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コリント人への手紙第二(6)奉仕の本質の解説―宝を入れた土の器―4:7~5:10
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キリスト教のパラドックスについて学ぶ。
コリント人への手紙第二 6回
奉仕の本質の解説―宝を入れた土の器―
4 :7~5:10
はじめに
1.文脈の確認
(1)イントロダクション(1:1~11)
(2)パウロを疑う者たちへの回答(1:12~7:16)
①計画変更についての弁明(1:12~2:17)
②奉仕の本質の解説(3:1~6:10)
*新しい契約に仕える祝福(3:1~11)
*大胆な奉仕(3:12~4:6)
*宝を入れた土の器(4:7~5:10)
*和解の奉仕(5:11~6:10)
③信頼回復の訴え(6:11~7:16)
2.注目すべき点
(1)パウロは、奉仕の本質について語る。
(2)キリスト教はパラドックスに満ちている。
①イエスの死と復活が、パウロの奉仕を描写する比ゆとして用いられる。
②パウロは、イエスの死を体験すると同時に、イエスの復活も体験している。
3.アウトライン:宝を入れた土の器(4:7~5:10)
(1)福音と福音の伝達者の対比(4:7~15)
(2)外なる人と内なる人の対比(4:16~18)
(3)地上の住まいと永遠の住まいの対比(5:1~10)
4.結論
(1)ギデオンの体験(士7章)
(2)苦難の意味
(3)苦難を乗り越える希望
キリスト教のパラドックスについて学ぶ。
Ⅰ.福音と福音の伝達者の対比(4:7~15)
1.7節
2Co 4:7
私たちは、この宝を土の器の中に入れています。それは、この測り知れない力が神のものであって、私たちから出たものではないことが明らかになるためです。
(1)宝(宝石)とそれを入れている土の器の対比
①宝とは、福音のメッセージである。
②土の器とは、福音を伝える人間である。
③この対比は、驚くべきものである。
(2)神が人間に福音の伝達を委ねた理由
①福音の力は、神のものである。
②メッセージ以上にメッセンジャーが輝くのは異常である。
(例話)皿と料理の関係、額縁と絵の関係、宝石箱と宝石の関係
2.8~9節
2Co 4:8
私たちは四方八方から苦しめられますが、窮することはありません。途方に暮れますが、行き詰まることはありません。
2Co 4:9
迫害されますが、見捨てられることはありません。倒されますが、滅びません。
(1)「私たちは四方八方から苦しめられますが、窮することはありません」
①福音の敵が多くいて、妨害してくる。
②しかし、福音を語れなくなるということはない。
(2)「途方に暮れますが、行き詰まることはありません」
①不可能と思われるような状況に置かれても、道は開かれる。
(3)「迫害されますが、見捨てられることはありません」
①福音の敵からの攻撃にさらされるが、神から見放されることはない。
(4)「倒されますが、滅びません」
①肉体的に傷を負っても、福音伝達のために立ち上がることができる。
3.10節
2Co 4:10
私たちは、いつもイエスの死を身に帯びています。それはまた、イエスのいのちが私たちの身に現れるためです。
(1)福音の使者は、イエスの足跡をたどる。
①彼らは、日々死ぬような体験をする。
②その彼らの身に、イエスのいのちが現れる。
③イエスのいのちとは、復活し、天に昇ったイエスのいのちである。
4.11節
2Co 4:11
私たち生きている者は、イエスのために絶えず死に渡されています。それはまた、イエスのいのちが私たちの死ぬべき肉体において現れるためです。
(1)福音の使者が苦難に遭うのは、神が採用される普通の方法である。
①人間的には、苦難は歓迎できない。
②しかし神は、苦難に遭うしもべたちを通して、イエスのいのちを可視化される。
