私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ハーベスト春期聖会「現代のクリスチャンに必要な3つのレンズ(3)」聖書的イスラエル論―イスラエルをどう理解するか―
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イスラエルは聖書を解く鍵である。
ハーベスト春期聖会
「現代のクリスチャンに必要な3つのレンズ(3)」
聖書的イスラエル論―イスラエルをどう理解するか―
はじめに
1.この説教を語る理由
(1)現代社会の混乱と不確実性
①情報の氾濫
②相対主義の拡大
③偽情報(フェイクニュース)の害悪
(2)クリスチャンが抱える問題
①内向的信仰
②主観的・心情的信仰
③未信者との関係が断絶した信仰
(3)時代に流されないために必要なレンズが3つある。
①「聖書的世界観―世界をどう見るか―」
②「聖書的歴史観―歴史をどう読むか―」
③「 聖書的イスラエル論―イスラエルをどう理解するか―」
(4)イスラエル論は、組織神学の「ミッシングリンク」である。
①多くの教会がイスラエルの役割を無視、あるいは霊的に解釈している。
②教会とイスラエルの関係の誤解が、混乱を招いている。
(ILL)イスラエル大使の通訳をした体験
①六日戦争(Six-Day War)の期間は1967年6月5日〜6月10日。
②駐日イスラエル大使:モシェ・バルトゥール(Moshe Bartur)氏
③1966~1972年まで駐日イスラエル大使
④大使は、エゼキエル書37章1~14節から語った。
⑥救われる前に、聖書的世界観、歴史観、イスラエル論の片りんに触れた。
⑦クリスチャンになってからも、イスラエル論が興味の中心にあった。
⑧メシアニックジューとの出会い
⑨ディスペンセーショナリズムとの出会い
2.置換神学とは何か
(1)教会がイスラエルに代わって神の民になったとする教え
①紀元2世紀以降、教会教父の時代に芽生え、広がった。
②その結果、神学的反ユダヤ主義と結びついた。
(2)聖書の比ゆ的解釈は、種々の問題を生んだ。
①字義どおりの解釈の放棄
②契約の一貫性の否定
③終末論の混乱
④ロマ11章に啓示された「イスラエル回復の預言」の否定
3.アウトライン
(1)契約の受け手
(2)アブラハム契約の守り
(3)教会が受けた祝福
(4)終末的役割
結論:今日の信者への適用
Ⅰ.契約の受け手(2ポイント)
1.聖書の神は、約束に基づいて、人間との関係を築かれる。
(1)契約は、神の性質の信頼性と忠実さの現われ(民23:19、ヘブ13:8)。
①神は、イスラエルを選び、明確な関係性の枠組みを示された。
②アブラハム契約、シナイ契約、土地の契約、ダビデ契約、新しい契約
③これにより、イスラエルは、神の御心を理解し、応答することができる。
2.契約は、救済史の中心軸である。
(1)イスラエルは、諸契約の受け手となった。
①契約は、神がどのように人類を贖おうとしておられるかを理解する鍵。
②神は、イスラエルを用いて人類救済計画を実行される。
③神の御業は、気まぐれなものではなく、予測可能なものとなった。
④契約は、終末と永遠に向けた希望を提供する。
Ⅱ.アブラハム契約の守り(3ポイント)
1.イスラエルの選びの目的
(1)「救いのための選び」ではなく、「救いの方法としての選び」である。
①神は、全人類を救うための器としてイスラエルの民を選ばれた。
②神とイスラエルの関係の基本的枠組みとなるのが、アブラハム契約である。
③イスラエルに、土地、子孫、祝福が約束された。
④すべての民は、アブラハムとその子孫を通して救われる(創12:1~3)。
2.アブラハム契約の付帯条項:「祝福と呪いの法則」
(1)創12:3a
Gen 12:3a わたしは、あなたを祝福する者を祝福し、/あなたを呪う者をのろう。
①この聖句は、契約の民を敵の攻撃から守るための神の保証である。
②「神の国の外交政策」とも言える。
③アブラハム契約の付帯条項は、歴史哲学の基本法則である。
*歴史哲学とは、歴史を導く法則を探求する学問である。
④アブラハムとその子孫に対する態度が、その人(国)に跳ね返ってくる。
(2)世俗的歴史家たちの歴史哲学
①イスラエルの「奇跡の生存」を、神抜きで説明しようとする。
②社会学的、政治学的、経済学的要因を列挙する。
③民族的アイデンティティ、教育水準、経済活動の柔軟性、反ユダヤ主義
3.歴史的実例(国々の興亡)
(1)エジプト
①イスラエル人を苦しめたため、神の裁きを受けた。
②10の災いと出エジプトによって国力を失った(出1~12)。
(2)バビロン帝国
①イスラエルを捕囚にしたが、後にペルシアに滅ぼされた(ダニ5章)。
②神は、ご自身に敵対する勢力さえも用いることができる。
(3)ペルシア帝国
①ペルシアのキュロス王は、イスラエル人を故郷に帰還させた。
②「わたしは彼の右手を握り、」と称えられ(イザ45:1)、一時的に繁栄した。
(4)スペイン(1492年)
①ユダヤ人を追放した結果、国力が衰退し、大帝国から転落した。
②同年にアメリカ大陸を発見したが、そこはユダヤ人の逃れの場となった。
③乗組員(3隻合計で約90人)の中に改宗ユダヤ人が複数含まれていた。
(5)ドイツ(ナチス時代)
①ホロコーストによるユダヤ人迫害の後、第二次世界大戦に敗れた。
②国土が分断され、荒廃を経験した。
(6)イギリス
①バルフォア宣言(1917年)でユダヤ人国家樹立を支持した。
