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ヨハネの福音書(46)「世にある証し人の生き方」ヨハ15:18~16:4
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クリスチャンは、この世にあってキリストを証しすることができる。
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ヨハネの福音書(46)
「世にある証し人の生き方」
ヨハ15:18~16:4
1.文脈の確認
(3)イエスの私的奉仕(13:1~17:26)
①最後の晩餐(13:1~30)
②階上の間の説教(13:31~16:33)
*ぶどうの木にとどまる人生(15:1~10)
*友とされた者の生き方(15:11~17)
*世にある証し人の生き方(15:18~16:4)
2.注目すべき点
(1)十字架にかかる前夜、弟子たちに厳しい現実が告げられる。
(2)迫害が襲うが、主からの助けも用意される。
(3)今日の信者への適用が多く含まれる。
3.アウトライン
(1)世の憎しみを覚悟せよ(15:18~21)
(2)世の罪は暴かれることを知れ(15:22~25)
(3)御霊とともに証しせよ(15:26~16:4)
4.結論:今日の信者への適用
クリスチャンは、この世にあってキリストを証しすることができる。
Ⅰ.世の憎しみを覚悟せよ(15:18~21)
1.18節
Joh 15:18 世があなたがたを憎むなら、あなたがたよりも先にわたしを憎んだことを知っておきなさい。
(1)ヨハネの福音書の「世」とは何か。
①ギリシア語で「コスモス」という。
*宇宙(被造世界)、地の住人(人類)、神に敵対する組織化された社会
②ここでの「世」とは、第3番目の意味である。
③サタンの支配下に置かれている。
④ヨハ14:30
Joh 14:30 わたしはもう、あなたがたに多くを話しません。この世を支配する者が来るからです。彼はわたしに対して何もすることができません。
(2)神の友である人は、この世から見たら「敵」である。
①この世と調子を合わせることは、神の敵になることである。
②ヤコ4:4
Jas 4:4 節操のない者たち。世を愛することは神に敵対することだと分からないのですか。世の友となりたいと思う者はだれでも、自分を神の敵としているのです。
(3)世の憎しみに遭ったとき、思いがけないことが起こったと思うべきではない。
①イエス自身が、先に世の憎しみを経験している。
②幼子イエスは、ヘロデ大王に殺されそうになった。
③今は、十字架につけられようとしている。
④迫害は、仮定のことではない。イエスに従う者は、迫害に遭う。
2.19節
Joh 15:19 もしあなたがたがこの世のものであったら、世は自分のものを愛したでしょう。しかし、あなたがたは世のものではありません。わたしが世からあなたがたを選び出したのです。そのため、世はあなたがたを憎むのです。
(1)この世が信者を憎むのは、信者に対して異質なものを感じるからである。
①信者は、闇の王国から解放され、神の王国に移された。
②信者は、新しい喜び、目的、希望、愛を見出した。
③信者は、この世の人たちとは異なったライフスタイルを持っている。
④信者は、この世にいながら、この世のものではない。
⑤信者は、霊的に新しいアイデンティティを持つようになった。
(2)世は、自分たちと同質なものを愛する。
①粗暴なことば(日常会話、ネット上の書き込み)
②肉欲
③教養ある人であっても、自分のためにだけ生きている。
④SNS文化、個人主義、快楽主義
(3)信者はイエスによって選ばれた人たちである。
①信者は、その生き方を通してこの世の人たちを裁く。
②それゆえ、この世の人たちは信者を憎むのである。
3.20~21節
Joh 15:20 しもべは主人にまさるものではない、とわたしがあなたがたに言ったことばを覚えておきなさい。人々がわたしを迫害したのであれば、あなたがたも迫害します。彼らがわたしのことばを守ったのであれば、あなたがたのことばも守ります。
Joh 15:21 しかし彼らは、これらのことをすべて、わたしの名のゆえにあなたがたに対して行います。わたしを遣わされた方を知らないからです。
(1)「しもべは主人にまさるものではない」(ヨハ13:16の教え)
①信者は、主イエスに倣って「しもべ」となる必要がある。
②この教えには、別の適用がある。
*イエスを憎む者は、弟子たちをも憎む。
(2)この世の人たちが信者を迫害する理由
①イエスを遣わした父なる神を知らないので、イエスを憎む。
②イエスへの憎しみを、弟子たちに向ける。
③彼らに対して怒りではなく、憐みの心を持とう。
Ⅱ.世の罪は暴かれることを知れ(15:22~25)
1.22~23節
Joh 15:22 もしわたしが来て彼らに話さなかったら、彼らに罪はなかったでしょう。けれども今では、彼らの罪について弁解の余地はありません。
Joh 15:23 わたしを憎んでいる者は、わたしの父をも憎んでいます。
(1)イエスが到来する前と後の違い
①到来する前なら、まだ弁解の余地があった(無知を言い訳にできた)。
*「罪はない」とは、無罪だということではなく、罪の度合いの問題である。
*啓示の量が増えると、倫理的責任も増える。
②到来して以降は、弁解の余地はない。
*イエスは神のことばを語り、メシア性を証明する奇跡を行われた。
*イエスにはなんの罪もなかった。
*にもかかわらず、彼らはイエスを信じなかった。
