私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ヨハネの黙示録(23)—海からの獣—
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反キリストの働きについて学ぶ。
「海からの獣」
黙13:1~10
1.はじめに
(1)キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている。
①10章~14章は、挿入箇所である。
*物語の進展はなく、状況の説明が入る。
*7章と同じである。
②今私たちは、12章~13章を取り上げている。
(2)12章~13章に登場する7人の主役たち(大患難時代の後半)
①ひとりの女:イスラエルの象徴
②赤い竜:サタンの象徴
③男の子:キリストの象徴
④ミカエル:天使長
⑤女の子孫の残りの者:レムナント、真の信仰者たち
⑥海から上って来た獣:反キリスト
⑦地から上って来た獣:偽預言者
(3)きょうの箇所で、大患難時代における最も重要な人物が登場する。
①海から上って来た一匹の獣とは、反キリストのことである。
②黙示録では、反キリストは獣として描写されている(32回)。
③キリストと反キリストが対比されている。
*「Anti」とは、「〇〇に代わって」とか「〇〇に敵対して」という意味。
*キリストは小羊であるが、反キリストは獣である。
*キリストは罪人を救うが、獣は聖徒を迫害する。
*小羊は柔和であるが、獣はどう猛である。
*小羊は愛に溢れているが、獣は残忍である。
(4)大患難時代の中間期から後半にかけて、偽の三位一体が登場する。
①12章でサタンが登場する(偽の父なる神)。
②13章前半で反キリストが登場する(偽の子なる神)。
③13章後半で偽預言者が登場する(偽の聖霊なる神)。
2.アウトライン
(1)獣の形状(1~2節)
(2)獣の復活(3~4節)
(3)獣の支配(5~8節)
(4)励ましのことば(9~10節)
3.結論:反キリストはキリストの真似をする。
反キリストの働きについて学ぶ。
Ⅰ.獣の形状(1~2節)
1.1節
Rev 13:1 また私は見た。海から一匹の獣が上って来た。これには十本の角と七つの頭とがあった。その角には十の冠があり、その頭には神をけがす名があった。
(1)黙12:18は、13:1に含まれるべきものである。
Rev 12:18 そして、彼は海べの砂の上に立った。
①海から獣が上がってくる。
(2)ダニエル書2章(ネブカデネザルが夢で見た大きな像の幻)
*人間の視点から見た異邦人世界の帝国の歴史
(3)ダニエル書7章(ダニエルが見た4つの幻)
①第1の幻:3頭の大きな獣
*第1の獣は獅子のようだが、鷲の翼をつけていた(バビロン帝国)。
*第2の獣は熊に似ているが、きばの間には3本の肋骨があった(メド・ペ
ルシヤ連合帝国)
*第3の獣は豹のようだが、背には4つの翼があり、4つの頭があった(ギ
リシア帝国)
②第2の幻:第4の獣(帝国主義)
*いかなる獣にもたとえられない異様な姿をしていた。
*大きな鉄のきばと10本の角を持っていた(10本の角は10人の王)。
*11本目の小さな角が出てきて、初めの角のうち3本が引き抜かれた。
*この小さな角は人格を持ち、豪語する口を持っていた(反キリスト)。
③第3の幻:天の法廷
④第4の幻:人の子のような方
(4)黙13:1の獣は、ダニエル書7章の第2の幻に登場する第4の獣と同じである。
①獣は、反キリスト自身であり、反キリストが支配する帝国でもある。
②反キリストは、異邦人世界から登場する。
(5)「十本の角」
①動物は角を武器にして戦う。
②角は、力と支配の象徴である。
③角は、王国や王を象徴する言葉である。
④反キリストは、10ヶ国連合の帝国主義から登場する。
⑤角にある10の冠は、統治権の象徴である。
(6)「7つの頭」
①第4の帝国の7つの発展段階を指す。
②第7の頭が、反キリストの統治段階である。
③「神をけがす名」とは、反キリストの性質を表す名である。
2.2節
Rev 13:2 私の見たその獣は、ひょうに似ており、足は熊の足のようで、口は獅子の口のようであった。竜はこの獣に、自分の力と位と大きな権威とを与えた。
(1)ダニエル書7章
①獅子、熊、ひょうの順番に登場した。
②ダニエル書では、将来の歴史を展望している。
(2)黙示録13:2
