コリント人への手紙第一(31)エルサレム教会への献金16:1~12

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エルサレム教会への献金について学ぶ。

コリント人への手紙第一 31回

エルサレム教会への献金

16 :1~12

はじめに

1.文脈の確認

(1)結婚に関する教え(7:1~40)

(2)偶像に献げられた肉(8:1~11:1)

(3)女のかぶり物(11:2~16)

(4)聖餐式(11:17~34)

(5)御霊の賜物(12~14)

(6)死者の復活(15)

(7)エルサレム教会への献金(16:1~12)

2.注目すべき点

(1)パウロは、エルサレム教会への献金を取り上げる必要性を感じていた。

(2)この手紙の中では、最も穏やかな勧めになっている。

(3)このテーマに関して混乱があったことは、2コリで明らかになる。

(4)私たちは、献金に関する教訓を学ぶことができる。

3.アウトライン―エルサレム教会への献金―

(1)献金を集める方法(1~4節)

(2)旅の計画(5~12節)

4.結論:新約聖書が教える献金

エルサレム教会への献金について学ぶ。

Ⅰ.献金を集める方法(1~4節)

1.1節

1Co 16:1

さて、聖徒たちのための献金については、ガラテヤの諸教会に命じたとおりに、あなたがたも行いなさい。

(1)「ペリ デ」(さて、〇〇については)

  ①ここから献金という新しいテーマに入る。

(2)コリントの信者たちは、パウロが献金を集めていることを聞いていた。

  ①ヤコブ、ペテロ、ヨハネは、エルサレムの貧しい人たちを覚えるように勧めた。

  ②ガラ2:9~10

Gal 2:9
そして、私に与えられたこの恵みを認め、柱として重んじられているヤコブとケファとヨハネが、私とバルナバに、交わりのしるしとして右手を差し出しました。それは、私たちが異邦人のところに行き、彼らが割礼を受けている人々のところに行くためでした。

Gal 2:10 ただ、私たちが貧しい人たちのことを心に留めるようにとのことでしたが、そのことなら私も大いに努めてきました。

(3)エルサレム教会が貧しかった理由

  ①大飢饉が襲ってきた。

  ②初代教会の信者たちは、社会的・宗教的制裁を受けていた。

(4)パウロがガラテヤの諸教会に献金を勧めたという記録は残っていない。

  ①パウロは、ガラテヤ地方を通過する際に、諸教会を訪問した。

  ②パウロの旅

    *ピシディアのアンティオキア、イコニオン、リステラ、デルベ

    *そして、エペソ

    *パウロは、エペソに滞在しながらこの手紙を書いている。

2.2節

1Co 16:2

私がそちらに行ってから献金を集めることがないように、あなたがたはそれぞれ、いつも週の初めの日に、収入に応じて、いくらかでも手もとに蓄えておきなさい。

(1)「週の初めの日」

  ①今で言う日曜日である。「主の日」ということばはまだない。

  ②教会誕生直後から、信者たちは週の初めの日に集っていた(復活の記念日)。

  ③この聖句は、日曜礼拝に言及した最初の箇所である。

  ④この日は、安息日ではない。

(2)献金の原則

  ①一時に多額の出費を負担することのないように、少額を毎週、蓄えておく。

  ②週の初めの日に蓄える(個人的に蓄えるか、教会に委ねるかは明確ではない)。

  ③収入に応じて、蓄える(主が祝してくださった量に応じて、献げる)。

  ④額に関する指示はない。

3.3節

1Co 16:3

私がそちらに着いたら、あなたがたの承認を得た人たちに手紙を持たせてエルサレムに派遣し、あなたがたの贈り物を届けさせましょう。

(1)このプロジェクトの透明性を保つ方法

  ①パウロ自身は、献金をエルサレムに届けるつもりはない。

  ②パウロは、推薦状を書く。

  ③各教会から承認を受けた代表たちが、献金と手紙を持ってエルサレムに行く。

  ④多数の人たちの参加によって、信頼性が担保される。

4.4節

1Co 16:4

もし私も行くほうがよければ、その人たちは私と一緒に行くことになるでしょう。

(1)しかし、パウロも行くほうがよければ、代表たちととも行くことになる。

  ①この手紙を書いた後で、パウロはエルサレムに行く決心をする。

  ②ロマ15:25~26

Rom 15:25 しかし今は、聖徒たちに奉仕するために、私はエルサレムに行きます。

Rom 15:26 それは、マケドニアとアカイアの人々が、エルサレムの聖徒たちの中の貧しい人たちのために、喜んで援助をすることにしたからです。

Ⅱ.旅の計画(5~12節)

