのもろもろの罪のために二倍の刑罰を主の手から受けた」。

      ③ゼカ9:12

Zec 9:12 望みを持つ捕らわれ人よ。とりでに帰れ。/わたしは、きょうもまた告げ知らせる。/わたしは二倍のものをあなたに返すと。

    (3)世界中の民が、反キリストに従い、物質的に豊かになった。

      ①彼らは、超えてはならない一線を越えた。

      ②彼らが神の義によって厳しく裁かれるのは、当然のことである。

   2.7節

Rev 18:7 彼女が自分を誇り、好色にふけったと同じだけの苦しみと悲しみとを、彼女に与えなさい。彼女は心の中で『私は女王の座に着いている者であり、やもめではないから、悲しみを知らない』と言うからです。

     (1)バビロンの傲慢が、ついに裁かれる。

      ①「私は女王の座に着いている者である」

      ②「やもめではないから、悲しみを知らない」

        *彼女は、諸国の王たちとの不法な関係(不品行)を誇っている。

   3.8節

Rev 18:8 それゆえ一日のうちに、さまざまの災害、すなわち死病、悲しみ、飢えが彼女を襲い、彼女は火で焼き尽くされます。彼女をさばく神である主は力の強い方だからです。

     (1)裁きは、一日のうちに行われる。

      ①ギリシア語では、「一日」が文頭に来ている。強調がある。

    (2)裁きの結果

      ①死病、悲しみ、飢えである。

      ②経済的・政治的バビロンは、火で焼き尽くされる。

      ③神こそ主権者であることが明らかになる。

結論:

  1.大バビロンとラオデキヤ教会の対比

    (1)默18:7

Rev 18:7 彼女が自分を誇り、好色にふけったと同じだけの苦しみと悲しみとを、彼女に与えなさい。彼女は心の中で『私は女王の座に着いている者であり、やもめではないから、悲しみを知らない』と言うからです。

    (2)黙3:17

Rev 3:17 あなたは、自分は富んでいる、豊かになった、乏しいものは何もないと言って、実は自分がみじめで、哀れで、貧しくて、盲目で、裸の者であることを知らない。

    (3)大バビロンもラオデキヤ教会も、偽りの土台の上に自分を建てていた。

    (4)ラオデキヤ教会は、キリストを外に閉め出していた。

    (5)自己欺瞞は、崩壊に先立つ心の状態である。

  2.大バビロンと愚かな金持ちの対比

    (1)大バビロンの崩壊は、突如襲う。

      ①反キリストは、イスラエルを滅ぼすために軍勢を集結させる。

      ②反キリストが留守にしている間に、神はバビロンを滅ぼされる。

      ③大バビロンは、一日で崩壊する。

    (2)ルカ12:16~20

Luk 12:16 それから人々にたとえを話された。/「ある金持ちの畑が豊作であった。

Luk 12:17 そこで彼は、心の中でこう言いながら考えた。『どうしよう。作物をたくわえておく場所がない。』

Luk 12:18 そして言った。『こうしよう。あの倉を取りこわして、もっと大きいのを建て、穀物や財産はみなそこにしまっておこう。

Luk 12:19 そして、自分のたましいにこう言おう。「たましいよ。これから先何年分もいっぱい物がためられた。さあ、安心して、食べて、飲んで、楽しめ。」』

Luk 12:20 しかし神は彼に言われた。『愚か者。おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる。そうしたら、おまえが用意した物は、いったいだれのものになるのか。』

  3.大バビロン脱出とこの世からの分離の対比

    (1)私たちへの適用

      ①1テモ5:22

1Ti 5:22 また、だれにでも軽々しく按手をしてはいけません。また、他人の罪にかかわりを持ってはいけません。自分を清く保ちなさい。

      ②エペ5:11

Eph 5:11 実を結ばない暗やみのわざに仲間入りしないで、むしろ、それを明るみに出しなさい。

③2コリ6:14~15

2Co 6:14 不信者と、つり合わぬくびきをいっしょにつけてはいけません。正義と不法とに、どんなつながりがあるでしょう。光と暗やみとに、どんな交わりがあるでしょう。

2Co 6:15 キリストとベリアルとに、何の調和があるでしょう。信者と不信者とに、何のかかわりがあるでしょう。

        *分離の教え

        *第一義的には、偽教師との分離である。

*適用は無数にある。

*ビジネス関係、交友関係

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