①ひょう、熊、獅子の順番になっている。
②黙示録では、過去を振り返っている。
③第4の帝国には、その前の3つの帝国の特徴が残っている。
*非常にどう猛で力がある。
(3)竜(サタン)は、この獣に自分が持っている力と位と権威を与えた。
①どう猛な獣(反キリスト)は、さらに力を得た。
*反キリストの最終的な力は、サタンから来る。
*偽の三位一体の「偽の子なる神」が誕生した。
②キリストは、サタンの申し出を拒否された(マタ4:8~10)。
Mat 4:8 今度は悪魔は、イエスを非常に高い山に連れて行き、この世のすべての国々とその栄華を見せて、
Mat 4:9 言った。「もしひれ伏して私を拝むなら、これを全部あなたに差し上げましょう。」
Mat 4:10 イエスは言われた。「引き下がれ、サタン。『あなたの神である主を拝み、主にだけ仕えよ』と書いてある。」
Ⅱ.獣の復活(3~4節)
1.3~4節
Rev 13:3 その頭のうちの一つは打ち殺されたかと思われたが、その致命的な傷も直ってしまった。そこで、全地は驚いて、その獣に従い、
Rev 13:4 そして、竜を拝んだ。獣に権威を与えたのが竜だからである。また彼らは獣をも拝んで、「だれがこの獣に比べられよう。だれがこれと戦うことができよう」と言った。
(1)「その頭のうちの一つは打ち殺されたかと思われたが、」
①ネロ、イスカリオテのユダ、ムッソリーニ、ヒトラー、スターリンなど?
②文脈上は、過去の人物ではなく、将来登場する反キリストである。
③反キリストは、殺される。
(2)「その致命的な傷も直ってしまった」
①反キリストは、復活する。
②反キリストは重傷を負っただけだと主張する学者もいる。
③黙5:6に「ほふられたと見える小羊」という言葉が出ている。
④「打ち殺されたかと思われた」は、死んだことを意味する。
⑤復活した反キリストは、2人の証人を殺す(黙11:7で学んだ)。
Rev 11:7 そして彼らがあかしを終えると、底知れぬ所から上って来る獣が、彼らと戦って勝ち、彼らを殺す。
(3)地上の人たちは、超自然的な力を発揮した獣に従うようになる。
①反キリスト復活のニュースは世界を巡ることであろう。
②復活した2人の証人は、天に上げられて地上にはいない。
③人々の関心は、復活した反キリストに向かう。
(4)さらに、人々は竜を拝むようになる。
①サタンは、自らを神とし、礼拝されることを願う。
*イザ14:12~17、エゼ28:11~19
②人々は、反キリストを通してサタンを礼拝するようになる。
③「だれがこの獣に比べられよう。だれがこれと戦うことができよう」
④出15:11との対比
Exo 15:11 【主】よ。神々のうち、/だれかあなたのような方があるでしょうか。/だれがあなたのように、聖であって力強く、/たたえられつつ恐れられ、/奇しいわざを行うことができましょうか。
Ⅲ.獣の支配(5~8節)
2.5~6節
Rev 13:5 この獣は、傲慢なことを言い、けがしごとを言う口を与えられ、四十二か月間活動する権威を与えられた。
Rev 13:6 そこで、彼はその口を開いて、神に対するけがしごとを言い始めた。すなわち、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちをののしった。
(1)反キリストは、大患難時代の中間で自らを神とする。
①最初は、世界の問題を解決するダイナミックなリーダーとして登場する。
②しかし、途中から傲慢なことやけがしごとを言う。
③ついに、自分の像を神殿に置き、礼拝を迫る(マタ24:15参照)。
④2テサ2:4
2Th 2:4 彼は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。
(2)けがしことを言う対象
①神の御名
*神の存在そのもの
②幕屋(天とそこに住む者たち)
*天使と聖徒たち
2.7~8節
Rev 13:7 彼はまた聖徒たちに戦いをいどんで打ち勝つことが許され、また、あらゆる部族、民族、国語、国民を支配する権威を与えられた。
Rev 13:8 地に住む者で、ほふられた小羊のいのちの書に、世の初めからその名の書きしるされていない者はみな、彼を拝むようになる。
(1)反キリストは、聖徒たちを迫害する。
①さらに多くの殉教者たちが出る。
②黙6:11参照
③ユダヤ人も、異邦人の信者も迫害される。
(2)反キリストによる世界統治
①政治的統治
