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ヨハネの黙示録(29)—鉢の裁き(2)—
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7つの鉢の裁きの後半について学ぶ。
「鉢の裁き(2)」
黙16:12~21
1.はじめに
(1)キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている。
①15章~16章では、大患難時代後半の3年半に起こる出来事が取り上げられる。
②15章は、鉢の裁きへの前奏曲である。
*聖徒たちへの励ましのメッセージである。
③16章は、第7のラッパの裁きである。
*「第7のラッパの裁き」=「7つの鉢の裁き」で、最も激しい裁きである。
*第7つ鉢の裁きに続く出来事が、キリストの再臨である(19章)。
(2)鉢の裁きを2つのグループに分けて学んでいる。
①第1~第5の鉢の裁き
②第6~第7の鉢の裁き
*この2つは、ハルマゲドンの戦いに関係している。
*ハルマゲドンの戦いには8つの段階がある(フルクテンバウム説)。
*第6の鉢の裁きは、ハルマゲドンの戦いの第1の段階。
*第7の鉢の裁きは、ハルマゲドンの戦いの第8の段階。
2.アウトライン
(2)第7の鉢の裁き(17~21節)
3.結論
(1)ハルマゲドンの戦いの8段階
(2)黙示16章17節とヨハネ19章30節
7つの鉢の裁きの後半について学ぶ。
Ⅰ.第6の鉢の裁き(12~16節)
1.12節
Rev 16:12 第六の御使いが鉢を大ユーフラテス川にぶちまけた。すると、水は、日の出るほうから来る王たちに道を備えるために、かれてしまった。
(1)第6の御使いが、鉢を大ユーフラテス川にぶちまけた。
①すると、川の水が涸れた。
(2)ユーフラテス川
①ユーフラテス川の源流は、トルコ北東部の山地である。
②途中シリアを通過し、イラクでチグリス川と合流してペルシア湾に注ぐ。
③全長約3000㎞弱の国際河川である。
④古代都市ウルやバビロンは、この川のほとりにあった。
⑤古代ローマ帝国の東の境界線になっていた。
(3)聖書預言では、約束の地の東の境界線である。
①創15:18
Gen 15:18 その日、【主】はアブラムと契約を結んで仰せられた。/「わたしはあなたの子孫に、この地を与える。/エジプトの川から、/あの大川、ユーフラテス川まで。
②申1:7
Deu 1:7 向きを変えて、出発せよ。そしてエモリ人の山地に行き、その近隣のすべての地、アラバ、山地、低地、ネゲブ、海辺、カナン人の地、レバノン、さらにあの大河ユーフラテス川にまで行け。
③ヨシ1:4
Jos 1:4 あなたがたの領土は、この荒野とあのレバノンから、大河ユーフラテス、ヘテ人の全土および日の入るほうの大海に至るまでである。
(4)反キリストの軍勢が侵攻してくるのが可能になった。
①ユダヤ人を抹殺するための戦いが始まろうとしている。
②彼らは、キリストの再臨を妨害するためにユダヤ人を滅ぼそうとしている。
(5)「日の出るほうから来る王たち」とは、誰か。
①ある学者は、100以上の注解書を調べ、50以上の説があるのを発見したという。
②字義通りに読めば、「東の方から来る王たち」である。
③聖書が「東」という場合は、極東(中国)ではなくメソポタミアを指す。
④反キリストの国の首都は、バビロンである。
⑤東の国々の王たちが、川が枯渇するという奇跡に助けられて進軍してくる。
2.13~14節
Rev 16:13 また、私は竜の口と、獣の口と、にせ預言者の口とから、かえるのような汚れた霊どもが三つ出て来るのを見た。
Rev 16:14 彼らはしるしを行う悪霊どもの霊である。彼らは全世界の王たちのところに出て行く。万物の支配者である神の大いなる日の戦いに備えて、彼らを集めるためである。
(1)イスラエルに対する戦いを計画しているのは、偽の三位一体である。
①竜(サタン)、②獣(反キリスト)、③偽預言者
(2)彼らの口から、3つの悪霊が出て来た。
①汚れた霊である。「かえるのような」
*かえるは、儀式的に汚れている。
*レビ11:9~12、41参照(水の中にいて、ひれやうろこのないもの)
②3つの悪霊は、偽の三位一体の命令を実行する。
(3)3つの悪霊の活動
①しるしを行う。
*これは、Bクラスの奇跡である。
*全世界の王たちが苦しんでいる(水不足、猛暑、皮膚病)。
*その王たちを助けるためには、しるしが必要である。
②「大いなる日の戦い」のために、全世界の王たちを招集する。
*この戦いは、ハルマゲドンの戦いである。
*王たちは、イスラエルのどこかの地に招集される。
3.15節
Rev 16:15 ──見よ。わたしは盗人のように来る。目をさまして、身に着物を着け、裸で歩く恥を人に見られないようにする者は幸いである──
(1)これは挿入句である。
①主イエスへの信仰を捨てない人たちへの励ましのことばである。
②語っているのは、神ご自身である。
(2)「わたしは盗人のように来る」
