メシアの生涯(100)—分派的態度を叱責するイエス—

  • 2014.03.17
  • マルコ9章:38〜50
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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ヨハネの報告を否定されたイエスの教えを通して、神が評価される弟子像について考える。

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「分派的態度を叱責するイエス」

§091 マコ9:38~50、マタ18:6~14、ルカ9:49~50

1.はじめに

  (1)文脈の確認

①弟子訓練が佳境に入っている。

②弟子たちは、誰が一番偉いかという議論を始めた。

  *メシア的王国の成就が近い。

  *彼らの関心事は、御国での序列であった。

③イエスは、サーバント・リーダーシップを教えた。

④きょうの箇所は、その続きである。

  *同じく、プライドの問題が取り扱われる。

  *より具体的には、プライドから出てくる分派意識の問題である。

  (2)A.T.ロバートソンの調和表

「ヨハネの誤った熱意が、適切なたとえ話を用いて叱責を受ける」(§91)

マコ9:38~50、マタ18:6~14、ルカ9:49~50

2.アウトライン

  (1)ヨハネの報告

  (2)イエスの教え

    ①兄弟を受容せよ

    ②つまずきの原因となるな

    ③つまずきの原因を取り除け

    ④生きた供え物となれ

  3.結論:

(1)分派意識について

    (2)ゲヘナについて

ヨハネの報告を否定されたイエスの教えを通して、神が評価される弟子像について考える。

Ⅰ.ヨハネの報告 (38節)

  「ヨハネがイエスに言った。『先生。先生の名を唱えて悪霊を追い出している者を見ました

が、私たちの仲間ではないので、やめさせました』」

1.前回の箇所では、幼子を受け入れるということがテーマになった。

  (1)メシア的王国で評価される人

    ①幼子のような信仰を持った人

    ②幼子を受け入れる人

  (2)ヨハネはその教えを聞いて、反応している。

    ①このような場合は、受け入れるべきではないでしょうという思いがある。

    ②12使徒が経験したことを、ヨハネが代表として語っている。

2.「先生。先生の名を唱えて悪霊を追い出している者を見ましたが、」

     (1)悪霊祓いをするユダヤ人は多くいた。

「ところが、諸国を巡回しているユダヤ人の魔よけ祈祷師の中のある者たちも、ため

しに、悪霊につかれている者に向かって主イエスの御名をとなえ、『パウロの宣べ伝え

ているイエスによって、おまえたちに命じる』と言ってみた。そういうことをしたの

は、ユダヤの祭司長スケワという人の七人の息子たちであった。すると悪霊が答えて、

『自分はイエスを知っているし、パウロもよく知っている。けれどおまえたちは何者

だ』と言った。そして悪霊につかれている人は、彼らに飛びかかり、ふたりの者を押

さえつけて、みなを打ち負かしたので、彼らは裸にされ、傷を負ってその家を逃げ出

した」(使19:13~16)

  ①ユダヤの祭司長スケワの7人の息子たち(単なる宣伝文句であろう)

  ②彼らは、信者ではない。

  ③悪霊は、彼らが信者でないことをよく知っていた。

(2)12弟子が目撃した人は、イエスの御名によって悪霊を追い出していた。

      ①この人は信者である。

      ②イエスの御名を正しく使っている。

  3.「私たちの仲間ではないので、やめさせました」

    (1)12弟子たちから認定を受けていないという理由で、活動の停止を命じた。

    (2)愛の使徒と呼ばれるヨハネも、まだ聖化の途上にある。

      ①外部の者を仲間に加えないという分派意識がある。

      ②霊的権威は、自分たちだけに与えられているという特権意識がある。

    (3)ユダヤ教では、分派的態度は珍しいことではない。

      (例話)過越の祭りの日がいつかという論争で、分派が起こる。

      (例話)無人島に流されたユダヤ人が、シナゴーグを2つ建設する。

Ⅱ.イエスの教え

  1.兄弟を受容せよ(39~41節)

  「しかし、イエスは言われた。『やめさせることはありません。わたしの名を唱えて、力あ

るわざを行いながら、すぐあとで、わたしを悪く言える者はないのです。わたしたちに反

対しない者は、わたしたちの味方です。あなたがたがキリストの弟子だからというので、

あなたがたに水一杯でも飲ませてくれる人は、決して報いを失うことはありません。これ

は確かなことです』」

     (1)イエスはこの人を受け入れた。

      ①イエスの名によって悪霊を追い出しているのは、信仰による業である。

      ②その人は信者である。

      ③信者が、すぐにイエスに反対することはない。

    (2)格言を用いて、この人を受け入れたという事実を補強する。

      ①当時、ローマ世界で広く知られていた格言である。

      ②矛盾するような2つの格言を、どう調和させるか。

  「わたしたちに反対しない者は、わたしたちの味方です」(マコ9:40)

      「わたしの味方でない者はわたしに逆らう者であり、わたしとともに集めない者

は散らす者です」(マタ12:30)

③一見矛盾に見えるが、調和させることは可能である。

  *人は、イエスに関して中立であることはできない。

  *イエスの味方でないなら、イエスに逆らう者である。

  *イエスに反対していないなら、イエスに従う者である。

    (3)悪霊の追い出しから、より日常的で些細なことに論点が移行する。

  「あなたがたがキリストの弟子だからというので、あなたがたに水一杯でも飲ませて

くれる人は、決して報いを失うことはありません。これは確かなことです』」

   ①相手をキリストに属している人だと認めて、水一杯を飲ませる。

  ②これは、師に対するもてなしである。

      ③この人は大変貧しいので、水しか出すことができない。

      ④そのように些細なことでも、神に覚えられている。

      ⑤もてなさなくてもよい事例

      「あなたがたのところに来る人で、この教えを持って来ない者は、家に受け入れ

てはいけません。その人にあいさつのことばをかけてもいけません。そういう人

にあいさつすれば、その悪い行いをともにすることになります」(2ヨハ1:10~

11)

