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パートⅡ.旧約時代9章 律法と幕屋
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律法と幕屋をめぐる神の国と悪魔の国の葛藤について学ぶ。
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パートⅡ.旧約時代
9
章 律法と幕屋
イントロダクション
1.「神の国と悪魔の国の葛藤」というテーマに沿って聖書を読み解いている。
(1)この葛藤は、創世記3章以来続いているものである。
(2)この葛藤は、黙示録20~21章で終わる。
2.パートⅠ.葛藤の舞台設定(1~3章)
(1)神は、人類を臣民とする神の国を造ろうとされた。
(2)サタンは、悪魔の国を作り、自らが王になろうとした。
(3)神は、創世記3章15節で対抗策を啓示された(原福音)。
3.パートⅡ.旧約時代(4~17章)
4章 カインとアベル
5章 大洪水
6章 バベルの塔
7章 アブラハム契約
①神は、アブラハムとその子孫を用いて、全人類を救おうとされた。
②契約の民は、カナン人との同化を避けるために、エジプトに下った。
③契約の民は、ゴシェンでエジプト人から分離して一大民族として育った。
④彼らの使命は、カナンの地で神の栄光を表わすことである。
8章 出エジプト
9章 律法と幕屋
①これからどのように生きれば良いのか。
*この質問に対する回答は、モーセの律法の中にある。
*モーセの律法は、シナイ契約の条項である。
②これからどのように神を礼拝すればよいのか。
*この質問に対する回答は、幕屋の中にある。
*幕屋は、神に近づくための仕掛けである。
③悪魔の策略
*イスラエルの民を誘惑し、律法に違反するように仕向ける。
*神の忍耐を試す。
4.アウトライン
(1)律法の役割
(2)幕屋の役割
(3)神の忍耐
律法と幕屋をめぐる神の国と悪魔の国の葛藤について学ぶ。
Ⅰ.律法の役割
1.神は、イスラエルの民とシナイ契約を結ばれた。
(1)モーセの律法は、シナイ契約の条項である。
①モーセの律法には、613の命令がある。
②律法が与えられた目的は、民の生活を正しい方向に導くためである。
③律法には、民の弱点(背教)にブレーキを掛けるという目的がある。
④メシアが誕生する家系を清く保つことが、最優先課題である。
(2)律法の時代は、出エジプト19:1から使徒1章の終わりまで続く。
①この時代、イスラエルの民は、律法に従うように命じられていた。
②1つでも破ったなら、律法全体を破ったことになる(ヤコ2:10)。
③モーセのような預言者が登場したなら、その方を信じることも期待された。
*申18:15~19
2.結果的には、民は律法を守ることに失敗した(ロマ10:1~3)。
(1)彼らは、自らの義を立てようとして、抜け道を作った。
①ラビたちが作り出した口伝律法がそれである。
②また彼らは、旧約時代の預言者たちに従わなかった。
③さらに、イエスをメシアとして受け入れることもしなかった。
(2)イスラエルの民の不信仰に対する裁きは、複数ある。
①アッシリア捕囚
②バビロン捕囚
③エルサレム陥落と世界への離散(紀元70年)
④患難期(ヤコブの苦しみの日)
3.神の裁きは、イスラエルの民を悔い改めに導くためのものである。
(1)患難期の最後に、イスラエルの民族的救いが成就する。
Ⅱ.幕屋の役割
1.モーセが山頂で神のことばを受けている間に、麓では異変が起きていた。
(1)金の子牛事件
①民は、モーセが手間取っていると感じた。
②神が民に必要なものを与えておられる間に、民の心は神から離れて行った。
③神の時を待つことができず、自分の計画に走った。
(2)民は、自らの手で、自分たちを守り導いてくれる神を造り出そうとした。
①アロンは、金の耳輪(エジプトから受け取った品)を集めさせた。
②それを用いて金の子牛を作った。明らかな律法違反である。
③民は、偶像礼拝のためには犠牲をいとわなかった。
④彼らは、出来上がった金の子牛の周りで歌い踊った。
(3)神は激怒し、イスラエルの民を滅ぼそうとされた。
①モーセの執りなしの祈りがなかったなら、民は抹殺されていた。
②神は、モーセの祈りに答えて怒りを静められた。
2.金の子牛事件の後、幕屋を制作するようにという命令が与えられた。
(1)幕屋は、神が聖であることを教えるための視聴覚教材である。
①民は、いけにえの動物や祭司たちを通して、神が聖であることを学んだ。
②また、聖と俗とを混同することは許されないということも学んだ。
