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ヨハネの福音書(51)「大祭司の祈り(3) 将来の信者たちのための祈り」ヨハ17:20~26
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イエスは私たちクリスチャンのために祈られた。その祈りを3区分して学ぶと、神の守りの確実性が見えてくる。
ヨハネの福音書(51)
「大祭司の祈り(3) 将来の信者たちのための祈り」
ヨハ17:20~26
1.文脈の確認
(1)前書き(1:1~18)
(2)イエスの公生涯(1:19~12:50)
(3)イエスの私的奉仕(13:1~17:26)
①最後の晩餐(13:1~30)
②階上の間の説教(13:31~16:33)
③大祭司の祈り(17:1~26)
2.注目すべき点
(1)弟子たちへの教えは、勝利のことばで終わった。
①「わたしはすでに世に勝ちました」(ヨハ16:33)
②十字架、復活、昇天が予見されている。
(2)この段階で、イエスの働きは預言者から祭司に移行した。
(3)ここでの祈りは、聖書の中の最高の祈りである。
3.アウトライン(大祭司の祈り)
(1)イエス自身のための祈り(17:1~5)
(2)弟子たちのための祈り(17:6~19)
(3)将来の信者たちのための祈り(17:20~26)
今回は、(3)を取り上げる。
イエスは私たちクリスチャンのために祈られた。
その祈りを3区分して学ぶと、神の守りの確実性が見えてくる。
Ⅰ.将来信じる人々のための祈り(20節)
1.20節
Joh 17:20 わたしは、ただこの人々のためだけでなく、彼らのことばによってわたしを信じる人々のためにも、お願いします。
(1)イエスの祈りは、弟子たちから将来の信者たちのための祈りに移行する。
①「彼らのことばによってわたしを信じる人々」とは、将来の信者たちである。
②イエスは2000年前に、私たちのために祈って下さった。
(2)イエスは、教会時代の到来を予見しておられる。
①イエスは死んで葬られ、復活し、昇天する。
②聖霊が下り、教会が誕生する。
③聖霊に力によって、使徒たちはイエスの証人となる。
④使徒たちの宣教は、エルサレム、ユダヤ、サマリア、地の果てにまで広がる。
⑤教会時代の信者は、直接的・間接的に使徒たちの証しによって救いに導かれる。
⑥使徒たちの直接の説教や、後に書かれる新約聖書の著作も含まれる。
(3)旧約時代の大祭司と新約時代の大祭司の比較
①旧約時代の大祭司(出28:9~12)
*12部族の名前をエポデの肩に付けた。
*幕屋(神殿)の至聖所に宿るシャカイナグローリーの前に出た。
②新約時代の大祭司
*将来の信者たちの名前を天の父の臨在の前に運んでおられる。
(4)教訓
①使徒的証言の重要性
*「彼らのことばによって」
*教会の基礎は、使徒と預言者である(エペ2:20)。
②信仰の方向性
*「わたしを信じる人々」
*信仰は漠然とした宗教心ではなく、「イエス」に向けられるべきもの。
Ⅱ.信者の一致を願う祈り(21~23節)
1.21節
Joh 17:21 父よ。あなたがわたしのうちにおられ、わたしがあなたのうちにいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちのうちにいるようにしてください。あなたがわたしを遣わされたことを、世が信じるようになるためです。
(1)イエスが語る一致
①一致のモデルは、父と子の関係である。相互内在。
*愛において、目的において、本質において、父と子は一致している。
②信者の一致は、まず父と子との関係の中に入れられることによって成立する。
*単なる人間同士の調和ではなく、神との交わりに根ざした一致。
*愛において、みことばの理解において、神への献身においての一致。
③ここでの「一つ」は、異邦人信者とユダヤ人信者が「新しい人」として一体化
することを指す(エペ2:15)。
(2)1コリ12:13
1Co 12:13 私たちはみな、ユダヤ人もギリシア人も、奴隷も自由人も、一つの御霊によってバプテスマを受けて、一つのからだとなりました。そして、みな一つの御霊を飲んだのです。
①すべての信者は、同じ御霊によってバプテスマを受けた。
②聖霊のバプテスマは、信者の霊的一致の前提である。
(3)一致の目的
①信者の一致した姿(イエスの人格の現れ)は、伝道の力となる。
②世の人たちはイエスを信じ、父がイエスを遣わしたことを信じるようになる。
(4)教訓
①エキュメニカル運動:教派を超えた結束を目指す運動(教会一致促進運動)
*キリスト教を越えた諸宗教間の対話と協力を目指す運動を指す場合もある。
