ハーベスト春期聖会 説教について考える(1)-語る側の視点から-

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説教について語る側の視点から学ぶ。

ハーベスト春期聖会

説教について考える(1)

-語る側の視点から-

はじめに

  (1)この説教を語る理由

    ①コロナ入院、2度の心筋梗塞治療、約2年弱の体調不良、そこからの復帰。

    ②自分にとって新しいスタートだと感じている。

③そこで、最優先課題である説教というテーマについて考えた。

    ④良い説教とは

  *聖書的(Biblical)

  *論理的(Logical)

  *実際的(Practical)

⑤個人的には、この3点を説教のゴールとしている。

⑥説教について考えるのは、語る側にとっても、聴く側にとっても、重要なこと。

  *説教について考える(1)-語る側の視点から-(春期聖会)

  *説教について考える(2)-聞く側の視点から-(夏期聖会)

⑦今回は、インフォーマルな形で説教について論じてみたい。

      *2007年からマタイの福音書の講解メッセージを開始した。

      *その中で、主イエスのメッセージの特徴(あいうえお)を紹介した。

      *毎回、メッセージの前にこの5点を確認している。

⑦このメッセージは、語る側にも聞く側にも、益となるはずである。

説教について語る側の視点から学ぶ。

Ⅰ.あ:愛(動機)

  1.礼拝の場を支配するのは、愛である。

    (1)そこには3つの愛が存在する。

①神への愛

        *神への愛がなければ、みことばを字義どおりに扱うことはできない。

      ②聴衆への愛

*聴衆への愛がなければ、神の愛を伝えることはできない。

      ③健全な自己愛

        *健全な自己愛のない人は、隣人を愛せない。

  2.神は愛なり。

    (1)旧約聖書における神の愛(契約に基づく愛、ヘセド)

      ①イザ54:10

「たとえ山が移り、丘が動いても、わたしの真実の愛はあなたから移らず、わたしの平和の契約は動かない」

      ②イスラエルに向けて語られた愛は、契約に基づく愛である。

    (2)教会時代における神の愛(十字架によって示された愛)

      ①ロマ5:8

「しかし、私たちがまだ罪人であったとき、キリストが私たちのために死なれたことによって、神は私たちに対するご自分の愛を明らかにしておられます」

    (3)永遠の御国における神の愛(成就した愛)

      ①黙21:3~4

「私はまた、大きな声が御座から出て、こう言うのを聞いた。『見よ、神の幕屋が人々とともにある。神は人々とともに住み、人々は神の民となる。神ご自身が彼らの神として、ともにおられる。神は彼らの目から涙をことごとくぬぐい取ってくださる。もはや死はなく、悲しみも、叫び声も、苦しみもない。以前のものが過ぎ去ったからである』」

  3.イエスの復活の究極的証明は、神の愛である。

    (1)神の愛が、イエスを十字架につけ、復活させた。

      ①罪と死に勝利するために、神はイエスを復活させた。

    (2)復活は、信じる者が義とされるために必要であった。

      ①神の愛は、私たちを義とするためにイエスをよみがえらせた。

    (3)復活は、神の愛による勝利の証明だった。

      ①神の愛は、死を打ち破り、希望と勝利をもたらした。

    (4)イースターを祝うとき、私たちは神の愛をほめたたえているのである。

      ①礼拝は、何が起ころうとも怖くはないこと確認する場である。

Ⅱ.い:いのち(内容)

  1.いのちに溢れる説教とは

(1)聴く人の霊を活かし、キリストにある新しいいのちを生み出す説教

  ①ヨハ6:63

「いのちを与えるのは御霊です。肉は何の益ももたらしません。わたしがあなたがたに話したことばは霊であり、またいのちです」

  2.いのちに溢れる説教の特徴

    (1)みことばに根ざした説教

      ①創1:3

「神は仰せられた。『光、あれ。』すると光があった」

        *みことばにはいのちが宿っている。

      ②詩119:105

「あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です」

        *みことばは、人生の道案内である。

    (2)キリスト中心の説教

      ①キリストを語られなければ、いのちにはつながらない。

      ②キリストを見た者は、父なる神を見たのである。

      ③ヨハ5:24

「まことに、まことに、あなたがたに言います。わたしのことばを聞いて、わたしを遣わされた方を信じる者は、永遠のいのちを持ち、さばきにあうことがなく、死からいのちに移っています」

    (3)聖霊に導かれた説教

      ①聖霊の導きのもとで説教を準備する。

      ②聖霊の導きのもとで説教を語る。

      ③祈りなしでは、いのちに溢れた説教は語れない。

Ⅲ.う:動き(流れ)

  1.動きとは

    (1)音楽におけるレガート(音と音のつながり)のようなものである。

      ①聖書全体の文脈(神の救済の物語を大きな視点で語る)

②取り上げている箇所の文脈(直前の文脈)

③論理的な流れをスムーズにつなげる(聴衆が迷子にならない)

