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メシアの生涯(87)—清めに関する論争—

  • 2013.11.25
  • マルコ7章:1〜23
  • スピーカー 中川健一
  • 東京定例会
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清めに関する論争を通して、真の信仰とは何かを確認する。

「清めに関する論争」

§077 マコ7:1~23、マタ15:1~20、ヨハ7:1

1.はじめに

  (1)文脈の確認

    ①イエスはガリラヤに留まっていた(ヨハ7:1)

    「その後、イエスはガリラヤを巡っておられた。それは、ユダヤ人たちがイエス

を殺そうとしていたので、ユダヤを巡りたいとは思われなかったからである」

②口伝律法を巡る論争

    ③すでにいくつかの口伝律法がイエスによって否定されていた。

      *安息日の癒し

      *度重なる断食

  (2)A.T.ロバートソンの調和表

    「エルサレムから下って来たパリサイ人たちがイエスを非難する」(§76)

マコ7:1~23、マタ15:1~20、ヨハ7:1

      *マタイはユダヤ人に向かって書いているので、簡潔である。

      *マルコはローマ人(異邦人)に向かって書いているので、詳細に解説している。

2.アウトライン

  (1)パリサイ人たちの質問(1~5節)

  (2)イエスの回答(6~15節)

  (3)弟子たちの質問(17節)

  (4)イエスの回答(18~23節)

  3.結論:

    (1)ペテロの体験

    (2)口伝律法が誕生する理由

清めに関する論争を通して、真の信仰とは何かを確認する。

Ⅰ.パリサイ人たちの質問(1~5節)

