ヨハネの福音書(33)「ラザロの復活(2)」ヨハ11:28~44

このメッセージに感謝を贈る

この無料配信メッセージは、皆様の祈りと献金のサポートで成り立っています。
あなたの「ちょっとした感謝」を300円献金で贈ってみませんか?

ハーベスト・タイム・ミニストリーズへのサポーター献金はこちら

このメッセージでは...

イエスは、死者をよみがえらせる方である。

ヨハネの福音書(33)

「ラザロの復活(2)」

ヨハ11:28~44

1.文脈の確認

(1)前書き(1:1~18)

(2)イエスの公生涯(1:19~12:50)

  ①公生涯への序曲(1:19~51)

  ②初期ガリラヤ伝道(2:1~12)

  ③最初のエルサレム訪問(2:13~3:36)

  ④サマリア伝道(4:1~42)

  ⑤ガリラヤ伝道の再開(4:43~54)

  ⑥2度目のエルサレム訪問(5:1~47)

  ⑦後期ガリラヤ伝道(6:1~7:9)

  ⑧3度目のエルサレム訪問(7:10~10:42)

  ⑨公生涯の締めくくり(11~12章)

    *ラザロの復活(第7のしるし)(11:1~44)

2.注目すべき点

(1)7つの「しるし(セーメイオン)」の中の最後で最大の「しるし」

(2)この奇跡が公生涯の頂点で、12章から十字架への道が始まる。

(3)ラザロの復活(蘇生)は、「ヨナのしるし」(メシア性の証明)である。

(4)イスラエルの指導者たちは、信仰によって応答しなければならない。

 .アウトライン

(1)イエスと弟子たちの対話(1~16節)

(2)イエスとマルタの対話(17~27節)

(3)イエスとマリアの対話(28~32節)

(4)イエスとラザロの対話(33~44節)

    (今回は、(3)と(4)を取り上げる)

4.結論:今日の信者への適用

イエスは、死者をよみがえらせる方である。

4 種類の人たちとの会話を通して、イエスが死者をよみがえらせる方であることが分かる。

Ⅲ.イエスとマリアの対話(28~32節)

1.28~29節

Joh 11:28

マルタはこう言ってから、帰って行って姉妹のマリアを呼び、そっと伝えた。「先生がお見えになり、あなたを呼んでおられます。」

Joh 11:29

マリアはそれを聞くと、すぐに立ち上がって、イエスのところに行った。

(1)マルタの信仰告白(27節)

「はい。主よ。私は、あなたが世に来られる神の子キリストであると信じております」

(2)マルタはマリアに、イエスが村の外まで来ておられることを伝えた。

  ①この良き知らせを、耳打ちした。公にならないように。

  ②普通なら、遠方から著名なラビが来ることは、栄誉と考えられていた。

2.30~31節

Joh 11:30 イエスはまだ村に入らず、マルタが出迎えた場所におられた。

Joh 11:31

マリアとともに家にいて、彼女を慰めていたユダヤ人たちは、マリアが急いで立ち上がって出て行くのを見て、墓に泣きに行くのだろうと思い、ついて行った。

(1)イエスは、村に入っていなかった。

  ①弔問客たちは、マリアの後を追った。

  ②マリアが墓に泣きに行くのだろうと思った。

  ③これで、イエスによる個人教授は不可能となった。

3.32節

Joh 11:32

マリアはイエスがおられるところに来た。そしてイエスを見ると、足もとにひれ伏して言った。「主よ。もしここにいてくださったなら、私の兄弟は死ななかったでしょうに。」

(1)マリアは、イエスの足もとにひれ伏した。

  ①ルカ10:39でも、似たようなことが起こっていた。

  ②この動作は、マリアが悲しみの中で示した自然な反応であろう。

  ③マリアも、マルタと同じことを言った。

「主よ。もしここにいてくださったなら、私の兄弟は死ななかったでしょうに」

  ④それ以上は何も言わず、泣き続けた。

  ⑤マリアの信仰にも限界があった。

Ⅳ.イエスとラザロの対話(33~44節)