(2)罪人は、そのままの姿では神のもとに出ることができない。
①神に近づくためには、神が用意された方法によらなければならない。
②罪の赦しのためには、血の犠牲が必要である。
③幕屋は、そのことをイスラエルの民に教えた。
3.幕屋が完成したとき、神はそれを認定し、そこをご自身の宿りの場とされた。
(1)シナイ山を覆っていた雲が地上に下り、幕屋を覆った。
①【主】の栄光が幕屋に満ちた。
②これは、幕屋の中(聖所と至聖所)に満ちた超自然の輝きである。
③これは、人間が直視することのできない光である。
(2)シャカイナグローリーが宿らないなら、幕屋は、ただの天幕に過ぎない。
①それと同じように、もし神と出会わないなら、聖書は単なる本である。
②信仰をもって読み始めると、神のことばであることが分かるようになる。
③出エジプトの出来事の目的は、イスラエルの民が神を知ることにあった。
④神を体験的に知らなければ、約束の地は祝福の地とはならない。
(3)旧約時代においては、幕屋は罪人が神に近づくための唯一の方法であった。
4.新約時代になると、別の方法が啓示された。
(1)その方法は、幕屋が予表していたものである。
①幕屋全体が、メシアの型になっている。
(2)神の子は、人間の間に幕屋を張られた。
①これを受肉という。
②このお方の内に、シャカイナグローリーが宿った。
③このお方は、罪人のいる所まで下り、和解の道を開いてくださった。
④このお方は、すべての人が神に近づくことのできる道を開いてくださった。
⑤私たちは、このお方を通して父なる神に近づくことができる。
Ⅲ.神の忍耐
1.カデシュ・バルネア事件は、神の忍耐が試された事件である。
(1)約束の地との国境に来た時、モーセは12人の斥候を派遣した。
①彼らは、40日間その地を行き巡り、パランの荒野のカデシュに帰還した。
2.相反する報告
(1)10人の報告は、自らの主観を交えた悲観的なものであった。
①そこは良い地であることは認めた。
②しかし、その地の住民は強力であると報告し、民の心をくじいた。
③彼らの報告は、不信仰と敗北主義に満ちたものであった。
④否定的なことばは、容易に集団全体に悪影響を及ぼす。
⑤不信仰の背後に、サタンがいることは言うまでもない。
(2)2人の報告は、積極的なものであった。
①エフンネの子カレブとヌンの子ヨシュア
②この2人は、民を鼓舞し、約束の地に入ることができると主張した。
3.民の反応
(1)約束の地で殺されるより、荒野で自然死を迎えたほうが良いとつぶやいた。
①ここで、神の忍耐が切れた。
(2)神は、その通りにしようと宣言された。
①エジプトを出た世代の者は全員、荒野で死ぬようになる。
②しかし、カレブとヨシュアは、約束の地に入るようになる。
③さらに、20歳以下の子どもたちも、そこに入るようになる。
(3)イスラエルの民は、荒野で40年間放浪することになった。
①40年という期間は、斥候が行き巡った40日を基に決められた。
(4)これ以降、カデシュ・バルネアの出来事が繰り返し語られるようになる。
①この出来事は、回帰不能点を超えた典型的な例となった。
*申1:19〜46、詩95:10〜11、106:24〜27、アモ2:10、5:25
*1コリ10:5、ヘブ3:7〜4:13
②回帰不能点を越えたなら、いかに悔い改めても状況は変化しない。
(5)ヘブル3:7〜11
Heb 3:7 ですから、聖霊が言われるとおりです。/「今日、もし御声を聞くなら、
Heb 3:8 あなたがたの心を頑なにしてはならない。/荒野での試みの日に/神に逆らったときのように。
Heb 3:9 あなたがたの先祖はそこでわたしを試み、/わたしを試し、/四十年の間、わたしのわざを見た。
Heb 3:10 だから、わたしはその世代に憤って言った。/『彼らは常に心が迷っている。/彼らはわたしの道を知らない。』
Heb 3:11 わたしは怒りをもって誓った。/『彼らは決して、わたしの安息に入れない。』」
①イスラエルの民は、イエスがメシアであることを否定した。
②その時点で、彼らは再び回帰不能点を越えた。
③その結果、紀元70年のローマ軍によるエルサレムと神殿の崩壊が訪れる。
④それ以降、イスラエルの民は世界に離散した民となる。
まとめ
1.神の国と悪魔の国の戦いは、メシアを輩出するイスラエルの民を巡る戦いである。
2.神はイスラエルの民の罪をその都度裁かれた。
3.しかし、悪魔が彼らを滅ぼすことはお許しにならなかった。
4.この戦いは、まだまだ続く。
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