創造から新天新地へ(13)―24章でたどる神の救済史 12章 「帰還の命令」歴代誌第二36章

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旧約聖書で啓示された神の約束は、新約聖書に引き継がれる。2歴36章の要点は、そのことを教えている。

創造から新天新地へ―24 章でたどる神の救済史

12 章 「帰還の命令」

歴代誌第二36

1 .はじめに

(1)これまでの流れ

  ①創造 (創1章)

  ②堕落(創3章)

  ③アブラハム 契約(創12章)

  ④出エジプト(出12章)

  ⑤ 荒野での律法付与(出20章)

  ⑥約束の地の征服(ヨシ1章)

  ⑦ダビデ契約(2サム7章)

  ⑧王国の崩壊(2列25章)

  ⑨受難のしもべの預言(イザ53章)

  ⑩新しい契約(エレ31章)

  ⑪終末の王国(ダニ7章)

(2)今回は2歴36章を取り上げる。

  ① ヘブル語聖書(タナハ)の配列

    *律法(トーラー)―預言者(ネビイーム)―諸書(ケトゥビーム)

  ②その最後が「歴代誌第二36章」であることは偶然ではない。

  ③キリスト教旧約(マラキ)と、ユダヤ正典の終わりは異なる。

  ④重要な問い

    *なぜイスラエルの歴史は「滅亡」ではなく「帰還の命令」で終わるのか。

    * なぜ裁きの書が、希望のことばで閉じられているのか。

旧約聖書で啓示された神の約束は、新約聖書に引き継がれる。

2歴36 章の要点は、そのことを教えている。

Ⅰ.王たちの霊的堕落(1~16 節)

1.連続する不従順

(1)ヨシヤ以後の王たちは、例外なく【主】の目に悪を行った。

  ①エホアハズ

  ②エホヤキム

  ③エホヤキン

  ④ゼデキヤ

(2)指導者・祭司・民が一体となって堕落していく。

  ①14節

2Ch 36:14

そのうえ、祭司長全員と民も、異邦の民の忌み嫌うべきすべての慣わしをまねて、不信に不信を重ね、主がエルサレムで聖別された【主】の宮を汚した。

2.神の忍耐と拒絶

(1)預言者の派遣

  ①【主】は「早くから、たびたび」預言者を遣わされた。

  ②しかし民は、神の使者を嘲り、みことばを軽んじ、預言者を侮った。

(2)裁きは突然ではなく、拒み続けた結果であることが強調される。

  ①16節

2Ch 36:16

ところが、彼らは神の使者たちを侮り、そのみことばを蔑み、その預言者たちを笑いものにしたので、ついに【主】の激しい憤りが民に対して燃え上がり、もはや癒やされることがないまでになった。

Ⅱ.神殿崩壊と捕囚(17~21 節)

1.神殿の破壊という神学的衝撃

(1)神の臨在の象徴である神殿が焼かれる。

  ①19節

2Ch 36:19

神の宮は焼かれ、エルサレムの城壁は打ち壊され、その高殿はすべて火で焼かれ、その中の宝としていた器も一つ残らず破壊された。

(2)これは単なる国家滅亡ではなく、契約破棄の結果である。

  ①シナイ契約破棄

  ②土地の契約とダビデ契約は依然として有効。

2.安息年の回復

(1)捕囚の70年は、「地が安息を取り戻すため」(21節)。

  ①レビ記26章の契約上の呪いの成就

  ②21節

2Ch 36:21

これは、エレミヤによって告げられた【主】のことばが成就して、この地が安息を取り戻すためであった。その荒廃の全期間が七十年を満たすまで、この地は安息を得た。

(2)歴史は偶然ではなく、契約の枠組みの中で進行している。

  ①490年÷7年=70年

  ②王国時代の総年数であるが、象徴的数字でもある。

  ③バビロン捕囚は70年で終わる。

Ⅲ.歴史の転換点(22~23 節)

1.異邦の王を用いる【主】

(1)22~23節

2Ch 36:22

ペルシアの王キュロスの第一年に、エレミヤによって告げられた【主】のことばが成就するために、【主】はペルシアの王キュロスの霊を奮い立たせた。王は王国中に通達を出し、また文書にもした。

2Ch 36:23

「ペルシアの王キュロスは言う。『天の神、【主】は、地のすべての王国を私にお与えくださった。この方が、ユダにあるエルサレムに、ご自分のために宮を建てるよう私を任命された。あなたがた、だれでも主の民に属する者には、その神、【主】がともにいてくださるように。その者は上って行くようにせよ。』」

(2)バビロンではなく、ペルシア王キュロスが登場する。

  ①彼は【主】によって「奮い立たされた」と記される。

  ②解放命令の内容

    *エルサレムに上れ。

    *神殿を再建せよ。

    *【主】がともにいてくださるように。

2.ここで物語は「終わり」ではなく、「始まり」で終わる。

(1)旧約聖書と新約聖書を分断してはならない。

  ①聖書を読む際には、歴史的背景と文脈を考慮に入れる。。

Ⅳ.新約聖書への橋渡し

1.「帰れ」という命令の未完性

(1)神殿は再建された。

  ①ゼルバベルによる建設。これが第二神殿である。

  ②しかし、栄光は完全には戻らない。

  ③ヘロデ大王による拡張は物理的なもの。

(2)ダビデの王座も回復していない。

2.第二神殿期の期待

(1)民は待ち続ける。

  ①メシア

  ②栄光の回復

  ③真の解放

3.新約の冒頭との連結

(1)マタ1章は「ダビデの子、アブラハムの子」から始まる。

  ①歴代誌が閉じた問いに、新約が答え始める。

(2)キュロスの命令は、キリストによる真の解放の影である。

結論:今日の信者への適用

1 .神の裁きは、突然ではなく、拒み続けた結果として来る。

(1 )私たちの時代も同じである。

(2 )聖書の警告、良心の声、歴史の教訓がある。

(3 )神は忍耐深い方であるが、今の状態が永続することはない。

2 .神殿は壊れても、神のご計画は壊れない。

(1 )神殿の崩壊は、「神の臨在の終わり」に見えた。

(2 )神が敗北したのではなく、神が主権をもって裁かれたのである。

(3 )教会の衰退や社会の価値観の混乱は、神の敗北ではない。

(4 )むしろ、神が新しい段階へ導かれる前兆である場合がある。

3 .神は、異邦人・世俗権力すら用いて御心を成し遂げられる。

(1 )神は、異邦の指導者、世俗の出来事をも用いて、救済史を前進させる。

4 .真の回復は、地理的帰還では完成しない。

(1 )捕囚からの帰還は実現したが、栄光は不完全であった。

(2 )環境、制度、組織だけでは、人は本当に回復しない。

(3 )バビロン(世)から神の召しに応答して立ち上がるかが問われている。

5 .旧約は「未完」で終わり、新約がその答えを示す。

(1 )歴代誌は、「次を待て」という終わり方をしている。

(2 )私たちはすでにメシアを知っているが、完成はまだ先にある。

(3 )このシリーズは救われただけで満足している人たちへの挑戦である。

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