メシアの生涯(91)—徐々に目が開かれる弟子たち—

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このメッセージでは...

一連の動きを通して、霊の目を開いていただく。

「徐々に目が開かれる弟子たち」

§080 マコ8:10~12、マタ15:39~16:4

           §081 マコ8:13~26、マタ16:5~12

1.はじめに

  (1)文脈の確認

    ①イエスは、異邦人の地を巡っておられる。

②カナン人の女は、娘を癒してもらった。

③耳が聞こえず、口のきけない人が癒された。

④4千人のパンの奇跡が起こった。

    (2)§80と81を取り上げる。

      ①一連の動きの中で、何が起こっているかを理解する。

      ②ガリラヤ伝道が終わりに近づいている。

2.アウトライン

  (1)湖の東岸から西岸に戻る(10~12節)。

  (2)舟で再び東岸に向かう(13~21節)。

  (3)東岸に到着する(22~26節)。

  3.結論:

    (1)弟子たちの霊の目

    (2)ユダヤ人たちの霊の目

    (3)私たちの霊の目

一連の動きを通して、霊の目を開いていただく。

Ⅰ.湖の東岸から西岸に戻る(10~12節)。

  1.10節

「そしてすぐに弟子たちとともに舟に乗り、ダルマヌタ地方へ行かれた」

   (1)4千人のパンの奇跡の後

    ①群衆を解散させた。

    ②すぐに弟子たちを舟に乗せ、西岸に向かった。

    ③東岸は異邦人の地、西岸はユダヤ人の地である。

    (2)ダルマヌタ地方

      ①マタ15:39では、「マガダン地方」となっている。

      ②マグダラのマリアの出身地、マグダラのことであろう。

      ③ダルマヌタは、ガリラヤ湖に面した港である。

  2.11~12節

  「パリサイ人たちがやって来て、イエスに議論をしかけ、天からのしるしを求めた。イエ

スをためそうとしたのである。イエスは、心の中で深く嘆息して、こう言われた。『なぜ、

今の時代はしるしを求めるのか。まことに、あなたがたに告げます。今の時代には、しる

しは絶対に与えられません』」

   (1)イエスがユダヤに行かなかったのは、命を狙われていたからである。

    ①ガリラヤでも、ユダヤ人の地区を避けて異邦人の地区を巡回しておられた。

    ②主な目的は、弟子たちを訓練するためである。

    ③その過程では、異邦人を祝福する奇跡も起こった。

  (2)イエスがユダヤ人の地区に戻ると、すぐに攻撃がやって来た。

    ①パリサイ人とサドカイ人がイエスを試した(マタ16:1)。

    ②彼らは、「天からのしるし」を求めた。

    ③これは、癒し以上に劇的な奇跡のことである。

  (3)イエスの回答(マタ16:2~4)

    ①空模様の見分け方を知っていながら、時のしるしを見分けることができない。

      *バプテスマのヨハネの奉仕

      *イエスが行ってきた数々のしるし

      *異邦人が徐々に祝福を受けつつある。

    ②イエスを拒否した指導者たちは、「悪い、姦淫の時代」である。

      *「時代」とは、「世代」のことである。

      *新共同訳は、「よこしまで神に背いた時代の者たち」と訳している。

    ③ヨナのしるし以外は与えられない。

      *三日目の復活

     (4)神の恵みを無駄にしてはならない。

Ⅱ.舟で再び東岸に向かう(13~21節)。

   1.13~14節

  「イエスは彼らを離れて、また舟に乗って向こう岸へ行かれた。弟子たちは、パンを持っ

て来るのを忘れ、舟の中には、パンがただ一つしかなかった」

   (1)イエスは突然そこを去られた。

    ①イエスの憤り、義憤が表現されている。

    ②ユダヤ人の地に戻ったばかりなのに、再度異邦人の地(東岸)に向かった。

  (2)弟子たちにぬかりがあった。

    ①当時のラビは、弟子たちに日常の作業を分担させていた。

    ②旅に必要な食糧を準備するのは、弟子たちの役割である。

    ③ところが、彼らはそれを忘れ、舟の中にはパンが一つしかなかった。

2.15~16節

「そのとき、イエスは彼らに命じて言われた。『パリサイ人のパン種とヘロデのパン種と

に十分気をつけなさい。』そこで弟子たちは、パンを持っていないということで、互いに

議論し始めた」

   (1)「パリサイ人のパン種とヘロデのパン種」

     ①パン種とは、罪の象徴である。

    ②福音書では、特に「偽りの教え」のことである。

    ③パリサイ人のパン種

      *イエスはベルゼブルの力によって奇跡を行っている。

    ④サドカイ人のパン種(マタ16:6)