②経済的統治
③宗教的統治
(3)天と地の対比
①天にいる者たちは、神と小羊を礼拝する。
②地にいる者たちは、悪魔と反キリストを礼拝する。
(4)救われる者の名は、永遠の昔から小羊のいのちの書に記されている。
①エペ1:4参照
②そうでない者は、悪魔と反キリストを礼拝するようになる。
Ⅳ.励ましのことば(9~10節)
1.9節
Rev 13:9 耳のある者は聞きなさい。
(1)黙2~3章の7つの教会への勧告と似ている。
Rev 2:7 耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。
①ここでは、より簡単なことばになっている。
②教会はすでに携挙されている。
2.10節
Rev 13:10 とりこになるべき者は、とりこにされて行く。剣で殺す者は、自分も剣で殺されなければならない。ここに聖徒の忍耐と信仰がある。
(1)神の正義は必ず行われる。
①反キリスト、偽預言者、反キリストの手先は、燃える火の池に投げ込まれる。
(2)聖徒たちは、神の正義がなることを確信して生きる。
①忍耐と信仰を保持するための根拠となる。
結論:反キリストはキリストの真似をする。
1.キリストは神である。反キリストは、自らを神と宣言する。
(1)ヨハ10:36
Joh 10:36 『わたしは神の子である』とわたしが言ったからといって、どうしてあなたがたは、父が、聖であることを示して世に遣わした者について、『神を冒涜している』と言うのですか。
(2)2テサ2:4
2Th 2:4 彼は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。
2.キリストは奇跡を行われた。反キリストはその真似をする。
(1)マタ9:32~33
Mat 9:32 この人たちが出て行くと、見よ、悪霊につかれて口のきけない人が、みもとに連れて来られた。
Mat 9:33 悪霊が追い出されると、その人はものを言った。群衆は驚いて、「こんなことは、イスラエルでいまだかつて見たことがない」と言った。
(2)マタ24:24
Mat 24:24 にせキリスト、にせ預言者たちが現れて、できれば選民をも惑わそうとして、大きなしるしや不思議なことをして見せます。
(3)2テサ2:9~10
2Th 2:9 不法の人の到来は、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力、しるし、不思議がそれに伴い、
2Th 2:10 また、滅びる人たちに対するあらゆる悪の欺きが行われます。なぜなら、彼らは救われるために真理への愛を受け入れなかったからです。
3.キリストは多くの王冠をかぶられる。反キリストは10の王冠をかぶる。
(1)黙19:12
Rev 19:12 その目は燃える炎であり、その頭には多くの王冠があって、ご自身のほかだれも知らない名が書かれていた。
(2)黙13:1
Rev 13:1 また私は見た。海から一匹の獣が上って来た。これには十本の角と七つの頭とがあった。その角には十の冠があり、その頭には神をけがす名があった。
4.キリストは白い馬に乗られる。反キリストも白い馬に乗る。
(1)黙19:11
Rev 19:11 また、私は開かれた天を見た。見よ。白い馬がいる。それに乗った方は、「忠実また真実」と呼ばれる方であり、義をもってさばきをし、戦いをされる。
(2)黙6:2
Rev 6:2 私は見た。見よ。白い馬であった。それに乗っている者は弓を持っていた。彼は冠を与えられ、勝利の上にさらに勝利を得ようとして出て行った。
5.キリストは復活された。反キリストも復活する。
(1)マタ28:6
Mat 28:6 ここにはおられません。前から言っておられたように、よみがえられたからです。来て、納めてあった場所を見てごらんなさい。
(2)黙13:3
Rev 13:3 その頭のうちの一つは打ち殺されたかと思われたが、その致命的な傷も直ってしまった。そこで、全地は驚いて、その獣に従い、
6.私たちへの適用
(1)反キリストの霊は、今も働いている。
(2)それゆえ、常にすべての教理を吟味する必要がある。
(3)聖書に親しんでいるなら、感覚的に非聖書的教理をキャッチすることができる。
(4)その上で、厳密にみことばに照らして学べばよい。
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