1.5節

1Co 16:5

私はマケドニアを通って、あなたがたのところへ行きます。マケドニアはただ通過し、

(1)パウロは、近い将来、コリントを訪問しようとしている。

  ①エペソからマケドニアを通過してコリントに向かう。

  ②マケドニアは、コリントの北の地域である。

  ③ピリピ、テサロニケ、べレアの諸教会を短時間の間、訪問する。

  ④これらの諸教会も、エルサレム教会のために献金を集めた。

2.6~7節

1Co 16:6

おそらく、あなたがたのところに滞在するでしょう。冬を越すことになるかもしれません。どこに向かうにしても、あなたがたに送り出してもらうためです。

1Co 16:7

私は今、旅のついでにあなたがたに会うようなことはしたくありません。主がお許しになるなら、あなたがたのところにしばらく滞在したいと願っています。

(1)パウロは、コリントに半年ほど滞在する予定でいる。

  ①冬を越すことになるかもしれない。

  ②冬は海が荒れるので、船旅には向かない。

  ③パウロは、コリント教会の諸問題を解決するために、長期滞在を望んだ。

  ④パウロは、平安のうちに次の訪問地へと送り出してもらうことを願った。

(2)結果的に、最初の予定よりも1年遅くコリントを訪問することになった。

  ①この予定変更は、後に物議をかもすことになる(2コリ1:15~2:1)。

2.8~9節

1Co 16:8 しかし、五旬節まではエペソに滞在します。

1Co 16:9

実り多い働きをもたらす門が私のために広く開かれていますが、反対者も大勢いるからです。

(1)パウロは、五旬節まではエペソに滞在する予定でいる。

  ①五旬節は、5月末から6月初めにやってくる。

  ②五旬節は、モーセの律法の付与を記念するユダヤ人の祭りである。

  ③聖霊降臨と教会誕生の記念日でもある。

  ④ユダヤ人伝道を意識する者が、ユダヤ人の祭りに関心を払うのは当然である。

(2)エペソに滞在する理由が2つある。

  ①実り多い働きをもたらす門が広く開かれている。

  ②反対者も大勢いる。

    *反対があることは、門が閉ざされているしるしとはならない。

3.10~11節

1Co 16:10

テモテがそちらに行ったら、あなたがたのところで心配なく過ごせるようにしてあげてください。彼も私と同じように、主のみわざに励んでいるのです。

1Co 16:11

だれも彼を軽んじてはいけません。彼を平安のうちに送り出して、私のところに来させてください。私は、彼が兄弟たちと一緒に戻るのを待っています。

(1)今パウロは、テモテをコリント教会に派遣しようとしている。

  ①使19:22(エラストも同行した)

Act 19:22 そこで、自分に仕えている者たちのうちの二人、テモテとエラストをマケドニアに遣わし、自分自身はなおしばらくアジアにとどまっていた。

  ②パウロは、テモテが心配なく過ごせるようにしてあげて欲しいと願う。

    *コリント教会での奉仕には、困難が伴う。

    *テモテは、パウロよりも臆病な性質を持っている(1テモ4:12)。

(2)テモテは、パウロと同じように、忠実に主のわざに励んでいる。

  ①年が若いからといって、彼を軽んじてはならない。

(3)最後には、彼を自分のところに送り出してほしい。

  ①平安のうちに

  ②「兄弟たち」が誰かは分からない。

    *献金をエルサレム教会に届ける教会の代表たちであろう。

4.12節

1Co 16:12

兄弟アポロのことですが、兄弟たちと一緒にあなたがたのところに行くように、私は強く勧めました。けれども、彼は今のところ行く意志は全くありません。しかし、良い機会があれば行くでしょう。

(1)「ペリ デ」(6回目)

  ①コリント教会からの手紙にあった最後の質問

(2)コリントの信者たちは、アポロが訪問してくれることを期待した。

  ①パウロは、アポロにそうするように強く勧めた。

  ②しかしアポロは、パウロとともにエペソにとどまることを願った。

  ③パウロは、アポロを同労者として敬った。

(3)アポロは、神の導きを自分で判断した。

  ①パウロには、アポロを意のままに動かす権威はない。

  ②アポロは、今は神の時ではないと判断した。

    *コリント教会にあった分裂が理由か。

  ③彼は、神の時がきたなら、コリントを訪問しようとしている。

結論:新約聖書が教える献金

1.代表的な聖句

(1)2コリ8~9

(2)ロマ15:26~27

(3)ピリ4:10~19

2.パウロは、什一献金に言及していない。

(1)什一献金は、モーセの律法の中に含まれる献金の方法である。

(2)この規定は、モーセの律法の下にあるイスラエル人に与えられたものである。

(3)厳密には、イスラエルの民は収入の3分の1を神に献げた。

(4)しかし、クリスチャンはモーセの律法の下にはいない。

(5)使徒たちは、ユダヤ人信者にも異邦人信者にも、什一献金を命じていない。

(6)アブラハムやヤコブは什一を献げている。

  ①歴史的事実と、それが命じられているかということは、別問題である。

3.新約時代の聖徒が実行すべき献金

(1)額に関する強制はない。

(2)一時に多額の出費をすることがないように、少額を毎週、蓄えておく。

(3)週の初めの日に蓄える習慣を作る。

(4)収入に応じて蓄える。

  ①主が祝してくださった量に応じて献げる。

  ②喜んで献げる。

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