ヨハネの黙示録(6)—テアテラにある教会、サルデスにある教会—

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テアテラにある教会とサルデスにある教会について学ぶ。

「テアテラにある教会、サルデスにある教会」

黙2:18~3:6

1.はじめに

  (1)黙示録の3区分

    ①黙1:19は、黙示録を3区分している。

Rev 1:19 そこで、あなたの見た事、今ある事、この後に起こる事を書きしるせ。

     ①「今ある事」(2~3章)の内容は、アジアにある7つの教会への手紙である。

    ②キリストご自身からの手紙であるが、無視されていることが多い。

    ③今回は、テアテラにある教会と、サルデスにある教会を取り上げる。

2.アウトライン

  (1)テアテラにある教会(2:18~29)

    ①宛先

    ②賞賛

③叱責

④奨励

⑤約束

  (2)サルデスにある教会(3:1~6)

  3.結論:

    (1)テアテラにある教会から学ぶ教訓

    (2)サルデスにある教会から学ぶ教訓

テアテラにある教会とサルデスにある教会について学ぶ。

Ⅰ.テアテラにある教会

  1.宛先(18節)

Rev 2:18 また、テアテラにある教会の御使いに書き送れ。/『燃える炎のような目を持ち、その足は光り輝くしんちゅうのような、神の子が言われる。

     (1)テアテラという町

      ①ペルガモから約65キロメートル南東に行った町

      ②ペルガモに比べるとはるかに小さな町であるが、商業都市として栄えていた。

      ③この町は、羊毛と染料で有名であった。

    (2)キリストの自己紹介

      ①自己紹介のことばから、手紙の内容が予測できる。

②「燃える炎のような目を持ち」とは、教会の現状を見抜いているということ。

③「その足は光り輝くしんちゅうのような、神の子」

*これは、裁き主キリストを描写することばである。

    (3)黙1:13~15との対比(あなたの見た事)

      ①黙1:13~15では、キリストは「人の子」。

      ②黙2:18では、キリストは「神の子」。

      ③この教会の問題を解決するためには、キリストの神性の再確認が必要であった。

  2.賞賛(19節)

Rev 2:19 「わたしは、あなたの行いとあなたの愛と信仰と奉仕と忍耐を知っており、また、あなたの近ごろの行いが初めの行いにまさっていることも知っている。

    (1)キリストは、彼らが信者として成長していることを知っておられる。

      ①行い、愛、信仰、奉仕、忍耐

      ②初めの行いにまさる行いをしている。

    (2)この教会は、初めの愛から落ちたエペソにある教会とは大いに異なる。

      ①しかし、彼らは深刻な問題を抱えていた。

      ②誤った教理が受け入れられていた。

  3.叱責(20~23節)

    (1)20~21節

Rev 2:20 しかし、あなたには非難すべきことがある。あなたは、イゼベルという女をなすがままにさせている。この女は、預言者だと自称しているが、わたしのしもべたちを教えて誤りに導き、不品行を行わせ、偶像の神にささげた物を食べさせている。

Rev 2:21 わたしは悔い改める機会を与えたが、この女は不品行を悔い改めようとしない。

       ①イゼベルという女の存在

        *この女は、預言者だと自称している。

        *キリストのしもべたちに誤った教えを教えている。

      ②教理が間違うと、不品行と偶像礼拝の問題が出てくる。

        *キリストのしもべたちに不品行を行わせている。

          ・肉体の罪を犯しても、霊に影響を与えないという教えであろう。

          ・ヨハネの手紙Ⅰ~Ⅲは、グノーシス主義の問題を扱っている。

        *キリストのしもべたちに偶像にささげた物を食べさせている。

      ③不品行の問題は、ある期間継続していた。

        *悔い改めの機会が与えられたのに、この女は悔い改めようとしなかった。

     (2)22~23節

Rev 2:22 見よ。わたしは、この女を病の床に投げ込もう。また、この女と姦淫を行う者たちも、この女の行いを離れて悔い改めなければ、大きな患難の中に投げ込もう。

Rev 2:23 また、わたしは、この女の子どもたちをも死病によって殺す。こうして全教会は、わたしが人の思いと心を探る者であることを知るようになる。また、わたしは、あなたがたの行いに応じてひとりひとりに報いよう。