(2)主イエスは、父なる神を啓示するために来られた。
①イエスを憎む者は、父なる神をも憎む者である。
5.24~25節
Joh 15:24 もしわたしが、ほかのだれも行ったことのないわざを、彼らの間で行わなかったら、彼らに罪はなかったでしょう。けれども今や、彼らはそのわざを見て、そのうえでわたしとわたしの父を憎みました。
Joh 15:25 これは、『彼らはゆえもなくわたしを憎んだ』と、彼らの律法に書かれていることばが成就するためです。
(1)これは、22~23節の詳細な説明である。
①イエスは、多くの奇跡を行い、ご自身のメシア性を証明された。
②しかし、イスラエルの民は光よりも闇を愛したので、イエスを拒否した。
③ニコデモの応答は、例外的なものである。
(2)罪というのは、基本的に非理性的で、理屈に合わないものである。
①公の場でのクリスマス拒否
②彼らの不信仰は、旧約聖書に預言されていた。
③ダビデによる預言(義人の嘆き)
Psa 69:4 ゆえなく私を憎む者は/私の髪の毛よりも多く/私を滅ぼそうとする者/私の敵 偽り者は強いのです。/私は 奪わなかった物さえ/返さなければならないのですか。
④詩35:19、109:3など参照
Ⅲ.御霊とともに証しせよ(15:26~16:4)
1.26~27節
Joh 15:26 わたしが父のもとから遣わす助け主、すなわち、父から出る真理の御霊が来るとき、その方がわたしについて証ししてくださいます。
Joh 15:27 あなたがたも証しします。初めからわたしと一緒にいたからです。
(1)弟子たちへの励ましのことば
①弟子たちは、イエスについて証しする。
②御霊は、弟子たちを通して働く。
③御霊の働きは、単なる慰めではなく、イエスを証言する宣教的役割である。
(2)三位一体の働きの一致
①父から出て、子によって遣わされる御霊
②三位の神が協業して、救いと証しの業を進める。
(3)使徒たちの証しは「歴史的・目撃的」。
①使徒たちは、イエスの生涯をともに歩んだ証人である。
②その証言は、信仰の土台である。
③使徒的証言は、新約聖書の信頼性と権威の根拠でもある。
2.1~2節
Joh 16:1 わたしがこれらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがつまずくことのないためです。
Joh 16:2 人々はあなたがたを会堂から追放するでしょう。実際、あなたがたを殺す者がみな、自分は神に奉仕していると思う時が来ます。
(1)迫害の予告をする理由
①つまずくことがないためである。
②弟子たちは、メシア的王国の希望を持っていた。
③イエスの死と復活の後に起こることは、想定外のことである。
④しかし、苦難は当然のこととして受け止めるべきである。
(2)迫害の内容
①会堂からの追放
*ユダヤ人にとっては、最悪の悲劇である。
*ユダヤ人共同体からの追放である。
*紀元85年から90年の間に、会堂での祈りに変化があった。
*「シュモネ・エスレ」という伝統的な祈り
*元来は18の祈りから成っていたが、第19番目が追加された。
*それは、メシアニックジューを追い出すための祈りである。
「背教者からすべての希望を取り去りたまえ。分派を作る者は、直ちに滅ぶべし」
②殉教の死
*ステパノ(使7章)
*ヤコブ(使12章)
*サウロによる迫害(使9章)
(3)迫害の理由は、それが神への奉仕だと誤解していること。
①サウロがその例である。
3.3~4節
Joh 16:3 彼らがそういうことを行うのは、父もわたしも知らないからです。
Joh 16:4 これらのことをあなたがたに話したのは、その時が来たとき、わたしがそれについて話したことを、あなたがたが思い出すためです。/わたしは初めからこれらのことを話すことはしませんでした。それはあなたがたとともにいたからです。
(1)迫害の根本的な理由は、父なる神を知らないことである。
①父を知らない人は、イエスをも知らない。
②イエスを知らない人は、イエスの弟子たちの教えを受け入れない。
(2)イエスが迫害を予告した理由は、弟子たちがそれを思い出すためである。
①これまでイエスは迫害について語ってこなかった。
②この世の憎しみは、イエスに向けられていた。
③イエスがいなくなると、イエスの地上におけるからだである教会が誕生する。
④この世は、イエスのからだである教会を憎むようになる。
結論:今日の信者への適用
1.クリスチャンは、世と対立する覚悟が必要である。
(1)聖書的価値観に立てば立つほど、世的価値観とのギャップは広がる。
(2) 神の恵みによる選びは、世との決定的断絶を意味する。
(3)嫌われることを嘆くよりも、主と同じ歩みをしていることを誇ろう。
2.敵意の背後には、霊的無知があることを知ろう。
(1)迫害は、世がキリストを知らないがゆえに起こる。
(2)相手を裁く前に、憐れみと祈りの心をもって接しよう。
(3)私たちもかつてはそのような者であった。
3.真理を語る者は、罪を暴くがゆえに憎まれることを知ろう。
(1)聖書の真理は、人の罪を照らす。
(2)それに反発があるのは自然な反応である。
(3)クリスチャンの存在そのものが「光」である。
4.真理を語る者には、御霊の助けがある。
(1)迫害される者が、御霊によって証し人とされる。
(2)聖霊は常に、証しの場において信者を助け、語らせてくださる。
(3)自分の力に頼るのではなく、御霊への信頼に立って証ししよう。
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