ヨハネの福音書(13)父の証言ヨハ5:30~47

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このメッセージでは...

4種類の証人について学ぶ。

ヨハネの福音書(13)

父の証言

ヨハ5:30~47

1.文脈の確認

(1)前書き(1:1~18)

(2)イエスの公生涯(1:19~12:50)

  ①公生涯への序曲(1:19~51)

  ②初期ガリラヤ伝道(2:1~12)

  ③最初のエルサレム訪問(2:13~3:36)

  ④サマリア伝道(4:1~42)

  ⑤ガリラヤ伝道の再開(4:43~54)

  ⑥2度目のエルサレム訪問(5:1~47)

2.注目すべき点

(1)1~4章と5~10章は、記述のスタイルが変わる。

(2)2度目のエルサレム訪問

  ①第3のしるし(5:1~9)

  ②パリサイ人たちの敵意(5:10~18)

  ③父と子は同等(5:19~29)

  ④父の証言(5:30~47)

(3)「父の証言」の箇所は、法廷での陳述に似ている。

3.アウトライン:父の証言

(1)はじめに(30~32節)

(2)4種類の証人(33~47節)

  ①バプテスマのヨハネ(33~35節)

  ②イエスのわざ(36節)

  ③父なる神(37~38節)

  ④旧約聖書(39~47節)

4.結論:法廷での陳述

(1)イエスの主張

(2)4種類の証人

4 種類の証人について学ぶ。

Ⅰ.はじめに(30~32節)

1.30節

Joh 5:30

わたしは、自分からは何も行うことができません。ただ聞いたとおりにさばきます。そして、わたしのさばきは正しいのです。わたしは自分の意志ではなく、わたしを遣わされた方のみこころを求めるからです。

(1)イエスは、自分からは何も行うことができない。

  ①これは、イエスが人間に過ぎないことを教えていると主張する人がいる。

  ②むしろ、イエスが神であることの証明になっている。

  ③人間は、神の御心とは無関係に動く。

  ④イエスは、神の御心を行うことだけを行動の動機としている。

  ⑤父と子の関係は、愛に基づく調和である。

(2)イエスが自分から何も行うことができない理由

  ①これは、肉体的に不可能だということではない。

  ②これは、道徳的に不可能だということである。

  ③「わたしのさばきは正しい」とは、行動するかどうかの判断である。

  ④イエスは、これまで地上で生きたどんな人物とも異なる。

2.31~32節

Joh 5:31

もしわたし自身について証しをするのがわたしだけなら、わたしの証言は真実ではありません。

Joh 5:32

わたしについては、ほかにも証しをする方がおられます。そして、その方がわたしについて証しする証言が真実であることを、わたしは知っています。

(1)申19:15

Deu 19:15
いかなる咎でも、いかなる罪でも、すべて人が犯した罪過は、一人の証人によって立証されてはならない。二人の証人の証言、または三人の証人の証言によって、そのことは立証されなければならない。

  ①「わたしの証言は真実ではありません」

  ②自分の証言だけでは、真実の証明にはならない。

  ③そこでイエスは、別の証人を挙げる。

  ④ここでは、4種類の証人が挙げられる。

  ⑤「ほかにも証しをする方がおられます」とは、父なる神のことである。

    *イエスの判断と行いは、父なる神と完全に一致している。

  ⑥ユダヤ人たちは、イエスのこの認識を受け入れない。

  ⑦そこでイエスは、4種類の証人を挙げる。

Ⅱ.4種類の証人(33~47節)

1.バプテスマのヨハネ(33~35節)