5.12節
2Co 4:12
こうして、死は私たちのうちに働き、いのちはあなたがたのうちに働いているのです。
(1)これまで述べたことの要約
①パウロのコリント宣教には、死ぬような苦しみが伴った。
②その結果、コリントの信者たちは福音を聞き、信じて救われた。
③パウロの苦難が、コリントの信者たちにいのちをもたらした。
6.13~14節
2Co 4:13
「私は信じています。それゆえに語ります」と書かれているとおり、それと同じ信仰の霊を持っている私たちも、信じているゆえに語ります。
2Co 4:14
主イエスをよみがえらせた方が、私たちをもイエスとともによみがえらせ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださることを知っているからです。
(1)パウロは、詩篇116篇10節を引用する。
①苦難の中でも語り続けるのは、信仰を持っているからである。
(2)信仰の内容
①主イエスをよみがえらせた方が、信者をよみがえらせてくださる。
②パウロとコリントの信者たちは復活し、ともに御前に立つようになる。
7.15節
2Co 4:15
すべてのことは、あなたがたのためであり、恵みがますます多くの人々に及んで感謝が満ちあふれ、神の栄光が現れるようになるためなのです。
(1)パウロが宣教を止めない理由は、神の栄光にある。
①パウロの苦難は、コリントの信者たちに祝福をもたらす。
②より多くの人が救われると、彼らの間に感謝が満ちあふれるようになる。
③感謝が満ちあふれると、神の栄光が現われる。
Ⅱ.外なる人と内なる人の対比(4:16~18)
1.16節
2Co 4:16
ですから、私たちは落胆しません。たとえ私たちの外なる人は衰えても、内なる人は日々新たにされています。
(1)落胆しない理由
①復活信仰により、よみがえりの希望を持っている。
(2)福音の使者が体験するパラドックス
①外なる人(肉体)は衰えていく。
②内なる人(魂)は日々新たにされている。
2.17節
2Co 4:17
私たちの一時の軽い苦難は、それとは比べものにならないほど重い永遠の栄光を、私たちにもたらすのです。
(1)麗しい対比がここにある。
①地上の苦難は、「一時の軽い苦難」である。
*パウロの苦難は、軽い苦難ではなかった。
*しかし、ある対比を前提にすれば、その意味が分かる。
②復活のいのちは、「重い永遠の栄光」である。
*それは、地上の苦難とは比べものにならないものである。
3.18節
2Co 4:18
私たちは見えるものにではなく、見えないものに目を留めます。見えるものは一時的であり、見えないものは永遠に続くからです。
(1)さらに対比が続く。
①「見えるもの」とは、パウロが経験している苦難である。
*それらのものは一時的であり、目を留めるべきものではない。
②「見えないもの」とは、将来与えられる祝福である。
*キリストの栄光、他の信者たちの祝福、御座の裁きで受ける報奨など
Ⅲ.地上の住まいと永遠の住まいの対比(5:1~10)
1.1節
2Co 5:1
たとえ私たちの地上の住まいである幕屋が壊れても、私たちには天に、神が下さる建物、人の手によらない永遠の住まいがあることを、私たちは知っています。
(1)聖書が教える死生観
①私たちの肉体は、地上生涯に適したものである。
*肉体は、「地上の住まいである幕屋(天幕)」である。
*天幕は、旅人のための住まいである。
*天幕が壊れるとは、肉体的に死ぬことである。
②死後、天での生活に適した「永遠の住まい」が与えられる。
*「人の手によらない」とは、被造世界の一部ではないという意味である。
2.2~3節
2Co 5:2
私たちはこの幕屋にあってうめき、天から与えられる住まいを着たいと切望しています。
2Co 5:3 その幕屋を脱いだとしても、私たちは裸の状態でいることはありません。
(1)私たちのうめき