1.33~34節

Joh 11:33

イエスは、彼女が泣き、一緒に来たユダヤ人たちも泣いているのをご覧になった。そして、霊に憤りを覚え、心を騒がせて、

Joh 11:34

「彼をどこに置きましたか」と言われた。彼らはイエスに「主よ、来てご覧ください」と言った。

(1)イエスの憤りと動揺

  ①マリアは、墓の前ではなく、イエスの前で泣いている。

  ②ユダヤ人たちの一部は、職業上泣いていたと思われる。

  ③イエスは、死の現実、死がもたらす悲劇や苦しみに対して怒られた。

    *罪は、一人の人の不従順によって世に入って来た。

  ④イエスは、死の恐怖で人々を束縛するサタンに対して憤られた。

(2)イエスは、「彼をどこに置きましたか」と尋ねた。

  ①もちろん、ラザロが埋葬されていることは知っておられた。

  ②人々の注意を喚起し、期待感を高めるためである。

  ③人々は丁寧にイエスを墓まで導いたが、イエスの意図は理解しなかった。

  ④ベタニアは、アル・エイザリヤ(ラザロの地)という名になっている。

    *ラザロ=エレアザル

  ⑤べタニアには、今も墓は存在する。

    *紀元1世紀の横穴式の墓。ラザロの墓だという確かな証拠はない。

    *紀元4世紀には、巡礼路に含まれていた。

2.35節

Joh 11:35イエスは涙を流された。

(1)最も短い聖句である。

  ①墓に向かう途中のことであろう。

  ②この福音書の強調点は、イエスの神性を描くことにある。

  ③ここでは、イエスの人性が、その深みまで啓示されている。

    *「涙を流された」は、「ダクルオウ」という動詞である。

    *新約聖書では、この箇所だけに出て来る動詞である。

    *マリアや群衆は、声を上げて泣いていた。

    *イエスは、静かに涙を流された。

    *イエスは、マルタとマリアの悲しみに同情し、寄り添われた。

  ④クリスチャンが葬儀で涙を流すのは、不自然なことではない。

3.36~37節

Joh 11:36

ユダヤ人たちは言った。「ご覧なさい。どんなにラザロを愛しておられたことか。」

Joh 11:37

しかし、彼らのうちのある者たちは、「見えない人の目を開けたこの方も、ラザロが死なないようにすることはできなかったのか」と言った。

(1)人々の解釈

  ①イエスの涙は、ラザロへの愛のしるしである。

  ②盲人の目を開けたのだから、ラザロを死から救うこともできたであろう。

  ③彼らは、イエスの計画(さらに大いなる奇跡)を理解することができない。

4.38~40節

Joh 11:38

イエスは再び心のうちに憤りを覚えながら、墓に来られた。墓は洞穴で、石が置かれてふさがれていた。

Joh 11:39

イエスは言われた。「その石を取りのけなさい。」死んだラザロの姉妹マルタは言った。「主よ、もう臭くなっています。四日になりますから。」

Joh 11:40

イエスは彼女に言われた。「信じるなら神の栄光を見る、とあなたに言ったではありませんか。」

(1)劇的な情景

  ①墓は石でふさがれていたが、イエスは、「その石を取りのけなさい」と命じる。

  ②群衆は、その様子を見ている。

  ③マリアは泣いている。

  ④マルタは、反論する。

「主よ。もう臭くなっています。四日になりますから」(39節)

    *ラザロは、死んだ日に埋葬された。

    *ラザロは完全に死んでおり、蘇生の可能性がないことを示している。

(2)マルタに対する権威あることば

「信じるなら神の栄光を見る、とあなたに言ったではありませんか」(40節)

  ①イエスが「よみがえりであり、いのちである」ことを信じる必要がある。

  ②そうすれば、ラザロは復活し、神の栄光が現れる。信じる→見る。

  ③マルタとマリアの同意なくして、墓の石を取り除けることはできない。

5.41~42節

Joh 11:41

そこで、彼らは石を取りのけた。イエスは目を上げて言われた。「父よ、わたしの願いを聞いてくださったことを感謝します。

Joh 11:42

あなたはいつでもわたしの願いを聞いてくださると、わたしは知っておりましたが、周りにいる人たちのために、こう申し上げました。あなたがわたしを遣わされたことを、彼らが信じるようになるために。」

