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コリント人への手紙第二(8)信頼回復の訴え―開かれた心―6:11~7:4
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パウロの訴えについて学ぶ。
コリント人への手紙第二 8回
信頼回復の訴え―開かれた心―
6 :11~7:4
はじめに
1.文脈の確認
(1)イントロダクション(1:1~11)
(2)パウロを疑う者たちへの回答(1:12~7:16)
①計画変更についての弁明(1:12~2:17)
②奉仕の本質の解説(3:1~6:10)
③信頼回復の訴え(6:11~7:16)
*広く開かれた心(6:11~7:4)
*パウロの喜び(7:5~16)
2.注目すべき点
(1)パウロは、信頼回復を訴えてきた。
(2)パウロを疑う者たちへの回答の最後は、極めて感情的なものである。
(3)パウロは、愛と憤りを包み隠さず表現する。
3.アウトライン:広く開かれた心
(1)パウロの訴え(6:11~13)
(2)偶像との決別(6:14~7:1)
(3)2度目の訴え(7:2~4)
4.結論:つり合わないくびき
パウロの訴えについて学ぶ。
Ⅰ.パウロの訴え(6:11~13)
1.11~12節
2Co 6:11
コリントの人たち、私たちはあなたがたに対して率直に話しました。私たちの心は広く開かれています。
2Co 6:12
あなたがたに対する私たちの愛の心は、狭くなってはいません。むしろ、あなたがたの思いの中で狭くなっているのです。
(1)パウロは、コリントの信者に対して心を開くようにとアピールする。
①ここから感情的なことばが始まる。
②パウロは、コリントの信者たちに対して率直に愛を語った。
③ことばは、心にあるものを外に表現する。
④パウロの心は、広く開かれている。
⑤問題は、コリントの信者たちの側にある。
(2)愛の心に差がある。
①コリント人たちに対するパウロの愛は、狭くなっていない(変化していない)。
②両者の間に壁があるとするなら、問題はコリント人たちの側にある。
③心が十分に開かれていないので、彼らはパウロを受け入れることができない。
2.13節
2Co 6:13
私は子どもたちに語るように言います。私たちと同じように、あなたがたも心を広くしてください。
(1)親子の間にある愛が例に取られる。
①パウロは、彼らをキリストに導いた霊的父である。
②パウロは、父が子に語るように、真実を余すところなく語る。
(2)父は子に、愛を要求することはできない。
①子が愛を示してくれることを期待するだけである。
②パウロは、コリント人たちが愛を示してくれることを期待している。
③パウロは、それがすぐに実現しない理由は、中途半端な信仰にあると見ている。
Ⅱ.偶像との決別(6:14~7:1)
1.14~15節
2Co 6:14
不信者と、つり合わないくびきをともにしてはいけません。正義と不法に何の関わりがあるでしょう。光と闇に何の交わりがあるでしょう。
2Co 6:15キリストとベリアルに何の調和があるでしょう。
信者と不信者が何を共有しているでしょう。
(1)不信者と、つり合わないくびきをともにしてはならない。
①信者と不信者は、信仰も、世界観も、人生観も大いに異なる。
②この教えは、重大な決断を下す際のガイドラインとなる(結婚、職業、教会)。
(2)5つの修辞的疑問文(①~④)
①「正義と不法に何の関わりがあるでしょう」
*人間の行為には、道徳的に正しいこととそうでないことがある。
②「光と闇に何の交わりがあるでしょう」
*光が灯ると、闇は消える。
③「キリストとベリアルに何の調和があるでしょう」
*キリストとベリアル(悪魔)は、支配権をめぐって戦っている。
④「信者と不信者が何を共有しているでしょう」
*霊的に生きている者と霊的に死んでいる者は、共有するものがない。
2.16節
2Co 6:16
神の宮と偶像に何の一致があるでしょう。私たちは生ける神の宮なのです。神がこう言われるとおりです。/「わたしは彼らの間に住み、また歩む。/わたしは彼らの神となり、/彼らはわたしの民となる。
(1)5つの修辞的疑問文(⑤)
⑤「神の宮と偶像に何の一致があるでしょう」
*信者は神の宮である。
*それゆえ、信者が偶像礼拝に関係することはあり得ないことである。
*偶像とは、キリストよりも大切にしているものすべてである。
*出29:45、レビ26:12、エゼ37:27
3.17~18節
2Co 6:17
