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パートⅡ.旧約時代12章 ダビデ
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ダビデに対する悪魔の攻撃について学ぶ。
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パートⅡ.旧約時代
12
章 ダビデ
イントロダクション
1.「神の国と悪魔の国の葛藤」というテーマに沿って聖書を読み解いている。
(1)この葛藤は、創世記3章以来続いているものである。
(2)この葛藤は、黙示録20~21章で終わる。
2.パートⅠ.葛藤の舞台設定(1~3章)
3.パートⅡ.旧約時代(4~17章)
4章 カインとアベル
5章 大洪水
6章 バベルの塔
7章 アブラハム契約
8章 出エジプト
9章 律法と幕屋
10章 カナン定住と士師記の時代
11章 士師記の時代から王制へ
(1)サタンはなぜ王制を好んだのか。
①王の堕落が全イスラエルの堕落につながる。
(2)神はどのような対抗策を採られたのか。
①サウルと息子たちを戦死させた
12章 ダビデ
4.アウトライン
(1)王国の確立
(2)ダビデ契約
(3)悪魔の攻撃
(4)更なる悪魔の攻撃
ダビデに対する悪魔の攻撃について学ぶ。
Ⅰ.王国の確立
1.サウルに代わってダビデが王として立てられた。
(1)神の国と悪魔の国の葛藤において、ダビデは重要な役割を果たすことになる。
①悪魔は、ダビデを標的に激しい攻撃を仕掛けてくる。
(2)ダビデは、短時間の内に統一王国を確立した。
①サウルが戦死した後、12部族を統合した統一王国の王となった。
②エブス人の町であったエルサレムを征服し、そこを統一王国の首都とした。
③エルサレムは、政治的にも宗教的にも、イスラエルの中心地となった。
④仇敵ペリシテ人の脅威を完全に取り去った。
2.ダビデは、エルサレムで「神の家」を建設することを志した。
(1)しかし神は、ダビデが神殿を建設することをお許しにならなかった。
①ダビデが多くの人の血を流した戦士だったからである。
②神殿建設は、息子ソロモンに委ねられることになる。
3.この時点で神は、預言者ナタンを通して、ダビデと契約を結ぶと宣言された。
(1)その契約が、「ダビデ契約」と呼ばれるものである。
Ⅱ.ダビデ契約
1.ダビデ契約の内容(2サム7:4~17)
(1)2サム7:12~16
2Sa 7:12
あなたの日数が満ち、あなたが先祖とともに眠りにつくとき、わたしは、あなたの身から出る世継ぎの子をあなたの後に起こし、彼の王国を確立させる。
2Sa 7:13 彼はわたしの名のために一つの家を建て、わたしは彼の王国の王座をとこしえまでも堅く立てる。
2Sa 7:14 わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。彼が不義を行ったときは、わたしは人の杖、人の子のむちをもって彼を懲らしめる。
2Sa 7:15 しかしわたしの恵みは、わたしが、あなたの前から取り除いたサウルからそれを取り去ったように、彼から取り去られることはない。
2Sa 7:16 あなたの家とあなたの王国は、あなたの前にとこしえまでも確かなものとなり、あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ。』」
(2)契約条項
①ダビデは、【主】のために家(神殿)を建てようと企てたが、逆に【主】が、
ダビデのために一つの家(王朝)を造られる。
*つまり、ダビデ王朝が誕生し、いつまでも継続するということである。
②ダビデの身から出る世継ぎの子が、ダビデの死後、王国を確立する。
*世継ぎの子とは、ソロモンのことである。
③そのソロモンが、【主】のために神殿を建てるようになる。
④その王国の王座は、永遠に続く。
⑤しかし、もしソロモンが罪を犯すなら、【主】は彼を懲らしめる。
⑥サウルのときのようにソロモンから恵みが取り去られることはない。
*これは、契約に基づく神の愛、無条件の愛である。
(3)永遠に続く3つのことがらが約束された。
①ダビデの家(王朝)
②ダビデの王国
