Q362 なぜ聖書には、さまざまな訳があるのですか。

  • 2023.09.28
  • スピーカー 中川健一
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362 なぜ聖書には、さまざまな訳があるのですか

Q :なぜ聖書には、さまざまな訳があるのですか。どの訳の聖書が一番いいですか。

A :はじめに

確かに、聖書にさまざまな訳があるのは、祝福であると同時に、問題でもありますね。複数の訳を比較できるのは、祝福です。訳の内容が異なる場合があるのは、問題です。さまざまな訳がある理由について、いつものように3つ申し上げます。どの聖書が一番いいかについては、次回回答します。

1 番目に、学問的な進歩があります。

(1)新しい写本の発見によって、難解な箇所に新たな光が当てられる場合があります。

(2)考古学上の発見によって、ヘブル語やギリシア語の単語を、より正確に理解できるようになる場合があります。

(3)学問的な進歩の結果、新しい訳文が必要になってきます。

2 番目に、日常語の変化があります。

(1)私たちが使用している日本語も、時代とともに変化しています。

(2)辞書の場合でも、ある年数が経てば、改訂版が出版されます。

(3)聖書も、今の時代の人が理解できるような表現に改訂する必要があります。

(4)文語訳聖書の日本語は、若い世代には難解です。

3 番目に、次世代に翻訳技術を継承する必要があります。

(1)聖書翻訳は、1度完成すればそれでよいというものではありません。

(2)20~30年ごとに、改訂作業に取り組む必要があります。

(3)もし翻訳に関わる研究をストップすれば、そこで終わってしまいます。

(4)正確な訳文の聖書を出版するためには、翻訳技術の継承がどうしても必要です。

聖書にさまざまな訳があるのは、祝福です。

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