  1.1~2節

  「さて、パリサイ人たちと幾人かの律法学者がエルサレムから来ていて、イエスの回りに

集まった。イエスの弟子のうちに、汚れた手で、すなわち洗わない手でパンを食べている

者があるのを見て、」

  (1)パリサイ人たちと律法学者

    ①エルサレムから3日の旅をして、イエスのもとに来た。

    ②恐らくカペナウムであろう。

    ③目的は、イエスを問い詰め、罠にかけるため。

  (2)彼らが見たもの

    ①イエスの弟子のうちに、汚れた手でパンを食べている者がいた。

    ②これは、清めの儀式のことである。

    ③彼らの目は、批判的な目である。

    (例話)80点取った子に、20点足りないと言うか、80点も取ったというか。

2.3~4節

 「──パリサイ人をはじめユダヤ人はみな、昔の人たちの言い伝えを堅く守って、手をよ

く洗わないでは食事をせず、また、市場から帰ったときには、からだをきよめてからでな

いと食事をしない。まだこのほかにも、杯、水差し、銅器を洗うことなど、堅く守るよう

に伝えられた、しきたりがたくさんある──」

  
(1)「昔の人たちの言い伝え」とは、口伝律法のことである。

    ①彼らは、モーセの律法を破っているという理由でイエスを批判したことはない。

    ②論争のテーマは、常に口伝律法である。

    ③「昔の人たちの言い伝え」=口伝律法=ミシュナ

  (2)パリサイ人たちは、新しい規則を民に課すことに喜びを覚えていた。

    ①民は、それに従順に従っていた。

    ②紀元1世紀、口伝律法はモーセの律法以上のものと見なされるようになった。

    「わが子よ、モーセの律法よりも、ラビたちの言葉により注意を払いなさい」

    「聖書のことばを学ぶことは、よくも悪くもない。しかし、ミシュナを学ぶこと

はよい習慣であり、神からの報酬をもたらす」

③紀元3世紀、ミシュナは成文法となる。

④タルムード=ミシュナ+ゲマラ

    (3)マルコは、口伝律法の中にある清めの儀式に言及している。

      ①清めの儀式は、前1世紀に、シャマイ学派とヒレル学派によって体系化された。

②手を洗う場合は、指先から肘まで洗う。

      ③一粒の種を食べる場合でも、これを行う。

      ③そうでない場合は、汚れた食物を食べたのと同じことになる。

      ④また、殺人や遊女と交わったことと同じになる。

      ⑤もし近くに水がないなら、最大4マイルまで歩け。

  3.5節

  「パリサイ人と律法学者たちは、イエスに尋ねた。『なぜ、あなたの弟子たちは、昔の人

たちの言い伝えに従って歩まないで、汚れた手でパンを食べるのですか』」

  
(1)弟子たちの罪は、先生の罪である。

    ①口伝律法を破っているという理由で、イエスと弟子たちは非難されている。

    ②旧約聖書の中には、食前に手を洗えという律法はどれくらいの数あるか。

Ⅱ.イエスの回答(6~15節)

  
1.6~8節

「イエスは彼らに言われた。『イザヤはあなたがた偽善者について預言をして、こう書い

ているが、まさにそのとおりです。「この民は、口先ではわたしを敬うが、その心は、わ

たしから遠く離れている。彼らが、わたしを拝んでも、むだなことである。人間の教えを、

教えとして教えるだけだから。」あなたがたは、神の戒めを捨てて、人間の言い伝えを堅

く守っている』」

  
(1)イエスは、口伝律法は偽善の教えであるとした。

    ①イザ29:13の引用

②口先では神を敬う。

    ③心は、神から遠く離れている。

  (2)人間の言い伝えを、神の教えの上に置いている。

    ①神の戒めを捨てている。

    ②人間の教えを教えている。

2.9~13節

「また言われた。『あなたがたは、自分たちの言い伝えを守るために、よくも神の戒めを

ないがしろにしたものです。モーセは、「あなたの父と母を敬え」、また「父や母をののし

る者は死刑に処せられる」と言っています。それなのに、あなたがたは、もし人が父や母

に向かって、私からあなたのために上げられる物は、コルバン(すなわち、ささげ物)にな

りました、と言えば、その人には、父や母のために、もはや何もさせないようにしていま

す。こうしてあなたがたは、自分たちが受け継いだ言い伝えによって、神のことばを空文

にしています。そして、これと同じようなことを、たくさんしているのです』」

  
(1)偽善の例として、十戒の第5戒が破られていることを指摘する。

    ①両親を敬うこと

    ②「コルバン」とは、ヘブル語のラビ用語である。

    ③「コルバン」と言えば、神に捧げられたものとなる。

      *神殿に捧げる。

      *自分のために用いる。

      *しかし、他の人の私的必要のために用いてはならない(両親も含めて)。

  (2)これと同じようなことを、たくさんしている。

    ①安息日の規定に関して

    ②「安息日の道のりほどの距離」(使1:12)とは、約900メートル。

    ③僕を荷物と共に先に遣わし、いくつかの地点に配置しておく。

    ④この方法で、いくらでも移動できた。

  
(3)マタ15:13~14で、パリサイ主義の本質が語られている。

  「わたしの天の父がお植えにならなかった木は、みな根こそぎにされます。彼らのこ

とは放っておきなさい。彼らは盲人を手引きする盲人です。もし、盲人が盲人を手引

きするなら、ふたりとも穴に落ち込むのです」

  ①父が植えなかった木であるので、根こそぎにされる。

  ②盲人を手引きする盲人である。

  ③ふたりとも穴に落ち込む。

    *紀元70年のエルサレム崩壊

  3.14~15節

「イエスは再び群衆を呼び寄せて言われた。『みな、わたしの言うことを聞いて、悟るよ

うになりなさい。外側から人に入って、人を汚すことのできる物は何もありません。人か

ら出て来るものが、人を汚すものなのです』」

  
(1)汚れは、「アウトサイド・イン」ではなく、「インサイド・アウト」である。

      ①16節はない。写本の問題。

Ⅲ.弟子たちの質問(17節)