②ヨハ17:21は、エキュメニカル運動の支持者が好むものである。
③この節が求めるのは霊的・教理的に健全な一致であり、外面的合同ではない。
2.22~23節
Joh 17:22 またわたしは、あなたが下さった栄光を彼らに与えました。わたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためです。
Joh 17:23 わたしは彼らのうちにいて、あなたはわたしのうちにおられます。彼らが完全に一つになるためです。また、あなたがわたしを遣わされたことと、わたしを愛されたように彼らも愛されたことを、世が知るためです。
(1)「あなたが下さった栄光」
①十字架の栄光のことであろう(ヨハ17:1~5で触れた内容)。
*十字架に続く、復活、昇天も含む。
②イエスはすでにその栄光を信者に下さった(神の視点)。
③現実には、それを受けるのは将来のことである(人間の視点)。
*新しい契約の祝福。聖徒に与えられている霊的身分。
(2)教会は、イエスの十字架による贖いを信じたとき、父の計画と一つになる。
①教会とイエスは一つになる。
②教会は父なる神とも一つになる。
(3)信者の一致のゴール
①父なる神がイエスを派遣したことを、この世が信じるため。
②父なる神が、イエスを愛されたように教会をも愛しておられることを、この世
が知るため。
*この愛は、深く、親密で、いつまでも続く愛である。
*ひとり子(ユニークな子)を愛する愛である。
*信者は、この驚くべき愛で愛されている。
Ⅲ.信者の栄化を願う祈り(24~26節)
1.24節
Joh 17:24 父よ。わたしに下さったものについてお願いします。わたしがいるところに、彼らもわたしとともにいるようにしてください。わたしの栄光を、彼らが見るためです。世界の基が据えられる前からわたしを愛されたゆえに、あなたがわたしに下さった栄光を。
(1)信者が受ける祝福
①永遠にイエスとともに住まうこと
*携挙後の天における教会の姿
②イエスの栄光を見るようになること
*イエスは栄光を捨てたが、再び元の栄光を受けるようになる。
*イエスの栄光を見るとは、信者が栄化されたことを示している。
(2)「父よ。お願いします」
①ギリシア語で「θέλω」という動詞
②英語で「Father, I will that」(KJV)、「Father, I desire that」(ASV)。
③「父よ、望むらくは、」(文語訳)
④イエスの願いと父なる神の御心は、常に合致している。
⑤信徒の栄化は必ず成就する。
2.25~26節
Joh 17:25 正しい父よ。この世はあなたを知りませんが、わたしはあなたを知っています。また、この人々は、あなたがわたしを遣わされたことを知っています。
Joh 17:26 わたしは彼らにあなたの御名を知らせました。また、これからも知らせます。あなたがわたしを愛してくださった愛が彼らのうちにあり、わたしも彼らのうちにいるようにするためです。」
(1)「信者のための祈り」の結びのことば
①「正しい父よ」という呼びかけ
②父をたたえることばが、この世(父を知らない)との対比で使用されている。
(2)イエスは父を知っており、それをこの世に伝えた。
①父がイエスを遣わしたことを知った人々が、信者である。
(3)イエスは、父の御名(本質)を啓示した。
①これからも知らせ続ける(聖霊を通して)。
(4)信者は父なる神の愛の対象である。
①イエスが信者の中にいるので、父なる神は信者を愛される。
②神は愛である。
③1ヨハ4:16
1Jn 4:16 私たちは自分たちに対する神の愛を知り、また信じています。/神は愛です。愛のうちにとどまる人は神のうちにとどまり、神もその人のうちにとどまっておられます。
結論:今日の信者への適用
1.私たちは祈られている(20節)。
(1)イエスは十字架の直前に、私たち一人ひとりの信仰を視野に入れておられた。
(2)「忘れられていない」という深い安心感は、信仰の土台となる。
2.一致は福音宣教の戦略となる(21〜23節)。
(1)教会の一致は、単なる和合や仲良しの意味ではない。
(2)それは、真理と愛に基づく一致である。
(3)教理的確信を共有し、愛と謙遜で関係を築く。
3.天の希望を意識して生きる(24節)。
(1)イエスの最終的願いは、私たちが「主のいる所にともにいる」こと。
(2)この希望は、患難・迫害・死を乗り越える力になる。
(3)「私の永住地はキリストのもとにある」との認識は、価値観と優先順位を整える。
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