(1)33節

Joh 5:33

あなたがたはヨハネのところに人を遣わしました。そして彼は真理について証ししました。

  ①ユダヤ人の指導者たちは、ヨハネのところに人を遣わした(1:19~28)。

  ②しかしヨハネは、人々の関心を自分に向けさせることはしなかった。

  ③彼は、真理について証しした(1:7)。

  ④真理とは、神の子イエスである。

(2)34節

Joh 5:34

わたしは人からの証しを受けませんが、あなたがたが救われるために、これらのことを言うのです。

  ①人の証しだけでは、イエスが神の子であることの証明にはならない。

  ②バプテスマのヨハネは、神から遣わされた使者である。

  ③彼は、イエスがメシアであり、神の子羊であることを証言した(1:29~34)。

  ④イエスがパリサイ人たちと対話するのは、彼らが救われるためである。

    *イエスを約束のメシアと信じるなら、救われる。

    *イエスは、敵対者さえも愛しておられる。

    *しかし彼らは、あらゆる手段でイエスを殺そうとするようになる。

(3)35節

Joh 5:35

ヨハネは燃えて輝くともしびであり、あなたがたはしばらくの間、その光の中で大いに喜ぼうとしました。

  ①イエスはヨハネのことを「燃えて輝くともしび」と評価された。

  ②ヨハネは、自らの命を燃やすことによって、人々に光をもたらした。

  ③民衆は、ヨハネを宗教的指導者として受け入れた。

  ④しかし、その状況は長続きしなかった。

  ⑤彼らは、先駆者は受け入れたが、メシアは拒否した。

  ⑥真の悔い改め(意識の変更)がなかったからである。

  ⑦ヨハネが死んで以降は、その教えに従わなかった。

2.イエスのわざ(36節)

Joh 5:36

しかし、わたしにはヨハネの証しよりもすぐれた証しがあります。わたしが成し遂げるようにと父が与えてくださったわざが、すなわち、わたしが行っているわざそのものが、わたしについて、父がわたしを遣わされたことを証ししているのです。

(1)イエスが行っているわざが、ヨハネの証しよりもすぐれた証しである。

  ①イエスが行っているわざは、父が与えてくださったものである。

  ②イエスの内には力が宿っている。

  ③イエスはその力を使徒たちに付与することができた。

  ④イエスのわざは、質、多様性、数において、比類なきものである。

  ⑤それらが、イエスが神から派遣されたメシアであることを証ししている。

3.父なる神(37~38節)

Joh 5:37

また、わたしを遣わされた父ご自身が、わたしについて証しをしてくださいました。あなたがたは、まだ一度もその御声を聞いたことも、御姿を見たこともありません。

Joh 5:38

また、そのみことばを自分たちのうちにとどめてもいません。父が遣わされた者を信じないからです。

(1)父は、イエスについて証しをされた。

  ①イエスが洗礼を受けた場面では、父なる神の声が聞こえた(1:32~34)。

  ②これ以外にも、父なる神は2度証言された。

    *変貌山にて(マタ17:5)

    *ギリシア人が面会を求めたときに(12:28)

(2)不信仰なユダヤ人たちは、その御声を聞いたことも、御姿を見たこともない。

  ①神は、旧約聖書を通して彼らに語っておられた。

    *みことばを自分のうちにとどめていない者には、神の声は聞こえない。

  ②神は霊であるが、受肉したメシアによって御姿が現れた。

    *父が遣わした者を信じないので、その姿が見えない。

4.旧約聖書(39~47節)

(1)39~40節

Joh 5:39

あなたがたは、聖書の中に永遠のいのちがあると思って、聖書を調べています。その聖書は、わたしについて証ししているものです。

Joh 5:40

それなのに、あなたがたは、いのちを得るためにわたしのもとに来ようとはしません。

  ①「聖書の中に永遠のいのちがあると思って、聖書をしらべています」

    *彼らは、聖書の学びによって永遠のいのちが得られると考えていた。

    *つまり、わざによって永遠のいのちが得られると考えていたのである。

  ②旧約聖書は、主にイエスについて証言している。

    *旧約聖書を学びながら、かくも盲目になっているのは悲劇である。

  ③彼らは、いのちを得るためにイエスのもとに来ようとはしない。

    *イエスの教えを理解できないからではない。

    *罪の生活を放棄したくないからである。

(2)41~42節

Joh 5:41 わたしは人からの栄誉は受けません。

Joh 5:42

しかし、わたしは知っています。あなたがたのうちに神への愛がないことを。

  ①イエスは、人からの栄誉を求めていない。

    *イエスが求めているのは、父なる神からの栄誉である。

  ②ユダヤ人たちがイエスを信じない理由は、神への愛がないからである。

    *神を愛しているなら、神が派遣したイエスを信じるはずである。

    (3)43節

Joh 5:43わたしは、わたしの父の名によって来たのに、あなたがたはわたしを受け入れません。もしほかの人がその人自身の名で来れば、あなたがたはその人を受け入れます。

