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コリント人への手紙第一(22)御霊の賜物(2)―一致と多様性(1)―12:4~14
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御霊の賜物の多様性について学ぶ。
コリント人への手紙第一 22回
御霊の賜物(2)
―一致と多様性(1)―
12 :4~14
はじめに
1.文脈の確認
(1) 結婚に関する教え(7:1~40)
(2)偶像に献げられた肉(8:1~11:1)
(3)女のかぶり物(11:2~16)
(4)聖餐式(11:17~34)
(5)御霊の賜物(12~14)
①御霊による信仰告白(12:1~3)
②一致と多様性(12:4~31)
③愛の優位性(13:1~13)
④異言よりも預言(14:1~25)
⑤正しい賜物の行使(14:26~40)
2.注目すべき点
(1)コリント教会の礼拝に混乱をもたらした3つの要因
①女のかぶり物、②聖餐式、③御霊の賜物
(2)御霊の賜物が最も深刻な問題である。
①パウロは、14章で異言の問題を取り上げる。
②その前に、御霊の賜物全般について解説する。
(3)12~14章の内容(A-B-Aというパターンが見られる)
①12章―総論的な説明
②13章―神学的な挿入句
③14章―問題の是正
3.アウトライン(一致と多様性)
(1)一つの御霊と多様な賜物(4~11節)
(2)一つのからだと多様な部分(12~14節)
(3)たとえの適用(15~26節)
(4)多様性の再確認(27~31節)
4.結論:聖霊のバプテスマについて
御霊の賜物の多様性について学ぶ。
Ⅰ.一つの御霊と多様な賜物(4~11節)
1.4~7節
1Co 12:4 さて、賜物はいろいろありますが、与える方は同じ御霊です。
1Co 12:5 奉仕はいろいろありますが、仕える相手は同じ主です。
1Co 12:6
働きはいろいろありますが、同じ神がすべての人の中で、すべての働きをなさいます。
1Co 12:7 皆の益となるために、一人ひとりに御霊の現れが与えられているのです。
(1)三位一体の神の中に一致が存在する。
①同じ御霊が多様な賜物を与える。
②主(メシア)が御霊の賜物に従ってその人をいろいろな職責に任命する。
③父なる神が、賜物の行使を可能にする。
(2)三位一体の神は、多様性と一致のモデルである。
①御霊の賜物に関しても、多様性と一致が存在する。
(3)御霊の賜物は、ギリシア語で「カリスマ」である。
①恵み
②恵みによる賜物
③恵みであるがゆえに、人間の努力によって得られるものではない。
④御霊の賜物は、奉仕のために神から与えられた能力である。
⑤御霊の賜物は、その人の霊性の指標となるものではない。
(4)コリントの信者たちは、異言を重視していた。
①一致とは、同じ賜物を持つことからくるのではない。
②一致とは、同じ御霊を持つことからくるのである。
(5)教会の中には、多様な奉仕があり、各人が異なった奉仕をしている。
①一致とは、同じ主に仕えるということからくる。
②一致とは、同じ神がすべての人の中で働いているということからくる。
③各人には、なんらかの御霊の賜物が与えられている。
④その賜物は、自分を誇示するためではなく、全体の益になるためのものである。
⑤自然な流れで、御霊の賜物がリストアップされる。
2.8~10節
1Co 12:8
ある人には御霊を通して知恵のことばが、ある人には同じ御霊によって知識のことばが与えられています。
1Co 12:9
ある人には同じ御霊によって信仰、ある人には同一の御霊によって癒やしの賜物、
1Co 12:10
ある人には奇跡を行う力、ある人には預言、ある人には霊を見分ける力、ある人には種々の異言、ある人には異言を解き明かす力が与えられています。
(1)知恵のことば
①学んだ霊的真理を、具体的状況に適用する能力である。
(2)知識のことば
①霊的な知識に関する賜物である。
②みことばを理解し、それを体系化する(関連付ける)賜物である。
③賜物は複合的なものである(知識のことばと教える賜物)。
(3)信仰
①救いに必要な信仰は、すべての信者が持っている。
②ここでの信仰とは、いかなる場合でも疑いなく神を信頼することである。
③信仰の偉人たちは、この賜物を持っていた。
(4)癒やしの賜物
①「癒し」(複数形)の「賜物」(複数形)
②この賜物は、与えられたり、取り去られたりする。
③癒やしを受ける側の信仰は問題にならない。