それゆえ、彼らの中から出て行き、/彼らから離れよ。/──主は言われる──/汚れたものに触れてはならない。/そうすればわたしは、あなたがたを受け入れ、
2Co 6:18
わたしはあなたがたの父となり、/あなたがたはわたしの息子、娘となる。/──全能の主は言われる。」
*イザ52:11
*この聖句は、この世からの分離を命じている。
*神の息子、娘になるとは、この世から分離することである。
*これは、信者同士の交わりからの分離ではない。
*キリストが歓迎されない交わりからの分離である。
*そのような分離は、父なる神とのより親密な交わりをもたらす。
4.1節
2Co 7:1
愛する者たち。このような約束を与えられているのですから、肉と霊の一切の汚れから自分をきよめ、神を恐れつつ聖さを全うしようではありませんか。
(1)14節から始まったパラグラフのまとめである。
①このような約束とは、神の息子、娘になるという約束である。
②それゆえ、肉と霊の一切の汚れから自分をきよめるべきである。
③聖化は、地上生涯の間に完成するものではない。
④聖化の原動力は、神への畏怖の念である。
Ⅲ.2度目の訴え(7:2~4)
1.2節
2Co 7:2私たちに対して心を開いてください。私たちはだれにも不正をしたことがなく、だれも滅ぼしたことがなく、だれからもだまし取ったことがありません。
(1)コリントの信者たちは、パウロに対して心を開くことができるはずである。
①パウロは、だれにも不正をしたことがない。
②だれも滅ぼしたことがない。
③だれからもだまし取ったことがない。
2.3節
2Co 7:3
私はあなたがたを責めるために言っているのではありません。前にも言ったように、あなたがたは、私たちとともに死に、ともに生きるために、私たちの心のうちにあるのです。
(1)パウロには、コリントの信者を責める気持ちはない。
①彼らに対するパウロの愛は、不変である。
②パウロには、彼らと生死をともにするという覚悟がある。
3.4節
2Co 7:4
私には、あなたがたに対する大きな確信があり、あなたがたについて大きな誇りがあります。私は慰めに満たされ、どんな苦難にあっても喜びに満ちあふれています。
(1)パウロは、コリントの信者を信頼している。
①大きな確信がある。
②大きな誇りがある。
③出かけた先々で、コリントの信者の自慢をしている。
(2)今パウロは、慰めに満たされている。
①どんな苦難にあっても喜びに満ちあふれている。
②慰めと喜びの理由は、これ以降の聖句で明らかになる。
③テトスが良き知らせを持ってパウロのもとに来た。
④愛する者(コリントの信者)の立ち直りこそ、喜びの源である。
結論:つり合わないくびき
1.パウロは、分離の重要性を教えている。
(1)コリントの信者は、不十分な分離しか実行していなかった。
(2)それが、パウロに対して心を開けなかった理由である。
(3)申22:10
Deu 22:10 牛とろばとを組にして耕してはならない。
(4)マタ11:28~30
Mat 11:28
すべて疲れた人、重荷を負っている人はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。
Mat 11:29
わたしは心が柔和でへりくだっているから、あなたがたもわたしのくびきを負って、わたしから学びなさい。そうすれば、たましいに安らぎを得ます。
Mat 11:30 わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからです。」
(5)2コリ6:14a
2Co 6:14 不信者と、つり合わないくびきをともにしてはいけません。
①正義と不法、②光と闇、③キリストとベリアル
④信者と不信者、⑤神の宮と偶像
2.教会の霊的純粋性
(1)教会内に新生していない名目だけの信者が多くいる場合、注意が必要である。
(2)教会で福音の真理が語られない場合、黙ってそこを去る。
(3)霊的妥協は、信仰の崩壊につながる。
3.結婚生活
(1)信者は不信者と結婚すべきではない。
①家庭の一致
②神の民としての使命
③信仰の継承
(2)しかし、すでに不信者と結婚しているなら、離婚すべきではない。
(3)相手が救われることを前提に、生活を続けるべきである(1コリ7:12~16)。
4.社会生活
(1)不信者との交わりは、霊的・道徳的リスクをもたらす。
(2)信者は、この世に生きながら、この世のものではない。
(3)不信者と交わる理由は、福音を伝えるためである。
(4)不信者をビジネスのパートナーにするのは危険なことである。
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