(1)石が取りのけられた。

  ①人々は、何が起こるのかとイエスを注視している。

  ②イエスにとっては、父から遣わされたメシアであることを証明する機会である。

  ③もしラザロが復活しないなら、イエスの主張には根拠がないことになる。

(2)イエスは、父と子の信頼関係に基づいて祈った。

  ①事前に、ラザロの復活について感謝している。体験的知識に基づくものである。

  ②公に祈る理由は、奇跡が起こった時、自分に栄光が来ないようにするため。

  ③この奇跡は、イエスが父から遣わされた使者であることを証明する。

6.43~44節

Joh 11:43

そう言ってから、イエスは大声で叫ばれた。「ラザロよ、出て来なさい。」

Joh 11:44

すると、死んでいた人が、手と足を長い布で巻かれたまま出て来た。彼の顔は布で包まれていた。イエスは彼らに言われた。「ほどいてやって、帰らせなさい。」

(1)イエスは大声で叫ばれた。

  ①ラザロのためではなく、群衆にその声を聞かせるためである。

  ②ことばで死者を復活させた。「ラザロよ。出て来なさい」(43節b)

  ③アウグスチヌス:名前を呼ばなければ、付近の墓地から死人がすべて復活した。

(2)ラザロは、長い亜麻布で巻かれたまま出て来た。

  ①なぜ出て来ることができたのか。これ自体が、奇跡の価値を高めている。

  ②顔は布切れで包まれていた。これも、彼が死んでいたことの証拠である。

  ③この奇跡は、「ヨナのしるし」と呼ばれるものである。

(3)墓石を取りのけることと、布をほどいてやることは、人間の責務である。

  ①しかし、最大の責務は、この奇跡に信仰的に応答することである。

  ②ユダヤ人たちがどのように応答したのか、次回学ぶことにする。

結論:今日の信者への適用

1.イエスは、私たちの悲しみをともにされる主である。

(1)愛する人を亡くすことほど深い悲しみはない。

(2)イエスは、マリアや人々の涙をご覧になり、深く憤り、涙された(11:35)。

(3)人生の悲しみの日、イエスは私たちとともにおられる。

2.イエスは、いのちの主である。

(1)私たちの悲しみをともにされる方は、いのちの主である。

「わたしはよみがえりです。いのちです」(11:25)。

(2)その宣言は、現実の出来事として示された。

(3)ラザロの復活は、キリストにある者の復活を予表している。

3.イエスは、私たちを死の束縛から解放される。

(1)イエスは、ラザロを死の縄目から解き放ち、自由へと導かれた。

「ほどいてやって、帰らせなさい」(11:44)

(2)罪責感、将来への恐れ、死の恐怖などの「布」に縛られてはいる人はいないか。

(3)イエスは今も、呼びかけておられる。

「出て来なさい」「ほどいてやりなさい」

週間アクセスランキング

1

ヨハネの福音書(32)「ラザロの復活(1)」ヨハ11:1~27

2

60分でわかる旧約聖書(39)マラキ書

3

ヨハネの福音書(31)「宮きよめの祭りでの論争」ヨハ10:22~42

4

ヨハネの福音書(33)「ラザロの復活(2)」ヨハ11:28~44

5

Q442 「千の風になって」を聞くと心が騒ぐのですが、なぜでしょうか。

6

使徒の働き(92)―アグリッパ王の前に立つパウロ(1)―

ハーベスト・タイムを応援する

ハーベスト・タイムの働きは、サポーターの皆様のお祈りと、献金により維持されております。
ぜひ、応援をよろしくお願いいたします。

ハーベスト・タイムのSNSでは、新着メッセージなどをお知らせしています。

聖書箇所の引用には新改訳聖書を使用しています。その他の場合は明記いたします。
聖書 新改訳2017(C)2017 新日本聖書刊行会 許諾番号4-2-856号
Copyright © Harvest Time Ministries, All Rights Reserved.