①制約の多い天幕を脱ぎ、天から与えられる住まいを着ることを切望している。
(2)信者が死ぬとどうなるか。
①肉体は葬られ、朽ちていく。
②魂は神のもとに行き、神の臨在を喜ぶ生活に入る。
③携挙の時に、復活のからだが与えられる。
3.4節
2Co 5:4
確かにこの幕屋のうちにいる間、私たちは重荷を負ってうめいています。それは、この幕屋を脱ぎたいからではありません。死ぬはずのものが、いのちによって呑み込まれるために、天からの住まいを上に着たいからです。
(1)地上の肉体を持っている間、私たちはうめいている。
①死にたいからではなく、復活のいのちを得たいからである。
②天からの住まいを着るとは、死ぬべき肉体がいのちによって吞み込まれること。
4.5節
2Co 5:5
そうなるのにふさわしく私たちを整えてくださったのは、神です。神はその保証として御霊を下さいました。
(1)神が私たちのために立てた計画のゴールは、天からの住まいを上に着ること。
①そのことの保証となるのは、御霊である。
②信者には、内住の御霊が与えられている。
5.6~8節
2Co 5:6
ですから、私たちはいつも心強いのです。ただし、肉体を住まいとしている間は、私たちは主から離れているということも知っています。
2Co 5:7 私たちは見えるものによらず、信仰によって歩んでいます。
2Co 5:8
私たちは心強いのですが、むしろ肉体を離れて、主のみもとに住むほうがよいと思っています。
(1)肉体を離れて、主のみもとに住むほうがよい。
①しかし、肉体を住まいとする生活に意味があるなら、それに甘んじる。
②その生活は、信仰による歩みである。
③見えるものによらず、神のことばを信じて歩んでいるからである。
6.9~10節
2Co 5:9
そういうわけで、肉体を住まいとしていても、肉体を離れていても、私たちが心から願うのは、主に喜ばれることです。
2Co 5:10
私たちはみな、善であれ悪であれ、それぞれ肉体においてした行いに応じて報いを受けるために、キリストのさばきの座の前に現れなければならないのです。
(1)パウロの願いは、主に喜ばれることである。
①地上生涯を送っていても、キリストの御座の裁きの前に立たされたときも
*救いは、恵みと信仰による。
*報奨は、信者として行った奉仕による。
結論:
1.ギデオンの体験(士7:19~21)
Jdg 7:19
真夜中の夜番が始まるとき、ギデオンと、彼と一緒にいた百人の者が陣営の端に着いた。ちょうどそのとき、番兵が交代したばかりであったので、彼らは角笛を吹き鳴らし、その手に持っていた壺を打ち壊した。
Jdg 7:20
三隊の者が角笛を吹き鳴らして、壺を打ち砕き、左手にたいまつを、右手に吹き鳴らす角笛を固く握って「【主】のため、ギデオンのための剣」と叫んだ。
Jdg 7:21
彼らはそれぞれ持ち場に立ち、陣営を取り囲んだので、陣営の者はみな走り出し、大声をあげて逃げた。
(1)パウロの頭にあったのは、この記事である。
(2)300人のギデオンの兵士たちは、たいまつを入れた壺を打ち砕いた。
(3)壺が打ち砕かれて初めて、たいまつが輝き出る。
2.苦難の意味
(1)苦難は、土の器(主のしもべ)を砕くための神の方法である。
(2)苦難がないほうが、より奉仕ができると考えるのは、人間の思いである。
(3)神の知恵は、正反対のことを教えている。
①病、悲しみ、苦難、迫害、抑圧など
②土の器が砕かれたとき、福音の光が輝き出る。
3.苦難を乗り越える希望
(1)地上の天幕を着た生活(グッド)
①信者として主に仕える生活
(2)地上の幕屋を脱いだ生活(ベター)
①肉体は葬られ、朽ちていく。
②魂は神のもとに行き、神の臨在を喜ぶ生活に入る。
(3)永遠の住まいを着る生活(ベスト)
①携挙の時に、復活のからだが与えられる。
②キリストから報奨が与えられる。
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