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ヨハネの黙示録(4)—エペソにある教会—
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7つの教会の神学的意味と、エペソにある教会について学ぶ
「エペソにある教会」
黙2:1~7
1.はじめに
(1)黙示録の3区分
①黙1:19は、黙示録を3区分している。
Rev 1:19 そこで、あなたの見た事、今ある事、この後に起こる事を書きしるせ。
②3区分の内容
*「あなたの見た事」(1章)
*「今ある事」(2~3章)
*「この後に起こる事」(4~22章)
③今回の箇所から、「今ある事」が始まる。
*内容は、アジアにある7つの教会への手紙である。
*キリストご自身からの手紙であるが、無視されていることが多い。
2.アウトライン
(1)7つの教会の神学的意味
(2)エペソにある教会(1~7節)
①宛先
②賞賛
③叱責
④奨励
⑤約束
3.結論:
(1)7つの手紙を無視することの損失
(2)エペソにある教会から学ぶ教訓
(3)いのちの木
7つの教会の神学的意味と、エペソにある教会について学ぶ
Ⅰ.7つの教会の神学的意味
1.7つの教会が選ばれている理由
(1)もっと有名な教会もあるが、選ばれていない。
①コロサイ教会、ローマ教会、アンテオケ教会、エルサレム教会
(2)7つの教会には、地理的なつながりがある。
①エペソから始まり、②そこから北に行くとスミルナ、③さらに北に行くとペル
ガモ、④そこから東に行くとテアテラ、⑤そこから南に行くとサルデス、⑥そこ
から東に行くとフィラデルフィア、⑦そこから南東に行くとラオデキヤ。
(3)教会の数は7つに限定されている。
①それゆえ、7は象徴的数字であろう。
②聖書では7は完全数である。
2.3つの神学的意味
(1)7つの教会とは、当時小アジアに存在していた実際の地域教会である。
①これは字義通りの解釈の結果出てくる結論である。
(2)7つの教会とは、教会の7つの型である。
①教会史のどの時代でも、この7つの型は存在していた。
②これは、7つの教会への手紙を学んだ結果出てくる推論である。
③これらの手紙の内容は、今の教会だけでなく、各個人にも適用される。
(3)7つの教会とは、それぞれの時代の教会の特徴を預言的に表したものである。
①ある時代には、ある教会の型が顕著に表れる。
②これも、学びの結果出てくる推論である。
③これは、未来的アプローチと調和する解釈法である。
3.7つの教会と教会史における7つの時代
(1)エペソにある教会は、「使徒時代の教会」の型である(好ましい)。
①紀元30年~100年頃までの教会
②正統的な教理はあるが、最初の愛から離れた教会
(2)スミルナにある教会は、「迫害時代の教会」の型である(没薬)。
①1世紀~4世紀の教会
②迫害に耐える教会
(3)ペルガモにある教会は、「国家教会時代の教会」の型である(結婚した)。
①4世紀~5世紀の教会
②妥協する教会、寛容すぎる教会
(4)テアテラにある教会は、「暗黒時代の教会」の型である(継続した犠牲)。
①6世紀~15世紀の教会
②西方ではローマ・カトリック教会が、東方ではギリシア正教会が支配した。
③忍耐深いが、誤った教理を許容する教会
(5)サルデスにある教会は、「宗教改革時代の教会」の型である(逃れる者)。
①16世紀~17世紀の教会
②宗教改革の光は、短時間のうちに消え始めた。
③死にかけている教会
(6)フィラデルフィアにある教会は、「大宣教時代の教会」の型である(兄弟愛)。
①18世紀~19世紀の教会
②リバイバルが起こり、宣教師たちの活躍があった。
③忠実な教会
(7)ラオデキヤにある教会は、背教時代の教会の型である(人々が支配する)。
①終わりの時代の教会、自由主義神学の教会、エキュメニカル運動の教会
②生ぬるく、役に立たない教会
Ⅱ.エペソにある教会(1~7節)
1.宛先(1節)
Rev 2:1 エペソにある教会の御使いに書き送れ。/『右手に七つの星を持つ方、七つの金の燭台の間を歩く方が言われる。
(1)当時、エペソは小アジア有数の都市であった。
①港町として栄えていた。
②アルテミスの神殿があった。古代世界の七不思議のひとつとされた。
*ローマ神話の女神 ディアーナはギリシア語でアルテミスである。
③パウロは第3回伝道旅行で、ここに3年間留まり、効果的な弟子訓練を行った。
*影響が大きくなったので、銀細工職人たちが暴動を起こすほどであった。
*使19章参照
④エペソにある教会への手紙は、パウロの奉仕から40年以上経って書かれた。
(2)教会の御使いとは、教会を守る天使のことである。
①これを牧師と解釈する人もいる。
(3)キリストの描写
①「右手に七つの星を持つ方、七つの金の燭台の間を歩く方」
*7つの星は、7人の天使。
*7つの燭台は、7つの教会。
②教会に対するキリストの守りと主権を示している。
③キリストは、教会のことをすべて知っておられる。
2.賞賛(2~3節)
Rev 2:2 「わたしは、あなたの行いとあなたの労苦と忍耐を知っている。また、あなたが、悪い者たちをがまんすることができず、使徒と自称しているが実はそうでない者たちをためして、その偽りを見抜いたことも知っている。
Rev 2:3 あなたはよく忍耐して、わたしの名のために耐え忍び、疲れたことがなかった。
(1)この教会は、40年以上にわたり教理的な純粋性を保ったので、ほめられている。
①主は、欠点を指摘する場合でも、まず長所をほめてくださる。
②主は、かれらの行い、労苦、忍耐をご存じである。
(2)彼らは、悪い者たちを追放した。
①「悪い者たち」とは、偶像礼拝の影響を受けた者であろう。
②さらに、道徳的に問題のある行動をする者でもあろう。
