私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
コリント人への手紙第一(30)復活(4)―奥義―15:50~58
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復活に関する奥義について学ぶ。
コリント人への手紙第一 30回
復活(4)
―奥義―
15 :50~58
はじめに
1.文脈の確認
(1)結婚に関する教え(7:1~40)
(2)偶像に献げられた肉(8:1~11:1)
(3)女のかぶり物(11:2~16)
(4)聖餐式(11:17~34)
(5)御霊の賜物(12~14)
(6)死者の復活(15)
①キリストの復活(1~11節)
②死者の復活(12~34節)
③からだの復活(35~49節)
④奥義(50~58節)
2.注目すべき点
(1)復活に関する質問は、コリント教会からの手紙にはなかった。
(2)しかしパウロは、このテーマを取り上げる必要性を感じていた。
(3)パウロがいなくなった後に、偽教師が侵入して来た。
(4)コリントの信者たちは、ギリシア哲学の影響を受けていた。
①死後のいのちは信じるが、肉体の復活は信じないと言う者たちがいた。
②パウロの使徒としての権威を疑問視する者たちもいた。
(5)そこでパウロは、復活がキリスト教信仰の土台であることを教える。
3.アウトライン―奥義―
(1)新しいテーマの紹介(50節)
(2)奥義の啓示(51~57節)
(3)奥義の適用(58節)
4.結論:4つの復活
復活に関する奥義について学ぶ。
Ⅰ.新しいテーマの紹介(50節)
1.50節
1Co 15:50
兄弟たち、私はこのことを言っておきます。血肉のからだは神の国を相続できません。朽ちるものは、朽ちないものを相続できません。
(1)「兄弟たち、私はこのことを言っておきます」
①ここから新しいテーマに入る。
②パウロは、読者の注意を喚起している。
③新しいテーマとは、生きている人の造り変え(transformation)である。
(2)からだの造り変えが必要な理由
①血肉のからだは、地上で生きるために適したからだである。
*そのからだは、神の国(永遠の御国)で生きるために適していない。
②朽ちるもの(血肉のからだ)は、朽ちないもの(神の国)を相続できない。
③では、生きている人は、どうすれば神の国で生きるようになるのか。
*パウロは、この問いに奥義をもって答える。
Ⅱ.奥義の啓示(51~57節)
1.51~52節
1Co 15:51
聞きなさい。私はあなたがたに奥義を告げましょう。私たちはみな眠るわけではありませんが、みな変えられます。
1Co 15:52
終わりのラッパとともに、たちまち、一瞬のうちに変えられます。ラッパが鳴ると、死者は朽ちないものによみがえり、私たちは変えられるのです。
(1)奥義とは
①かつては隠されていた真理
②使徒たちに啓示された真理
③使徒たちを通して私たちに知らされた真理
(2)ここでの奥義とは、生きている信者の造り変えである。
①全員が眠る(死ぬ)わけではない。
②死んだ信者は、復活する。
③復活は、旧約聖書に預言されていたので、奥義ではない。
④生きている信者の造り変えが奥義である。
⑤最終的には、死んだ信者も生きている信者も、みな変えられる。
(3)造り替えが起こるタイミングは、携挙である。
①「終わりのラッパとともに」
*患難期後携挙説は、これを黙示録の第7のラッパと解釈する。
*しかし、コリントの信者たちは第7のラッパを知らない。
*1テサ4:16
1Th 4:16
すなわち、号令と御使いのかしらの声と神のラッパの響きとともに、主ご自身が天から下って来られます。そしてまず、キリストにある死者がよみがえり、
②「たちまち、一瞬のうちに変えられます」
*人間には想像もできないような奇跡が起こる。
③「死者は朽ちないものによみがえり、私たちは変えられるのです」
*すでに死んでいる信者は、栄光のからだに復活する。
*生きている信者は、変えられる。
2.53節
1Co 15:53
この朽ちるべきものが、朽ちないものを必ず着ることになり、この死ぬべきものが、死なないものを必ず着ることになるからです。
(1)前半は、死んだ信者への言及である。
①「この朽ちるべきもの」とは、からだが地のちりに戻った者たちのことである。