*使3:1~8、9:32~34、36~42、20:9~12、28:8
(5)奇跡を行う力
①「奇跡」(複数形)を行う「力」(複数形)
②癒やしの賜物と同じように、永続性はない。
(6)霊を見分ける力
①一般的に信者はみことばに照らし合わせて、霊を吟味する必要がある。
②この賜物は、教え(問題)の源が悪霊的なものかどうかをただちに見分ける。
(7)異言
①学んだことのない言語を話す能力である。
②話している本人には意味が分からないが、それでもそれは実在の言語である。
③使2章では、この賜物を受けた者たちは、他国の言葉で福音を語り出した。
④離散の地から来たユダヤ人たちは、自分たちの国言葉で福音を聞いた。
(8)異言を解き明かす力
①使2章では、この賜物は必要なかった。
②単一言語の会衆の中では、この賜物が、異言の賜物を行使する条件となる。
3.11節
1Co 12:11同じ一つの御霊がこれらすべてのことをなさるのであり、御霊は、みこころのままに、一人ひとりそれぞれに賜物を分け与えてくださるのです。
(1)誤解からの解放
①同じ一つの御霊が、多様な賜物を分け与えてくださる。
②御霊は、それぞれの信者に、なんらかの賜物を分け与えてくださる。
③信者は、自分に与えられている賜物を誇ることができない。
④信者は、他者に与えられている賜物を妬むことができない。
Ⅱ.一つのからだと多様な部分(12~14節)
1.12節
1Co 12:12
ちょうど、からだが一つでも、多くの部分があり、からだの部分が多くても、一つのからだであるように、キリストもそれと同様です。
(1)人間のからだとキリストのみからだ(教会)の類似性
①からだは一つであるが、多くの部分がある。
②多くの部分があっても、一つのからだである。
③教会も、それと同じである。
④教会は一つであるが、部分は多くある。
⑤神の愛は、みからだ(教会)を通して、この世に示される。
2.13~14節
1Co 12:13
私たちはみな、ユダヤ人もギリシア人も、奴隷も自由人も、一つの御霊によってバプテスマを受けて、一つのからだとなりました。そして、みな一つの御霊を飲んだのです。
1Co 12:14
実際、からだはただ一つの部分からではなく、多くの部分から成っています。
(1)信者が一つのからだとなる方法
①ユダヤ人もギリシア人も、奴隷も自由人も、同じ方法で一つのからだとなった。
②一つの御霊によってバプテスマを受けた。
*水のバプテスマではない。
③みな一つの御霊を飲んだ。
*聖霊の内住のことである。
(2)からだは、多くの部分がなければ成り立たない。
①みからだもそれと同じで、多くの奉仕がなければ成り立たない。
②同じ御霊の賜物を求めるなら、教会は成り立たない。
結論:聖霊のバプテスマ
1.1コリ12:13
1Co 12:13
私たちはみな、ユダヤ人もギリシア人も、奴隷も自由人も、一つの御霊によってバプテスマを受けて、一つのからだとなりました。そして、みな一つの御霊を飲んだのです。
2.聖霊のバプテスマは、ペンテコステ以降の祝福である。
(1)旧約聖書にはそれへの言及がない。
(2)バプテスマのヨハネは、自分のバプテスマと聖霊のバプテスマを区別した。
(3)キリストは、昇天前に、信者が聖霊のバプテスマを受けることを預言した。
(4)聖霊のバプテスマは、教会の誕生とともに始まった。
3.聖霊のバプテスマということばの意味は、キリストとの一体化である。
(1)聖霊のバプテスマは、キリストを信じた瞬間に起こる。
(2)バプテスマの本来的意味は、一体化である。
(3)聖霊のバプテスマとは、信者がキリストと一体化し、教会に加えられることである。
(4)従って、真のクリスチャンは皆、聖霊のバプテスマを受けている。
(5)信者をキリストと一体化させるのは、聖霊の働きである。
4.歴史上、聖霊のバプテスマのしるしとして異言が与えられることがあった。
(1)ユダヤ人、サマリア人、異邦人、バプテスマのヨハネの弟子たち
(2)これらの出来事は、福音の普遍性を証明するために起こった。
(3)歴史上起こったことを、普遍的教理として教えてはならない。
(4)異言の賜物は、今も一部の人たちに与えられている。
(5)聖霊のバプテスマを受けたときに、異言で語りだすわけではない。
(6)真に救われている人は全員、聖霊の働きによって、キリストと一体化している。
(7)異言の賜物が与えられていない人は、別の賜物を与えられている。
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