(3)エペソ教会の信徒たちは、偽教師たちの誤った教えを見抜いて拒否した。
①偽教師たちは、7つの教会の最初の4つに存在していた。
②パウロは、偽教師が出ることを予告していた。
*使20:28~31、2コリ11:13
③エペソの信徒たちは、使徒たちの教えに照らして偽りの教えを見抜いた。
3.叱責(4節)
Rev 2:4 しかし、あなたには非難すべきことがある。あなたは初めの愛から離れてしまった。
(1)エペ1:15~16
Eph 1:15 こういうわけで、私は主イエスに対するあなたがたの信仰と、すべての聖徒に対する愛とを聞いて、
Eph 1:16 あなたがたのために絶えず感謝をささげ、あなたがたのことを覚えて祈っています。
①パウロは、この教会の信者のことを聞いて、絶えず神に感謝している。
②彼らは、信仰と愛に満ちていた。
(2)それから40年以上経って、彼らは初めの愛から離れてしまった。
①信者のほとんどが、第2世代のクリスチャンである。
②その教会では、正統的な教理が教えられ、奉仕も熱心に行われている。
③しかし、キリストに対する愛が欠如している。
④これが、使徒たちが死んだ直後の時代の教会の姿である。
4.奨励(5~6節)
Rev 2:5 それで、あなたは、どこから落ちたかを思い出し、悔い改めて、初めの行いをしなさい。もしそうでなく、悔い改めることをしないならば、わたしは、あなたのところに行って、あなたの燭台をその置かれた所から取りはずしてしまおう。
Rev 2:6 しかし、あなたにはこのことがある。あなたはニコライ派の人々の行いを憎んでいる。わたしもそれを憎んでいる。
(1)悔い改めの勧め
①ここは、個人への悔い改めの勧めになっている。
②どこから落ちたかを思い出し、初めの行いをする。
③悔い改めないなら、教会は取り除かれる。
④心の変化と行動の変化は合致するものである。
(2)その後のエペソ教会
①教会は存続し、後(431年)に、教会公会議の舞台になった。
*エペソ会議(キリスト論を議論した)
②紀元5世紀以降、教会も町も衰退した。
③紀元14世紀以降、その近辺は荒廃したままになっている。
(3)ほめことばも出てくる。
①ニコライ派の人々の行いを憎んだ。
②キリストも彼らを憎んでおられる。
(4)ニコライ派とは誰かについて、いろいろな意見がある。
①ニコラスという指導者に従っているセクト
②ニコライ派の意味は、「人々の支配者」。
*民から霊的自由を奪う聖職者の階級制の先駆けか。
③あるいは、キリスト者の自由を乱用し、不道徳な行為を容認するセクトか。
5.約束(7節)
Rev 2:7 耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。勝利を得る者に、わたしは神のパラダイスにあるいのちの木の実を食べさせよう。」』
(1)勝利を得る者
①勝利を得る者とはイエス・キリストを神の子と信じる者である。
②つまり、真のクリスチャンのことである。
③真の信仰があれば、誘惑や試練に勝利することができる。
(2)与えられている約束
①「神のパラダイスにあるいのちの木の実を食べさせよう」
②これは、天において与えられる永遠のいのちである。
結論:
1.7つの手紙を無視することの損失
(1)現代のクリスチャンは、パウロの手紙やペテロの手紙ほどには、7つの手紙につ
いて学ばない。
(2)その結果、教会は自らの霊的状態を点検するための基準を失った。
(3)教会の歴史的展開は、上昇傾向ではなく、下降傾向に向かう。
①最後がラオデキヤにある教会である。
②これは、背教時代の教会の型である。
③使徒たちの教えからの逸脱。自由主義神学やエキュメニカル運動。
④倫理基準の後退。同姓婚の容認。
(4)ラオデキヤにある教会は、携挙の時に地上に残される教会の型である。
①地上に残された背教の教会が、大患難時代前半の大バビロンにつながっていく。
(5)クリスチャンの努力によって、地上に神の国を来たらせようという教えがある
が、それは非聖書的である。
①私たちに与えられている使命は、大宣教命令である。
②平和の追求は、平安な生活と伝道の秩序のためである。
2.エペソにある教会から学ぶ教訓
(1)教理的正統性と熱心な奉仕だけでは、不十分である。
(2)奉仕の動機は、そうすることが正しいということだけでは不十分である。
①キリストに対する愛があるかどうかが重要である。
②神は、私たちの手足だけでなく、心も求めておられる。
3.いのちの木
(1)創3:22
Gen 3:22 神である【主】は仰せられた。「見よ。人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るようになった。今、彼が、手を伸ばし、いのちの木からも取って食べ、永遠に生きないように。」
(2)黙22:2
Rev 22:2 都の大通りの中央を流れていた。川の両岸には、いのちの木があって、十二種の実がなり、毎月、実ができた。また、その木の葉は諸国の民をいやした。
(3)エデンの園に植わっていたいのちの木は、新しいエルサレムに生えている。
①この木から食べる者は、永遠に生きる。
(4)黙2:7
Rev 2:7 耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。勝利を得る者に、わたしは神のパラダイスにあるいのちの木の実を食べさせよう。」』
(5)この約束は、特定の人だけに与えられているのではない。
①勝利を得る者とは、イエス・キリストを信じる者である。
1Jn 5:5 世に勝つ者とはだれでしょう。イエスを神の御子と信じる者ではありませんか。
②普通のクリスチャンが、勝利を得る者である。
(6)7つの教会に与えられている約束は、すべて私たちに与えられている。
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