      *イエスは神殿での礼拝に反対している。

    ⑤ヘロデのパン種

      *ヘロデ党の者たちは親ローマである。

      *ヘロデの家を通したローマの支配を歓迎した。

      *イエスはローマの支配に反抗している。

    ⑥私たちの信仰を破壊するのは、迫害ではなく、偽りの教理である。

    (例話)神学校に行くことの是非

  (2)弟子たちは、互いに議論し始めた。

    ①イエスの警告の中の「パン種」という言葉だけを聞いた。

    ②パンを持って来るのを忘れたという負い目があった。

    ③誰の責任かを論じ合った。

3.17~18a節

「それに気づいてイエスは言われた。『なぜ、パンがないといって議論しているのですか。

まだわからないのですか、悟らないのですか。心が堅く閉じているのですか。目がありな

がら見えないのですか。耳がありながら聞こえないのですか』」

  (1)イエスの5つの質問

    ①なぜ、パンがないといって議論しているのですか。

    ②まだわからないのですか、悟らないのですか。

③心が堅く閉じているのですか。

④目がありながら見えないのですか。

⑤耳がありながら聞こえないのですか。

4.18b~21節

「『あなたがたは、覚えていないのですか。わたしが五千人に五つのパンを裂いて上げた

とき、パン切れを取り集めて、幾つのかごがいっぱいになりましたか。』彼らは答えた。『十

二です。』『四千人に七つのパンを裂いて上げたときは、パン切れを取り集めて幾つのかご

がいっぱいになりましたか。』彼らは答えた。『七つです。』イエスは言われた。『まだ悟ら

ないのですか』」

   (1)記憶を呼び覚ます

    ①5千人のパンの奇跡

      *5つのパンを裂いて上げた。

      *パンの残りは、12のかごいっぱいになった。

    ②4千人のパンの奇跡

      *7つのパンを裂いて上げた。

      *パンの残りは、7つのかごいっぱいになった。

  (2)弟子たちが警告の意味を理解しなかったことが問題なのではない。

①イエスがどのようなお方であるかが見えていないことが問題なのである。

②パンが一つあれば、イエスとともにいる12人には十分な量である。

Ⅲ.東岸に到着する(22~26節)。

  1.22節

「彼らはベツサイダに着いた。すると人々が盲人を連れて来て、彼にさわってくださるよ

う、イエスに願った」

   (1)このベツサイダは、ガリラヤ湖東岸のベツサイダ・ユリアスである。

    ①異邦人の地である。

  (2)人々が盲人を連れて来た。

    ①イエスは、公の場では癒しを行わない。

    ②密かに癒しを行われる。

2.23~26節

「イエスは盲人の手を取って村の外に連れて行かれた。そしてその両目につばきをつけ、

両手を彼に当てて『何か見えるか』と聞かれた。すると彼は、見えるようになって、『人

が見えます。木のようですが、歩いているのが見えます』と言った。それから、イエスは

もう一度彼の両目に両手を当てられた。そして、彼が見つめていると、すっかり直り、す

べてのものがはっきり見えるようになった。そこでイエスは、彼を家に帰し、『村に入っ

て行かないように』と言われた」

   (1)2段階の癒し(ここにだけ出てくる特殊な癒しである)

    ①盲人の信仰が弱いということではない。

    ②イエスの力が弱いということでもない。

  (2)第1段階

    ①両目につばきをつけ、両手を当てた。

    ②「何か見えるか」と聞いた。

    ③「人が見えます。木のようですが、歩いているのが見えます」

     ④見えたが、まだ不十分である。

  (3)第2段階

    ①もう一度両目に手を当てた。

    ②盲人が見つめていると、すっかり直り、すべてのものがはっきり見えるように

なった。

    (4)村に入らないで家に帰れという命令を与えた。

結論:

  1.弟子たちの霊の目

    (1)この段階では、イエスの教えを部分的に理解している。

    (2)彼らの霊の目は開いているが、まだ十分ではない。

    (3)教会時代になって完全に霊の目が開く。

    (4)内住の聖霊を体験して以降のことである。

  2.イスラエルの民の霊の目

    (1)イスラエルの民は、部分的に見えている。

      ①イエスをメシアと信じている個人がいる。

      ②彼らは、イスラエルの残れる者である。

    (2)今も、イエスをメシアと信じるユダヤ人はいる。

      ①ユダヤ人が民族的に目が開かれるのは、大患難時代の最後の時である。

  3.私たちの霊の目

    (1)今知るところは一部である。

    (2)日本の国に対する神の計画はどうなるのか。

    (3)神の自分に対する計画はどうなるのか。

    (4)3つの「まん」を避ける。

      ①マンネリ

      ②慢心

      ③満足

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