  
1.17節

「イエスが群衆を離れて、家に入られると、弟子たちは、このたとえについて尋ねた」

  
(1)弟子たちは、イエスの教えを理解しなかった。

  (2)マタ15:15

  「そこで、ペテロは、イエスに答えて言った。『私たちに、そのたとえを説明してくだ

さい』」

  ①ペテロも理解しなかった。

Ⅳ.イエスの回答(18~23節)

  
1.18~19節

「イエスは言われた。『あなたがたまで、そんなにわからないのですか。外側から人に入

って来る物は人を汚すことができない、ということがわからないのですか。そのような物

は、人の心には、入らないで、腹に入り、そして、かわやに出されてしまうのです。』イ

エスは、このように、すべての食物をきよいとされた」

  
(1)外から入った物は、腹に入り、外に出される。

    ①人の心には入らない。

    ②食事の前に手を清めることは、無意味な儀式である。

  (2)「イエスは、このように、すべての食物をきよいとされた」

    
①これは、将来すべての食物がコシェル(清浄食物)とされることの予告である。

    ②これは、最後の晩餐の席でイエスが紹介される新しい契約の予告である。

    ③イエスを信じた者は、旧約聖書の食物規定から自由にされている。

2.20~23節

「また言われた。『人から出るもの、これが、人を汚すのです。内側から、すなわち、人

の心から出て来るものは、悪い考え、不品行、盗み、殺人、姦淫、貪欲、よこしま、欺き、

好色、ねたみ、そしり、高ぶり、愚かさであり、これらの悪はみな、内側から出て、人を

汚すのです』」

  
(1)新共同訳

  「更に、次のように言われた。『人から出て来るものこそ、人を汚す。中から、つまり

人間の心から、悪い思いが出て来るからである。みだらな行い、盗み、殺意、姦淫、

貪欲、悪意、詐欺、好色、ねたみ、悪口、傲慢、無分別など、これらの悪はみな中か

ら出て来て、人を汚すのである』」

(2)内側にある「悪い思い」が、言葉や行為となって表れてくる。

    ①合計12のものがリストアップされている。旧約聖書の匂いがする。

    ②前半の6つは、複数形の名詞である。

      「みだらな行い、盗み、殺意、姦淫、貪欲、悪意」

      *具体的行為

    ③後半の6つは、単数形の名詞である。

      「詐欺、好色、ねたみ、悪口、傲慢、無分別」

      *心の在り方

  (3)人生のすべてに通じる真理である。

    (例話)DVの傾向のある人の矯正

結論:

  1.ペテロの体験

    (1)イエスの答えの意味がまだ分かっていなかったようである。

    (2)使10:10~16

    「すると彼は非常に空腹を覚え、食事をしたくなった。ところが、食事の用意がされ

ている間に、彼はうっとりと夢ごこちになった。見ると、天が開けており、大きな敷

布のような入れ物が、四隅をつるされて地上に降りて来た。その中には、地上のあら

ゆる種類の四つ足の動物や、はうもの、また、空の鳥などがいた。そして、彼に、『ペ

テロ。さあ、ほふって食べなさい』という声が聞こえた。しかしペテロは言った。『主

よ。それはできません。私はまだ一度も、きよくない物や汚れた物を食べたことがあ

りません。』すると、再び声があって、彼にこう言った。『神がきよめた物を、きよく

ないと言ってはならない。』こんなことが三回あって後、その入れ物はすぐ天に引き

上げられた」

(3)ペテロは、モーセの律法が生活の規範である時代は終わったことを知った。

(4)新約時代は、ユダヤ人も異邦人も信仰と恵みによって救われる時代である。

  2.口伝律法が誕生する理由

    (1)忠実に神のことばを教えるラビが登場する。

    (2)そのラビは、人々の信頼を得る。

    (3)そのラビは、次第に神のことばを薄めたり、混ぜ物をしたりする。

    (4)人々はなんでも言うことを聞くので、最後はやりたい放題になる。

    (5)指導者に従う人たちには、責任がある。

      ①新しい教えが出て来たときに、それをみことばに従って吟味する。

      ②指導者が神のみこころに沿って奉仕するように、祈り支える。

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