②三枚舌外交の結果、帝国の没落が加速した。
*アラブへの約束、フランスとの約束、ユダヤ人への約束
(7)アメリカ合衆国
①建国以来、ユダヤ人に比較的好意的だったため、世界最大の超大国に成長。
②イスラエル建国(1948年)を支持したので、戦後のリーダー国家となった。
③イスラエル支持を表明する時、国内の繁栄と平和が強まりやすい。
④イスラエルに敵対的な政策をとると、内部混乱や自然災害が増える。
(8)アラブ諸国(アブラハム合意後)
①UAE、バーレーン、モロッコ、スーダンなどがイスラエルと国交を正常化。
②これらの国々は経済協力、観光、技術交流を通して、利益を得ている。
(9)日本
①杉原千畝(リトアニア・カウナスの日本領事代理)
②樋口季一郎(陸軍中将として1938年に満州に赴任)
③彼らの功績により、戦後世界における日本の評価が高まった。
④日本とイスラエルの経済交流は拡大しつつある。
*2023年の二国間貿易総額は約28億1,000万ドル。
Ⅲ.教会が受けた祝福(3ポイント)
1.聖書
(1)ロマ3:2
Rom 3:2 あらゆる点から見て、それは大いにあります。第一に、彼らは神のことばを委ねられました。
①神の啓示はイスラエルに与えられ、それが書き記され、教会に伝えられた。
②使徒たちと初代教会のリーダーたちは、すべてユダヤ人であった。
*ルカもユダヤ人であった(フルクテンバウム師)。
2.メシア(キリスト)
(1)「女の子孫」は、ユダヤ人としてお生まれになった(マタ1章、ルカ2章)。
①メシアの系譜は、アブラハムとダビデに遡る。
3.アブラハム契約の霊的祝福
(1)神の救いの歴史は、イスラエルを通して展開する(創12:3)。
①アブラハム契約の霊的祝福は、キリストによって成就した。
②その祝福は、異邦人にも及んだ(ガラ3:14)。
Gal 3:14 それは、アブラハムへの祝福がキリスト・イエスによって異邦人に及び、私たちが信仰によって約束の御霊を受けるようになるためでした。
(2)ロマ11:17~18
Rom 11:17
枝の中のいくつかが折られ、野生のオリーブであるあなたがその枝の間に接ぎ木され、そのオリーブの根から豊かな養分をともに受けているのなら、
Rom 11:18 あなたはその枝に対して誇ってはいけません。たとえ誇るとしても、あなたが根を支えているのではなく、根があなたを支えているのです。
①異邦人信者は、オリーブの木に接ぎ木された野生種の枝である。
②異邦人信者は、ユダヤ人に対して誇ってはならない。
Ⅳ.終末的役割(5ポイント)
1.教会時代(現在)
(1)教会が福音宣教の中心であり、イスラエルは「かたくなな時代」にある。
①イスラエルは依然として、無条件契約の受け手である。
*アブラハム契約、土地の契約、ダビデ契約、新しい契約
②イスラエルは今も、神の真実性の証拠である。
(2)1948年のイスラエル国家誕生は、エゼ37章の「枯れ骨の谷」の預言の成就。
①肉体的回復(不信仰の中での回復)の部分が成就した。
②次に、霊的回復(悔い改めと救い)が成就する。
*個々のユダヤ人の救いは、初穂としての救いである。
(3)携挙が起こると、神の証人としての「教会」は地上に存在しなくなる。
①イスラエルに対する神の取り扱いが、再開される。
②イスラエルと反キリストの契約締結が70週目(ダニ9:27)の開始時点。
2.患難期(7年)
(1)144,000人のイスラエル人
①彼らは、神の証人として福音を宣べ伝え、多くの異邦人が救われる。
3.イスラエルの霊的回復
(1)患難時代の後半、イスラエルがメシアを受け入れ、民族的回心が起こる。
①ゼカ12:10
4.再臨
(1)イスラエルの祈りに応えて、イエス・キリストが再臨される。
①キリストは、イスラエルを敵から救い、千年王国を設立される。
5.千年王国
(1)イスラエルは、地上のメシア的王国の中心として、諸国を祝福する。
①かつての召命を回復し、「祭司の民」「祝福の器」として諸国の中心に立つ。
②イスラエルの祭司的役割と国家的使命は、千年王国で完成される。
結論:今日の信者への適用
1.聖書的イスラエル論の復習
(1)イスラエルは、契約の受け手である。
(2)イスラエルは、アブラハム契約によって守られている。
(3)イスラエルは、教会に多くの祝福を与えた。
(4)イスラエルには、終末的役割がある。
2.自問自答すべきテーマ
(1)イスラエル建国を、「時のしるし」として理解しているか。
①1948年の建国やユダヤ人の帰還は、エゼ36~37章の部分的成就である。
②目を覚まし、福音の緊急性を再認識する。
(2)ロマ11章の教えに従い、ユダヤ人の救いのために祈っているか。
① 神の約束は、今も有効であり、最終的に民族的回心が起こる。
②神の選びに敬意を表し、反ユダヤ的な感情や置換神学的思想を避ける。
③患難期前の時代において、福音をユダヤ人に届ける使命を自覚する。
(3)千年王国が成就するという希望を持っているか。
①「異邦人の時」は、やがて過ぎ去る。
②千年王国の中心はエルサレムであり、再臨のキリストがそこから統治する。
③神の義による支配を希求しつつ、今の時代において正義を追求する。
(4)異邦人信者は「接ぎ木された枝」だという自覚を持っているか。
①イスラエルを妬むことなく、感謝の心で、祈りをもって支える。
②イエス・キリストを伝えることが、最大の愛の行為である。




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