①予期せぬ時に、突然来る。
②人々は、まだ準備ができていない。
③それゆえ、霊的な目を覚まし続ける必要がある。
(3)「身に着物を着け、裸で歩く恥を人に見られないようにする者は幸いである」
①起源1世紀の読者には、この言葉の意味がよく理解できた。
②番兵は、任務中に寝ているのが見つかると、罰を受けた。
*着物を脱がされた。
*見せしめのために、裸で歩かされた。
③霊的に目を覚まし続ける者は、祝福を受けるという約束である。
4.16節
Rev 16:16 こうして彼らは、ヘブル語でハルマゲドンと呼ばれる所に王たちを集めた。
(1)反キリストの軍勢が集結する場所は、ハルマゲドンである。
①「メギドの山」という意味である。
②イズレエル平原の西の端にある山
*イスラエルで一番面積が広いのが、イズレエル平原である。
③ここは戦いの場ではなく、反キリストの軍勢が集結する場所である。
Ⅱ.第7の鉢の裁き(17~21節)
1.17節
Rev 16:17 第七の御使いが鉢を空中にぶちまけた。すると、大きな声が御座を出て、聖所の中から出て来て、「事は成就した」と言った。
(1)大きな声
①神の声である。
②聖所の中から出て来た。
(2)「事は成就した」
①ギリシア語で一語である。「ゲゴネン」(ギノマイ)
②これは、最後の裁きを紹介する言葉で、完了形である。
*神の怒りの裁きは、すべて行われた。
*神の怒りは、すべて取り去られた。
③キリストの再臨の前に起こることは、すべて完了した。
2.18~19節
Rev 16:18 すると、いなずまと声と雷鳴があり、大きな地震があった。この地震は人間が地上に住んで以来、かつてなかったほどのもので、それほどに大きな、強い地震であった。
Rev 16:19 また、あの大きな都は三つに裂かれ、諸国の民の町々は倒れた。そして、大バビロンは、神の前に覚えられて、神の激しい怒りのぶどう酒の杯を与えられた。
(1)歴史上なかったほど大きな地震が起こる。
①黙6:12(第6の封印)
②默8:5(第7の封印)
③黙11:13(二人の証人の召天)
④默11:19(第7のラッパ)
(2)エルサレムは、3つに裂かれる。
①ゼカ14:4
Zec 14:4 その日、主は御足をもって/エルサレムの東にある/オリーブ山の上に立たれる。オリーブ山は東と西に半分に裂け/非常に大きな谷ができる。山の半分は北に退き、半分は南に退く。
②エルサレムは、千年王国のために再建される必要がある。
4.20~21節
Rev 16:20 島はすべて逃げ去り、山々は見えなくなった。
Rev 16:21 また、一タラントほどの大きな雹が、人々の上に天から降って来た。人々は、この雹の災害のため、神にけがしごとを言った。その災害が非常に激しかったからである。
(1)世界中の地形が激変する。
①これもまた、千年王国設立の準備である。
(2)大きな雹が降って来た。
①一タラント(約45㎏)の重さの雹
②神の怒りはここに極まる。
(3)それでも人々は、神をののしる言葉を口にした。
①裁きが激しくなっても、人々の心は頑ななままであった。
結論:
1.ハルマゲドンの戦いの8段階
(1)反キリストの軍勢の集結(第6の鉢の裁き)
(2)バビロンの都の崩壊
①イザ13章、14章
②エレ50章、51章
③ゼカ5:4~11
④黙18章
(3)エルサレムへの攻撃とその崩壊
①反キリストの軍勢によるエルサレムへの攻撃
②ユダヤ人たちは、エルサレムを脱出し、ボズラに移住している。
③ゼカ12:1~9、ゼカ14:1~2
(4)反キリストの軍勢のボズラ侵攻
①エレ49:13~14
(5)イスラエルの民族的救い
①イザ66:8
②ゼカ3:8~10
③ロマ11:15~27
(6)キリストの地上再臨
①イザ34:1~7、63:1~6
③ミカ2:12~13
④ハバ3:3
(7)反キリストの軍勢のヨシャパテの谷での滅亡
①ヨエ3:12~13
②黙14:20
(8)オリーブ山に立つ栄光の王(第7の鉢の裁き)
①ゼカ14:4~5
2.黙示16章17節とヨハネ19章30節
(1)黙示16章17節
Rev 16:17 第七の御使いが鉢を空中にぶちまけた。すると、大きな声が御座を出て、聖所の中から出て来て、「事は成就した」と言った。
①「事は成就した」は、「ゲゴネン」である。
②罪に満ちた世界に対する神の怒りは、ついに収まった。
③次に起こるのは、キリストの再臨と千年王国の設立である。
(2)ヨハネ19章30節
Joh 19:30 イエスは、酸いぶどう酒を受けられると、「完了した」と言われた。そして、頭をたれて、霊をお渡しになった。
①「完了した」は、「テテレスタイ」である。
②完済したという意味である。
③イエスの勝利の宣言である。
④イエスは、ご自身の死が罪のための贖いの死であることを知っておられた。
⑤ロマ5:1
Rom 5:1 ですから、信仰によって義と認められた私たちは、私たちの主イエス・キリストによって、神との平和を持っています。
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