創造から新天新地へ(15)―24章でたどる神の救済史 14章 「初めにことばがあった」ヨハネの福音書1章

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永遠の神が、私たちを新しく造るために来られた。「まえがき」に見られるキアズム構造の内容がそれを示している。

創造から新天新地へ―24 章でたどる神の救済史

14章 「初めにことばがあった」

ヨハネの福音書1

1 .はじめに

(1)これまでの流れ

  ①マタイの福音書は、旧約の約束がイエスにおいて成就したことを示す。

  ②その最初に置かれているのが系図である。

  ③現代の読者には退屈に見えがちである。

    *救済史の流れに関する無知が存在する。

    *アブラハム契約、ダビデ契約、新しい契約に関する無知が存在する。

  ④系図の内容は、ユダヤ人にとって、神学的・契約的意味を持つ宣言である。

(2)ヨハネの福音書の特徴

  ①「地から天を見上げる」共観福音書とは異なる。

  ②「天から地を見下ろす」視点で書かれている。

  ③キリストの出来事の背後にある霊的意味が啓示されている。

(3)ヨハ1:1~18のキアズム構造

   A 永遠のロゴス(1~2)

   B 創造主(3)

   C 光と闇(4~5)

   D 証言(6~8)

  C’ 拒絶と受容(9~13)

   B’ 受肉(14)

   A’ 神の完全啓示(15~18)

永遠の神が、私たちを新しく造るために来られた。

「まえがき」に見られるキアズム構造の内容がそれを示している。

Ⅰ.A 永遠のロゴス(1~2 節)

Joh 1:1 初めにことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。

Joh 1:2 この方は、初めに神とともにおられた。

1.「初めより前におられたお方」

(1)「初めに」=創1:1以前

(2)ことば=ロゴス(メムラ)=神の自己表現

  ①ことばは、神と区別されつつ神である。

  ②三位一体の神の啓示が見られる。

2.神学的意味

(1)創造以前の永遠性が示される。

  ①ことばは永遠に存在しておられる。

(2)新創造の起点が示される。

  ①すでに存在するものの改良ではない。

  ②創世記1章に対抗する新しい創造である。

    *光が創造された。

    *光そのものが来られた。

Ⅱ.B 創造主なるロゴス万物の源(3
節)

Joh 1:3

すべてのものは、この方によって造られた。造られたもので、この方によらずにできたものは一つもなかった。

1.すべてを造られたお方

(1)一切の存在はこの方による。

  ①この方は、創造主であって被造物ではない。

  ②三位一体による創造がなされた。

(2)創造の栄光が示唆されている。

  ①ここに再創造(救い)への伏線が張られている。

Ⅲ.C 光と闇いのちの勝利(4~5節)

Joh 1:4 この方にはいのちがあった。このいのちは人の光であった。

Joh 1:5 光は闇の中に輝いている。闇はこれに打ち勝たなかった。

1.闇に打ち勝つ光

(1)いのち=神的いのち(ζωή)

  ①このいのちが人の光となる。

(2)光と闇の対比

  ① 闇は光に打ち勝たなかった

  ②十字架に至る霊的戦いの予告

  ③終末的勝利の予告

Ⅳ.D 証言光を指し示す声(6~8
節)

Joh 1:6 神から遣わされた一人の人が現れた。その名はヨハネであった。

Joh 1:7

この人は証しのために来た。光について証しするためであり、彼によってすべての人が信じるためであった。

Joh 1:8 彼は光ではなかった。ただ光について証しするために来たのである。

1.「光ではなく、光を証しする者」

(1)神から遣わされた人ヨハネ

  ①彼の使命は証言することである。

  ②奉仕者のモデル

(2)神は証言を通して働かれる。

  ①信仰は証しから生まれる。

Ⅴ.C’ 拒絶と受容光への応答(9~13
節)

Joh 1:9 すべての人を照らすそのまことの光が、世に来ようとしていた。

Joh 1:10

この方はもとから世におられ、世はこの方によって造られたのに、世はこの方を知らなかった。

Joh 1:11

この方はご自分のところに来られたのに、ご自分の民はこの方を受け入れなかった。

Joh 1:12

しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとなる特権をお与えになった。

Joh 1:13

この人々は、血によってではなく、肉の望むところでも人の意志によってでもなく、ただ、神によって生まれたのである。

1.不信仰と信仰の対比

(1)「受け入れなかった世と、受け入れた者たち」

(2)まことの光が世に来た。

  ①世は知らなかった。

  ②イスラエルも拒否した。

  ③しかし、信じた者は神の子とされた。

2.新生は神による。

(1)証言は人間の役割である。

(2)再創造は神のわざである。

Ⅵ.B’ 受肉幕屋を張られた栄光(14
節)

Joh 1:14

ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた。

1.「神が人となられた」

(1)ことばは肉となった。

(2)「住まわれた」=幕屋を張られた。

  ①シャカイナグローリーの帰還

  ②エデン → 幕屋 → 神殿 → キリスト

  ③新天新地(新しいエルサレム)への接続

Ⅶ.A’ 神の完全啓示父を解き明かす御子(15~18
節)

Joh 1:15

ヨハネはこの方について証しして、こう叫んだ。「『私の後に来られる方は、私にまさる方です。私より先におられたからです』と私が言ったのは、この方のことです。」

Joh 1:16

私たちはみな、この方の満ち満ちた豊かさの中から、恵みの上にさらに恵みを受けた。

Joh 1:17

律法はモーセによって与えられ、恵みとまことはイエス・キリストによって実現したからである。

Joh 1:18

いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである。

1.「神を解き明かすひとり子の神」

(1)ヨハネの証言による永遠性の再確認

  ①恵みの上にさらに恵み

  ②律法と新しい契約の対比

(2)「説き明かされた」

  ①神の最終啓示が与えられる。

  ②新天新地に至る啓示の完成が予告される。

結論:今日の信者への適用

(1)見るべき方:ニュースではなくロゴス

  ①情報の洪水の中で「初めに」へ立ち返る。

  ②人類が抱える問題は今も変わらない。

(2)立つべき場所:闇ではなく光の中

  ①光と闇の戦いは、最終的に十字架と復活において決着している。

  ②闇を力でねじ伏せるのではなく、光の側に立ち続けるよう招かれている。

  ③「闇はこれに打ち勝たなかった」という宣言を信仰告白とする。

(3)果たすべき役割:結果ではなく証言

  ①奉仕者は「目立つ人」ではなく、「キリストを見えるようにする人」である。

  ②伝道の結果は主に委ねる。

(4)生きるべき身分:神の子ども

  ①自分の価値を成果で測らない。

  ②「子として受け入れられている」という福音の身分から一日を始めよう。

(5)目指す終着点:新天新地の完成

  ①受肉は、終末の完成(新しいエルサレム)へ続く「臨在の回復」の始点。

  ②信者は、完成を待つ者として、今を整える。

  ③「最後は栄光で終わる」という確信が、今日の恐れと疲れを小さくする。

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