私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
創造から新天新地へ(11)―24章でたどる神の救済史 10章 「新しい契約」エレミヤ書31章
- このメッセージに感謝を贈る
-
この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?
このメッセージでは...
神の約束は必ず成就する。新しい契約を確認するとそれが分かる。
関連キーワード
創造から新天新地へ―24 章でたどる神の救済史
10 章 「新しい契約」
エレミヤ書31 章
1 .はじめに
(1)これまでの流れ
①創造 (創1章)
②堕落(創3章)
③アブラハム 契約(創12章)
④出エジプト(出12章)
⑤ 荒野での律法付与(出20章)
⑥約束の地の征服(ヨシ1章)
⑦ダビデ契約(2サム7章)
⑧王国の崩壊(2列25章)
(2)前回はイザヤ書53章を取り上げた。
①「王なるメシア」と「受難のしもべ」という二重のメシア像
*ダビデ契約に基づく王的メシア像
*イザヤ53章に示される苦難のメシア
②旧約時代には、この二つが統合されずに並存していた。
③王国崩壊後に示された「希望の中心」。
(3)エレミヤ書の時代背景
① 南王国ユダの最末期
②契約違反による裁きとしてのバビロン捕囚
③希望が見えない歴史のどん底
④「神の約束は破棄されたのか」という問い
神の約束は必ず成就する。
新しい契約を確認するとそれが分かる。
Ⅰ.「新しい契約」の宣言
1.31節
Jer 31:31
見よ。その日が来る。──【主】の御告げ──その日、わたしは、イスラエルの家とユダの家とに、新しい契約を結ぶ。
(1)新しい契約は、モーセ契約の更新ではない。
①これは質的に新しい契約である。
②希望が見えないどん底の状態に光をもたらす契約である。
(2)神がこの契約を結ぶ相手は、「イスラエルの家とユダの家」である。
①置換神学では、神が教会と新しい契約を結ばれたとされる。
②教会=霊的イスラエル
③イスラエルの家とユダの家=教会
④字義どおりに解釈すれば、新しい契約はイスラエルと結んだものである。
⑤教会はその祝福に与っている。
2.32節
Jer 31:32
その契約は、わたしが彼らの先祖の手を握って、エジプトの国から連れ出した日に、彼らと結んだ契約のようではない。わたしは彼らの主であったのに、彼らはわたしの契約を破ってしまった。──【主】の御告げ──
(1)「エジプトの国から連れ出した日に、彼らと結んだ契約」
①これはシナイ契約のことである。
②シナイ契約は旧い契約である。
③旧約と新約という対比は、シナイ契約と新しい契約の対比である。
(2)旧い契約との違い
①旧い契約は、条件付き契約である。
*イスラエルはその契約を破ってしまった。
②新しい契約は、無条件契約である。
*イスラエルの違反があってもその契約は破棄されない。
3.33節
Jer 31:33
彼らの時代の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうだ。──【主】の御告げ──わたしはわたしの律法を彼らの中に置き、彼らの心にこれを書きしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。
(1)「彼らの時代の後に」
①終末論的表現
②捕囚後のみならず、メシア的時代を指し示す用語である。
③視点は「将来の神の決定的介入」である。
(2)「わたしが…結ぶ契約」
①主語は一貫して「わたし(ヤハウェ)」である。
②人間側の条件は提示されていない。
③これは無条件契約的構造であり、シナイ契約とは明確に区別される。
(3)「わたしの律法を彼らの中に置き」
①単なる掟の集合ではなく、神の御心そのものである。
②「中に置く」は、外側からの命令 →内側の原理への転換を意味する。
(4)「心にそれを書きしるす」
①「心」=人格・意志・判断の中心
②石の板(出31章)との明確な対比がある。
③内的変革(regeneration)を前提としている。
④単なる倫理改善ではなく、新しい霊的本性の付与を示唆している。
(5)「わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる」
①これは、契約の公式(covenant formula)である。
②新しい契約は、旧約的契約関係の破棄ではなく完成である。
4.34節
Jer 31:34
そのようにして、人々はもはや、『【主】を知れ』と言って、おのおの互いに教えない。それは、彼らがみな、身分の低い者から高い者まで、わたしを知るからだ。──【主】の御告げ──わたしは彼らの咎を赦し、彼らの罪を二度と思い出さないからだ。」
(1)「【主】を知れ」と教える必要がない。
①「知る」=人格的・関係的認識
②知識の量ではなく、関係の質を意味する。
③祭司制度・仲介者制度を経由しなくても、直接的な神認識が可能になる。
(2)「みな、…わたしを知る」
①階級・性別・年齢の区別なし
②救済の普遍化ではなく、契約の民内部での完全な霊的共有。
③イスラエル全体の将来的回復を含意している。
(3)「咎を赦し、…罪を二度と思い出さない」
①新しい契約の最終的基礎である。
②赦しが先行し、内的変革が保証される。
③「忘れる」=神の健忘ではない。
④裁きの対象として取り扱わないという法的宣言である。
⑤旧約の贖罪制度では達成できなかった次元である。
5.新しい契約の三本柱
(1)内的律法(再生)
(2)直接的神認識(関係の回復)
(3)完全な罪の赦し(法的義認)
6.まだ成就していない部分
(1)イスラエル民族全体の霊的再生(未成就)
(2)イスラエル全体への律法の内在化(未成就)
(3)イスラエルの完全な罪の赦し(未成就)
(4)新しい契約に基づくメシア王国の完成(未成就)
(5)新しい契約の未成就部分は、終末論が必須である理由そのもの。
結論:今日の信者への適用
1 .信仰とは「外から守る努力」ではなく「内から生きる力」である
(1 )旧い契約のもとでは、神の御心は「外側」にあった。
①人はそれを守ろうとして失敗を重ねてきた。
(2 )新しい契約のもとでは、神の御心は「内側」にある。
①神ご自身が人の内側に働き、従順の原理を与えてくださる。
(3 )「頑張って守る生活」ではなく、「新しいいのちに従って生きる生活」。
2 .神との関係は「制度」ではなく「人格的交わり」に基づいている
(1 )信仰は、形式や制度の問題ではない。
(2 )クリスチャンとは、人格的に神と結ばれている者である。
3 .罪の赦しは「感情的安心」ではなく「法的確定」である。
(1 )「罪を二度と思い出さない」という宣言は、このことを保証している。
(2 )私たちは、すでに赦された者として、感謝と確信をもって生きる存在。
4 .教会は「イスラエルの代替」ではなく「恵みに与る者」である。
(1 )教会は、イスラエルに取って代わったのではない。
(2 )その霊的祝福に、恵みによって参与している存在である。
(3 )クリスチャンの使命は、希望の終末論の証人となることである。
*次回はダニエル書7 章




週間アクセスランキング
創造から新天新地へ(10)―24章でたどる神の救済史 9章 「受難のしもべの預言」イザヤ書53章
創造から新天新地へ(09)―24章でたどる神の救済史 8章 「王国崩壊の理由」列王記第二25章
使徒の働き(89)―ペリクスの前に立つパウロ―
創造から新天新地へ(08)―24章でたどる神の救済史 7章 「ダビデ契約とメシアの希望」サムエル記第二7章
創造から新天新地へ(06)―24章でたどる神の救済史 5章 「シナイ契約と神の民の召し」出エジプト記20章
創造から新天新地へ(01)―24章でたどる神の救済史 序章