       ①キリストはこの女をただちに裁かれる。床で罪を犯したので、床で病にかかる。

      ②この女が行っていることは姦淫である。

      ③この女に同調している者たちは、患難の中に投げ込まれる。

      ④「この女のこどもたち」とは、この女に従う者たちである。

      ⑤キリストの裁きが劇的なので、全教会はキリストの力を知るようになる。

        *キリストがすべてを見抜いておられることを知るようになる。

  4.奨励(24~25節)

Rev 2:24 しかし、テアテラにいる人たちの中で、この教えを受け入れておらず、彼らの言うサタンの深いところをまだ知っていないあなたがたに言う。わたしはあなたがたに、ほかの重荷を負わせない。

Rev 2:25 ただ、あなたがたの持っているものを、わたしが行くまで、しっかりと持っていなさい。

    (1)真の信仰者たちへのキリストのことば

      ①彼らはレムナントである。つまり、この教会の大半が堕落していたのである。

      ②彼らへの奨励は単純である(ほかの重荷を負わせない)。

        *しっかりと現状を維持しなさい(正しい教理と行い)。

        *小さな教会の中で、光を輝かし続ける。

  5.約束(26~29節)

    (1)26~27節

Rev 2:26 勝利を得る者、また最後までわたしのわざを守る者には、諸国の民を支配する権威を与えよう。

Rev 2:27 彼は、鉄の杖をもって土の器を打ち砕くようにして彼らを治める。わたし自身が父から支配の権威を受けているのと同じである。

       ①勝利を得る信仰者に約束されているのは、千年王国での統治権である。

      ②詩2:9

Psa 2:9 あなたは鉄の杖で彼らを打ち砕き、/焼き物の器のように粉々にする。』」

      ③ヨハネは詩2:9を、勝利を得る信仰者に適用している。

      ④「治める」(27節)は、ギリシア語で「ポイマネイ」である。

        *羊飼いが羊を守り導くという動詞である。

      ⑤キリストは父から支配の権威を受け、それを信者に与える。

     (2)28節

Rev 2:28 また、彼に明けの明星を与えよう。

       ①明けの明星は、太陽が昇る直前に現われる星である。

      ②キリストは明けの明星として現れ、教会を携挙される。

        *キリストは明けの明星である(黙22:16)。

     (3)29節

Rev 2:29 耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。」』

       ①この表現は、今までは約束の前に出ていた。

      ②この手紙では、約束の後に出てくる。

        *恐らく、勝利を得る者だけが、聞く耳を持つということであろう。

      ③残りの3つの手紙でも同じパターンが続く。

Ⅱ.サルデスにある教会

   1.宛先(1節a)

Rev 3:1 また、サルデスにある教会の御使いに書き送れ。/『神の七つの御霊、および七つの星を持つ方がこう言われる。

    (1)サルデスという町

      ①テアテラから南東に約50キロメートル

      ②東西に走る交易路の要衝の町

      ③宝石、染料、繊維で有名。裕福な町。

      ④偶像礼拝の町。アルテミスの神殿があった。

      ⑤神殿の遺跡のそばから教会の建物が発掘されている。

    (2)キリストの自己紹介

      ①「神の7つの御霊、および7つの星を持つ方」

      ②聖霊と7つの教会の守護天使たちは、キリストの御手の中にある。

      ③キリストは、聖霊を通して教会を支配される。

  2.賞賛(1節)

Rev 3:1b 「わたしは、あなたの行いを知っている。あなたは、生きているとされているが、

    (1)宗教改革により、救済論が回復された。

      ①それは正しい行いを生み出した。

    (2)この教会は、生きているとされている。

  3.叱責(1b~2節)

Rev 3:1c 実は死んでいる。

Rev 3:2 目をさましなさい。そして死にかけているほかの人たちを力づけなさい。わたしは、あなたの行いが、わたしの神の御前に全うされたとは見ていない。

     (1)キリストは、この教会は生きているという評判を否定された。

      ①他教会からの評価は、極めて高かった。

      ②キリストの評価は、実は死んでいるというものである。

        *信仰は形式的で、超自然的ないのちの交流がない。

    (2)追加のことば

      ①信者の義務を果たしてはいない。

  4.奨励(3節)

Rev 3:3 だから、あなたがどのように受け、また聞いたのかを思い出しなさい。それを堅く守り、また悔い改めなさい。もし、目をさまさなければ、わたしは盗人のように来る。あなたには、わたしがいつあなたのところに来るか、決してわからない。