    (2)聴衆を霊的・感情的・知的に前進させる要素を指す。

      ①聴衆は、神のことばに応答し、信仰を深め、行動に移す。

      ②イエスの説教は、「動き」に満ちていた(決心を促した)。

        *ニコデモ、サマリアの女、姦淫の女

      ③ペテロの説教も、「動き」に満ちていた(決心を促した)。

        *ペンテコステの日の説教、サンヘドリンでの説教

    (3)説教の骨組みは、動きを生み出すための重要な要素である。

      ①荒野を放浪するような説教を避ける。

      ②起承転結は、明確な「動き」の例である。

      (ILL)ある女子神学生への助言が否定されたエピソード

    (4)「動き」を生み出す要素

      ①効果的なイントロダクション

      ②明確な構造

      ③例話や物語

      ④聴衆へのチャレンジ

      ⑤感情の動きと調和した身体的動き

        *準備不足の説教を身体的動きで補おうとするのは間違いである。

Ⅳ.え:絵(表現)

  1.霊的真理の可視化

    (1)ことばは人となった。

      ①ヨハ1:14

Joh 1:14
ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた。

      ②説教者のうちに神のことばが受肉する必要がある。

        *そのための努力は、一生続くプロセスである。

  2.ことばで絵を描く。

    (1)自分には、油絵的アプローチよりも水彩画的アプローチが合っている。

      ①水彩画的アプローチは、ストローク数が少ない。

      ②聴衆もともに絵を描いている。

③聴衆は、自分も出来事の現場にいるかのように感じる。

    (2)イエスの教えやパウロの教授法から学ぶ。

      ①比ゆ、たとえ話、例話などを用いる。

        *的確な例話がないなら、語らないほうがよい。

      ②ヨハ10:11

「わたしは良い牧者です。良い牧者は羊たちのためにいのちを捨てます」

      ③ロマ9:21

「陶器師は同じ土のかたまりから、あるものは尊いことに用いる器に、別のものは普通の器に作る権利を持っていないのでしょうか」

    (3)歴史地理学の知識を活用する。

      ①イスラエルの歴史や文化を説明するための道具となる。

    (4)現代のテクノロジーの活用

      ①パワーポイント

    (5)身体的表現を加える。

      ①内的感動の外的表現

Ⅴ.お:権威(最終的な確証)

  1.権威の源は、聖書である。

(1)権威は、説教者の地位や経歴や知恵などに宿るのではない。

  ①2テモ3:16

「聖書はすべて神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練のために有益です」

      ②ロマ1:16

「私は福音を恥としません。福音は、ユダヤ人をはじめギリシア人にも、信じるすべての人に救いをもたらす神の力です」

      ③女性が男性に聖書を教えるのは、創造の秩序に反する(権威の行使)。

      ④ことばは、アイデアを運ぶ手段である。

      ⑤神のことばは、神のアイデアを運んでいる。

      ⑥そのアイデアを説明できたときに、説教は権威あるものとなる。

  2.聖霊の助けがなければ、権威ある説教にはならない。

    (1)聴衆の心を開くのは、神である。

      ①使16:14

「リディアという名の女の人が聞いていた。ティアティラ市の紫布の商人で、神を敬う人であった。主は彼女の心を開いて、パウロの語ることに心を留めるようにされた」

      ②1コリ2:4

「そして、私のことばと私の宣教は、説得力のある知恵のことばによるものではなく、御霊と御力の現れによるものでした」

    (2)自己顕示欲や承認欲求は、聖霊の働きを妨げる。

      ①ベストメッセージは、グッドメッセージの要素を含みながら、それ以上。

*聞き手の人生を変える影響力を持った説教

*神の御心と完全に一致した説教

*説教者の人格と信仰が伴っている説教。

  3.福音を語らない妥協した説教に権威はない。

    (1)説教者は、忠実に語ることで権威を賦与される。

①2テモ4:2

「みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。忍耐の限りを尽くし、絶えず教えながら、責め、戒め、また勧めなさい」

  4.不品行によっても、権威は失われる。

(1)神がともにおられないなら、その説教者は霊的に死んでいる。

  5.権威ある説教を語るための備え

    (1)霊的備えと肉体的備え

      ①ロマ12:1

「ですから、兄弟たち、私は神のあわれみによって、あなたがたに勧めます。あなたがたのからだを、神に喜ばれる、聖なる生きたささげ物として献げなさい。それこそ、あなたがたにふさわしい礼拝です」

      ②プロの声楽家がソロを歌い始めるときのように、エネルギーを爆発させる。

      ③騒々しいエネルギーではなく、内的いのちのエネルギーである。

結論

  1.説教は、語り手、聞き手、聖霊の共同作業によって成立する最高の芸術である。

    (1)芸術であるがゆえに、非日常的、超日常的である。

    (2)説教は、成立した瞬間に消え去る芸術である。

    (3)しかし、その影響は残る。

  2.説教者は、5つの要素が説教の中に含まれていることを確認する必要がある。

    (1)愛(動機)、いのち(内容)、動き(流れ)、絵(表現)、権威(最終的な確証)

  3.聞き手の責任は重い。

    (1)聞き手は、説教を成立させる重要な要素である。

    (2)次回のタイトル:「説教について考える(2)-聞く側の視点から-」

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