②彼らは、復活によって朽ちないからだを得るようになる。
(2)後半は、生きている信者への言及である。
①「この死ぬべきもの」とは、今は生きているがやがて死ぬ者である。
②彼らは、死を経ずして栄光のからだに変えられる。
3.54~55節
1Co 15:54
そして、この朽ちるべきものが朽ちないものを着て、この死ぬべきものが死なないものを着るとき、このように記されたみことばが実現します。/「死は勝利に呑み込まれた。」
1Co 15:55
「死よ、おまえの勝利はどこにあるのか。/死よ、おまえのとげはどこにあるのか。」
(1)死者の復活と生きている者の作り変えによって、預言が成就する。
①「死は勝利に吞み込まれた」
②イザ25:8
Isa 25:8
永久に死を呑み込まれる。/【神】である主は、すべての顔から涙をぬぐい取り、/全地の上からご自分の民の恥辱を取り除かれる。/【主】がそう語られたのだ。
(2)「死よ、おまえの勝利はどこにあるのか。死よ、おまえのとげはどこに……」
①パウロは、ホセ13:14に若干の変更を加えて引用する。
Hos 13:14
わたしはよみの力から彼らを贖い出し、/死から彼らを贖う。/死よ、おまえのとげはどこにあるのか。/よみよ、おまえの針はどこにあるのか。/あわれみはわたしの目から隠されている。
②この歌は、空中で主と会う信者たちが歌うものである。
③死が擬人法で表現されている。
④信者たちは、あれほど恐れた死を嘲るようになる。
4.56~57節
1Co 15:56 死のとげは罪であり、罪の力は律法です。
1Co 15:57
しかし、神に感謝します。神は、私たちの主イエス・キリストによって、私たちに勝利を与えてくださいました。
(1)この部分は、本来の文脈から離れた議論である。
①死をもたらすとげは、罪である。
*罪が人に死をもたらしたということである。
②人に罪を意識させるのは、律法である。
*律法が人を罪に定めるということである。
(2)「しかし、神に感謝します」
①最後のアダムは、律法の要求をすべて満たしてくださった。
②最後のアダムは、贖罪の死を遂げてくださった。
③私たちは、主イエス・キリストにあって勝利を与えられた。
Ⅲ.奥義の適用(58節)
1.58節
1Co 15:58
ですから、私の愛する兄弟たち。堅く立って、動かされることなく、いつも主のわざに励みなさい。あなたがたは、自分たちの労苦が主にあって無駄でないことを知っているのですから。
(1)「ですから」
①キリストの復活は事実である。
②死者の復活は確実に起こる。
③キリストを信じる者は、滅びから救われている。
④復活という真理は、私たちの生き方を変える。
(2)適用
①堅く立って、動かされることなく、いつも主のわざに励む。
*堅く立つとは、福音の真理に立つことである。
②自分たちの労苦が無駄でないことを知っている。
*主にあって
③終末論は、常に現在の生活への適用を持っている。
*終末論を学ぶ理由は、今という時をより忠実に生きるためである。
結論:4つの復活
1.イエスの復活
(1)イエスは、十字架上で死に、3日目に復活された。
(2)復活のからだは、栄光のからだであった。
(3)弟子たちは、イエスの復活を命懸けで証言した。
(4)イエスの復活は、初穂としての復活であった。
(5)それ以前の復活は、すべて蘇生であった。
2.教会時代の聖徒たちの復活
(1)教会時代の聖徒たちの復活は、携挙の時に起こる。
(2)復活した者たちは、キリストの御座の裁きで、報奨のための裁きを受ける。
(3)その裁きに基づいて、千年王国での責務が決まる。
3 .旧約時代の聖徒たちと患難期の聖徒たちの復活
(1)彼らの復活は、キリストの再臨の後で起こる。
(2)患難期と千年王国の間の75日の間に起こる。
(3)彼らも報奨のための裁きを受けるが、その裁きの名称は不明である。
(4)その裁きに基づいて、千年王国での責務が決まる。
4.罪人の復活
(1)第1の復活と第2の復活には、千年間の隔たりがある。
(2)千年王国が終わると、第2の復活が起こる。
(3)あらゆる時代の罪人たちが復活する。
(4)彼らは、白い御座の裁きで裁かれ、火の池に投げ込まれる(黙20:15)。
(5)これが第2の死である。
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