    (1)目をさましなさい。

      ①最初に聞いたことを思い出す。

      ②それを堅く守る。

      ③悔い改める(霊的命のない状態を悔い改める)。

    (2)目をさまさなければ、キリストは盗人のように来る。

      ①突然、予期せぬときに来る。

  5.約束(4~6節)

Rev 3:4 しかし、サルデスには、その衣を汚さなかった者が幾人かいる。彼らは白い衣を着て、わたしとともに歩む。彼らはそれにふさわしい者だからである。

Rev 3:5 勝利を得る者は、このように白い衣を着せられる。そして、わたしは、彼の名をいのちの書から消すようなことは決してしない。わたしは彼の名をわたしの父の御前と御使いたちの前で言い表す。

Rev 3:6 耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。」』

     (1)サルデスには、正しい信仰を守った者が幾人かいた。

      ①彼らには、白い衣が約束された。

      ②白い衣は、神の義の象徴である。

    (2)彼らは、勝利を得る者である。

      ①彼らの名は、いのちの書から消されることがない。

    (3)「耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい」が最後に出てくる。

結論:

  1.テアテラにある教会から学ぶ教訓

    (1)テアテラとは「継続した犠牲」という意味である。

      ①これは、「暗黒時代の教会」の型である。

②キリストの十字架の意味を誤解し、継続して犠牲を捧げている。

③6世紀~15世紀の教会の型

    (2)西方ではローマ・カトリック教会が、東方でギリシア正教会が支配した。

      ①忍耐深いが、誤った教理を許容する教会

    

    (3)テアテラの町に最初に福音を伝えたのは、ルデアである可能性が高い。

      ①使16:14~15

Act 16:14 テアテラ市の紫布の商人で、神を敬う、ルデヤという女が聞いていたが、主は彼女の心を開いて、パウロの語る事に心を留めるようにされた。

Act 16:15 そして、彼女も、またその家族もバプテスマを受けたとき、彼女は、「私を主に忠実な者とお思いでしたら、どうか、私の家に来てお泊まりください」と言って頼み、強いてそうさせた。

      ②女性によって始められた教会を今支配しているのは、やはり女性である。

    (4)イゼベルという名前

      ①実名と考えてもおかしくない。

      ②あるいは、イゼベル的な性質を持った女性とも考えられる。

      ③アハブ王の妻イゼベルは、北王国を堕落させた(1列16:31~33)。

      ④テアテラ教会のイゼベルと旧約聖書のイゼベルには相関関係がある。

    (5)イゼベルの姿とローマ・カトリック教会の教えが重なって見える。

      ①ミサでのパンとぶどう酒は文字通りキリストの肉と血に変わる。

      ②マリア崇拝、わざによる救い、洗礼による生まれ変わり、煉獄の教えなど

  2.サルデスにある教会から学ぶ教訓

    (1)サルデスとは、「逃れる者」、「逃れ出る者」という意味である。

      ①「暗黒時代の教会」からの分離を暗示している。

      ②これは、「宗教改革時代の教会」の型である。

      ③16世紀~17世紀の教会の型である。

        *1517年 ルターがヴィッテンベルク城教会の扉に95カ条の提題を掲げた。

        *1648年 ヨーロッパ諸国の国際会議の始まり(ウェストファリア条約)

          (カトリック国とプロテスタント国の30年にわたる戦争)

    (2)教会は生きているように見えるが、実は死んでいる。

      ①教会は形式主義、儀式主義、世俗的、政治的な組織になっていった。

        *名目上のクリスチャンが増えた。

      ②ヨーロッパでの国家教会、アメリカの植民地での教会

      ③ドイツやスカンジナビア諸国では、ルーテル教会となった。

      ④英国では、聖公会となった。

      ⑤スコットランドでは、長老派教会となった。

      ⑥スイスでは、改革派教会となった。

    (3)今日のプロテスタント教会はどうか。

      ①多くの教会が、生きている教会と見なされている。

      ②しかし、キリストの目から見ると死んでいる。

      ③信者の信仰の発露は、ほぼ日曜日の礼拝出席に限られている。

      ④日々の生活において、キリストとの生ける関係がない。

      ⑤宗教改革が回復したのは救済論だけである。

      ⑥回復途上にある聖書的教理

        *イスラエル論

        *預言解釈

        *終末論

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