私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
パートⅣ.新約時代23章 教会に対する迫害-抵抗する悪魔-
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教会に対する迫害について学ぶ。
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パートⅣ.新約時代
23 章 教会に対する迫害
-抵抗する悪魔-
イントロダクション
1.「神の国と悪魔の国の葛藤」というテーマに沿って聖書を読み解いている。
(1)この葛藤は、創世記3章以来続いているものである。
(2)この葛藤は、黙示録20~21章で終わる。
2.文脈の確認
(1)パートⅠ.葛藤の舞台設定(1~3章)
(2)パートⅡ.旧約時代(4~17章)
(3)パートⅢ.中間時代(18~19章)
(4)パートⅣ.新約時代(20~23章)
3.新約時代
(1)20章 メシアの到来-十字架への道を妨害する悪魔-
(2)21章 神の国の提示―神の国の成就は延期された―
(3)22章 教会の誕生―宣教の広がり―
(4)23章 教会に対する迫害―抵抗する悪魔―
4.これまでの内容の復習
(1)悪魔は、教会の成長を非常に恐れた。
①救われる人が増えれば、悪魔の国に属する人の数が減る。
②そこでサタンは、教会に対して激しい迫害を仕掛けてきた。
5.アウトライン
(1)ユダヤ人からの迫害
(2)迫害者サウロの登場
(3)内側からの攻撃
(4)エルサレム会議
教会に対する迫害について学ぶ。
Ⅰ. ユダヤ人からの迫害
1.初期の教会のメンバーは、ほぼ全員がユダヤ人信者であった。
(1)初期の迫害は、突発的に起こるローカルな出来事であった。
①首謀者は異邦人ではなく、「イエスは主なり」という信仰に反対するユダヤ
人たちであった。
2.使徒の働きの中に記録されている迫害を列挙してみよう。
(1)ペテロとヨハネが投獄された(使4章)。
①ペテロは、サンヘドリンの前でこう宣言した。
②使4:12
Act 4:12 この方以外には、だれによっても救いはありません。天の下でこの御名のほかに、私たちが救われるべき名は人間に与えられていないからです。」
③ユダヤ人たちは、2人を脅したうえで釈放した。
(2)使徒たち(恐らく12人全員)は、公の留置場に入れられた(使5章)。
①大祭司とサドカイ派の者たちが、ねたみに燃えてこれを行った。
②主の使いが夜中に牢の戸を開け、「行って宮の中に立ち、人々にこのいのち
のことばをすべて語りなさい」と励ました。
(3)ステパノは石打の刑で殉教の死を遂げた(使7章)。
①彼は、「主イエスよ、私の霊をお受けください。主よ、この罪を彼らに負わ
せないでください」と祈りながら眠りについた。
(4)ペテロが投獄された(使12章)。
①ヘロデ・アグリッパは、ユダヤ人の歓心を買うためにこれを行った。
*ヘロデは、すでにヨハネの兄弟ヤコブを殺していた。
②神は、夜中に主の使い(天使)を遣わし、ペテロを解放した。
③その後ヘロデは、神の裁きによってカイサリアで急死した。
(5)神の国と悪魔の国は、激しく激突した。
Ⅱ.迫害者サウロの登場
1.サウロが登場して以降、教会に対する迫害は組織的な様相を呈し始める。
(1)サウロは、教会を迫害することが神に仕える道だと深く確信し、精力的に動
き回った
①使8:1
Act 8:1
サウロは、ステパノを殺すことに賛成していた。/その日、エルサレムの教会に対する激しい迫害が起こり、使徒たち以外はみな、ユダヤとサマリアの諸地方に散らされた。
②サウロは、悪魔の手先として教会迫害に全身全霊を注ぎ込んだ。
③しかし神は、迫害者を忠実なキリストのしもべに作り替えてくださった。
(2)ダマスコに向かっていたサウロは、その途上で復活のキリストに出会った。
①その結果、彼は異邦人への使徒として奉仕するようになる。
②彼の名はサウロからパウロに変わるが、パウロというのはラテン名である。③悪魔の手先であった人物が、神の国ために用いられるようになった。
Ⅲ.内側からの攻撃
1.それは、教理的逸脱という形を取ってやってきた。
(1)偽教師と呼ばれる者たちが多く現れ、教会の中をかき乱した。
①2ペテ2:1
2Pe 2:1
しかし、御民の中には偽預言者も出ました。同じように、あなたがたの中にも偽教師が現れます。彼らは、滅びをもたらす異端をひそかに持ち込むようになります。自分たちを買い取ってくださった主さえも否定し、自分たちの身に速やかな滅びを招くのです。
③使20:29~30
Act 20:29 私は知っています。私が去った後、狂暴な狼があなたがたの中に入り込んで来て、容赦なく群れを荒らし回ります。
Act 20:30
また、あなたがた自身の中からも、いろいろと曲がったことを語って、弟子たちを自分のほうに引き込もうとする者たちが起こってくるでしょう。
2.初期の教会を襲った異端的教えとは、次のようなものである。
(1)律法主義
①ユダヤ主義者たちは、人は信仰と行いによって救われると主張した。
②特に問題なのは、異邦人は割礼を受けないと救われないという教えである。
(2)グノーシス主義
①これはギリシア哲学に立った霊肉二元論的教えである。
②霊は善で肉は悪であるが、肉が霊に影響を及ぼすことはない。
③救いは、「超自然的知識」を得ることによって与えられる。
(3)無律法主義
①これは、恵みによって救われた人は、何をしても構わないという教えである。
②ロマ6:15
Rom 6:15
では、どうなのでしょう。私たちは律法の下にではなく、恵みの下にあるのだから、罪を犯そう、となるのでしょうか。決してそんなことはありません。
3.神は、サタンが仕掛けた内側からの攻撃にも対処された。
(1)その方法は、使徒たちに真理を啓示し、それを書かせるということであった。
①その結果、新約聖書の書簡が完成した。
(2)今も教会に対する悪魔の攻撃は続いている。
①信者は、外側からも内側からもサタンの攻撃にさらされている。
②しかし私たちには、使徒たちが残してくれた神のことばがある。
③それが、私たちにとっての霊的戦いの武器である。
④異端的教えが主要テーマになっている書簡
*ガラテヤ人への手紙、コロサイ人への手紙、
*ヨハネの手紙第一と第二
*ユダの手紙
Ⅳ.エルサレム会議
1.内側からの攻撃の中では、エルサレム会議が特筆すべき出来事である。
(1)この会議の文脈
①第一次伝道旅行で多くの異邦人が救われた。
②その後、ユダヤ主義者がアンテオケに来て、異邦人は割礼を受けなければ救
われないと教えた。
③パウロとバルナバは、その教えに激しく反論した。
④最終的には、エルサレム教会で使徒たちを交えて議論することになった。
(2)エルサレム教会の監督であるヤコブの裁定
①ユダヤ人信者は異邦人信者に割礼を要求してはならない。
②異邦人も恵みと信仰によって救われる。
③諸教会への手紙には、「聖霊と私たちは、次のぜひ必要な事のほかは、あな
たがたにその上、どんな重荷も負わせないことを決めました」と記された。
(3)全会一致の決定へと信徒たちを導いたのは、聖霊であった。
①異邦人は救われるためにユダヤ教に改宗する必要はない。
②しかし、ユダヤ人信者への配慮として、4つのことを避けるよう。
*偶像に供えた物、血、絞め殺した物、不品行
③この決定により、異邦人伝道が飛躍的に前進する。
このシリーズは、ここで終わることにする。
「神の国と悪魔の国」の戦いが終わるのは、黙示録21、22章においてである。
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