  ①イエスは、父の名によって来た。

    *イエスは、父の代理人である。

    *イエスは、父の栄光を表す。

    *ユダヤ人たちは、そのイエスを受け入れない。

  ②ほかの人物の登場が預言される。

    *彼は、自分自身の名で来る。

    *ユダヤ人たちは、その人物を受け入れる。

    *偽教師たち、偽キリストたちが多く出た。

    *究極的には、反キリストのことである。

  ③2テサ2:8~10

2Th 2:8 時が来れば、いよいよこの反キリストが現れることになりますが、主イエスが来られ、御口の息と輝きによって、彼を滅ぼしてしまわれます。

2Th 2:9
この反キリストは悪魔の手先であり、悪魔のあらゆる力を与えられてやって来ます。不思議なわざを見せては人々をだまし、力ある奇跡を行う者であるかのように見せかけるのです。

2Th 2:10
こうして、真理を拒んで滅びへの道を走る者たちを、すっかりとりこにします。その人たちは、真理を信じることも愛することもせず、救われようなどとは考えもしませんでした。

(4)44節

Joh 5:44

互いの間では栄誉を受けても、唯一の神からの栄誉を求めないあなたがたが、どうして信じることができるでしょうか。

  ①パリサイ人たちは、人間からの栄誉を求めていた。

  ②彼らは、ユダヤ教を離れることから来る迫害を恐れていた。

  ③彼らは、唯一の神からの栄誉を求めなかった。

  ④神からの栄誉よりも人間からの栄誉を求める者は、救われない。

(5)45~46節

Joh 5:45

わたしが、父の前にあなたがたを訴えると思ってはなりません。あなたがたを訴えるのは、あなたがたが望みを置いているモーセです。

Joh 5:46

もしも、あなたがたがモーセを信じているのなら、わたしを信じたはずです。モーセが書いたのはわたしのことなのですから。

(1)彼らを父なる神の前に訴える必要はない。

  ①モーセの律法(五書)が彼らを訴えるからである。

  ②彼らは、モーセの律法が与えられていることを誇りとしていた。

  ③しかし彼らは、モーセの律法に従わなかった。

(2)イエスは、モーセの律法の権威を認めた。

  ①モーセが書いたことを信じているなら、イエスを信じたはずである。

  ②モーセの律法は、メシアの到来を預言している。

  ③メシアが到来したなら、その方に聞き従わなければならない。

    *申18:15、18:18

(6)47節

Joh 5:47

しかし、モーセが書いたものをあなたがたが信じていないのなら、どうしてわたしのことばを信じるでしょうか。」

  ①モーセの律法を信じない者は、イエスのことばを信じない。

  ②今も同じことが起こっている。

    *モーセの五書の霊感を疑う人が多くいる。

    *やがて彼らは、イエスのことばも疑うようになる。

結論:法廷での陳述

1.イエスの主張

(1)神をご自分の父と呼ばれた(18節)。

(2)永遠のいのちを与えることができると言われた(24節)。

(3)自分のうちにいのちを持っていると言われた(26節)。

(4)さばきを行う権威を持っていると言われた(27節)。

2.4種類の証人

(1)バプテスマのヨハネ(33~35節)

  ①バプテスマのヨハネは、神から遣わされた使者である。

  ②彼は、イエスが神の子羊であることを証言した(1:29~34)。

  ③彼は、自らのいのちを燃やすことによって、人々に光をもたらした。

  ④ユダヤ人たちは、先駆者は受け入れたが、メシアは拒否した。

(2)イエスのわざ(36節)

  ①イエスのわざは、ヨハネの証しよりもすぐれた証しである。

  ②イエスが行っているわざは、父が与えてくださったものである。

  ③イエスのわざは、質、多様性、数において、比類なきものである。

  ④それらが、イエスが神から派遣されたメシアであることを証ししている。

(3)父なる神(37~38節)

  ①父は、イエスについて証しをされた。

  ②天からの声は、イエスの公生涯において3度聞こえてきた。

  ③不信仰な者たちは、御声を聞いたことも、御姿を見たこともない。

  ④神は霊であるが、受肉したメシアによって御姿が現れた。

(4)旧約聖書(39~47節)

  ①ユダヤ人たちは、聖書の学びによって永遠のいのちを得ようとした。

  ②旧約聖書は、主にイエスについて証言している。

  ③彼らは、いのちを得るためにイエスのもとに来ようとはしない。

  ④ユダヤ人たちがイエスを信じない理由は、神への愛がないからである。

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