  2.つまずきの原因となるな (42節)

「また、わたしを信じるこの小さい者たちのひとりにでもつまずきを与えるような者は、

むしろ大きい石臼を首にゆわえつけられて、海に投げ込まれたほうがましです」

     (1)「わたしを信じるこの小さい者」

      ①文脈上は、子どものことであろう。

      ②適用としては、霊的幼子と考えてもよい。

    (2)「つまずきを与える」

      ①罪を犯させる。

      ②キリストから遠ざける。

      ③どんな弱い信仰でも、それを育てる方向に導く必要がある。

    (3)「大きい石臼を首にゆわえつけられて」

      ①これは、女が手で回す石臼ではない。

      ②「ロバの石臼」である。

      (例話)カペナウムの遺跡にある石臼

    (4)「海に投げ込まれたほうがましです」

      ①埋葬されない死の恐怖

      ②特に、海の上で死ぬ恐怖(魂は海上を漂うと考えられた)

      ③つまずきを与えると、その結果は、海で死ぬよりも悲惨なものとなる。

  3.つまずきの原因を取り除け (43~48節)

  「もし、あなたの手があなたのつまずきとなるなら、それを切り捨てなさい。片手でいの

ちに入るほうが、両手そろっていてゲヘナの消えぬ火の中に落ち込むよりは、あなたにと

ってよいことです。もし、あなたの足があなたのつまずきとなるなら、それを切り捨てな

さい。片足でいのちに入るほうが、両足そろっていてゲヘナに投げ入れられるよりは、あ

なたにとってよいことです。もし、あなたの目があなたのつまずきを引き起こすのなら、

それをえぐり出しなさい。片目で神の国に入るほうが、両目そろっていてゲヘナに投げ入

れられるよりは、あなたにとってよいことです。そこでは、彼らを食ううじは、尽きるこ

とがなく、火は消えることがありません」

     (1)イエスは、誇張法を用いている。

      ①体の部分の切断を勧めているのではない。

      ②これは、弟子としての決意を迫る教えである。

    (2)手、足、目

      ①手は、行為の象徴であろう。

      ②足は、歩みの象徴であろう。

      ③目は、欲望の象徴である。

      ④他者にとっても、自分にとっても、つまずきとなるものをすべて取り除け。

    (3)どちらかよいかの比較

      ①体が完全でなくても、神の国に入る方がよい。

        *ユダヤ人教師は、死んだ時の状態で復活し、その後完全にされると教えて

いた。

      ②完全な体を持っていても、ゲヘナに投げ込まれたなら、より悲惨である。

    (4)この聖句は、クリスチャンでも救いを失うことがあると教えているのか。

      ①これだけ読むと、そのように思えてくる。

      ②新約聖書全体の教えの中で、理解する必要がある。

      ③本当に救われている人は、救いを失うことはない。

      ④自称クリスチャンは、時間とともにメッキがはがれていく。

  4.生きた供え物となれ (49~50節)

「すべては、火によって、塩けをつけられるのです。塩は、ききめのあるものです。しか

し、もし塩に塩けがなくなったら、何によって塩けを取り戻せましょう。あなたがたは、

自分自身のうちに塩けを保ちなさい。そして、互いに和合して暮らしなさい」

   (1)実に難解な聖句である。

    ①モーセの律法に基づいて理解する必要がある。

    「あなたの穀物のささげ物にはすべて、塩で味をつけなければならない。あなた

の穀物のささげ物にあなたの神の契約の塩を欠かしてはならない。あなたのささ

げ物には、いつでも塩を添えてささげなければならない」(レビ2:13)

    ②クリスチャンは、自分自身を、塩を添えた生ける供え物として捧げる。

    ③この場合の塩とは、患難や迫害である。

    ④クリスチャン生活のイメージを一新する必要がある。

  (2)兄弟たちとの平和は、塩気を保つことで可能になる。

    ①共通の目標:神の国の拡大

    ②共通の体験:患難や迫害

結論

  1.分派意識について

    (1)原因は何か。

      ①不安が原因で、他を支配しようとする(前回の結論)

      ②不安感は、分派の根底にある。

      ③罪責感も、分派の根底にある。

    (2)12弟子たちは、自分たちの仲間でないという理由で、悪霊の追い出しをやめさ

せた。   

①しかも、この人は悪霊の追い出しに成功している。

      ②弟子たちの失敗は、マコ9:14~18に出てきた。

  2. ゲヘナについて

    (1)ギリシア語の「ゲヘナ」は、ヘブル語の「ヒノムの谷」の読み替えである。

    (2)ここは、モレクの神に子どもを捧げた場所である。

    (3)ヨシヤ王の時代に、ここはエルサレムの町から出る、腐って虫の付いたゴミの焼

却場となった(2列23:10)。

(4)ユダヤ人にとっては、虫と消えることのない火は、将来の永遠の裁きを象徴する

光景となった。

(5)新約聖書に12回出てくる。イエスは11回使用している。ヤコ3:6。

(6)罪人の最後は悲惨である。

(7)分派を乗り越える力はどこにあるのか。

  ①キリストにある救いの確信

②最も重要なものを第一にする。

  *神の国の拡大

  *罪人の救い

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