私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
ソドムとゴモラの滅び
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私たちを執りなしの祈りへと駆り立てるメッセージ
「ソドムとゴモラの滅び」
創18:1~19:38
イントロ:
1.前回までの復習
(1)神はアブラムを選び、彼とその子孫を通して全人類を救おうとされた。
(2)アブラハムは、アブラハム契約の「しるし」として割礼を実行した。
2.きょうの箇所
(1)3人の客が遣って来る。
(2)ソドムとゴモラに下る裁きがアブラハムに伝えられる。
(3)アブラハムは、執りなしの祈りを捧げる。
(4)ロトとその家族が救出される。
(5)ロトから2つの民族が出る。
3.メッセージのアウトライン
(1)前半:アブラハムの執りなしの祈り
①マムレの樫の木のそばで
②訪問客を見送る途上で
③ヘブロン高原で
(2)後半:ロトとその家族の救出
①客の訪問
②町からの避難
③2つの民族の誕生
4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)執りなしの祈りの本質
(2)神が最も憎まれる罪
(3)絶望の中に見える希望の光
このメッセージは、私たちを執りなしの祈りへと駆り立てるものである。
Ⅰ.アブラハムの執りなしの祈り
1.マムレの樫の木のそばで
(1)アブラハムは、天幕の入口に座っていた。
①ユダヤ教の伝承では、割礼を受けて3日目、座って傷が癒えるのを待っていた。
②日の暑い頃:正午過ぎ。中東では主たる食事の時間。
(2)3人の人が彼に向かって立っていた。
①アブラハムは、即座に行動した。
②「ご主人」(アドナイ)。この3人は、神が2人の天使を伴って現れたもの。
(3)アブラハムのもてなし
①実際は、必要以上のもてなしをしている。
②これらのもてなしは、ソドムの人々(19章)のそれとは対照的である。
(4)この食事の本質
①ヘブル的概念で言うと、「契約の食事」、「親しい交わりの食事」である。
②契約の食事という概念は、主イエスの最後の晩餐につながる。
③黙示録3章20節もその延長線上にある。
(5)サラへの約束
「わたしは来年の今ごろ、必ずあなたのところに戻って来ます。そのとき、あなたの妻サラには、男の子ができている」(10節)
① アブラハムとサラに語りかけていたのは、神ご自身である。
②約束のことばを聞いた時のサラの反応は、「不信仰の苦笑」。
(6)神に不可能はない
①サラの心を見抜く神。神が全知全能であることを示している。
②サラは、恐ろしくなり、「私は笑いませんでした」と言って打ち消した。
2.訪問客を見送る途上で
(1)アブラハムは、当時の習慣に従って途中まで客人たちを見送った。
(2)神は、ソドムとゴモラの裁きを、アブラハムに対して啓示された。
①アブラハムから出る国は強くなり、地上の諸国民は彼によって祝福される。
②しかし今、その諸国民の中から、ひとつの国が除外されようとしている。
*4つの町々(ソドム、ゴモラ、アデマ、ツェボイム)。ツォアルは裁きを免れた。
③神はアブラハムの霊的状態を、経験的に知っておられた。
④それゆえ彼は、「神の友」と呼ばれた(イザ41:8、ヨハ15:15、ヤコ2:23)。
(3)啓示の内容
①ソドムとゴモラの罪を糾弾する声が大きい。
②神は細部まで観察し、罪の内容を十分知った上で、裁きを下される。
3.ヘブロン高原で
(1)アブラハムは、ソドムに住んでいるロトのことを心配し、執りなしの祈りを始める。
(2)執りなしの祈りの5つの特徴
①主に近づいている。礼拝の姿勢。
②彼は、大胆に神に願っている。
③彼は、謙遜に願っている。
④彼は、執拗に願っている。
⑤彼は、具体的に願っている。
(3)なぜ彼は、10人で止めたのか。
①それで十分だと判断した。
②ロトの家族は10人になっていた。
(4)語り終えると、主とアブラハムは、別々の道に行った。
Ⅱ.ロトとその家族の救出
1. 客の訪問
(1)ふたりの御使いが夕暮れにソドムに着く。
①時は「夕暮れ」。
②それゆえ、ロトは彼らを家に招く。
(2)ロトはソドムの門のところに座っていた。
①彼は町の長老のひとりになった。社会的地位と権威を持つようになった。
②恐らく、アブラハムのお陰でロトはこうなったのであろう。
(3)ロトは、ふたりの客を家に招いた。