③ダビデの王座
2.ダビデ契約は、悪魔に向けられた神の宣言である。
(1)「イスラエルは永遠に滅びることはない」という神の宣言である。
①ダビデの子孫は、歴史の終わりまで途絶えることなく続く。
②終わりの時代に御国(千年王国)が確立される時、ダビデの子孫である人物
がダビデの王座に着いて統治するようになる。
(2)後の時代に登場する預言者たちは、救い主はダビデの家系から誕生し、ダビ
デ契約の内容は「ダビデの子」において成就すると預言するようになる。
①ダビデ契約は、神の国と悪魔の国の葛藤において、決定的な意味を持つ。
3.神の宣言を聞いた悪魔は、当然次の手を考えた。
(1)神の計画を阻止する方法は、ダビデの家系を破壊することである。
①これ以降、悪魔の計画はそのことを軸に進んで行く。
Ⅲ.悪魔の攻撃
1.神はダビデを大いに祝福された。
(1)ダビデは、イスラエルの黄金時代を築くことができた。
①ダビデの指揮下にあって、イスラエルは勝利に次ぐ勝利を経験した。
2.すべてが順調に進んでいると思われた時に、悪魔が攻撃を仕掛けて来た。
(1)ダビデの家系を破壊することが、悪魔の最終ゴールである。
①そのためには、ダビデを攻撃するところから始めるのが一番である。
②悪魔はダビデの弱点を突いた。
③悪魔の誘惑に乗ったダビデは、姦淫と殺人の罪を犯した。
*2サム11章に出て来るバテ・シェバ事件
④その結果、ダビデの霊的、肉体的状態は、破滅寸前まで追い込まれた。
3.彼は、【主】の前で心を注ぎ出して悔い改めの祈りを捧げ、赦しを乞うた。
(1)詩篇51篇は、後世に残る悔い改めの詩である。
①神は、ダビデの罪を赦された。
(2)罪は赦されても、罪の結果は残る。
①神は、ダビデと民に教訓を学ばせるために、多くの苦難をもたらされた。
②姦淫の結果誕生した子は、【主】に打たれて病気になり、死んだ。
(3)ダビデの絶頂期は、2サム12章をもって終わる。
①13章以降、ダビデの生涯は、坂道を転がり落ちるように下降して行く。
②次にダビデを襲うのが、家庭内での近親相姦と兄弟殺しの悲劇である。
③息子のアブシャロムが、長子アムノンを殺害する。
④アブシャロムは、父ダビデに対して謀反を起こし、王位を奪おうとする。
⑤その結果、ダビデは都落ちに追い込まれる。
*敵は、「彼に神の救いはない」と罵倒する。
⑥これらいっさいが、罪を矯正するための神からの訓練であった。
Ⅳ.更なる悪魔の攻撃
1.悪魔の攻撃は、今度は人口調査という形を取ってやってきた。
(1)ダビデが人口調査(兵力の調査)を行った動機は、力を誇るためであった。
①彼は、神よりも自らの力に頼ろうとしたのである。
(2)人口調査をする場合は、贖い金を納める必要があった(出30:12)。
①ダビデは、その律法に不従順であった。
②神は、傲慢の罪のゆえに、ダビデとイスラエルの民を裁かれた。
③これもまた、彼らの過ちを矯正するための裁きである。
(3)ダビデは、ただちに悔い改めの祈りを神に献げた。
①神は、先見者ガドを通して3つの罰を示し、その中からひとつを選択するよ
うにダビデに伝えた。
②1歴21:12
1Ch 21:12
三年間の飢饉か。三か月間、あなたが敵の前で攻めたてられ、敵の剣があなたに追い迫ることか。三日間、【主】の剣、疫病がこの地に及び、【主】の使いがイスラエルの国中を荒らすことか。』今、私を遣わされた方に何と答えたらよいかを決めなさい。」
③ダビデは、3番目の罰を選んだ。
*人の手に陥るよりは、【主】の御手に陥る方がよいと判断した。
2.神は、悪魔の策略を粉砕された。
(1)【主】は疫病を下されたので、7万人が倒れた(1歴21:14)。
①ここでの神の裁きは厳しすぎると感じる方がいるに違いない。
(2)人口調査を行った罪は、「高慢(プライド)の罪」である。
①それは、サタンの堕落の原因となった罪である。
②ダビデは、自分が所有する兵力を誇ったのである。
③神は、彼の高慢を砕くために、原因となっているものを取り去られた。
(3)【主】は、力の源はご自身であることを、ダビデとイスラエルの民に教えた。
①またしても、悪魔の策略は失敗に終わった。
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