①彼らが天使であることを知らない。
②天使たちは、最初はその誘いを断っている。ロトを試すため。
③ロトがしきりに勧めたので、天使たちはロトの家に入った。
(4)ソドムの罪が明らかになる。
①人々はロトの家を取り囲み、「彼らをよく知りたいのだ」と叫んだ。
②「知る」とは親密な関係のこと。ホモセクシャルの関係。
(5)ロトは、ふたりの未婚の娘たちを代わりに提供しようとした。
①客の安全を守るために、これほどの犠牲を払う覚悟をした。
②彼は、レイプ(強姦)の罪よりも同性愛の罪の方が重いと考えた。
③聖書は、同性愛の罪を厳しく糾弾している(レビ18:22、ロマ1:26~27)。
④ロトの妥協は、アブラハムの神が許容する範囲をはるかに超えていた。
(6)人々は、説得されなかった。
①彼らは、ロトをも辱めようとした。
②ロトとふたりの人を捕まえようとした。
2. 町からの避難
(1)ロトは家の中に連れ戻された。
①戸口にいた者たちは、目つぶしをくらった。
②ダマスコ途上のパウロと同じ体験。
(2)ふたりの天使の命令
(3)ロトは家を出て、婿たちの家に向かう。
①彼は婿たちを説得したが、婿たちには「それは冗談のように」思われた。
②ロトの姿から、現代の父親像の喪失に似たものを感じる。
(4)夜が明けるころ
①御使いたちはロトを促し、家にいる者だけでも集めて逃れよと語る。
②ここで、アブラハムの祈り(18:23)が叶えられている。
③ロトはためらった。まだ家族全員が集まっていないから。
④天使たちは、彼とその妻、ふたりの娘たちの手をつかんで、町の外に連れ出した。
(5)天使たちの命令
①急いで逃げよ。できるだけ早く、町から遠ざかれ。
②うしろを振り返らず、前だけを見て進め。
③ヨルダンの低地から逃げよ。低地全体が滅ぼされるから。
④山に逃げよ。「山」には定冠詞が付いているので、これはヨルダンの山のこと。
(6)ロトの願い
①近くにある小さな町に逃げさせてくださいと懇願する。
②ロトのこの願いは、聞き届けられた。
③祈りの答えは、すべて神の権威による。
(7)ソドムとゴモラの滅び
(8)ロトの妻は、ソドムの生活を懐かしがり、うしろを振り返り、塩の柱になった。
3. 2つの民族の誕生
(1)ロトはツォアルに住むことを恐れ、ほら穴の中に住むようになる。
(2)ふたりの娘たちは、子孫を残すためにある策略を練った。
①父によって子孫を残すという方法。
②父の子孫を残すという崇高な目的のために、罪を犯した。
③娘たちの内側にソドムの影響が残っていた。
(3)ロトとその娘たちによって、ソドムがモアブ人とアモン人という形で再生した。
①姉が産んだ子。モアブ(父から)。モアブ人の先祖
②妹が産んだ子。ベン・アミ(私の民の息子、私の親族の息子)。アモン人の先祖。
(4)この個所を最後に、ロトの名前は聖書から消える。
①人類救済の歴史から見ると、彼の存在が何の意味も持たなくなった。
②これ以降は、モアブとアモンがロトに代わって聖書の舞台に登場する。
*イスラエルの民に対して、歴史上最悪の姦淫と偶像礼拝の罪を犯させる。
*民25章のバアル・ペオルの事件
*レビ18:21のモレク礼拝の禁止
結論
1.執りなしの祈りの本質
(1)5つのキーワードを意識して祈る。
①礼拝の姿勢
②大胆
③謙遜
④執拗
⑤具体的
(2)祈りに対する神からの答え
①アブラハムの願い通りにはならなかった。
②しかし、アブラハムの祈りの精神は聞き届けられた(創19:29)。
(3)メシアの祈り
①「地上のすべての民族を祝福する役割」(創12:3)を与えられたアブラハム。
②私たちは、ルカ23:34の祈りによって救われた。
③クリスチャンの執りなしの祈りは、祭司的使命の実践である。
2.神が最も憎まれる罪
(1)罪には、深刻さの段階がある。
(2)同性愛の罪は、弁護の余地のないものである。
(3)マタ11:23~24 メシアを拒否する罪は、さらに重い。
3.絶望の中に見える希望の光とは何か(恵みの要素)。
(1)ロトの評価
①Ⅱペテ2:6~9 ロトは義人
②ソドムに住むこと自体は、罪ではない。
(2)ソドムの回復
①千年王国において
②エゼ16:44~57
(3)モアブ人の子孫
①ルツの誕生
②彼女は、ボアズと結婚し、オベデ、エッサイ、ダビデとつながる。
③彼女は、メシアの家系にその名を留めることになる。
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